

チュニジア、エジプトで長期政権が倒れた。FacebookやTwitterというSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が大規模な反政府デモを誘発したことから、ネット革命といわれる。その後反政府運動が周辺イスラム諸国に波及、中国でも民主化要求運動再発につながりそうだ。ネットの威力を世界に見せつけたわけだが、逆に政権側がネットへのアクセスを容易に制限できたとも報道された。中国政府はネット規制でこうした運動を押さえ込もうとしているが、規制が勝つかネットの自由が勝つか、世界が注目している。
かつては新聞やテレビのニュースが反体制運動や抗議デモを誘発するのが普通だった。いまは新聞やテレビがネットを追いかける時代になった。ベルリンの壁が崩壊した時、国境を越えたテレビ電波がきっかけを作ったといわれている。あれから20年以上たったが、メディアは変わっても自由な情報の流れが時に既存体制の危機を招くことに変わりはない。市民の権利が制限されている諸国においてはなおさらである。
TwitterとかFacebookなど簡単に発信できる新しいSNSが反体制運動に火をつけたとされるが、同じようにTwitterが火をつけた2年前のイランの反政府運動、中国新疆ウイグル自治区の反政府運動などは当局に押さえ込まれた。ネットの反政府運動は容易に弾圧できるのではないのか。当時そんなあきらめムードさえあった。
デモが激化した時、エジプトのムバラク政権は国民のインターネットアクセスを遮断した。4つの通信会社がアクセス管理をしていたから、容易に遮断できたと米国のテレビ局は報じていた。その一方で、遮断されると電話回線経由で音声をテキストデータに変換してSNSに投稿できるサービスが登場、デモ参加者に使われるようになったともいわれた。ネット上では規制と抜け駆けの戦いでもあった。
中国政府のインターネット管理は巧妙で、海外へ出るインターネットアクセスは政府の管理下に置かれ、好ましからざる情報発信をした個人が特定できるといわれる。ネットの自由が体制を崩壊させる力を持つ一方、政府が容易に国民の情報を管理できる危うさもある。ネットの威力と弱さの両面を見せつけた事件でもあった。
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