

クラウドコンピューティングが流行だ。大手のコンピューター会社や通信会社が相次いで参入を表明、日本の中央官庁も「霞が関クラウド」と称する情報システムを新たに構築するらしい。クラウドコンピューティングは直訳すれば雲の計算である。まさか雲が計算してくれるわけではない。ネットワーク上にあるさまざまな資源、計算処理能力を利用し、自分のパソコンはデータも蓄積せず、処理能力も持たず、情報処理コストを削減する狙いを持った新たな情報サービスである。インターネットを図で表す場合、どこを通ってどのように通信が確保されているのかを表示しようがないため、雲のような存在として描かれる。クラウドはインターネット上のどこかで処理され、答えが返ってくるサービスだと思えばいい。
去年ごろから急に騒がれだしたが、その誕生は10年ほど前である。初めはSaaS(software as a service)とかASP(Application Service Provider)などと呼ばれていた。それがクラウドと名を変えて注目されるようになった。クラウドとSaaS、ASPとは違うという人もいるが、ソフトを蓄積して多くの顧客にインターネットを通じて情報サービスを提供するという基本形は何も変わらない。
個人でも使えるサービスがある。PCに高価な応用ソフトを入れなくてもクラウド業者が同じソフトを提供してくれているから、ネット経由で必要な時だけ使える。自分のファイルもそこに預けておけるから、インターネットさえあればどこでも引き出して使える。自分のPCにはインターネット接続機能だけあればいい。クラウドで文書もプレゼン資料も表計算も作成できる。通常の仕事に使うソフトは何でもそろっているから、高機能のPCを買う必要がない。低価格PCが売れているひとつの要因でもある。
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