通信用電池基盤技術

技術領域
先端技術

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概要

ライフラインである通信網を構成する通信機器は、災害など停電時でも動作できるよう、バックアップ用電池を備えています。これらの電池は、通信の信頼性を高めるため、定期的な交換やメンテナンスを行っています。しかし通信機器の高度化・高速化によって、消費電力も増大しつつあり、所定時間や、より長時間のバックアップを実現するためには、より高性能なバックアップ電池の開発が必要です。NTT研究所では、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン電池など、高エネルギー密度電池を通信用電池に適用するための基盤研究を行っています。

現状、バックアップに広く用いられている鉛蓄電池は、エネルギー密度が高いとは言い難く、通信ビルや通信設備の搭載時にも、場所を取り、積載に当たってはその重さから床加重に配慮が必要であったり、災害・非常時の可搬などには適していませんでした。NTT研究所では、既に小型携帯機器や携帯電話など利用されている高エネルギー密度電池である、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン電池などを通信用途に適応するための研究開発を進めています。例えば、ニッケル水素蓄電池では、屋外通信装置での利用を考慮し、電池内部材料の改善を実施し、−10℃から55℃という幅広い使用温度条件や、バックアップ用途として自己放電の低減などを実現し、無線基地局などへの展開を行いました。また、電池の交換時期を自動的に推定する寿命予測アルゴリズムも開発し、交換サイクルは、空調設備のあるところで15年以上が期待でき、通信ネットワークの高い信頼性、交換時のコスト低減にもつながることを明らかにしています。

さらにNTT研究所では、通信機器のみならず、一般機器用電源として、軽量小型で可搬性が優れる電源から、サーバ用などの大出力電源まで、カスタマに応じたさまざまな用途の高性能電源システムや地球環境にやさしい発電技術である太陽電池と高エネルギー密度電池を組み合わせた屋外用の電源システムの開発も実施しています。これらの電源は、小型軽量な高エネルギー密度電池の特徴から、特に非常時・災害対策用の電源として能力を発揮でき、小型でパワフルな電源としての活躍が期待できます。


図版