概要
近年の情報通信量の爆発的増加に伴う消費エネルギーの増大を抑制する有望なアプローチの一つに、既存の電子・光デバイスの性能をはるかに上回る革新的デバイスの開発が挙げられます。NTTでは、独自に蓄積した高度な材料作製技術を駆使し、このようなデバイスレベルでの変革へとつながる新規薄膜材料の開発・探索研究を行っています。
窒化物半導体は、無線通信やパワーエレクトロニクスで使用される高出力電子デバイス、信号機・照明・発光ダイオード(LED*)などに使用される可視光デバイスなどの半導体材料として広く使われています。また、窒化物半導体を用いて実現する紫外発光デバイスは、有害物質の分解(環境)、殺菌・浄水(医療・衛生)、リソグラフィ・微細加工(ナノテク)など幅広い分野で利用されている大型のガス光源をコンパクト、有害物質フリー、高発光効率、長寿命、低電圧動作といった多くの利点を持つ半導体光源で置き換えるものと期待されています。
NTTでは、広範な窒化物半導体材料に対する高い薄膜作製技術を活用して、薄膜素子を土台である成膜用基板からきれいに剥がして任意の基板に転写する技術や、半導体の中で最も短い波長で光る発光ダイオードを作製する技術などを、世界に先駆けて開発してきました。これらの技術は、可視光は透過し紫外線のみを効率良く吸収する太陽電池、シリコン系半導体と組み合わせた多機能低消費電力デバイス、厚み0.2mm以下の超薄・超軽量LED、また、超高密度記録装置などの実現へとつながる、基本技術となるものです。
- *注 LED: Light-Emitting Diode

