概要
インターネットにおける高精細な動画配信などコンテンツの大容量化に伴い、近年通信トラヒックは年率約40%増の飛躍的な増大を続けています。NTT研究所では、その増大する通信トラヒックに対応するフォトニックネットワーク実現に必要な研究開発に取り組んでいます。
ポイントとなる技術は以下の3つです。
- (1)送信信号には、QAM*1などの多値変調方式を採用し、偏波多重方式と組み合わせて、1波長当たりのシンボルレートを低減しました。電気信号速度の負荷が軽減すると同時に、光スペクトル帯域が狭くなり、高い周波数利用効率を達成することができます。
- (2)受信部では、コヒーレント受信とデジタル信号処理技術を用いています。コヒーレント受信は、従来のNRZ*2信号の直接受信に比べて受信感度が3dB以上向上します。高速な光信号は、光ファイバを伝播する過程で波長分散および偏波モード分散による波形歪みを受け、伝送距離が制限される要因となりますが、デジタル信号処理技術による歪補償を行い、性能を大幅に向上させることができます。
- (3)中継部では、超広帯域光増幅技術を用いることで、波長多重数を増加させることができます。光増幅中継においては、分布ラマン増幅を用いることで、低雑音化を図ると同時に、光強度が高まるために発生する非線形光学効果を抑圧することができます。
本技術は、高速大容量なフォトニックネットワークを構築するための有望な技術として期待されています。
- *注1 QAM: Quadrature Amplitude Modulation
- *注2 NRZ: Non Return to Zero

