超伝導量子ビットの重ね合わせ状態を保持可能な量子メモリ

技術領域
先端技術
キーワード
  • 量子コンピュータ
  • 量子メモリ
  • ダイヤモンドNV中心
組織名
NTT物性科学基礎研究所

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概要

超伝導・ダイヤモンド量子複合系において、量子メモリの原理実験に成功しました。超伝導磁束量子ビット*1(電流)の量子状態を、ダイヤモンドのNV中心*2(スピン)集団へと、さらに、またその逆へと異なる種類の媒体間でコヒーレントに移せることを初めて実験で示しました。この技術を応用すれば、将来的には、長い時間量子状態を保持可能な量子メモリ付きの超高速量子プロセッサ実現も期待できます。

特徴

  • 量子状態を長時間保持可能なダイヤモンドのNV中心(量子メモリ)
  • 量子演算に適した超伝導磁束量子ビット(量子演算素子)
  • NV中心との結合をON/OFFできるギャップ可変型超伝導磁束量子ビット
  • 超伝導量子ビットとNV中心の長所を生かした量子複合系を実現
  • NV中心は、マイクロ波帯と光学波長帯の2つの遷移を併せ持つ

利用シーン

  • 量子コンピュータを構成する基本素子への応用
  • 量子メモリ付き量子演算素子を集積化し、大規模量子演算を実現
  • マイクロ波帯から光学波長帯への量子周波数変換素子としての利用
  • 量子情報の伝達距離を伸ばすための量子中継器への応用
  • *1 超伝導磁束量子ビット: 超伝導ループを流れる電流の向きが、量子情報の0と1を表す量子ビット
  • *2 NV中心: ダイヤモンド格子中の炭素の置換位置に入った窒素(N)とそれに隣接する炭素が抜けてできた空孔(V)から
       なる複合欠陥。NV中心に捕獲された電子のスピン状態が量子情報を保持する。

図版