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R&Dマガジン
COLUMN よもやまツウケン

Vol.9 『NTT技術史料館』(1) 〜明日の創意のために、技術史料を遺(のこ)していく〜

NTT武蔵野研究開発センタの敷地東側に位置する『NTT技術史料館』は、日本電信電話公社発足以降の半世紀を中心にNTTグループの電気通信における技術開発の歴史的資産を、系譜化し集大成したものです。今回は、電信電話における歴史的資産が集められた本館の生い立ちをご紹介します。

日本の電気通信サービスを支えてきたNTTグループの技術的史料を体系的に収集・展示

電気通信の歴史は1837(天保8)年9月4日、サミュエルF.B.モールスが電磁式電信機の実験に成功したことに始まります。日本では1869(明治2)年、当時の工部省電信局が東京〜横浜間で公衆電報の取り扱いを開始。次いで、1890(明治23年)年には電話交換業務が開始されました。

時代は明治から大正、昭和へと変わり、1952(昭和27)年には日本電信電話公社が設置され、1985(昭和60)年民営化、1999(平成11)年再編、現在のNTTグループへと発展を遂げてきました。

設備保存活動のイメージ 電気通信サービスは、いまや私たちの社会生活や企業活動を支える情報動脈として、欠かすことのできない大切なライフラインです。まだ旧・日本電信電話公社だった1971(昭和46)年には、「日進月歩の進化を続ける電気通信をリードしてきた自主開発技術の歴史やその成果を体系的に整理して保存して、次世代に継承していこう」という機運が社内に生まれ始めました。そこで、各局や通信部ごとに、事業の発展に多大な貢献をした設備を保存し、「設備保存シール」を貼付する『設備保存活動』がスタート。新たな機器・設備へのリプレイスに際して、それらを技術史料として選定し、保存することに努めてきました。


NTT技術史料館の写真 そして1999(平成11)年、日本中の各局やNTT鈴鹿研修センタなどに集められていた貴重な史料を、一旦、東京・立川の倉庫に搬入して技術系譜ごとに整理分類し、東京・武蔵野市の武蔵野研究開発センタの東側に建設された『NTT技術史料館』へは2000(平成12)年8月から搬入。その後11月にオープンの時を迎えました。



地下1階・地上3階の『NTT技術史料館』は、延べ床面積約10,000u。1952(昭和27)年の日本電信電話公社発足以降の成果を中心とした展示アイテムは、現在約1,500点にのぼっています。さらに地下にある「実物史料室」には2,600点、横須賀研究開発センタにも約300点の技術史料が所蔵されています。

館内フロア図(※クリックすると拡大します)


その技術史上の価値は各方面からも高く評価されており、例えば「パラメトロン計算機MUSASINO-1B」は2009(平成21)年3月(社)情報処理学会から『情報処理技術遺産』として認定されました。また2010(平成22)年10月には、「内航船舶無線電話装置」「ワイヤレステレホン(大阪万博の携帯電話)」、「自動車電話」の3点が「当時の世界の移動通信技術をリードするものであり、その後の携帯電話技術の基礎を作ったものとして価値ある技術」として、独立行政法人国立科学博物館から『重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)』に認定登録されました。これらは『NTT技術史料館』の1階(歴史をたどるコーナー)、3階(技術のひろば、技術をさぐるコーナー)に展示されていて、間近で見学することができます。

ワイヤレステレホン / 自動車電話 / 内航船舶無線電話装置 / 『重要科学技術史料(未来技術遺産)』認定書

また、2010年にはデルビル磁石式電話機を復元し、通話体験を可能にしました。子どもからお年寄りまで大好評で、映画「となりのトトロ」にも出てくるこのデルビル磁石式電話機はNTT技術史料館のシンボル的存在となりました。それに続き、2011年3月には、1階と3階にパラボラ集音器を設置。パラボラ集音器に向かってささやくと、1階と3階に離れているのにまるで近くでささやいているかのように明瞭(めいりょう)な音声通信を楽しめるようになります。今後もこうした体験展示物を増やし、電気通信技術を見るだけでなく実際に体験できるような機会を提供していく予定です。次代を担う方々に、この史料館が創意の源泉として活用されることを願っています。


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