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平成24年度全国発明表彰 特許庁長官賞受賞
「大容量光ネットワークにおける高効率多重収容方式の発明」 (特許第3529713号)
【技術の概要】
本発明は、通信事業者の基幹ネットワークに用いられ、大量のデータを高速・長距離伝送する大容量光ネットワークに関するものです。1990年代後半以降の急速なブロードバンド環境の普及に伴う通信トラフィックの増加に対応するため、大容量光ネットワークには、当時1波長チャネル当たり最大毎秒10ギガビット(ギガは10億)であった光伝送速度のさらなる高速化が求められていました。また、従来の電話による音声通信だけでなく、インターネット普及による新たなデータ通信も出現しつつあり、多様な通信サービスの効率的な多重収容が課題となっていました。
NTTは、このような課題が将来顕在化することを見越して、光伝送速度が高速化することに伴い劣化する信号品質をビット誤り訂正機能で補うとともに、さまざまな通信サービスの信号のクロック周波数ずれを吸収して多重伝送を可能とする、基幹ネットワーク向け大容量光ネットワークの新しい信号フォーマットを発明しました(図1参照)。
本発明は、1波長チャネル当たり毎秒40ギガビット以上の信号伝送が可能なOTN(Optical Transport Network)の信号フォーマットとしてITU-T(International Telecommunication Union - Telecommunication)の国際標準規格G.709に採用されました。その後、実用化に向けた要素技術開発やシステム開発が活発化し、2006年にはOTN信号フォーマットを処理するシステムLSIである「40G OTNフレーマLSI」が商品化され(写真1参照)、2007年には世界初の毎秒40ギガビット光通信サービスが日本国内で開始されました。
現在では、世界中の通信事業者がOTNを採用した光通信サービスを提供しており、社会インフラの基本発明として世界中で利用されています。また、近い将来には毎秒100ギガビットの通信サービスにおいてもOTNが世界中で幅広く採用されることが予想されており、本発明のさらなる利用拡大が見込まれています。
図1 本発明で実現されるOTN信号フォーマット
写真1 40G OTNフレーマLSI
(写真提供:NTTエレクトロニクス株式会社)

