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池田 耕一(いけだ こういち)
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科教授。立命館大学大学院経営管理研究科客員教授、日本経営倫理学会常任理事、日本リスクマネジメント学会評議員なども務める。『CSR経営革新』(中央経済社)など著書・論文多数。
「NTTグループ CSR報告書2011」の全編を通じて、CSRに対する理念と方針・枠組みの明確さ、そして数多くの社員の方々の深い使命感が伝わってきます。
トップメッセージの「国内外で生じている多くの社会的課題の解決に向け、コア事業であるICTを通じて貢献していくこと。それが私たちNTTグループの社会的使命であり、CSRの基本」との理念はCSRの本質に立脚し、かつ明快です。この理念のもと、「人と社会」「人と地球」「安心・安全」「チームNTT」それぞれに関するコミュニケーションという4つのCSRテーマを含む「CSR憲章」が設けられ、さらに、NTTグループとして定められた「CSR重点活動項目」と「活動要領」に基づき、グループ各社の取り組みが展開されています。
方針と枠組みが事業特性を的確に反映していることは、現在取り組まれつつあるCSRと経営課題との連動、そして世界標準を踏まえたCSRマネジメントの実践への高い期待を可能にしています。また、グループ各社の取り組みは壮大な森にも見えるほどの多種多彩な活動ですが、網羅性を保ちつつ上記の明確な枠組みと写真・イラストの活用によって分かりやすく紹介されていることは特筆されます。
いうまでもなく、NTTグループの担当する情報通信ネットワークは現代社会と経済活動の維持・発展に不可欠の最重要分野です。今年3月11日に東日本大震災が発生した非常事態にあっては特に、被害を受けた方々などにとって、そして救援・復旧活動にとって、通信の確保が必須となりました。CSR報告書冒頭の重要報告において、「通信」という社会インフラの復旧に全身全霊をあげて取り組まれたNTTグループ各社と協力会社の社員の方々の懸命な努力が生々しい写真と簡潔なコメントによって紹介されています。深い使命感の発露を感じます。「強固な通信インフラの構築に向けた研究開発」特集に記載されている東日本大震災を機に加速されたさまざまな取り組みについても同様です。
今回の大震災において、携帯電話サービスが固定電話関連設備によっても支えられていることなど、多くのユーザーからは別個に見える固定電話や携帯電話、音声通信やデータ通信などが相互に関連しあっていることが改めて明らかになりました。企業はこれまで機能と組織の分化によって経営活動の有効性と効率性を高めてきましたが、今や、グローバル化や環境問題、そしてリスク(不確実性の影響)の急拡大などを背景として、さまざまな形の「統合」が経営のキーワードになった時代を迎えています。NTTグループはCSR先進企業として、個々には異なる事業領域を担当しているグループ各社がそれぞれの活動を積極的に進めると同時に、社会的責任に対する共通の理念と方針・枠組みのもと有機的連携をよりいっそう充実されることを心から期待します。
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池田様より、CSRに対する理念と方針・枠組みの明確さとグループ社員の深い使命感に対する評価をいただきました。なかでも、東日本大震災における通信インフラの復旧に対し「深い使命感の発露」と評価いただいたことは、公共的使命、社会的責任を果たすべく被災地のライフラインとなる通信インフラの復旧に向け、グループの総力を結集して取り組んだ社員にとっても、大いに励みになるお言葉として、受け止めさせていただきました。
また、今後に期待する点として、社会的責任に対するグループ共通の理念と方針・枠組みのもと、事業分野の異なるグループ各社の活動における「有機的連携」を挙げていただいています。この期待については、貴重なご意見であるとともに核心に触れるご指摘と受け止め、NTTグループのCSRを推進していくうえでの重要課題と認識させていただきます。
現代社会において社会的責任を果たすためには、CSRと経営課題の統合とともに、NTTグループCSR憲章で掲げる「人と社会と地球がつながる」、すなわち多方面における「有機的連携」の必要性が高まっています。例えば、お客さまのご要望にお応えするため、グループ各社のサービスへ、ひとつのIDで認証(シングルサインオン)を可能にする「NTTIDログインサービス」の提供によるグループ会社をまたいだ連携や、社会的課題に貢献するため、教育分野のICT利活用による“新たな学びの実現”をめざし、業界をまたいだ連携による「教育スクウェア×ICT」プロジェクトの展開などに取り組んできました。
NTTグループの中期経営戦略「サービス創造グループをめざして」を達成するためにも、コア事業であるICTによる社会的課題への貢献を通じて、ステークホルダーの皆さまとの「有機的連携」をますます推進するべく、グループでの議論を大いに実施していきたいと考えております。
池田様からいただいた「CSR先進企業」とのお言葉に恥じないよう、NTTグループとしての社会的責任を確実に果たす努力をしていく所存です。今後も、ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを大切にしながら社会の持続的発展に貢献するべく取り組んでいきます。
日本電信電話株式会社
代表取締役副社長 金澤 薫
本分はここまでです。CSRのサブコンテンツです。