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東日本大震災では、地震による影響に加え、大規模な津波や広域停電の発生により、設備の損傷、バッテリーや燃料の枯渇などによって、広範囲にわたって固定・携帯サービスが提供できない状態となりました。
こうしたなか、NTTグループは、被災地の自治体や避難所などで早期に通信サービスを回復させるために「衛星通信システム」を提供。被災地の皆さまから「家族と連絡できて本当に良かった」などの声を頂戴した一方で、「もっと多くの機器を配備してほしい」といったご要望もいただいたことから、以前から着手していた、設営が簡単で小型・軽量化した新型衛星通信技術の実用化を急いでいます。
また、今回の震災では、伝送路が損傷を受け、一部の離島において通信手段が途絶えた地域がありました。そこでNTTグループは、可搬型無線機を用いて離島との間に無線ルートを設定し、通信環境を回復。この無線システムにおいても、より迅速に復旧するために機器の小型・軽量化に向けた開発を行っています。
さらに、停電時に光回線を用いた電話が使えなくなるという課題に対しても、新たなONU(光端末回線装置)を開発するなど対応を進めています。
NTTグループは、災害発生直後に広いエリアをカバーできる「衛星通信システム」を用いて通信インフラを確保しつつ、その間に光回線などの復旧作業を進めるようにしています。東日本大震災においても、主な避難所に電話回線を接続できる「Ku帯超小型衛星通信システム」を約130台提供したほか、電話回線とインターネット接続を可能にする「ポータブル衛星通信システム」約40台を活用して、避難所に臨時無料公衆電話約3,600台を設置するなど被災地の通信機能の確保に努めました。
しかし、これら既存の衛星通信システムは15年以上前に設計されたもので、アンテナの角度調整など設営には熟練した技術者でも60分程度かかります。また、アンテナ装置も大きく、今回のように広範囲に通信インフラが失われた状況では、スピード感や機動性を発揮しづらいという課題があります。
NTTアクセスサービスシステム研究所では、こうした課題を見据えて、昨年度から次世代の衛星通信の開発に着手。遠隔地にある基地局から電波出力を調整する「電波送出自動試験ツール」を用意し、無線知識のないスタッフでも、容易に設置可能、かつ小型・軽量化によって可搬性を大幅に高めた新型衛星通信システムを開発しました。この衛星通信システムは、2012年度中のグループ各社での導入をめざしています。

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数時間で設営でき、広いエリアをカバーできる「衛星通信システム」は初動に向いていますが、伝送帯域が狭いために提供できるサービスに限りがあります。その点、近隣のNTTビルから無線でルートを構築する「可搬型無線機」は、設置までに1日程度かかり、距離に限界はありますが、伝送帯域が広いため、島しょ部など光サービスの提供が困難な被災地に安定した通信環境を提供することができます。
東日本大震災では、NTT東日本が可搬型無線機を用いて、網地島および田代島の通信を確保しました。

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東日本大震災では、広域停電により、多くのお客さまから「光回線を使った電話やインターネットは電気がなければ使えない」という苦情を頂戴しました。こうした声に応えるために、NTTアクセスサービスシステム研究所では、ONU(光端末回線装置:光ファイバとパソコンなどの端末を結ぶ装置)の省電力化と停電時の通信継続に向けた開発を進めています。
2012年の実用化に向け、現行のONUの約半分(2.5W程度)以下となる低消費電力化の見通しを立てました。また、家庭内にあるバッテリーを内蔵したパソコンやほかの家電から受電できる機能をONUに具備することにより、停電時の通信を継続することも可能となります。
引き続き、将来に向け、基礎研究レベルの革新的な取り組みを進め、さらに一桁以上の低消費電力化と継続的な通信確保の実現をめざしていきます。
本分はここまでです。CSRのサブコンテンツです。