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NTT環境エネルギー研究所
エネルギーシステムプロジェクト
エネルギー供給方式グループ
研究主任
田中 憲光
商用電源に交流(AC)方式が用いられているのは既知の通りです。ところが、テレビ、パソコン、電話など多くの家電製品の内部回路は直流(DC)で作動しています。そのため、交流電流をコンバータで直流に変換してから利用しており、このAC-DC変換過程では一定のエネルギーロスが生じています。
しかし近年、このような不要な電力損失を削減するため、直流方式を一般家庭でも活用する「宅内直流給電」が注目を集めています。宅内直流給電は、省エネ効果だけでなく、さまざまな規格が乱立しているACアダプタが不要になるなど、省資源化が図れるメリットもあります。
宅内直流給電では、交流電力をパワーコンディショナで300V 〜400V程度の直流電流に変換し、エアコンや冷蔵庫などの中〜大電力家電機器向けには高圧(300V以上)の直流電力に、情報通信機器や一般家電などの小電力の機器に対しては12V 〜48V程度の低圧の直流電力に変換します。AC-DC変換をまとめて行うために、各家電機器が別々に変換する現状の仕組みよりも電力損失を大幅に低減することができます。とりわけ、「スマートコミュニティ」に組み込まれている太陽光発電、燃料電池、電気自動車、家庭用蓄電池といった機器とは、直流機器同士によるシンプルな接続となるため、高効率で信頼性の高いエネルギーネットワークを 実現できます。
NTTグループでは、「設備がシンプルで信頼性が高い」「エネルギー効率が良い」といった直流給電方式の利点に着目し、通信設備の基盤電源として使用するとともに、直流給電に関する世界でもトップレベルの技術とノウハウを蓄積してきました。近年は、この技術を広く社会に役立てていくために、データセンタでの直流給電を実現。さらにオフィスビルや一般家庭での導入を視野に、2009年には「宅内直流給電アライアンス(注)」を設立し、10%以上のCO2低減効果の実現などを目標とした技術開発、規格の標準化に取り組んでいます。

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