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「災害時は電話もつながりにくくなり、使えない人も出てくる。であれば、ネットを使って、何とか現地の方々と連携できないだろうか…」。地震直後から、何をすべきか考え続けていました。阪神淡路大震災で避難所生活をした経験から、人とつながることが力になるとわかっていましたが、何もかもが失われてしまったような被災地の惨状を目のあたりにして、具体的なアイディアにはなかなか結びつきませんでした。
そんな折、地震が発生した翌週になって、NTT東日本 岩手支店に滞在していたNTT東日本 本社広報の方から、「避難所にいる方々から、『大丈夫だと家族や知り合いに伝えてほしい』という伝言を託されている。今、岩手支店内で集まった伝言を伝えたい相手先へ1件1件電話をし、内容を伝えているが、電話がつながらず、伝言を伝えることができないメモを、なんとか伝える方法はないか?と考えている。「goo」を使えばインターネットを通じて伝言を伝えることができるのではないか」という連絡を受けました。当時、岩手支店の人たちは途切れてしまった通信回線の復旧にあたるため、被災した基地局の復旧工事や、避難所へ緊急固定電話の設置をするために多くの現場に出ていました。そんな現場で作業する人たちのもとに集まってきた伝言。携帯電話をなくしたり使えなかったりと、災害用伝言ダイヤル「171」も使えない状況にある被災者の方々が、NTTのロゴをつけた服を着た社員たちに「どうにかして、無事の伝言を届けてほしい」と訴えている。――その気持ちは痛いほどよくわかりました。
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「goo避難所からのメッセージ」サイト
話を聞いた我々は、早速、「gooニュース」の特設コーナー「東日本大震災情報」に「避難所からのメッセージ」を掲載することを決め、岩手支店からデータが届いたらすぐにサイトアップできるようシステムの開発を行ないました。ただ、そこまではいいのですが、東京への情報の受け渡しについては、通信回線が逼迫しているなか、現地のFAXを使い続けるわけにはいきません。そこで皆と相談して、東京にいるスタッフの一員がスキャナーを担いで岩手支店へ出向き、用紙のメモをPDFデータにして、受け渡すことにしました。また、受け取った伝言は、社内で有志を呼びかけ手入力することにしました。こうして3月18日、「goo 避難所からのメッセージ」というコーナーが完成しました。検索スペースに安否を確認したい方の名前などを入力することでメッセージが届くという仕組みです。
入力作業をしているなかで、「郵便事業(株)が、避難所などで被災者の方々の避難先が記載された『避難先届』を回収しているが、総務省の要請に基づき開示の承諾をいただいた『避難先届』については、インターネットへ公開でき、安否情報として役立つかもしれない」という新しい情報も入ってきました。郵便事業(株)の方々は「被災者への郵便物は必ず最後まで配達しきる」という目標を掲げ、避難所にいる方々や、複数の避難所を移動する方々の居場所を一人ひとり把握しようとしていました。貴重な、そして尊い情報です。早速、この情報も加えて検索できるようにしました。
4月末段階で、岩手支店と宮城支店からの伝言で約2,300名、郵便事業(株)からの情報として約8,000名のメッセージを公開しています。検索コンテンツとしてはとても小規模なものですが、被災地の方々のメッセージを直接見ることができるという点に大きな意味があると思っています。
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今回の経験を通じて、NTTグループが被災者を支援する、そのポテンシャルの大きさを実感しました。NTT東日本という地域に根ざした「現場」をもつグループ会社があること。そして、検索エンジンを活用して情報をサービス化する当社のような会社があること。この両社が連携することで被災地の方々の「届けたい」という声に応えることができました。また、郵便事業(株)の活動は、もともとは総務省と日々の業務でやり取りのあったNTTコミュニケーションズ 法人事業本部が教えてくれたものです。
今回の経験で得たものを糧に、今後も平時から「非常時に検索サイトができることは何か」を考えていきたいと思います。同時に、改めて「チームNTTとしてどんな連携を図れるか」ということも視野に、いざという時、本当に必要とされるサービスをスピーディに提供できるよう準備をしていきたいと思います。