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阪神淡路の時には「非同期」通信の効力を実感したものですが、今回の震災でも、ネットを通じた情報流通は機能していましたし、非同期の威力はまた発揮されていたと思います。ただ、今回の震災ではそれに加えて、個人が発信する情報が大きな力を発揮し、情報は広く共有されて集合知として活用され、協調行動の一助ともなっていたことに、私はネットの進化を実感しました。普段、趣味や遊びで使っているコミュニケーションツールが、直接的、間接的に命を救うメディアともなっていったのです。
行政や各法人からの情報発信は不完全であったことは認めざるをえません。それらをネットユーザーが救ったことは否定しようのない事実です。ボトムアップ型で発信される情報のもつ力の大きさを改めて実感するとともに、こうした力をまとめることができれば、既存のトップダウン型の情報パワーを圧倒的に超えることができるかもしれない。その可能性は、インターネットサービスを提供している私たちに大きな自信と意欲をもたらしてくれました。
一方で、幾つかの課題も浮き彫りになりました。例えば、信憑性の低い情報の伝播やデマの拡散などです。ただ、ここについても例えば、(株)野村総合研究所から「震災に際して信頼度が上昇したメディア、低下したメディア」についての調査結果が公表されていましたが、我々のポータルサイトは、新聞社や民放各局を抑え第2位の信頼を得る結果となっていました(1位はNHK)。この辺りに、次のヒントと活路が見いだされますね。
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「goo 避難所からのメッセージ」にしても、「全国放射線量マップβ版」にしても、実際に何かが起こっている「現場」があって、その現場と我々上位レイヤ担当が連携できる仕組み、体制があったからこそ形にすることができたサービスです。これは我々の競合であるyahooやgoogleと比較しても圧倒的に勝っていた部分です。NTTグループは、情報通信の世界では基幹系システムからWebまで、下位から上位までの全レイヤーに渡る事業を手がけており、数多くのお客様、取引先、そして関連会社があります。また、災害対策基本法に基づく指定公共機関として、国や省庁とのネットワークもあります。こうした多くの関係先を通じてさまざまな「現場」を知る立場にあることで、グループには、非常時に大きな社会的使命を果たすべく、情熱をもって活躍するであろう人材が数多くいると思います。今回の震災においても、改めて非常に大きなポテンシャルを発揮できる企業グループだと再認識しました。
ただ、一方で、「だからこそ、もっとできたことがあったんじゃないか」という反省もあります。今回、われわれgooがグループや社外と連携できたケースも正直まだまだ限定的でした。社会に対して大きな責任を果たしていくためには、グループの連携、統合がとても重要だと感じました。とくに「情報発信」というジャンルにおいては、僭越ではありますが自分たちがグループ連携・統合の要となって、総力を発揮できるようリードしていかなければならないのではないか。そういう想いを強くしています。
望んではいませんが、災害はまた必ず起こってしまいます。その時までに、NTTグループも進化していなければなりません。チームNTTのパワーを最大限に発揮していけるよう、情報発信の仕組みや体制づくりを提案していきたいと思っています。