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PartⅠ東北復興推進室の取り組みと技術継承 復旧工事の現場で得た通信インフラ工事のノウハウをNTTグループの次世代へ継承

東北復興推進室を発足し、困難な復旧工事に挑む

東北復興推進室 エンジニアリング推進担当 山本 学

東北復興推進室 エンジニアリング推進担当
山本 学

東北復興推進室 エンジニアリング推進担当 主査 小出 文夫

東北復興推進室 エンジニアリング推進担当 主査
小出 文夫

2011年5月、NTT東日本は社長直轄の「東北復興推進室」を発足し、一丸となって被災地における通信インフラの本格復旧に取り組んでいる。

「震災で崩壊した通信インフラを震災前の状態に戻す、あるいは震災前よりもより強固なものにすることをミッションに、岩手県釜石市で自治体の復興計画と連動した復旧工事に携わっています。復興推進室のメンバーは私のような若手社員も多数参加し、ベテランの方と一緒にペアを組み、それぞれの地域の復旧工事に取り組んでいます。」と、東北復興推進室 エンジニアリング推進担当 山本 学は語る。

東北復興推進室に配属された社員は、現地を視察して基本設計に着手。まず、通信インフラのうち、何が使用可能で、何が不足しているのか、現状把握に奔走したという。

「2011年4月末に応急的な復旧工事が終了し、その後本格復旧に向けた基本設計に入りました。今回と同じような災害があっても回線が孤立しないよう、さまざまな方法を議論しました」と、同エンジニアリング方面担当 主査 小出文夫は話す。

視察を通じて現場で初めて気づくことも多々あり、工事を本格的に開始できたのは2011年の10月になってからだったという。

「ここまで大がかりな復旧工事は40〜50年ぶり。工事に必要な技術やノウハウをすべて理解している社員はほとんどいませんでした。従来のアナログ(メタル)回線と光回線の双方に必要な技術ノウハウが求められるだけでなく、所外設備(注1)から所内設備(注2)まで専門分野を横断した技術が求められることから、グループ各社、通信建設会社(注3)など、さまざまなスタッフから意見や提案を求め、古い知識と新しい知識、多様な技術を束ねていく必要がありました」(小出)

さらに、工事の際には、水道管や電力ケーブル等の敷設も関係してくるため、管轄官庁や他のインフラ企業との折衝も必要になるという。

「私が担当している中継伝送路(注4)工事の中で、一部、国交省の道路と重複したため、地下管路やとう道の迂回ルートを検討しましたが、その際、電力や水道も迂回させるので、同じインフラ業界の関係者と話し合い、コスト面などを考慮しながらルートを決めていきました」(山本)

(注1)所外設備
お客さま宅と通信ビルをつなぐ区間のケーブルおよびケーブルを埋設・添架する管路(パイプ)・電柱 など。
(注2)所内設備
通信ビルに収容される交換機などの通信設備。
(注3)通信建設会社
通信設備の構築・保守を担うパートナー企業。
(注4)中継伝送路
通信ビルと通信ビルをつなぐ区間のケーブルおよびケーブルを埋設・添架する管路(パイプ)・電柱 など。

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現場から学んだことを次世代に継承していく

現場を確認する山本社員

現場を確認する山本社員

小出と山本が赴任した釜石は、2011年10月の時点でホテルにおいてさえ断水している状況であったが、現在は津波で被災した商店街がプレハブで復興しはじめ、街は活気を取り戻しつつある。「災害に強い設備作り」や「早急な通信サービスの復旧」という東北復興推進室のミッションも、釜石の街の復興とともに軌道に乗り始めた。

「通常、工事は通信建設会社に委託するため、NTTの社員が工事現場にここまで深く関わることはありません。入社して40年近くなる私でも経験したことのないことがたくさんあり、本当に貴重な経験をしていると実感しています」(小出)

入社3年目に復興推進室に配属された山本は、小出から「現場を見る力」と「安全に対する姿勢」を学んだという。

「たとえば電柱を建てる場合、机上なら地図上に黒い丸を付ければ済む話ですが、実際に建てられるかどうかは現場に行かないと分からない。さらに電柱を建てる位置だけではなく、電柱を支える支柱の位置も考慮に入れておく必要があります。そういう『現場力』の重要性を痛感しました。また、工事における安全確保については、小出さんは工事現場の方が煩わしくなるようなことでも一切妥協せず、やるべきことを徹底して実行していました。現場の方の安全を守るということは、この姿勢が大事なんだと考えさせられました」(山本)

「安全への取り組み」をまとめた記録集

「安全への取り組み」をまとめた記録集

山本は東北復興推進室が所掌する東北被災エリアにおける各工事現場の安全作業などをまとめた記録集を作成しており、今後、これらの情報をNTTグループや通信建設会社と共有していきたいと考えている。

「埼玉県の岩槻市にある社外研修所で定期的に実施される研修プログラムに、今回の記録を採り入れていただき、復興推進室が中心となって成果を発表する予定です。通信建設会社の優れた事例を共有することで、NTT、通信建設会社双方でレベルアップを図っていきたいですね」(山本)

一方、小出は出身が被災地の岩手県ということもあり、東北復興推進室に志願して赴任した。これまでに培ってきた技術やノウハウを復旧工事に活かし、今まで以上に強固で安全な通信インフラの構築を行うことで地元に貢献したいと思ったからだ。

「いままで社内で誰も経験したことのない被災地での取り組みに従事できたことは、かけがえのない財産になります。これからは山本くんのような次の世代に技術を継承していきたいですね。同時に通信建設会社のレベルアップや、安全意識を高めることもわれわれの目的です。今回の工事で学んだことは今後の通常工事でも活かせますし、安全性への配慮は被災時も平時も変わりません」(小出)

TVカメラにて、現場の様子を確認する

TVカメラにて、現場の様子を確認する

東北復興推進室での仕事は、「次世代のより良いインフラ」のためであり、同時にNTTグループの未来を担う社員に技能を伝承していくことでもある。

「配属当初は、この経験の貴重さがまったくわかりませんでした。でも通信建設会社や官公庁、他のインフラ会社と折衝を続けてきて、いまの仕事の重要性を肌で感じています。これからはもっともっと被災地のお役に立てる仕事をしていきたいです。そして、将来は中核となって会社を担っていくべく存在になっていきたいと思っています。」(山本)

ここで得たものを社会のために活かしたい。東北復興推進室の社員は、そう決意している。

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