ページの先頭です。
コンテンツエリアはここからです。

経営者からのメッセージ

代表取締役社長 澤田純の顔写真です。

NTTグループは、「Connect(つなぐ)」
「Trust(信頼)」「Integrity(誠実)」を基盤に据え、
「Your Value Partner」への自己変革を
加速していきます。

代表取締役社長
澤田 純

「率先垂範」「見える化」、そして「スピード」

約40年前の日本電信電話公社への入社後、私は電柱やマンホールの構造設計等の技術開発に携わりました。その後設備の保守等の最前線でお客さまと接する電話局の管理職となり、社員のほとんどが年上の職場で、組織を動かしていくことの難しさを痛感することになりました。私は「率先垂範」を徹底するとともに、例えば、設置した電柱の本数や、敷設したケーブルの長さ、工事に出向いたお客さまの件数などを、他と比較し、組織の現状を多面的に「見える化」することで社員の意欲向上に努めながら、変革を進めていきました。

2000年にNTTコミュニケーションズに転籍した私は、同社の経営企画部長在任時に、海外企業を中心に10社以上の企業買収に携わりました。そして2014年にNTTの取締役に就任し、NTTセキュリティの社長も兼務し、サイバーセキュリティの関連会社の統合を率いました。これまでさまざまな役職を兼務してきた私は、限られた時間の中で、自然と「スピード」を重視するようになっていきました。現在では質量(m)×加速度(a)=力(F)が示す通り、迅速な意思決定や行動が組織力の強化につながるという考えに至っています。現業から離れた持株会社の社長という立場となった今でも、現業を大切にしていることに変わりはありません。事業を数値で「見える化」しながら、組織が自然にスピード感を持って動くパターンを作り、NTTグループの変革を率先垂範していく考えです。

「公共性」と「企業性」の同時実現が使命

「歴史が長く、大きな企業集団であるNTTグループは変われないのでは」という見方があるとすれば、それはある一面では正しく、別の側面では正しくありません。

1985年に日本電信電話公社の民営化によって設立された日本電信電話並びにNTTグループは、一般的には両立が難しいとされる「公共性」と「企業性」を同時に実現する経営が求められてきた企業集団の一つです。安心・安全なコミュニケーション基盤を絶え間なくご提供し続けることはもとより、過疎地や離島などでの通信基盤整備をはじめ、災害時の対応も重要な責務です。日本でそうした責務を誰かが果たさねばならないとすれば、それはNTTグループがやるべきという使命感が我々にはあります。「公共性」に誇りを持ち、ひた向きに努力していくことが私たちの「変わらない一面」です。特にNTTグループにとって「経営とCSRは同義」であると私が考えている理由もここにあります。一方、民間企業である限りは利益を持続的に創出していくことも重要な命題であり、「公共性」という責務を持続的に果たしていく上でも必要なことです。そのためには、「変わり続ける」必要があります。

事実、これまでNTTグループは、事業構造を大きく転換してきました。民営化当時の1985年度に8割以上を占めていた音声収入は、2017年度には2割弱に減少する一方、現在の収益の柱はIP系・パケット収入やシステムインテグレーション収入で6割を超えています。2012年11月に公表した中期経営戦略「新たなステージをめざして」で、グローバル・クラウドを事業の基軸に据えることを打ち出し、企業買収と既存事業の成長を通じた海外売上高の拡大に注力してきた私たちの海外売上高は、2008年度の約10倍に拡大しています。

2015年2月には、世界初の本格的光アクセスのサービス卸である「光コラボレーションモデル」のサービスを開始しました。これはかつてのようにお客さまに直接ネットワークサービスを提供するのではなく、「触媒」となってお客さまの新しいビジネスの創出を支援するビジネスモデルに転換する、大きな転機となりました。2015年5月に公表した中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」では、B2B2Xモデルへと発展させさまざまなパートナーさまとの協業を拡げています。

また、株主の皆さまに対する責務も果たすべく努めてきました。自己株式については、1999年から累計で3兆円以上取得しております。配当については8期連続の増配を予定しており、一株当たり配当額は2003年度の6.8倍に相当する水準に達しています。

NTTグループは、「社会を支えてくれる」「社会課題を解決してくれる」といった社会の期待を担っています。そして、長期的な視座で将来の社会の変化を見据えながら、そうした期待にお応えするべく自己変革を続けてきたからこそ、私たちは変わり続けることができたのだと考えています。言い換えると、先にお話しした「公共性」と「企業性」の同時実現が、過去の、そしてこれからの持続的企業価値向上の道筋ともいえます。

めざす企業像−Your Value Partner

では次に、これからの社会の変化と、その中でNTTグループに求められる社会的要請に目を転じてみます。「ムーアの法則」の終焉も論じられるなど、近年、技術の進化は新たな次元を迎えつつあります。IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、人工知能(AI)等のデジタルと呼ばれる革新的な技術を活用した、デジタルトランスフォーメーションが進展し、社会課題の解決に向けた期待も高まっています。日本ではNTTドコモが、2020年に次世代通信規格「第5世代(5G)」の商用サービスをスタートする予定です。情報通信の世界も大きく変化していくものと見ています。2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催など大きなイベントも控えています。

そうした中、NTTグループには、これまで以上にさまざまな協業を通じて、新しいビジネスや産業を創出し、多様な社会課題を解決することが求められていきます。極めて広範な事業領域で社会や人とのさまざまな接触面を持つ、いわば「多面体」ともいえるNTTグループにはその力があります。その実現に向けて私たちがめざす企業像は、お客さま、株主、地域、コミュニティ、社員など、あらゆるステークホルダーにとって価値ある存在として選ばれ続ける「Your Value Partner」です。

私は社長就任にあたり、約90の国と地域で働く30万人の社員が、未来への夢を共有できるよう、「Your Value Partner」を分かりやすい言葉で定義しました。人材を中核に据え、これに求められる能力として定めたのが、Service Expertise(サービスの能力)、Technical Expertise(技術的能力)、Intelligence(知性)です。そして、共有価値(Shared Values)を私たちのDNAであるConnect (つなぐ)、Trust (信頼)、Integrity(誠実)としました。

私たちは、「コネクテッド・カー」や「コネクテッド・バリューチェーン」「コネクテッド・インダストリー」など、さまざまなものが「つながる(Connect)」スマートな社会づくりに貢献していきたいと考えています。そして多様な事業主体をつなげていくには、確かな「信頼(Trust)」を勝ち得ねばなりません。そして、「信頼」は、「誠実(Integrity)」の姿勢を貫くことではじめて獲得することができます。三つの共有価値は、相互に連関し高め合うものでもあるのです。共有価値は、差異化要素としてNTTグループの立ち位置と経営戦略の方向性を規定する要素でもあります。

お客さまのデジタルトランスフォーメーションを支援

国内におけるNTTグループの立ち位置は、「中立性」という言葉で言い表すことができます。特定の資本関係に縛られない独立した立場で、さまざまな企業を「つなぐ(Connect)」ことができるのが私たちです。そこでは、長きにわたり蓄積してきた「信頼(Trust)」が基盤になります。こうした得難い立ち位置を足場に、NTTグループはB2B2Xモデルを推進し、お客さまのデジタルトランスフォーメーションを支援していきます。スポーツや交通・運輸、製造等のさまざまな分野での協業や、数々の実証実験、自治体や地域企業のお客さまが抱える課題の解決をめざす、「2020×地方創生プロジェクト」などのように、中立性を活かして協業を次々に拡げています。

また、5Gの高度な接続性を基盤としたコグニティブネットワーク、通信事業のソフトウェア化等の変化により、さまざまなニーズに対応したサービスを生み出していく考えです。
特に個人のお客さまに対しては、パーソナル化を推進し、ライフスタイルの変革を支援していく方針です。

海外市場においては、コンサルティング会社をはじめ、各分野で強力な競合が存在しています。一方、NTTグループは世界トップクラスの規模と品質を誇るグローバルIPバックボーンやデータセンターをはじめ、コンサルティングやアプリケーションサービス、ネットワークインテグレーション(NI)などのサービスを一つのグループで包括的に提供できる、他に類を見ない企業集団を形成しています。こうした強みを活かしながら国内同様に「触媒」に徹しながら、お客さまのデジタルトランスフォーメーションを支援していきたいと考えています。

米国ラスベガス市で実施している「スマートシティ」の共同実証実験は、私たちのアプローチの好例です。市街地やイベント会場等において、群衆の動きや交通状況、緊急事態の発生等をセンサーで把握し、事件性の高い異変の予測・分析を可能にする公共安全ソリューションです。

「選ばれ続けるため」の自己変革を推進

お客さまに「価値ある存在」として選ばれ続けるためには、NTTグループも変わり続けねばなりません。とりわけ重要な課題と位置付けているのが、グローバル事業の収益性の向上です。サービスや商品の付加価値を通じた競争力の強化によってそれを実現していきたいと考えています。

現在、海外では各社独自の商品開発から売り方に至るビジネスプロセスのうち、共通化が可能なプロセスの統合を推進し、より付加価値の高いサービスの提供とコスト効率化を追求しています。2018年3月に完了した、NTTコミュニケーションズとDimension Dataのクラウド事業の統合はその一環です。また、NTT Venture Capital,L.P.を新設し、グローバル市場で成長が見込める技術領域を中心とした投資を行うとともに、グローバル市場でのR&Dを一層、強化していく方針です。

国内では、伝統的な通信事業の成長が頭打ちとなることを認識する必要があります。また、デジタル技術による既存産業の変革が進展し、少子高齢化や労働力人口の減少といった社会構造の変化も進行しています。こうした変化に対応するために、NTTグループは事業活動の中で得られるさまざまなデータを活用し、業務プロセスの「見える化」を通じた効率化や、新たな付加価値サービスの創出を加速し、自身のデジタルトランスフォーメーションを実現していきます。2018年8月には、主要事業会社にCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)を設置しました。各社のCDOは今後、さまざまな環境変化に対応するデジタル戦略策定とその推進を担っていくことになります。

グローバル経営の要諦
「ダイバーシティ&インクルージョン」

グローバル事業について、私が特にこだわりを持っていることをお話したいと思います。

私は、「ダイバーシティ&インクルージョン」がグローバル経営の要諦であるという信念を持っています。その本質を理解することになったのは、NTTセキュリティの社長を兼務していた時のことでした。

NTTセキュリティは、買収した5社のセキュリティ事業の卸部分だけを抽出して設立したアメリカ・ヨーロッパ・アジア・日本の地域会社を傘下に擁する中間持株会社です。社員約1,500人中9割超が15ヵ国から集まった外国人という組織でした。そこで私が直面したのは、言葉ではダイバーシティの重要性を認めてはいるものの、心から自分以外の国の考え方を許容している人はほとんどいないという事実でした。例えば、日本人が抱く「日本品質は世界でも通用する」という考え方は、他の国や地域では単に「過剰」と受け取られます。宗教や文化、考え方が異なり、それぞれの国の考え方が正しいと考えている人々に対して、「インクルージョン」を「グローバリズム」と同義に解釈して特定の価値観を押し付けるのは誤りであることを理解しました。

そうした地域性は、市場動向から見てみても顕著です。例えば自動車では、基本的な設計や部品など7〜8割が世界共通で、排ガス規制など市場の特性に合わせて変える部分が2割から3割ではないでしょうか。一方のITサービスでは、共通部分ははるかに少なく、国や地域の社会の発展段階や制度、市場・経済構造等に合わせ、きめ細かく仕様を調整していく必要があるというのが私の考えです。私が辿り着いた結論は、「真のグローバリズムは存在しない」ことを受け入れることが、インクルージョンの本質であり、「グローバル」と「ローカル」では、ローカルに8割程度の比重を置くべきということです。事実、NTTセキュリティでは権限規程を当初のローカル6:グローバル4から8:2に見直し、現地の社員に権限を大幅に委譲してから経営が円滑に回るようになりました。そしてチームワークを機能させるために必要なお互いが共感できる共有事項=インクルージョンが「Shared Values」です。

今秋、当社は傘下にグローバル持株会社(中間持株会社)を設立し、NTTコミュニケーションズ、Dimension Data、NTTデータ、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute, Inc.を傘下へ移管します。グローバル持株会社の経営管理面での重要なポイントは、外国人経営者を含む傘下の事業会社の社長が兼務する「参加型」の事業運営という点にあります。権限と責任を大幅に移譲することで、グローバル市場に精通した経営者が自らの考えに基づく経営を行うことができます。それまでは自社の利益のみを追求していた経営者も、中間持株会社の取締役として全体最適を追求する責任を負うわけですから、グループのより一層密接な連携が進んでいくことを期待しています。

来年夏を目途に、NTTデータ以外の4社グループの事業を海外と国内別に統合することを検討していきます。NTTデータについては、上場やブランドを維持しながら、グループ各社との連携を深めていくことになります。

NTTグループのパワーを使ってより良い社会に貢献

NTTグループは全国約7,300カ所の電話局や全国の通信網等、20兆円を超える資産を保有しており、これらを活用してさらに付加価値を提供することが可能です。そして、人材や研究開発力を活用して、新たな価値を創造し、社会に貢献していきたいと考えています。

たとえば、東京電力ホールディングス株式会社様との共同出資会社「TNクロス株式会社」の設立は、その取り組みの一環です。通信ビルのHVDC(高電圧直流)化や蓄電池の活用により、新会社は効率性の高い新たなエネルギーサービスを提供していく方針です。

NTTグループは、国内の約1%の電力を使用しています。トラヒックが急増している近年、エネルギーの効率化は一層重要な課題となっています。このため、「通信事業のエネルギー効率2倍」「通信事業の消費電力10%削減」を2025年の目標として設定しました。また、グループ社用車のEV(電気自動車)化も進め、2025年には「一般車両の50%のEV化」をめざします。国際ビジネスイニシアチブであるEP100(Energy Productivity)と、EV100(Electric Vehicle)への参画も準備を進めているところです。

これら環境(Environment)に関連する取り組みに留まらず、社会(Society)、ガバナンス(Governance)を加えたESG経営を推進していくことで、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献していきたいと考えています。

次期中期経営戦略に向けて

2017年度のNTTグループは、営業収益、営業利益、当期純利益ともに過去最高を記録しました。「新たなステージをめざして2.0」の中期財務目標の「EPS成長」、国内ネットワーク事業における「設備投資の効率化」、さらには固定・移動アクセス系の「コスト削減」のいずれも達成することができました。目標に到達していない海外売上高及び海外営業利益の目標も早期の達成をめざして取り組みを進めています。

11月公表予定の次期中期経営戦略では、3年、5年、7年の短期、中期、長期という時間軸で目標と施策を出していく考えです。

発想を根本から変え、付加価値を次々に創出

近年、驚異的なスピードで技術が進化していますが、残念ながら、世の中を変えるようなものをNTTグループが生み出してきたとは言えません。

かつて、私たちは個人が誰とでもつながる電話をつくりました。しかし、SNSアプリに代表されるように、実際につながる人々は100人以下にとどまるなどコミュニケーションがコミュニティ化しているにもかかわらず、私たちは「電話」の設計思想しか有していないのが現実です。付加価値を高めるためにやるべきことはたくさんあります。決して既存事業に安住することなく、発想を根本から変えて新しい付加価値を次々に生み出していきたいと考えております。先にお話しした「多面体」という特徴を活かして時には遠心力で既存ビジネスの延長線上にはない領域にも踏み出していくべきと考えています。

私は、「Your Value Partner」に向けたNTTグループの自己変革を実現するために、課題に取り組んでいき、日本社会やグローバル社会への貢献を通じ、NTTグループの持続的企業価値向上を実現していく所存です。

おすすめコンテンツ

  • NTT GROUP CSR NTTグループのCSRを動画にて紹介しています
  • NTTグループ環境活動
  • NTTアニュアルレポート2018

ご意見・お問い合わせ

フッタエリアはここからです。