家庭・オフィスの省エネルギー化を実現する汎用プラットフォーム「OSAP」の開発
近年、ネットワーク技術の急激な進化・普及にともなって、パソコンなどの情報通信機器だけでなく、家電やAV機器、住宅設備、センサ類など、さまざまな機器がネットワークに接続されはじめています。しかし、これらのネットワークには、それぞれ個別の標準規格があり、その標準規格間での互換性はほとんどないため、ネットワークに接続する機器が増えるたびに新しいネットワーク環境を用意する必要が生じています。そこで現在、ネットワーク機器を相互に接続し連携制御を可能にする標準仕様「OSGi(Open Service Gateway initiative)」の技術検討が進められています。
NTTサイバーソリューション研究所では、このOSGiをもとに家庭内のさまざまな機器をネットワークと接続させる汎用的なサービス・プラットフォーム「OSAP(OSGi Service Aggregation Platform)」の研究に取り組んでいます。OSAPとは、家電や自動車、モバイル機器など、ネットワークに接続されたあらゆる機器に対して必要なアプリケーションやサービスを一元的に配布するものです。接続装置を集約することで家庭やオフィスにおけるネットワーク環境のシンプル化と省スペース化・省エネルギー化を促進する技術として期待を集めています。
現在、このページの5分の1程度です。
光を1ナノ秒間蓄積する技術を応用し高速・超低消費電力の情報処理チップを開発
超高速の情報伝送を実現する光技術は、現代の高度情報社会を支える重要なテクノロジーです。ただし、光を静止させることは原理的に不可能であり、電気のように蓄積したり、減速させることが難しいという短所をもっています。この光の性質は、光技術応用に大きな制約を与え、光を利用した高機能な情報処理や光による集積回路などの実用化を困難にしていました。そこで現在、世界中で「光を自由自在に閉じ込め、蓄積、減速する技術」の研究開発が進められています。
こうしたなかで、NTT物性科学基礎研究所は2006年に過去最高の光閉じ込め効果をもつ「フォトニック結晶共振器(注1)」の構造を考案、高度な加工技術によってシリコンチップ上にこの共振器をベースとした素子を作製することに成功しました。その結果、世界で初めて光を波長サイズの微小体積に1ナノ(10億分の1)秒間以上蓄積するとともに、光の伝播速度を空気中の5万分の1以下まで減速して1ナノ秒以上の大きな遅延を実現しました。
研究所では、今後、これらの新技術を光スイッチなどのオプトエレクトロニクス製品に応用し、環境負荷の低減につながる素子の超小型化と超低消費電力化の実現に取り組みます。さらに将来的には、超低消費電力で動作する光情報処理チップ(注2)や、光子単位で動作する量子情報処理素子(注3)などの実現を目指します。
(注1) フォトニック結晶共振器
フォトニック結晶とは、ナノ加工技術によってシリコンなどの誘導体に数100ナノメートル径の孔を周期的に配列したもので、天然の物質にはない特異な性質を示す。その1つが「フォトニックバンドギャップ」と呼ばれる、ある特定の波長域でのみ光を通さない性質で、これによってフォトニック結晶は光の絶縁体として機能する。この絶縁体としての性質を利用して、光を閉じ込め蓄積するのがフォトニック結晶共振器。
(注2) 光情報処理チップ
光信号をそのまま複雑な情報処理に利用するチップ。従来の情報処理は、光ファイバで送られた超高速信号をいったん電気信号に変換し、LSIのような電気信号処理回路で処理していたが、光情報処理チップは超高速光信号を光のまま情報処理することで消費電力が少なく、高速な情報処理を実現する。
(注3) 量子情報処理素子
光の量子単位である光子の性質を利用して、量子計算、量子暗号などに代表される特殊な高速演算を行なう情報処理素子。
現在、このページの5分の2程度です。
冷却装置を必要としない省エネルギー設計の高速光通信用レーザモジュールを開発
光ネットワークシステムの基幹部品であるレーザモジュールには、温度が上がると信号の変換効率が劣化するという性質があるため、レーザ素子を安定動作させる目的で冷却装置が組み込まれています。しかし、これによってレーザモジュール全体の電力消費量が増えてしまうため、モジュール内の冷却装置をなくし、高温下でも安定して動作するレーザモジュールの開発が求められていました。
そこで、NTTフォトニクス研究所は、モジュール内でも最も高温になるレーザの活性層の両側を、ルテニウム(Ru)という原子を添加した高抵抗で放熱性にも優れた半導体層で埋め込んだレーザチップを開発。これによって85℃という高温でも安定動作する10Gbit/s直接変調レーザモジュールを実用化しました。
研究所では、今後も、レーザモジュールのさらなる高温動作を目指し、研究開発を進めていきます。
レーザモジュール
現在、このページの5分の3程度です。
太陽電池の小型・高効率化を実現する独自技術を開発
情報機器に太陽電池を応用するためには、太陽電池セル(シリコンの薄い板)が出力する0.3〜0.4V程度の極低電圧を、機器が動作する5V程度まで引き上げる必要があります。通常は、複数の太陽電池セルを直列に接続してモジュール化することで電圧を高めていますが、この昇圧方法は、接続されたセルのうち一部でも日陰に入ったり、破損したりすると、十分に電圧が上がらず、発電量が極端に小さくなるという欠点がありました。
こうしたなか、NTT環境エネルギー研究所は1枚の太陽電池セルからでも十分な電圧を確保できる独自の「極低電圧昇圧モジュール」を開発。この技術を用いれば、1枚のセルから十分な電圧・電力が得られるため、複数のセルを直列につなぐ必要がなく、太陽電池が部分的に日陰に入ったり、表面に傷がついたりしても、安定的に発電します。
2007年度は、この「極低電圧昇圧回路」の制御部分をIC化することに成功し、いっそうの小型化と低コスト化を実現。携帯電話やモバイル端末などの充電器、屋外用の小規模電源などへの応用が可能になりました。
NTT環境エネルギー研究所は、この最新の研究成果をグループ会社に開示し、今後、国内外での実用化を目指します。
小型の太陽電池パネル
現在、このページの5分の4程度です。
医療・環境・産業分野への応用を目的に超長波長対応の半導体レーザ光源を開発
NTTフォトニクス研究所は、光通信向けデバイス分野で培った技術・ノウハウを活用して、2007年度、医療計測や環境モニタなどの分野で幅広く活用できる「2μm超レーザ光源」を開発しました。
これは、独自の設計技術や低温成長技術などで活性層のインジウム組成を高め、従来の半導体レーザでは不可能だった2μmを超える波長の発振を実現したものです。
2μmを超える赤外線は、CO2、SOx、NOxなどのガスやグルコースなどの体内物質の吸収帯と一致するため、大気汚染の環境モニタや光学血糖値センサをはじめとする医療計測装置などへの応用が期待されています。
半導体レーザ光源
本文はここまでです。CSRのメインメニューへ戻る



新しいウィンドウを開きます。

新しいウィンドウを開きます。