──グループ共通の事業をもとにCSRのシナジーを追求する一方で、グループを超えて取り組むべきCSRテーマとして「地球環境問題」への対応があります。これについては皆さんどうお考えでしょうか。
金澤 地球環境問題については、2つのアプローチがあります。1つは、現在進めているユビキタス・ブロードバンドサービスやICTを有効活用して、社会全体の生産性やエネルギー効率を高めていくこと。もう1つは、事業活動にともなう環境負荷をいかに低減していくかという観点です。
坂本 社会全体のエネルギー効率を高めてくという観点から言えば、人々がいつでもどこでもコンテンツやサービスを利用できるユビキタス社会を実現していくことで、人やモノの移動が減少し、エネルギー消費量やCO2排出量の削減をすることができます。グループが連携してユビキタス社会の実現を目指すことは、それ自体、大きな社会貢献になると思います。
松井 当社には、電力・ガス設備などの監視制御や自動販売機の在庫管理など「FOMAユビキタスモジュール」を利用した遠隔での監視・制御系のソリューションがあります。このサービスを自動販売機の遠隔在庫管理に導入されたお客さまからは、在庫状況が常に把握できることから、必要な時に適正な飲料積載量で輸送トラックを走らせることが可能となり、システム導入前と比べ12.5%のCO2削減に役立ったと評価いただいています。
金澤 皆さんの取り組みを踏まえて、NTTグループでは、環境負荷低減策の柱のひとつに「ICTの有効活用」をあげており、これによって2010年までに社会全体のCO2排出量を1,000万トン削減するビジョンを打ち出しています。同時に、事業活動におけるCO2排出量の削減もグループ一体的に進めていかなければなりません。いくら情報通信基盤の整備を推し進めても、サービスを提供する私たち自身の環境負荷が高まれば、それは真の社会貢献とはならないからです。
坂本 ユビキタス社会が実現するとデータトラヒック量が加速度的に増大し、データセンターの拡張にともなって電力消費量も増大していきます。この問題は情報通信業界共通の課題であり、現在もグループ各社とともに対応を図っていますが、今後はよりいっそうシナジーを意識していく必要があります。当社では、効率に優れた電源設備や空調システムの活用はもちろん、最近は施設の屋上緑化や太陽光発電システムの導入などに力を注いでいます。
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十河 確かに、データセンタの省エネ推進という切り口はシナジーを発揮しやすいですね。当社では「グリーンデータセンタ」サービスを開始しており、仮想サーバ(注)などの新しい技術を導入することで既存のリソースを最大限に効率活用して処理能力を高めたり、太陽光発電や高効率空調システムの導入、NTTファシリティーズなどと省エネ効果を高める給電システムの検証を行なっています。
(注) 仮想サーバ:物理的なサーバ機は1台しかなくても、あたかも複数台のサーバ機があるかのようなコンピューティング環境の一つひとつを指す。
若泉 当社が開発・運営するオフィスビルにおいても、新築時あるいはリニューアルの段階で省エネ設備を積極的に導入しています。また、近年、都市部で大きな問題となっているヒートアイランド現象への対策の一環として、NTTファシリティーズと共同で屋上緑化の実証実験も行なっています。
井上 当社では環境問題の施策のひとつとして「もったいない」をキーワードに、積極的に通信機器類やパソコンなどのリサイクル、リユースに取り組んでいます。グループ各社とも同じような取り組みを行なっていると思いますが、NTTグループ全体としてシステマチックに連携を強めれば、さらに効果的な展開ができるのではないでしょうか。
田村 機器を新規に調達するさいにも、これからは環境性能を重視して機器を選定する「グリーン調達」をよりいっそう推進していく必要があると思います。省エネ性能の高い機器は、まだまだ高価で調達コストはかさみますが、環境性能を重視するNTTグループの姿勢を示すことが、機器ベンダーに対しても社会一般に向けてもいっそうの省エネ推進を訴えるメッセージになるのではないかと思います。
高野 金澤さんが最初に仰った2つの側面について、私は「開発の側面」と「活用の側面」と呼んでいます。事業活動にともなう環境負荷を低減していくために、NTTファシリティーズなどが取り組んでいる電力装置の「開発」を一緒にやっていくと同時に、事業活動に伴う環境負荷を低減していく「活用」についても、田村さんが仰ったようにNTTグループのなかで共通テーマを決めて、打ち出していくことで、社会に対してトータルなシナジー効果をもたらすことができるのではないでしょうか。
株式会社NTTドコモ
代表取締役副社長
松井 浩
日本電信電話株式会社
代表取締役副社長
金澤 薫
NTT都市開発株式会社
常務取締役
若泉 征也
NTTコムウェア株式会社
代表取締役副社長
高野 博明
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