主な研究内容
エネルギーネットワーク最適制御技術
CO2排出量や運用コストを最小限に抑えられるエネルギーシステム
いままでは
- 燃料電池や太陽電池の発電設備と、空調や給湯などのエネルギーを使う設備がそれぞれバラバラに動いていると効率が悪いんだよな…
- 太陽電池はせっかく日が照っていても、電気が余ってると蓄電できないのよね
- 燃料電池はお風呂の追い炊きが難しいんだよな
NTT環境エネルギー研究所では
太陽光発電予測技術やエネルギー需要予測技術を用いて、複数のエネルギー設備の最適な運転計画をスケジューリングする、エネルギー制御技術の研究開発を進めいています。
太陽電池や燃料電池、蓄電池など複数のエネルギー設備を持つエネルギーネットワークにおいて、CO2排出量やエネルギーコストを最小化できるエネルギー設備の運転スケジュールを決定します。従来は各エネルギー設備の単純な特性だけを考慮して、運転スケジュールを決定していましたが、本技術は遺伝的アルゴリズムやタブーサーチなどのメタヒューリスティック手法を適用しており、複雑な分散エネルギー設備特有の特性や制約条件を考慮した運転スケジュールを立てることを可能にしました。
最適制御技術
太陽光発電、燃料電池、蓄電池等、複数の設備を持つエネルギーネットワークにおいて、環境性や経済性の効果を十分に発揮するためには、それぞれの特徴を考慮しながらバランス良く連携し需要に合わせて効率的に運転させるための最適制御技術が必要となります。最適制御は、太陽光等のエネルギー発電量予測や電力・熱需要予測を用いて各エネルギー設備の運転計画を最適スケジューリングし、この運転計画に基づいて各エネルギー設備を制御することにより実現できます。
最適スケジューリングにおいては、エネルギー設備における非線形や不連続な特性および複雑な制約条件を総合的に考慮すると、計算時間が膨大となり局所解しか得られない等の難しさがあります。適用を検討しているメタヒューリスティック手法は、ヒューリスティックスを反復的に用いることにより効率的に解を求めるアルゴリズムの総称で、比較的高速に大域的最適解の高精度な近似解を得ることができます。メタヒューリスティック手法の中でも代表的である、生物の進化の過程を模倣した遺伝的アルゴリズムと、人間の記憶過程にアナロジーを持つタブーサーチ等について研究開発を進めています。これらのアルゴリズムを上手く応用することによって、柔軟性があり汎用性の高い最適スケジューリング技術の確立を目指しています。
最適スケジューリング技術の実証の場として、2005年に開催された愛・地球博おける新エネルギーシステムの実証研究がありました。本実証研究は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の委託事業「新エネルギー等地域集中実証研究」を9事業者が共同で実施したものです。実証研究では、NTTファシリティーズが担当するエネルギー制御システムにおいて、二酸化炭素排出量の最小化という目的で最適スケジューリングを自動計算し、その運転計画に基づき環境に優しいエネルギーシステム運用が実現されました。
発電・需要予測技術
太陽光発電、燃料電池、蓄電池等、複数の設備を持つエネルギーネットワークにおいて、環境性や経済性の効果を十分に発揮するためには、それぞれの特徴を考慮しながらバランス良く連携し需要に合わせて効率的に運転させるための最適制御技術が必要となります。最適制御は、発電・需要予測技術による電力および熱エネルギーの需要(消費)量や太陽光発電システム等の発電量の予測結果に基づいて各エネルギー設備の運転計画を最適スケジューリングし、この運転計画に基づいて各エネルギー設備を制御することにより実現できます。
ここで、発電・需要予測技術の予測精度が低いと様々な問題が生じます。例えば、太陽光発電システムの発電量の予測量が実際の発電量よりも多かった場合、太陽エネルギーで供給する予定であった電力を蓄電池や燃料電池で補完することが必要となります。蓄電池で補完した場合には蓄電池の蓄電量が計画外に低下し、次回のスケジューリングにおいて蓄電池の利用範囲が制限されます。また、燃料電池で補完した場合には補完した時刻帯が熱エネルギーの不要な時刻帯の場合に、熱エネルギーを有効に利用できず全体としてのエネルギー利用率が低下してしまいます。このため、最適スケジューリングの最適化効果を最大限に得るためには、精度の高い時系列の発電予測および需要予測が必要となります。
発電・需要予測技術は数時間先から翌日など指定された未来における太陽光発電システムなど自然エネルギー発電装置の発電量と、一般家庭における電力および熱エネルギー需要量を予測する技術です。太陽光発電などの自然エネルギー発電装置の発電量は気象条件に左右され不安定であり、一般家庭におけるエネルギー需要量は業務用ビルなどの需要変動に比べ変動が大きいため、ともに予測が困難です。発電予測については、気象予報や発電量の実績などを基に、回帰分析やニューラルネットワーク等の各種予測手法を用いて予測し、需要予測については、気象予報、需要量の実績、曜日、需要の発生率などを基に、各種予測手法を用いて予測することにより、予測精度の高い技術を目指しています。
本技術は最適スケジューリング技術とともに、2005年に開催された愛・地球博おける新エネルギーシステムの実証研究に適用されました。実証研究では、定格330kWの太陽光発電システムにおける翌日の発電量を予測することにより、最適スケジューリング技術の最適化を支援しました。
エネルギーネットワークの研究開発(詳細版)
「エネルギーネットワークの研究開発」 についての詳細やソリューションマップをまとめております。
http://www.ntt.co.jp/islab/kankyo/demo/DS1000.html
ここがポイント!
複雑な制約条件も考慮できるので、燃料電池にもやさしい時系列のスムーズなスケジューリングが可能です。
