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総合研究所概要

ネットワークサービスシステム研究所

研究所の概要

スマートフォンや高速モバイル端末の利用や4K/8K(高精細映像)の普及などに伴うトラヒックの急激な増加、全てのモノがインターネットに接続されるIoT(Internet of Things)の進展、社会全体のデジタル化・スマート化により、これまでになかったビジネス分野におけるネットワークの活用に向けて、ネットワークは今後も進化し続ける必要があります。

ネットワークサービスシステム研究所では、社会のスマート化・デジタル化を支えるネットワークシステムの実現を目指し、世界のリファレンスモデルとなる技術開発に取り組んでいます。

所長あいさつ

所長 立元 慎也

所長 立元 慎也

これからのネットワークには、社会インフラとしての信頼性や安心・安全だけでなく、変化の早い技術革新を柔軟に取り込み、多様なお客様の要望を迅速かつ安価に実現することが要求されます。ネットワークサービスシステム研究所ではフレキシブルで安心・安全なネットワークの実現に向けてオープンイノベーションを推進する研究開発に取り組んでいます。

具体的には、
(1) オープンソースソフトウエア(OSS)を含めた市中技術を最大限活用して研究所自らがシステムを組み上げて品質保証をするコストエフェクティブでスピーディなシステム開発を実現する『オープンイノベーション戦略』
(2) 誰もが簡単にサービスをカタチにし、安心して運用していける『ワンストップオペレーションMOOSIA』
(3) オープン系技術や汎用技術を活用し、お客様ニーズに応じて転送系機能をフレキシブル・スマート・セキュアに提供する『フレキシブルな転送サービス基盤技術』
(4) IoTデバイスをユーザに合わせて連携利用してサービス提供するため、IoTデバイスの分析や制御を行うAI等の機能をNWから動的に配信する『Tacit Computing技術』
(5) さらなる伝送容量の増大ならびに設備・電力・保守運用コスト等の抜本的低減を実現する『光伝送基盤技術』
(6) 電話サービスの通信キャリア網間の接続について、従来の回線交換網を介した形態からIPベースの直接接続を実現する『IP相互接続』
等に取り組んでいます。

ネットワークサービスシステム研究所では、今後も社会のスマート化・デジタル化を支えるネットワークシステムの研究開発を推進すると共に安心安全の追求、研究開発成果のグローバル展開に取り組んでいきます。

プロジェクト

  • ・ネットワークシステム研究開発企画推進プロジェクト
  • 将来NWアーキテクチャの確立、及びその具体化に向けた研究開発
  • ・ネットワーク伝送基盤プロジェクト
  • 光/パケット連携制御技術、およびネットワーク仮想化や光L2技術を用いた革新的なネットワーク伝送基盤の実現に向けた研究開発
  • ・ネットワークサービス基盤プロジェクト
  • ネットワークサービス基盤技術の研究開発、レガシーノード技術サポート、標準化戦略立案と推進
  • ・ネットワーク制御基盤プロジェクト
  • ネットワーク制御アーキテクチャの確立とサーバ基盤技術の研究開発
  • ・オペレーション基盤プロジェクト
  • end-to-endオペレーションの実現を目指したネットワークオペレーションの研究開発
  • ・転送サービス基盤プロジェクト
  • 高速転送制御技術を用いた次世代IP系サービスノード研究開発

主な研究内容

(1) オープンイノベーション戦略

(1)-1 OSS共通基盤 Open Earth

B2B2Xモデルでのビジネスパートナーへの要望に応じて迅速に安価なネットワーク機能を提供していくためには、システム開発の自由度を高め、投資リソース・期間の低減・短縮が求められます。Open Earthでは、汎用的なハードウェアデバイスやオープンソースソフトウェア(OSS)を中心とした市中技術を積極的に活用し、迅速・低コスト・スピーディなキャリアネットワーク機器開発の変革を目指しています。
Open Earthは、ネットワーク仮想化(NFV:Network Function Virtualization)を実現する共通的な基盤ソフトウェア群です。様々アプリケーション要件に依存せずに、Open Earth上でネットワーク機能を動作させることを目指しています。主な特徴は、以下です。

・必要な機能を部分的に利用できるアーキテクチャ
・データセンタ分野の開発ツールの活用
・研究所で培った品質・維持管理に関する知見・ノウハウの適用とドキュメント提供、導入支援
・市販製品との接続性担保

OSS活用に積極的に取り組み、コミュニティ活動やOpen Earthのオープン化についても取り組んで行きます。

(1)-2 多様なニーズに応じて組み上げ可能な「オープンルータ」システム

現在の通信事業者のネットワークは、大型の専用装置(ルータ)で構成されており、一部の機能を変更したい場合でも、装置単位の大規模な開発が必要となります。NTT研究所は、ルータの各機能を部品化し自由に組み上げることで、多様なニーズに応じたスペック/規模/機能のネットワークを柔軟に提供可能なシステムアーキテクチャの研究開発を推進しています。
主な取り組みとして、2014年よりMSF(Multi-Service Fabric)というプロジェクトを推進しています。
これは、シンプルかつ小型のスイッチを組み合わせソフトウェアで統合制御するオープンなシステムにより、安価かつ迅速に多様なサービスを提供するネットワークを実現します。
更に、BeluganosというネットワークOSの内製化にも取り組んでおり、スイッチ自体のハードウェア・ソフトウェアの部品化とカスタマイズ性の向上を推進しています。
NTT研究所は、こうした技術のグローバルな普及にも取り組んでいます。海外キャリアやOTT等と協業し、開発したソフトウェアをオープン化(※1)(※2)することで、来るべきAIやIoT時代の様々なサービスの社会基盤の実現を牽引しています。

※1 MSF(Multi-Service Fabric): ネットワーク制御用オープンソフトウェア別ウインドウが開きます
※2 Beluganos:ネットワーク装置制御用オープンソフトウェア別ウインドウが開きます

(1)-3 あらゆるNWサービスを柔軟・迅速に実現するOSSベースサーバ基盤技術

サービス事業者の多様な要望に柔軟かつ迅速に対応できる変化に強いネットワークの効率的な提供に向け、ネットワークシステムを汎用的なハードウェアやソフトウェアで実現するネットワーク仮想化(NFV)技術と、オープンソースソフトウェア(OSS)の活用に取り組んでいます。

NFV領域では、IT領域で広く活用されているサーバ基盤用OSSであるOpenStackや、高速なパケット処理用OSSライブラリであるDPDK(Data Plane Development Kit)の仮想ネットワークでの利用、IT領域で普及が進みつつあるコンテナ技術の適用等、OSSの活用が進んできています。しかし、キャリアのサーバ基盤として利用する場合には、性能、信頼性、運用性など、あらゆる面でまだ機能が不足しているところがあります。
NS研では、OpenStack/DPDK利用時に不足している、VNF(Virtual Network Functions)ライフサイクルの管理機能、仮想マシン利用時のリソース予約機能、複数の仮想マシン間のリソース割り当ての柔軟性向上機能(CPU-pinning等)、DPDKベースの仮想ネットワークの性能改善機能、のOSSコミュニティへの提案や、ハードウェアアクセラレータ(FPGAなど)の活用によるネットワーク処理の高速化、コンテナ技術を適用したアジリティの向上等の関連機能の検討・提案に取り組んでいます。

今後も、サーバ基盤関連技術について、OSSコミュニティと連携した機能提案を行い、NFVの具現化に取り組んでいきます。

(2) ワンストップオペレーションMOOSIA

私たちは,MOOSIA TMというコンセプトを掲げ,近年の高速化するサービス開発現場において、誰もが簡単にサービスをカタチにし、安心して運用していける世界の実現を目指し,日々技術の研究に取り組んでいます(※1)(図※)。

はじめるをシンプルにする技術
・APIフレームワークによる連携技術

つづけるをシンプルにする技術
・保全高度化技術
・自動化領域拡大技術

つづけるに+αする技術
・AI(人工知能)要素技術の適用
・ビッグデータ解析技術の適用

こういった技術を実際の現場に提供したり、現場の課題をフィードバックしながら、研究開発で社会に貢献しています。

※1 NTT技術ジャーナル 「ワンストップオペレーションMOOSIAに関する 取り組み」別ウインドウが開きます

(3) フレキシブルな転送サービス基盤技術

お客様ニーズに応じて、転送系機能をフレキシブル・スマート・セキュアに提供し、また、エッジコンピューティングなどに向けた転送系付加価値機能を提供する、転送サービス基盤技術の研究開発に取り組んでいます。また、これらの技術をコストエフェクティブでスピーディに開発・提供可能とするため、本分野においてもオープンイノベーションに取り組んでいます。

(1) オープン・高度化エッジ:ホワイトボックスなど汎用ハードウェアやオープン系技術を活用した通信事業者向けエッジ技術、ならびに、多種多様な付加サービス機能への振り分けを実現する高度なトラヒック制御技術の検討を進めています。

(2) 仮想GW・スライス:仮想CPE、スライスGW、IoTGW等、ネットワーク間接続に必要となる機能をOSSを活用して共通基盤上に搭載可能な構成技術、ならびに、5G時代に向け、複数クラウド・事業者をまたがるエンドエンドのネットワークスライスの提供を可能とする技術の検討を進めています。

(4) Tacit Computing技術:オープンIoT時代にむけたネットワークサービス

IoTデバイスは増加を続け、2020年には数百億台に達します。一方、IoTサービスに関しては、現状、サービスとデバイスは固定的に決まっており、サービスに応じて柔軟に複数のデバイスが連携することはありません。そこで、今後IoTサービスを活性化するには、サービスとデバイスが自由に繋がるオープンなIoTが重要になると考えています。これら背景を踏まえ、私達は、NWに分散されたIoTデバイスを、ユーザに合わせて連携利用してサービスとして提供するため、IoTデバイスの分析や制御を行うAI等の機能を、NWから動的に配信する新たなアプローチ:Tacit Computingを提案しています。
動的な機能配信をベースに、Tacit Computingでは3つの要素技術を磨いています。
・リレーションロケーションマッチング:通信・計算リソースを低減するべく、AI等機能の最適配信先を、クラウド・エッジ・HomeGW等から、計算する技術。
・AIレゾナンス:機能とデバイスの適切な連携のため、相関関係を自動抽出し設定する技術(例:カメラ画像認識精度が低い場合に、周囲照明と連携して精度を上げる)。
・環境適応型コード生成:画像処理等のCPUでは時間がかかるプログラムを、NW上のGPUやFPGA等の配置先に合わせ自動変換することで高速化する技術。

(5) 光伝送基盤技術

安心・安全なネットワークサービスをストレスなくご利用頂けることを目標に、大容量トラヒックを経済的・高信頼に情報伝達するトランスポートネットワークの研究開発を行っています。
大容量なトランスポートネットワークの実現に向けては、高密度な変調方式を適用した400G(※1)(※2)/1T級(※3)の大容量伝送と省電力化を両立する光伝送システムの技術開発に取り組みます。
また、激甚災害による伝送路断時などに遠隔制御による迅速な伝送経路設定を実現する経路切替技術の実現/活用を目指して、ネットワークシステム構成の実現に取り組みます。

※1 NTT持株会社ニュースリリース
「データセンター間を接続するネットワークへ超大容量400ギガビット伝送装置を導入」 別ウインドウが開きます 2017年2月

※2 NTT持株会社ニュースリリース
「既設ファイバにおける400ギガビット信号のマルチバンド大容量伝送に向けた オールラマン光増幅技術のフィールドトライアルに成功」別ウインドウが開きます 2017年5月30日

※3 NTT持株会社ニュースリリース
「世界最速の1波600Gbps光伝送と587Gbpsのデータ転送実験に成功」別ウインドウが開きます 2018年12月

(6) IP相互接続

従来のVoIPサービスのキャリア間接続では、各キャリアのVoIPネットワークはそれぞれ既存の回線交換網であるPSTN(Public Switched Telephone Networks)と接続しており、このPSTNを経由することで異なるキャリア間のVoIP通信を実現する形態が一般的でした。
しかし、PSTNの中継・信号交換機等は、維持限界を迎えるものが発生するため、通信キャリア間の相互接続をPSTN経由の接続からIPベースの直接相互接続(IP相互接続)へ移行し、2025年までに既存PSTNからIPネットワークへの移行(マイグレーション)を完了させる予定です。

通信キャリア間のIP相互接続の実現に向けて、3GPPにおける国際標準化、およびTTCにおける国内標準化に取り組んでいます(※)。
具体的には、3GPPは移動網を中心とした標準化を推進しているため、固定網観点の技術仕様や国内で利用するにあたり不足している要件を、網間NNI仕様(TS 29.165)に反映しています。また、TTCにおいては、TS 29.165に準拠しつつ、国内特有の補足事項と明確化事項を加味した標準としてJJ-90.30を制定しました。さらに、PSTNマイグレーションに係る意識合わせの場とも連携し、合意した要件(コーデック、事業者間精算、0AB0/00XYサービス等)をJJ-90.30に反映することで、商用IP相互接続の実現を目指しています。

※NTT技術ジャーナル 「IP相互接続仕様に関する標準化活動」別ウインドウが開きます

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