近年、情報通信市場は大きな変化と発展が続いています。
今後のNTTグループの事業戦略を担う渡邊副社長に、これまでの事業活動に対する振り返りと今後の方針を伺いました。

2012年3月期は、2期連続で増収・増益を達成することができました。
また、2008年5月に公表した中期経営戦略では「サービス創造」を旗印に、5つの指標を目標に取り組んできました。事業構造改革については、IP系やソリューション※1などの割合が2012年3月期に70%となり、2013年3月期予想の75%は達成できる見込みです。固定通信事業の中核となる光サービスは、2012年3月期で黒字化を達成しました。海外事業についても116億USドルの売上高となり、当初の目標を1年前倒しで達成することができました。設備投資の対売上高比率については、引き続き設備投資の効率化に取り組み改善してまいります。最後に、連結営業利益についても、2013年3月期の業績予想を1.28兆円としており、概ね達成できると見込んでおります。

情報通信市場においては、「ソーシャル化」が進展し、ソーシャル・ネットワーク・サービスが爆発的に拡大しています。
また、サーバやソフトウェアなどを「所有」することなく、必要なときに必要なだけ効率的に最先端のサービスを利用できる「クラウド化」が進展しています。
さらに、スマートフォンやタブレット端末等、使う端末(=デバイス)の種類を問わずに同じサービスを利用できる「マルチデバイス化」も進んでいます。これらの変化はグローバルな規模で起こっており、異なるサービスのコンバージェンス(連携・融合)も急速に進展しています。
こうした市場の大きな変化をチャンスと捉え、NTTグループがどのように対応していくかが今後の成長の鍵となってくると認識しています。
今後成長を見込める分野として、「アプリケーション・コンテンツ」、「ビッグデータ※2・M2M※3ソリューション」、「データセンタ※4・クラウドビジネス」の3つを考え、重点的に取り組んでいるところです。
「アプリケーション・コンテンツ」分野では、豊富な顧客基盤を活かし、引き続き多彩なサービスを提供していきます。
「ビッグデータ・M2Mソリューション」分野では、法人のお客様の付加価値を高めるべく様々なソリューションを提供していきます。
「データセンタ・クラウドビジネス」分野では、国内での自治体クラウド・医療クラウドの提供に加え、グローバル企業のアウトソーシングニーズに応えていきます。最先端のサービスが創出される北米市場では、新たなブランドを立ち上げ、現地で競争できる体制を整える予定です。
この3つの分野は、2012年3月期に売上規模が約6,800億円でしたが、2013年3月期は約8,600億円へと、1年で3割近くの増収を図っていきたいと考えています。

NTTグループは、情報通信市場の大きな変化と発展に対応し、グループの総合力を活かしながら、これからも安心・安全なサービスを提供し続け、いつまでもお客様に信頼される企業を目指していきます。
今秋には、前述の重点分野における取り組みも踏まえ、新たな中期経営戦略を策定し、株主・投資家の皆様にお伝えする予定です。また、利益成長と資本効率の改善に取り組むことにより、一株当たり当期純利益(EPS)を中期的に60%以上成長させることを目標に掲げ、株式価値の向上を図ってまいります。