マテリアリティの具体例② 環境負荷の低減

最終更新日:2017年12月27日

「2 飢餓をゼロに」「6 安全な水とトイレを世界中に」「7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「12 つくる責任つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」

基本的な考え方

CO2削減をはじめとした環境負荷の低減は、国際的にも持続可能な社会の形成のために解決すべき重要な課題と認識されています。NTTグループは、「グローバルビジネスの拡大・利益創出」と「B2B2Xビジネスの拡大」を事業戦略の基軸として、中長期的に持続可能な事業の発展をめざしており、発展を支える不可欠な要素として、各ステークホルダーとの協働を通じて、積極的に環境負荷低減の取り組みを進めています。

NTTグループ環境宣言

NTTグループでは、ステークホルダーの皆さまとともに創っていく地球環境の未来像と、その実現に向けた環境活動を通じて、私たちがどのような企業でありたいかを描き、それを「NTTグループ環境宣言」としてまとめました。「人と地球が調和する未来」、そこでは世界中のあらゆるものがつながる持続可能な社会が実現されている、そのような未来の実現に向けて、私たちNTTグループは環境貢献の最先端企業の一員として力を十分に発揮できることをめざし、日々の環境活動に取り組んでいきます。
人と地球が調和する未来について、私たちは3つの姿を描きました。この3つの未来の姿をめざして、ICTサービスや最先端技術の提供などで貢献していきます。

NTTグループ環境宣言は「人と地球が調和する未来、私たちは環境貢献の最先端へ」で、私たちは、めざす未来を実現するために3つのテーマを掲げ、ICTサービスや最先端技術の提供などで貢献していきます。1つ目が「社会が低炭素化している未来へ」とし、世界がめざすCO2排出量の大幅削減と、気候変動への適応に貢献します。2つ目が「資源が循環している未来へ」とし、資源の有効利用に貢献します。3つ目が「自然と共生している未来へ」とし、生態系の保全に貢献します。

環境目標2030

「社会が低炭素化している未来へ」では、NTTグループによる社会のCO2排出の削減貢献量を、NTTグループ自身の排出量の10倍以上とします。更に、通信事業(データセンター含む)の通信量あたりの電力効率を、2014年3月期比で10倍以上とします。そして、気候変動への適応に貢献するため、あらゆる活動を通じた取り組みを積極的に推進します。また、ステークホルダーの皆さまとも協働していきます。「資源が循環している未来へ」では、NTTグループが排出する廃棄物の最終処分率について、ゼロエミッション*を達成します。「自然と共生している未来へ」では、生態系を保全するため、あらゆる活動を通じた取り組みを積極的に推進します。また、ステークホルダーの皆さまとも協働していきます。

環境宣言で掲げた未来の実現に向けた道しるべとして、2031年3月期までの環境活動の目標である「環境目標2030」を設定しました。
環境目標2030では、NTTグループの環境に関する重点課題である「気候変動」と「エネルギー」、「資源」及び「生態系」について、目標を掲げています。社会が低炭素化している未来に向けては、「社会からのCO2排出削減貢献量」「NTTグループの事業の電力効率」「気候変動適応への貢献」について、資源が循環している未来へ向けては、「廃棄物の最終処分率」について、そして、自然と共生している未来へ向けては、「生態系保全の取り組み」についての目標を設定しています。

  • *NTTグループでは、最終処分率1%以下をゼロエミッションとして定義しています。

環境負荷の全体像

NTTグループでは、事業活動に伴って発生する環境負荷をできるだけ低減していくために、「事業活動を通じて、どのような資源・エネルギーを使用し、その結果、どのような環境負荷が発生しているか」について把握・分析に努めています。
また、事業活動に伴って自社で発生する環境負荷に加えて、ICTサービスなどを提供するにあたって間接的に排出される「バリューチェーン全体を通じた温室効果ガスの排出量(スコープ3)」も算定・公表しています。
2017年3月期のスコープ3は1,716万トンとなりました。このうちカテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ2(資本財)、カテゴリ11(販売した製品の使用)の3つのカテゴリが全体の85%以上を占めており、「グリーン調達ガイドライン」に基づく低環境負荷製品の導入促進や、お客さまが使用される機器の省電力化の取り組みを進めています。

  • スコープ1:燃料などの使用による直接排出量、スコープ2:電力などのエネルギー利用に伴う間接排出量、スコープ3:バリューチェーン全体を通じた温室効果ガスの排出量。
  • カテゴリ:スコープ3について、バリューチェーンのうち、自社以外の活動である「購入した製品やサービスに関する活動(上流)」と「販売した製品やサービスに関する活動(下流)」を、さらに15に細分化した区分

NTTグループのマテリアルバランス*(2017年3月期)

NTTグループへのINPUTは次のとおりです。購入電力が83.6億kWh、燃料使用量2.3万kl、ガス使用量5,087万m3、水使用量(上下水合計)1,242万m3、純正パルプ使用量1.9万t、社用車の使用燃料ガソリン1.3万kl/軽油0.3万kl/石油ガス・天然ガス1.3m3となります。これらがNTTグループへとINPUTされ、GHG排出量がスコープ1で19万t、スコープ2で440万t、排水(試算値)は554万m3、廃棄物は60.8万t(リサイクル率98.8%)としてOUTPUTされます。また、お客さま(法人、個人)の通信機器・電池、付属品(充電器)などや携帯電話の使用後の回収をサプライヤー(メーカー、サービスプロバイダー、通建業者)が行い、NTTグループが再びお客さまの元へ循環させます。

  • *事業活動で必要とされる資源・エネルギーの量と、それに伴う廃棄・排出量との関係。

社会のCO2排出削減への貢献

NTTグループによる社会からのCO2排出削減貢献量

ICTは、例えば、書籍や音楽・映画などのデジタルコンテンツ化により、書籍やCD・DVDなどを配送するためのエネルギー消費が低減できるなど、物や人の移動の代替効果のほか、生活や仕事の効率化などを通じて、暮らしや社会の環境負荷低減に貢献しています。
NTTグループでは、2031年3月期の目標として、NTTグループのサービス・技術などを提供することで削減可能な社会からのCO2排出量を、NTTグループ自身の排出量の10倍以上とする目標を設定しています。
2017年3月期のNTTグループによる社会からのCO2排出削減量は、NTTグループ自身のCO2排出量の8.9倍となりました。これは、スマートフォンの普及や、高速・大容量ネットワークの更なる拡大に伴い、動画配信などの新しいサービスの普及が進み、通信に必要なエネルギー消費を上回る環境負荷を減少できたことによるものです。
NTTグループでは引き続き、様々な分野において、ICT活用による社会の環境負荷低減に取り組んでいきます。

  • 社会からのCO2排出削減貢献量は、ICTサービス等により得られる省エネルギーの効果をCO2量で数値化しています。省エネルギー効果の数値化には、TTC(情報通信技術委員会)の標準「ICT製品、ネットワーク、サービスの環境影響評価手法(JT-L1410)」と、日本LCAフォーラムの「ICT(情報通信技術)事業の組織のLCA」研究会の算定方法を参考にしています。
  • 集計対象範囲は日本国内。

設備の省エネ化による自らのCO2排出抑制

地球温暖化の原因とされるCO2をはじめとした温室効果ガスの排出をいかに削減していくかは、世界的にも重要な社会的課題になっています。NTTグループの主要事業領域であるICT分野においても、その発展に伴い、大容量の情報処理や、大規模サーバーの冷房などに伴う電力使用量の増加が懸念されており、ICT企業に対する省エネルギー化の要求が高まっています。
NTTグループは、データセンターサービスなども含め、様々なICTサービスを提供していますが、サービス提供のために購入する電力が、CO2排出要因の95%以上を占めています。そのため、CO2排出削減のためにも、省エネルギー化の取り組みを推進しています。
また、NTTグループの購入電力量は年間80億kWh以上と、大量の電力を利用していることから、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に起因する電力価格の上昇により、今よりも大きな財務的影響を受けるリスクがあります。そのため、財務的な観点からも設備の省エネ化によるCO2抑制に取り組んでいます。具体的には、通信設備の集約やエネルギー効率の高い機器への更改、空調最適制御システムや直流給電システムなどの新技術導入など、2017年3月期は電力使用によるCO2排出量削減対策に約86億円の投資を実施しました。その結果、成り行きから約9.2億kWhの電力使用量の削減を実現しました。このように低炭素社会の実現に向けて貢献するとともに、自らの財務的リスクの低減にも努めています。

NTTグループのCO2排出量の内訳

年/月期 2013/3 2014/3 2015/3 2016/3 2017/3
電力起因のCO2(万t) 417 461 484 467 438
(内訳) 電力(億kWh) 85.6 85.2 89.5 87.4 83.6
排出係数(kg/kWh)* 0.488 0.541 0.540 0.534 0.524
ガス・燃料のCO2(万t) 16.4 16.4 15.9 13.9 13.4
社用車のCO2(万t) 5.9 5.5 4.7 4.2 3.8
熱のCO2(万t) 1.6 2.0 2.6 2.7 2.9
CO2排出量合計(万t) 441 485 507 487 458
  • *NTTグループが各電気事業者ごとに使用している電力量に応じて、各電気事業者が毎年公表している排出係数を加重平均した値です。
  • 集計対象範囲は日本国内
  • CO2以外の温室効果ガスを除く

通信事業の電力効率

電力効率の向上

NTTグループでは、2031年3月期の目標として、データセンターを含めた通信事業*の通信量あたりの電力効率を、2014年3月期比で10倍以上とする目標を設定しています。電力は通信事業継続に不可欠であり、電力利用の効率を上げることは、事業継続リスクの回避と、気候変動の緩和の両面につながると考えています。
2017年3月期の通信事業の電力効率は、省エネ性能ガイドラインに基づく、省エネルギー性能の高い機器の導入や、ネットワーク構成の効率化を進めたことで、2014年3月期比で2.7倍となりました。

  • *国内の主要5社(NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTデータ)を対象

データセンター等の省エネ化

NTTコミュニケーションズはPUE*1=1.2、NTTコムウェアはPUE=1.1以下という世界最高レベルのエネルギー効率を有するデータセンターを有しており、他のデータセンターにおいても「省エネ性能ガイドライン」に基づき、最も省エネ性能の高いレベル(5つ星)の装置を導入するなど、PUE向上に向けた取り組みに努めています。NTTファシリティーズでは、NTTグループの通信ビル・データセンターの消費電力を削減する電源装置と空調装置の高効率化技術の確立や、データセンター向け統合空調制御システムの開発等に取り組んでいます。NTTグループの通信ビル・データセンターの省エネ化に向け、HVDC(高電圧直流)*2整流装置の導入を2015年3月期から本格的に進めており、これまでに約400ビル(2017年3月現在)で進めるなど、NTTグループ全体でエネルギー利用の効率化・コスト削減に貢献しました。今後も、HVDC(高電圧直流)整流装置の導入によるICT分野全体の省エネルギー化を推進していきます。
また、一部のデータセンターでは再生可能エネルギーを導入しています。NTT東日本の駒込データセンターでは、5kWの太陽光発電システムを構築しており、このほかNTT東日本の千葉データセンター、NTT西日本の大阪データセンター、NTTコミュニケーションズの東京第2データセンター、東京第4データセンター、東京第5データセンター、高松第2データセンターにおいても太陽光発電システムを保有し、データセンターの省エネ化を進めています。

  • *1Power Usage Effectiveness:データセンター全体の消費電力をサーバーなどのIT機器の消費電力で割った値。PUEは1より大きい数字であり、1に近いほど、そのデータセンターのエネルギー使用の効率が優れていることを示す。
  • *2外部から供給された交流電力を内部のICT機器に給電する過程で行われる、交流・直流、直流・交流の電力変換回数を減らすことで、データセンター全体の電源変換効率の向上を図る給電システム。高電圧にすることで電気が流れやすくなるため電線を細くすることができ、省エネ・省資源の両面の貢献が期待できる。

HVDC(高電圧直流)整流装置の導入促進

変換ロス約40%*削減 約15%*省スペース *200m2、75ラック、450kW相当のサーバールームにおいて試算HVDC整流装置のメリット

AC(交流)UPS給電システムと比較して、導入後の運用を含めたトータルコストの低減が可能なHVDC(高電圧直流)給電システムの更なる導入促進を図るため、低価格版HVDC(高電圧直流)整流装置を開発、2016年10月に販売を開始しました。
今後も、周辺装置を含めた更なる価格低減を継続するとともに、HVDC(高電圧直流)給電システムのメリットを最大限活かせるようICT機器まで含めたパッケージ提案をベンダーと連携して行っていきます。そしてグループ外のデータセンターや、企業内サーバールームなどへの導入を促進し、ICT分野全体の省エネルギー化を推進していきます。