Q 東西地域会社の業務をアウトソーシングする経営資源活用会社等とは、新しく設立する会社なのかそれとも既存の会社なのか。
A(小出第一部門長)
既存の経営資源活用会社の子会社を設立するのか、またどの程度の地域を単位とするのかについては今後の検討課題であるが、今のところ、「経営資源活用会社」としては既存の会社を想定している。
Q 営業権や資産を譲渡するいわゆる分社という形態になるのか、それとも単に業務だけをアウトソーシングするという形態か。
A(小出第一部門長)
基本的には、東西地域会社本体の業務を経営資源活用会社へアウトソーシングするということである。具体的なことについては今後検討していきたいと思っている。
Q 光サービス会社の設立はいつか。またどのくらいの人員規模、投資額となるのか。
A(小出第一部門長)
今年の7月を目途に新会社を設立できるよう計画をしている。人員規模はそれほど大きくなく、できるだけ外部にアウトソーシングしながら業務を進めていくことを考えているので、何百人という規模ではなくて何十人という規模ではないかと考えている。具体的な数字は現在言える段階にない。
Q 1点目に昨年の3ヵ年経営計画の1年目を終えた時点での評価はどうか。2点目に国・地方自治体等が光ファイバを敷設しないエリアについては、FWA等別の方法を用いて高速サービスを展開することを考えているのか。3点目に光サービス会社について東西地域会社とのすみわけをどのように考えていくのか。
A(小出第一部門長)
3点目から回答するが、光サービス会社と東西地域会社とのすみわけについては、基本的には東西地域会社が光ファイバの回線を提供する役割であり、光サービス会社は上位のレイヤーの光ファイバを利用したコンテンツ流通サービスなどをやっていく役割である。
2点目の地方部の低需要エリアへのサービスについては、国や地方自治体が光ファイバを敷設しているエリアについてはその活用も検討するし、光ファイバを敷設していないエリアについては、メタルが有効であればメタルを活用していくという方法も出てくると思う。
(宮津社長)
昨年の3ヵ年経営計画の1年目を終えてどうかと問われれば、当初想定していたよりも財務状況が苦しくなっているということは言える。これは、先程申し上げたように積極的に値下げに取り組んだのでその影響が出ているのだと思う。
東西地域会社について言えば、市場の急激な変化により、特に西日本会社の経営が苦しくなってきているということで、中期経営改善施策を発表したのが一昨年の9月であった。その中期経営改善施策に沿った形で、昨年4月に「NTTグループ3ヵ年経営計画(2000〜2002年度)」を発表した。その時点では、何とか努力して西日本会社が3年で黒字になるように計画を立てていたのだが、その後のサービス料金の値下げや接続料金の値下げがあり、現況では2002年度に西日本会社が黒字というのは大変厳しい状況になってきているというのは事実だ。したがって、昨年の「NTTグループ3ヵ年経営計画(2000〜2002年度)」で申し上げた内容を、今年もそのまま踏襲していたのでは無理があるので、今回は東西地域会社の構造改革を打ち出し、新しく計画を見直しているということになると思う。
Q 東西地域会社から業務をアウトソーシングする会社は、ドコモやMEのような地域会社になるというイメージなのか。また、アウトソーシングの対象となる人員の規模はどうか。
A(小出第一部門長)
アウトソーシング先の会社をどのような形態にするのかについては、現時点での経営資源活用会社の構造を見ながらこれから検討していくが、県単位かあるいはブロック単位で既存の経営資源活用会社の子会社を設立して、その会社にアウトソーシングするといった形態になると思う。また、人員規模については、アウトソーシングする業務や人員配置など、具体的にはこれから労働組合と論議をしていくので、現時点では決まっていない。労働組合の中での議論もあるので、夏を過ぎて相当の期間を要すると思われる。
Q 東西地域会社から他のグループ会社への人員流動の規模はどうか。また、サービスの値下げによる減収幅はどれくらいになるのか。さらに一昨年の中期経営改善施策で計画した東西地域会社の平成14年度の黒字化という目標は変更するのか。
A(小出第一部門長)
現在の中期経営改善施策では平成14年度末までに東西地域会社から他のグループ会社に4,300人の流動を計画しているが、これは受け手側の会社が希望する人数が原則となっている。具体的な数字についてはこれから議論するが、前回計画で4,300人であるから何万人という話にはならない。先程社長が申し上げた「万のオーダでの人員の検討」というのは、業務をアウトソーシングする経営資源活用会社への人員流動の規模が、千単位ではなく万単位になるであろうという意味合いだ。
また、サービスの値下げによる影響について言えば、市内通話料金を1円値下げすると東西で約800億円の減収になり、今後も値下げをすることになれば何百億という単位での影響になる。
西日本会社の平成14年度黒字化の見通しはについては、費用にも収入にも変動要素が大きいため具体的には決定していないが、目標としては平成14年度の黒字化を目指している。
(宮津社長)
補足すると、仕事もないのに人員を流動させるということではなく、それ相当の業務があるから、そこに人員を流動させて業務を行うということが原則である。
Q 「社員のライフプランの多様化を踏まえつつ、例えば退職・再雇用等により雇用形態の多様化等に取り組み」とあるが、それを進めるための具体的な制度を新設や拡充する考えがあるのか。
A(高部第五部門長)
社員の価値観が変化している中で、それに即応していくために成果・業績重視の新人事賃金制度を今年の4月から導入した。「退職・再雇用等」ということについても考え方は同じであり、今まで1つの人事・処遇制度でやってきたわけだが、今後は少し複線化した処遇制度を考えていかなくてはならないと考えている。「退職・再雇用等」という書き方をしているがこれは1つの方法論であり、本旨は雇用形態や処遇形態の複線化を考えていきたいということである。
Q 賃金水準の低い会社を設立して、その会社に人員を移転するというふうに受け取れるが、現行制度でそのような仕組みはあるのか。また、賃金水準に差を設けるとすれば、どの程度の格差をどのくらいの人員を対象に検討しているのか。
A(小出第一部門長)
現在は1つの処遇体系であるので、NTT社員に関していえば、基本的にはそのような仕組みはないということになる。また、賃金格差については、先程宮津が申し上げたように、個人の生活の問題を考えなくてはならないし、また、勤務条件をどのように設計するのかということも絡んでくる。その辺りを総合的に検討して、どのような体系が良いのかということを今後詰めていきたいと思っている。
Q 先程の雇用形態の多様化、処遇の多様化について、具体的に人的コストを削減するために何をするのかをうかがいたい。例えば地域間で差がついたり、あるいは年齢で差がついたりするのか。
A(高部第五部門長)
東西地域会社の社員については、昨年から行っている拠点の統廃合などでご存知の通り、基本的に全国に転勤してもらうという前提である。今回の新しい制度の中では勤務地を限定するということも考慮に入れなくてはならないと考えている。今まで都市部へ相当人員を流動させてきたので、都市部への流動にもある程度の限界があるため、勤務地の限定という要素を勘案するというのが1点だ。
成果・業績重視の新人事賃金制度で年功的な要素を相当払拭したのだが、社員が生活設計を考える際に、どのあたりの年代でどのようなプランを会社から提示するのが一番適しているのかについて会社として考えなくてはいけないという認識の下に、将来についてある程度設計できる年代を、選択肢の選択権を与えるポイントにしたいということで検討している。
Q ある年齢以上の社員に、賃金は低いが安定した雇用の選択権を与えて選択させるということか。
A(高部第五部門長)
賃金を画一的に下げるということが目的ではないので、他の一般企業が考えているような年金の受給開始年齢の問題についての対策と組み合わせて設定していくことになるだろう。
Q 光サービス会社については、低料金で光ファイバをユーザに提供する会社なのか、それともホールセールを行う会社か。また、有線ブロードネットワークスが提供しているような動画コンテンツも合わせたサービス形態をイメージしているのか。
A(小出第一部門長)
具体的なユーザとしては企業もあるだろうし、SOHOや個人も想定している。卸ではなく第1種通信事業者から回線を借りてユーザにダイレクトに提供する。有線ブロードネットワークスが提供しているような動画コンテンツについても対象にしていきたいと考えている。
Q 料金のイメージはあるのか。
A(小出第一部門長)
まだその段階まで至っていないが、競争下でサービスを提供するのであるから、高い料金であれば普及しない。かなり安くしないといけないとは思っている。
Q 宮津社長にお伺いしたいのだが、東西地域会社の構造改革でグループ一丸となった取り組みの下で人員流動を行うとあるが、持株会社としてどの程度の人員をグループ会社に引き受けてもらいたいと考えているか。
A(宮津社長)
先程申し上げた値下げをやってきている中で、東西地域会社が黒字化するためにはどのようにすれば良いのかということから始めるのが基本であり、黒字化の手段というのは人員を流動させることだけではなく、東西地域会社としてコストをどのように下げるのかということだと思う。したがって、そのようなものを多角的に検討をしようと思っている。その中の1つに人員流動という話があり、さらにどのような規模で流動させるのかという話になってくる。その他の条件を無視して、人員流動の人数ありきといった話にはならないと思う。
Q 今後の値下げも踏まえた上でどのくらいまでコストを落とさないと黒字転換ができないのか。
A(小出第一部門長)
収入についても変動するであろうと予測しているし、コストの削減具合についてもこれから詰めていく段階である。ただ、競争環境など将来の見通しを考えると、先程申し上げたように相当抜本的なことを実行しないと西日本会社が平成14年度に黒字化の目標を達成することは難しいという思いが強いので、このような施策をやっている。
Q この計画は現行の持株会社の存続を前提として立てられていると思うが、今の持株会社が特殊会社でなくなる段階においても持株会社が続くと展望して計画を立てているのか。また、電気通信事業法の改正による東西地域会社の業務の拡大と、今回の計画のアウトソーシングとの関係はどうか。
A(小出第一部門長)
競争が激しくなり、ユーザ料金の値下げやアクセスチャージの低減化のような値下げ圧力は続くと見ており、H13年度では東会社はわずか270億円の黒字、西は840億円の赤字を計画している。このまま放っておいても収支好転がなかなか期待できないため、本計画を策定した。今後経営形態が全く変わってもっと自由度が出てきた場合には、できることは増えるかもしれないが、今回は現状でこういうことを考えているということだ。
法改正による東西地域会社の業務拡大はインターネット関連業務が予想されるが、それによって新たなオペレーションが出てくるようなことがあれば、資源活用会社の子会社にアウトソーシングすることもあるかもしれないが、計画上は今の仕事のアウトソーシングを考えている。
(宮津社長)
5年も10年も先のことを読むのは難しいにしても、少なくとも3年くらい先を見てすぐに着手しなければいけないこともあるので、不確定要素はあるだろうが、当面の見通しを立てて皆の勢力を結集しようではないか、という意味で今回の計画を作成した。計画上変動要素はあるが、実際的な手段であると考えている。
Q 東西地域会社に業務拡大が認められ、かつアウトソーシングによる別の会社への業務移転を進めるのであれば、持株会社の判断で、例えばLモードなどをコムや経営資源活用会社にやらせることがあるのか。
A(小出第一部門長)
今回のアウトソーシングについては、基本的に東西地域会社会社の提供するサービスに関する一部の業務を委託するということである。したがってサービスそのものを別会社にやらせるというのは別の話である。
Q 東西地域会社の業務拡大について、どういうビジョンをお持ちなのか。
A(小出第一部門長)
業務範囲の拡大により新たなサービスがどんどん出てくると思うが、それらのサービスからの収入により今までの収入減をカバーすることはあり得るが、収入がどんどん伸びて急成長するようなモデルにはならないのではないか。パイのある程度の拡大はあると思うが、急速な拡大ではないだろうし、新しいサービスの分野でも、最初から料金競争により料金も下げざるを得ないという状態が出てくると思う。したがってコスト削減の取り組みは新しい分野でも出てくると思う。
(宮津社長)
業務範囲は電話から新分野に移っているものの、現在の経営資源活用会社(3類会社)が1類会社や2類会社から仕事を委託されているというパターンは今回の3ヶ年計画においても変わらない。問題は3類会社が仕事を増やしていくために、いかにコストを下げて競争力をつけるかということだ。コストを下げて、値段を下げることが新分野の開拓においては重要になる。社員の賃金が安くならないと値段が下がらず、結果として仕事が増えないという悪循環をどう絶ち切り、いかにうまく仕事を回すかが課題となる。
Q 光サービス会社は持株の100%出資か。また、MEなど既存の会社を利用しない理由は何か。
A(宮津社長)
株主構成については検討中である。MEも光関係のサービスをやっているが、光サービス会社については、リソースを集中させて光サービスを普及をさせたいという気持ちから新会社を設立することにしたということだ。
Q 設備投資の見通しはどうか。そのうちの光への投資はどれだけか。また、「電電ファミリー」という言葉についてはどう思うか。
A(小出第一部門長)
設備投資については、収入の推移にもよるので今後決めていくことになる。中期経営改善施策の中では3ヵ年で9000億円の設備投資の削減としているが、それ以上切り込むかどうかは今後の検討となる。光関連では、毎年2,000億円程度の投資をしているが、計画的な投資ではなく需要次第という形になる。
(宮津社長)
もともと「電電ファミリー」と言われていたのは、NTTで使う装置や物品の規格を決めて、安定した物を納入してもらうという意味からいろいろ指導してきたという歴史的経緯からであり、そのような仕組みが功を奏した時代もあった。しかしながら今は、メーカはメーカで競争して良い製品を出してきているし、我々も都合のいい時に安くて性能の良い商品を仕入れるという時代になってきており、NTTが育てなければならないという必然性はない。海外からの調達も増えてきており、そういう意味では国際調達問題も無くなってきている。
Q ユニバーサルサービスの問題に関連して、長野県知事が「NTTの拠点の集約によりサービスの質が落ちる」と言っているようだが、どうか。
A(宮津社長)
この問題は永遠に議論されるのだと思うが、人員は集約する一方で、不便がでないように技術でカバーしていくというのが世の中の方向であり、歴史がそれを証明しているのではないか。問題はどのようなテンポでやるかであり、急激にやるとひずみが出ることもある。大きな流れでは集約だが、それ以上は個別・地域毎の議論になる。

