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社長記者会見

2002年2月6日(水)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

Q 先日、総務省から電気通信事業者間の接続料引下げについて長期増分費用モデルが2案公表されたが、NTTの経営に与える影響を含めて、それについてどう考えるか。

A 接続料についてはまだこれからの話だから申し上げようが無く、事実の説明しか出来ない。2年前に接続料のモデルを作って議論をしたが、一応の決着をみて、それを実行に移し、値段を下げている。その間に「e−Japan重点計画」などが出てきたため、接続料だけでなく定額制のインターネット接続料を値下げしたり、電話ではマイラインが導入されたりしたため、接続料について議論していた時と比較して事情が変わり、接続料以外の部分で相当値下げすることになった。結果的に2000年度では約3000億円の値下げを行ったが、接続料だけでなくサービス全般の値下げの話になり、経営を圧迫する格好になってしまった。当初「NTTは黒字なので接続料を下げればいい」という議論だったのが、サービス全般の値下げも出てきたため、東西会社について言えば、結果的には黒字どころか赤字になってしまい、その赤字がいつ回復するかわからなくなってしまった。そのため通常の合理化策というレベルでは無くなり、東西会社の多数の人間を動かすなどの構造改革をするところまで追い込まれてしまっている。それが表れているのが、昨年11月に発表した中間決算で整理した数字であり、今後どうするのかということもその時に申し上げた。今はそういう状況のため、前回の接続料の議論の時とは、背景も随分変わってしまった。
 ところで、接続料はモデルで算定している。ある仮想のモデルを作り、それに対してコストがこうかかるはずだから値段はこうなるはずだ、という算定方式だ。しかし、あくまでもモデルであり、そのモデルから算定した金額に現実を合わせるために、その差分を合理化などにより現実にツメていこうとした場合、そのためのコスト削減等の手段はモデルとは全く関係が無い。結果的に、モデルから計算するとこうだと言われてしまうだけである。
 また、接続料を下げると、料金をもらう側のNCCからみるとその分コストが安くなり、それを自社の商品の値段を下げることに反映させることになるが、NTTも同じように商品を販売して競争しているので、対抗して値段を下げなくてはならない。
 しかしこれはどこのコストをどのように削減すれば良いかという実行上の接続料への対応策とずれてしまっている。つまり対抗手段は無いが競争相手が値下げするからNTTもただ下げるしかないということになり、経済的にも圧迫されてしまっている。接続料をもう少し下げましょうかと言えるくらい余裕がある時期だという前提があれば、モデルで見当をつけ、理屈など無いが皆で協力してやるという姿勢に立っても良い。しかし、今はそれどころではない。現実には東西とも赤字で、接続料は前回の上積みでいくら下げましょうという議論をできる余裕は我々には全く無い。接続料を取り上げて議論する段階ではなく、それ以前に議論の前提となる、我々の根本的な財務状況が滅茶苦茶になってしまっている。それについてどう考えるかと聞かれても、そういうことを幸せに議論できるような財務にまず直さないと話にならない、としか申し上げようが無い。議論の中身に入り、案について申し上げると、社長は接続料の話に乗ってきた、中身のことを言い出したとなり、受け容れる気なのかと思われてしまう。そういう議論ができる前提にまで調子が良くなってきたと誤解を与えてしまうので、そういうことを含めて申し上げられない。

Q 株価1万円割れの状態が続いているが、今後の景気の見通しについてはどうか。

A 景気は全然良くない。今のNTTの状況は、IT不況に入ってしまっていると思う。サービスの値段を相当下げて苦くはなっているが、承知で値段を下げて構造改革に取り組んでいるというのが今の状況だ。ISDNが売れなくなり、それがDSLに変わり、さらに光に変わるのだろうが、お客様に買って頂いた結果、景気が上昇し、我々が楽になるような意味での商品の動きは変化してしまっている。ある特定のサービスが順調に伸びていると言えるような状況は無い。我々の周りでは、市場自体の構造変化が現われてきており、ますます苦しくなっているように見える。

Q 昨年に構造改革を発表し、今年の5月からは新しい体制がスタートするにもかかわらず、株価が低迷していて上昇に転じないのは、構造改革自体に原因があるのか、またはNTTがよくなることを投資家等が理解していないからなのか、どこに原因があると考えているか。

A 株式の市場全体の動きを無視してNTTの株価単独で議論するのは難しい。何もないのにNTTの株価が単独で下がっているという状況はあまり無く、市場の動きに沿ってNTTの株価も下がっている感じだ。今のところ、NTTだけの特別な対応策により、NTTの株価だけが特殊な動きをするという状況ではない。全体としては、IT関係の会社はどこも苦しく、デフレの局面に入った時に打つであろう人員削減等の対策を各社が総じてやっている状況で、それが産業自体の構造改革と繋がっている。苦しい時期ではあるがどうしても我慢して通り越さなければならないという動きが全体の動きだ。NTTがやっているのもそういうことで、全体の流れの中でNTTの株価だけが上がってくれとは思えない状況だ。目に見えて数字が良くなり、株価が上昇している訳ではないが、今やることをやらずに、放っておいて良くなるはずは無い。我々の言葉で申し上げている構造改革は、どうしてもやりとげなくてはならないと思っている。そこをなんとか投資家の方にも理解して頂きたい。

Q IT景気の底打ちはいつ頃だと考えているか。また景気が好転するためには何が必要か。

A 少なくともIT関係の業界では設備投資が景気を引っ張ることは無いと思う。むしろサービス面によるところが大きいのではないか。確かにパソコン業界は調子が悪いが、IT関係では、我々が申し上げている光化も、コンテンツやコンテンツとセットとなる家電系端末が多様化すると言われる中で、爆発的に売れる商品が出ることで、全体の景気が上がるきっかけになっていくのではないか。つまり消費者側に近い立場で、商品として上手く当るものが出てくるのが景気好転のきっかけになるのではないか。

Q 総務省が東京電力の一種事業参入をほぼ認め、条件を定めて発表したが、その条件でNTTグループとして満足なのか。また、DSLがこの1年でCATVの加入者数を超えたという報道があったが、光ファイバーも同じようにこの1年でかなりの成長が期待できると考えるか。

A 今、特に議論されることが多いのはアクセス系と言われているところで、いろいろな業者を参入させたり、競争を促進するというのが大きな流れだと考えており、それ自体は結構なことだと思っているので、特に感想は無い。ただし、参入するのであれば、別会社にするなりして、電力会社が参入するなら電力の公平な競争ができるように、その会社の独立性のようなものを保障してもらう必要があるのではないかとは申し上げている。このような一般的な意見は申し上げているが、基本的には、入ってくる新しい競争に対して否定的な姿勢という考え方はしていない。東京電力も光ケーブルを売ろうとしているのだろう。今、アクセス系に参入してくる事業者で銅線を売ろうとするものはいない。銅線はNTTが昔引いた物を使っているに過ぎない。実際、物理的な伝送手段を自分で引いてアクセス系に参入しようとすれば、今は光ケーブルを引くのが常識的で、そういう方法しかない。だから、光ケーブルについては、インフラの部分からも含め、競争でいろいろな会社が敷設、販売するようになっていく。今のところは、それが商売に上手く結びつくのは難しい。物理的な意味での伝送路の供給者が複数になり、その光の回線の性能をサービスとして販売する業者も出てくる。今は、伝送路を提供するだけの商売ではなくなり、今度は、その伝送路の供給者から、伝送路を借りたり買ったりして光のサービスをやったり、それでだけでなくIPのような形態で新しい時代の光のネットワークを売っていくという商売もいろいろと出てくるだろう。いろいろな層が発展していき、いろいろな業者が出てくるのではないか。そうなって初めて全体的にお客様の関心が高まり、ブームになって伸びる時が来るのではないか。しかし、最初から上手くはいかないだろうから、しばらくは大変だろう。

Q IT戦略本部で、通信と放送を融合して規制の体系の縦と横を変えるという話があったが、前回のIT戦略本部後の記者会見では少しトーンダウンしたようだったが、会議でどういう議論がなされ、社長はどのような感想を持っているのか。

A IT戦略本部後の記者会見は聞いていないので何を言っていたかはわかりかねるが、会議の中身については記者会見で報告をしていると思うし、感想も申し上げようがない。一言で申し上げると、トーンダウンしたような感じはする。月に一度の会議だが、次に何をするという話も無かった。

Q この5月にもアウトソーシング子会社がスタートするが、電話のスキルを持った人がほとんどの集まりということで、今のままで本当にやっていけるのか疑問視する向きもある。うまく運営していくという目処はついたのか。

A 今度の構造改革は、何が一番核心で一番大事なポイントかというと、新しく会社を作り、地方にも展開して新しい仕事を進めていくという、一連の仕組みがうまくいくかどうかということだ。例えば、多くの人間で同じ仕事をやると、1人の人間の給料はその分減ってしまう。仕事をみんなで分け合うという意味でワークシェアリングと言うとすれば、現実にそのようなことが可能かどうか、疑問だ。少なくとも、NTTがやろうとしている構造改革が今申し上げた意味のワークシェアリングというような意味であれば、うまくいかないと思う。
 1類、2類と呼んでいるNTTグループ会社に対して共通に資源を供給するアウトソーシング会社が、例えば、ソフトウェアの分野でそれなりの力を持てば、グループ会社以外にもソフトを供給するという仕事の領域が出来てくる。そういうふうに仕事の領域が広がっていけば、そこで人は養えるようになる。ただその場合、個々人のスキル等をふまえると、従来、その人がNTTにいる時にもらっていたような給料は払えないという要素が出てくることがある。そういったことも考慮して人を動かしているが、それは条件の1つの話であり、一番のポイントは、アウトソーシング会社に変わった後に仕事がそれなりにあって、その仕事の中からさらに新しい仕事が出てきて、その新しい仕事が出来るようになれるかどうかというところだ。
 NTTグループは電話だけで商売をやっているわけではない。マルチメディアを言い出してから8年ぐらいになり、通信の手段としてはインターネットや携帯電話も出てきた。しかしそういう見方とは別に、昔の電話の時代から比べると、ソフトウェアの比重が大変大きくなっている。それから、商品の中身が、いわゆる電線を切り売りして、その電線の使用料を頂くというものから、その電線を使ったネットワーク自体をお客様に納めたり、新しいネットワークでお客様から受注したり、というようなことが随分出てくるようになっている。電話の時代に比べれば仕事の中身はずっと広がってきており、広がりの中で、いろいろなスキルが必要になってくる。従来の仕事だけをやって給料をもらおうとするのは無理があり、そのスキルをうまく移行していかないとだめだ。時代の変化に応じて仕事の中身が変わっていくことと、変わっていく中で新しい会社を作ったときに、その会社の仕事として1人立ちできるようになっていくということを、うまくマッチングさせなければならないところがある。人を動かしたり、新しい会社を作ったり、制度を変えたりということよりは、本当に作った会社が仕事を開拓して動けるかどうかが核心だと思っている。従って、そこがうまくいかなければ構造改革全体がうまくいかない。逆に申し上げれば、そこがうまくいくと思っているので、今それをやっている。

Q 接続料の引下げについて、長期増分費用モデル研究会の接続料算定モデルの見直し案が2案公表されたが、その案について仮に決定された場合のNTT東西に与える影響額は試算したのか。

A(小出取締役第一部門長)
 ケースAが数百億円のレベルで、ケースBはそれに数百億円上積みするような感じになる。

Q 前回、長期増分費用方式を導入した時と比べて影響は小さいようにも思えるがどうか。また、構造改革の問題だが、接続料の件も含めて、IP化の流れとインターネット化の流れの中で、昨年発表した取り組みでは不十分で、さらにもう一段の取り組みが必要になるのではないかと思うがどうか。

A わからない。今、設定している目標に向って取り組んでいるが、これでも相当厳しい。NTTの構造改革のやり方をもっと強化しようと覚悟しているのかというと、今も無理をして相当頑張ってやっているので、これ以上やると参ってしまう。ある程度、現在の構造改革をやり、自信をつけてから、次はどうするかを考えるようなやり方をしないと、もっとやれと言っても何もやらなくなってしまう。だから、今やろうとしている構造改革の中身を、新しい考えを入れて変えようという気は無い。とにかく今は、この構造改革の中身を何はともあれ実行する。

以上

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