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社長記者会見

2002年4月19日(金)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

 冒頭、宮津社長より以下の発言があり、その後、小出取締役第一部門長より「NTTグループ3ヵ年経営計画(2002〜2004年度)」について資料に基づき説明があった。

(宮津社長)
 2000年度から毎年「NTTグループ3ヵ年経営計画」を発表してきた。今年は3回目だが、いろいろな意味で一段落した年であり、過去も振り返って今後のことについてまとめて整理したというのが、今年の「NTTグループ3ヵ年経営計画」の特徴だ。既にR&Dフォーラム等でいろいろ申し上げているが、これから先の時代の流れはブロードバンド時代が本格化し、それが大きな事業環境になる。情報通信は、ディジタル化を基調にマルチメディアの新サービスがどんどん提供され、次の段階はそれが高速化していく。光の普及が新しい時代を象徴する典型になる。
 これからのNTTの取り組みを申し上げる前に、ここ数年間の動きがどうであったか、次の3ヵ年にどう繋がっていくのかについて簡単に申し上げる。

 まず最初に、社長としての6年間でいわゆるマルチメディア時代が来て、NTTも電話会社から「グローバル情報流通企業」へと変わった。
 その過程で、今までに大きく6つの経営上の課題があった。
 最初は、電話からマルチメディアへと媒体が多様化して、「インターネット」と「移動通信」の2つが商売としてはっきり見える格好で育ってきたことである。
 2つ目は国際化である。NTTはずっと国内だけの通信をやっていたが、国際進出を行うと同時に外国からもいろいろと国内に参入してくるようになった。
 3つ目は、そういうことを背景に、NTT株が売却されたことである。政府保有株が3分の2近くあり、まだ政府の会社だと言われていたが、ここ3年間毎年100万株ずつが政府から放出され、現時点では政府保有株が半分を切り、政府だけの話を聞いていれば良いという時代とは随分変わった。特に株主の中でも外国人の株主が増え、会社のガバナンスの内容も随分変わらざるを得なくなった。
 4つ目は、それらに対応する会社の構造問題として、再編成を実施したことである。再編成の一番のポイントは、グループ化したということだ。グループ運営をやるようになってから、途中いろいろ議論はあったが、昨年の秋に「当面の経営課題に対するNTTの取り組み」を公表し、グループ運営が必要で、そのメリットを生かしていくということをはっきりと申し上げた。
 5つ目は、再編成後に値下げをしたことである。従来、日本の場合はインフラに投資をしていたのでサービスの値段が外国に比べて高めであったが、一昨年頃から接続料の値下げを行い、またマイラインの導入もあり、通話料金の値下げをずっとしてきた。それからインターネット普及のために定額制サービスを開始し、それをまた値下げした。その結果現在では、むしろアメリカより料金が安いところまできており、歴史的に見ても、値下げがここまできたと言える状況であると思う。しかしその結果、財務的にはかなり苦しくなった。
 6つ目は、東西地域会社の財務改善問題、つまり、電話時代に相当の人を雇っており、これをどうするかという問題である。希望退職だけでも相当数に上ったが、それだけではとても間に合わず、新しい3、4類会社へ社員に流動してもらい、その過程で給料も下げるということをやってきた。去年1年はそのような構造改革に取り組み、社員の再配置を行ってきた。
 大きく言えば、このような6つの課題を乗り越えて来た。
 会社別に言えば、東西地域会社については、一定の財務状況を基盤に、主に地域の回線サービスを中心にサービスを多様化させ、しかも競争の中で値段も下げながら闘っていくというのが一番理想的だ。しかし、電電公社時代からの社員を抱えており、値段を下げたら財務的に参ってしまうという状況の中で、理想的な姿になる前段としてまず「人の問題」に取り組まざるを得なかったというのが昨年までの一番大きな問題であった。構造改革により、それまで横たわっていた難題を何とか解決して一段落というのが、東西地域会社の今の状況だ。一連の大きな改革は、労働関係という観点でも歴史的に一時代を画するような重く大きなことであった。
 コミュニケーションズとドコモについては、以前にやったことのない仕事をやっている。すなわち、コミュニケーションズはそれまでやったことがなかった本格的な国際展開を始めたところだ。ドコモについては、携帯電話、さらにはiモードが大当たりして、数年の内に売上が急速に伸びて固定電話と同じぐらいの収入を稼ぐようになった。ある意味で新事業であり、そういう取り組みはNTTとしてやったことがなかった。新しい、大きな事業を始めるという挑戦をしたということが1つの改革だろう。そういう意味ではかなり大きな改革に取り組んできたと言える。
 これらは見方を変えれば、財務に大きな影響を与えるような問題でもあった。国際事業は、最近の国際不況の煽りを受けて、財務的に大きな影響を受けている。東西地域会社については、たくさんの社員を流動させるのに一度退職してもらうため、退職金を払わなければならず、キャッシュフロー面では大きな話になっている。大きな施策を打つためには、ある程度はそういうことを覚悟してやらざるを得ないというのが今の状況だ。

 そういう状況の中で、当面の3ヵ年計画としては、今申し上げた大きな流れの中で、新しい時代のブロードバンドに向けて研究開発や市場開拓が非常に大事になってくる。同時に、先ほど申し上げた改革には犠牲が伴っており、財務上の問題があるので、これを回復しなければならないという宿題を抱えている。この二つが今後の大きな課題だと考えている。

 数字について申し上げると、2001年度決算がおそらく底になる。今申し上げたようないろいろな改革をやった煽りが全部2001年度末に表れてくるので、数字は悪く出る。それから3ヵ年でどう回復していくかが今度の「NTTグループ3ヵ年経営計画」の数字の面での特徴になっている。連結全体では、これから3ヵ年、毎年増収増益を続けていける、また続けていきたいと思って目標を作っている。

(小出取締役第一部門長による資料説明の後、質疑応答に入った。)

Q 今年、社長の改選期を迎えるにあたり、次の新しい体制のあり方や狙いがあったら教えて欲しい。新聞辞令も出ているので、その点も踏まえてお答えいただきたい。

A 新聞辞令としていろいろ掲載されているが、私は何も申し上げていない。以前から申し上げているように、「NTTグループ3ヵ年経営計画」を作り発表したが、それをベースにして、これから人事や体制についていろいろ検討して進めるつもりだ。
 人事に関しては、5月の半ばに役員の人事案を固めるつもりであり、来週ぐらいからだんだん作業を進めようかと思っている。
 電話会社から情報流通企業に変わるというような大きな改革は一段落し、今度は、そういう中で発展を図っていく段階だ。実感として、ここ6年間は改革の時期だったと思うが、今度は改革したものを足場にし、事業として、また産業全体として発展するということに焦点が当たってくる。これまで根本的な改革を進めてきたが、いつまでもこのようなことをやっていても不毛な議論になりかねないため、これを前提にもっと数字を良くするために経営努力を集中していくことが必要になってくる。人事の基本については、日本の産業であればみな同じことを考えていると思うが、特に私どもの業界は変化がとても早いので、若い人の力が非常に大事だと思っている。だから、事業として一段落したら、できるだけ人は若返らせていく努力を意識的にやらなければいけない。これはNTTだけの話だけでなく、これからの日本にとっても大事だと思う。若さは力なので、若い人たちをうまく登用して、その中から力を引き出していくというような基本的な姿勢が必要ではないかと思っている。

Q 2004年度は売上高、営業利益を含めて伸びた数字が想定されており、例えば、固定系3社合計の営業利益は約3,000億円改善するが、全体では7,000億円程度伸びているので、その内訳として移動体系で伸びるものも相当あると思う。一方で「NTTグループ3ヵ年経営計画」の中には移動体市場の成熟ということも書かれており、営業利益の伸び分として何を想定しているのかをもう少し具体的に教えて欲しい。例えば、IP系サービスや新サービスのボリュームが3年後にどれぐらいの比率に膨らんでいるのか、目安でもあれば教えて欲しい。

A(小出取締役第一部門長)
 営業利益がこの3年で約6,000億円増えているが、これは固定系のコスト削減を相当実施することによる影響で半分程度の約3,000億円の利益が出るだろうと見ている。固定系の中で申し上げると、固定電話収入そのものは、収入ベースで1兆円程度減るだろうと見ているが、IP通信関係は5,000億円程度増えるだろうと見ており、収益そのものはトータルでは5,000億円程度減るが、費用はいろいろなコスト削減で8,000億円程度減らしていくので、固定系で3,000億円ぐらいの営業利益が出る。その他は移動体もあるが、それ以外にも、国際事業の収支改善等こまごまとしたものがあるので、その他で約3,000億円ということだ。

Q 経営形態のあり方については見直さないのか。

A 構造改革等いろいろなことがあり、グループ運営の中で回さないと回らないので、グループ運営の中で今の変革を取り上げてやってきた。これとは別に、外側の市場の動向が変わってきているので、NTTグループの個々の会社の分け方も、外の市場を反映して変えていかなければならないと考えている。今回の「NTTグループ3ヵ年経営計画」では、ISP(インターネットサービスプロバイダ)関係について書き出しているが、そういった類のことがいろいろ出てくると思っており、今の会社の分け方は当然いろいろと変わってくるだろう。
 経営形態については、外から強制される経営形態ということについては反対だ。経営形態を変える変えないという議論の前に、我々が実態に応じて自主的に経営形態を変えていくということでないとうまく動かないので、我々自身で自主的に経営形態を変えることができるようにしてもらいたいということが先だ。これだけ世の中の変化が激しいと、それに即応してうまく対応していくことは、経営の中の最重要問題になっていく。以前に、いわゆる「再編」や「経営形態」という単語を使って議論していたことと前提が変わってきている。

Q 以前は、持株会社のもとでグループ会社間の競争を進めるという意識があったかと思うが、ISPの統合も含めて、今後、新規事業については競争して芽を出していくというよりは、集約して持株会社のもとでコントロールしていくように舵を切るということか。

A 今まではどちらかというと、社風として新しいものに挑戦するということに弱かったと思うので、新しくいろいろなことをそれぞれの会社で手がけて、競争になり、ある意味ではバラバラになっても構わないからいろいろなことを手がけてくれという意味でやってきた。しかし、だんだんそれが伸びてくると、当然それぞれの事業の中でバラバラにやっていると具合が悪いというものが出てくる。以前から、いずれはそうなると思っていた。だから、統合するものはするということになっていくのは必然だ。どれを統合するかというのは、一般論ではなく、それぞれの中で分野別に個々に判断していくことになる。今度は統合だということで、命令一下、全部統合するというようなことは現実にはあり得ない。最初はバラバラで進めたが、だんだん統合も考えなければいけない分野や事業も出てきているのが現状だ。一般論で何か割り切ってしまうような話ではない。ある程度、最初に手がけた時から、次の段階に移ってきていると考えている。

Q ネットワークとサービスという両面があるが、具体的にそれぞれ、どう統合しようと考えているのか。

A 我々の事業は、ネットワーク構造やサービスの話もあるし、さらにネットワーク構造にも、電線のレベルから、いわゆる信号系、プラットフォーム等、機能上から見るといろいろな要素が層別にあり複雑だ。今、この事業自体が発展している段階で、仕分けの仕方について定説が出来てくるというところまでいってない。そういうものを作る過程の中で、仮に統合してみるということになると考えており、やっている間にそういう話がだんだん固まっていく。あれこれ気がついたもので、事業としてこういうまとめ方をした方が、今時点で有利ではないかと思ったら、それをやってみるということではないか。それを超えて、何か新しい基本になる考え方があるとは今は考えていない。これから実際に我々がやるので、それを見てていただきたいと申し上げるしかない。

Q 事業領域の拡大について、アウトソーシング会社、3類、4類会社の話は出ているが、法律の改正で東西地域会社が業容を拡大していけるところについて触れていない。こちらはどのような方針で臨むのか。

A 3類、4類のアウトソーシング会社を増やし、地域にも展開する。会社の枠組みとしては、今までと違い、もっと広くいろいろなものが手がけられるような仕組みにし、その前提で5月1日付で社員を動かす。その中でいろいろな仕事をしていくことになるが、事業として仕事があり、それをどんどん進めていくというより、どちらかというと、会社を作ってから仕事をそれに当てはめていろいろなことをやろうとしている。逆のような感じのところもあるが、そういう仕組みを作らないとうまく回らないので、今それを進めているところだ。東西地域会社に残って、東西地域会社側でやる仕事も出るだろうし、東西地域会社からアウトソーシングという形で3、4類会社の方でやるものも出てくるだろう。どういう仕事をどこでやるかという仕分けは、いろいろと出てくると思っている。実際にどのぐらい金が動くかということもあり、やってみなければわからないような新しい問題が次々と出てくるわけで、3類、4類会社と東西地域会社でどういう仕事をどう分けるかということについては、今のところはまだ手探りの状況だ。東西地域会社が何をやるかということがはっきりすると、それが許可されているのかどうかという議論はあるだろうが、それについて細かく規制当局から言ってくるとも思わない。我々はかなり自由に動けるのではないかと思っている。IT革命と言っているように、ITなるものが国民に普及し、みんなで使ってもらえるようにきめ細かくいろいろなサービスをお客様に勧めていくという基本理念はあり、今はそのためにいろいろなものを知恵を出して考えようという段階だ。各社は会社としてやっていかなければいけないわけで、ここ1〜2年、そこのところがいかにうまく動くかどうかということが構造改革そのものの死命を制するような重要な問題であると十分認識している。

Q 固定電話に関して、「投資を原則停止」という表現は今回初めて出てきたと思うが、原則停止することによって、今年度から具体的にどのくらいの投資が減るのか。また、IP網への移行のイメージだが、移行のスパンややり方についての考えはどうか。

A(小出取締役第一部門長)
 電話網の投資は、2001年度のベースでは、1,500億円程度やっている。これが2004年度では200億円程度になるだろうと見ている。
 IP網への移行のステップは、まだ具体的な計画がないので、移行のスパン等については、今時点で申し上げられるような段階にない。

Q 「NTTグループ3ヵ年経営計画」を実行に移していく上で、どういう素養を持った人物が持株会社及び事業会社のトップとしてリードしていくべきと考えているのか。

A 時代時代で考え方も、必要な人も変わってくると思うが、今のNTTについては電話からマルチメディアという時代に変わり、次はブロードバンドへと事業の基本的なところが変わりつつ動いている時なので、かなり個人の力に頼らざるを得ない。仕組みがしっかりしているからその中でまじめにやってくれればいけますという時代もあるだろうが、今はそうではない。ある程度新しい、自分なりにこういうことをやってみようという、起業家的センスというようなもので下を引っ張ってくれる人物が一番欲しい。それが一番NTTに足りないところだ。持株会社のトップも東西地域会社もグループ会社もそうだし、もっとはっきりと表れてきているのは、新しく作るアウトソーシング会社のリーダーというのはまさにそういう人が相当必要だ。層的にも年齢的にもいろいろであるが、共通しているのは新しい会社なり新しい分野について、時代を見て、新しい知恵を入れて、何とか引っ張っていってくれる人物が一番欲しい

Q ノンコア事業に関して、株式公開の検討対象になる企業はどれぐらいの数があり、その中で3ヵ年の間に上場を想定しているところがあるのか。また、事業売却まで考えているのか。売却により得られた資金は有利子負債の圧縮に充てるのか。

A(小出取締役第一部門長)
 この3ヵ年で対象になるのは、1社か2社ぐらいと考えている。上場して、いきなりNTTの持ち分を全部売り払うのではなく、最初はNTTが株の過半数を維持するような形で上場していくのではないか。
 資金の使途は、その時、どういう状況になっているかわからないので、資金需要に応じて使っていくということになる。

Q 4年後のフリーキャッシュフローについて、計画どおりいけば約1兆円という莫大なキャッシュが手元に出るが、使途に関する基本的な考え方はどうか。このうち、自社株買いというのはどのくらいの規模で行われるのか。あるいは、この1兆円というのは、株主に還元されると考えてよいのか。

A(小出取締役第一部門長)
 1兆円近い額になるキャッシュフローを背景に、例えば、自社株の買い取りや新たな投資先があれば投資するとか、その時々に事業の拡大につながるような形でやっていきたい。今の時点ではこのうち幾らをどのように使うという計画は持っていない。

 (宮津社長)
 一番の基本は、やはり事業が拡大して、それに投資として資金をつぎ込めるというのが理想だ。今後のブロードバンド時代がどのように発展の路線に乗るかというところが大変微妙なところに来ていると思っている。だからこそ、我々は今、それを一生懸命考えなければいけない。それがうまくいって、資金もそういう発展に使っていけるようになれば一番理想的だとは思う。ブロードバンドのいろいろな種類のサービスがこれから増えてくると思うが、それに対応してどう需要が増えてくるかというところが一番のポイントだ。

Q 事業領域の拡大のところで、電力事業の拡大とあるが、これを取り上げた理由は何か。また、電力事業の拡大というのは、現行どのぐらいの規模のものが将来どのぐらい寄与するようにしていくのか、具体的な数字があれば教えて欲しい。

A(小出取締役第一部門長)
 電力事業を取り上げたのは、電力の自由化が今後進むだろうということもあるし、また、もともとNTTファシリティーズという会社が電力について専門的な技能を持っているので、それを活用しながら拡大していく、あるいは、既にスタートしている関連会社のエネットの事業を拡大したいという趣旨だ。ただ、まだまだ規模は小さく、NTTの消費する電力を中心に供給していくという形になっており、具体的な数字を挙げるほどではない状況だ。

 (宮津社長)
 電力会社は光ファイバーを引いて通信事業をやると言っているが、電力会社が通信業界に入ってきたのと同じような意味で、電力会社のコアになる商売のところにNTTが入っていくつもりかというのが質問の主旨であるとすれば、そこまではいかないというのが答えだ。NTTの電力事業の規模は微々たるものだ。

以上

関連情報
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