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社長記者会見

2002年6月27日(木)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

 冒頭、宮津前社長(現取締役相談役)より、退任の挨拶があり、その後、和田社長の会見に入った。

(和田社長)
 本日、株主総会後の取締役会で新しい社長に選任された。改めて責任の重さを感じている。せっかくの機会なので、私なりの問題認識を申し上げ、ご挨拶に代えさせて頂きたい。
 取り巻く事業環境が極めて厳しいということは、今更ここでお話申し上げるまでも無いが、その中でNTTグループがどのような使命を持っているのかを考えた時、大きく3つあると思う。
 まず一つは、NTTは株式会社であるので株主の皆様をはじめとするステークホルダーのご期待に沿うことが第一である。ニつ目は、NTT法によって与えられている使命をまっとうすることである。三つ目は、日本が国としてIT革命の速度を速める、e−Japan計画を進める中で、NTTは情報通信業界におけるリーディングカンパニーであるという自負があるので、日本のIT革命の推進に貢献していきたいということである。そういう使命を果たしていくためにも、私どもは右肩上がりに継続的に利益を生み出す体質に何が何でもしていかなければならない。そこで、今考えていることを3点、お話させていただく。
 1点目は、構造改革による徹底的なコスト削減を実効あるものとし、併せて人材の活性化を通じて事業の拡大を図っていきたいということ。2点目は、ブロードバンド、いわゆる光や第三世代携帯電話の収入を積極的に拡大していきたいということ。3点目は、持株会社の機能をここでもう一度見直してみたいということである。
 いずれにしても、ご関係の皆様方のご理解とご支援が必要である。それを糧として全力で取り組んでいきたいと思っているので、よろしくお願いする。

Q  持株会社の機能を見直すということだが、具体的にどのようなイメージを持っているのか。

A  持株会社として3年が経過したが、その間、取り巻く環境が大きく変わっている。したがって、ここで3年間やってきたものの棚卸しをしてみたい。その視点の一つ目は、足りない部分があるのではないか、あるいは余計なことをし過ぎているのではないかということだ。もっと申し上げると、事業会社から見て役に立つ、頼れるホールディング・カンパニーというのはどういうものかという視点である。 もう一つの視点は、本日の株主総会でも株主の方からご意見を頂いたが、各事業会社が自主的・自律的に事業展開をしていることは良いことだが、いろいろな形で資源の無駄使いになっているのではないか、そこをもう少し持株会社でマネジメントすべきではないかという視点である。

Q  持株会社の機能見直しについては、東西地域会社を中心に機能別の枠組みまで踏み込んで考えるのか。

A  枠組み論から議論を始めると非常に中身のない話になる、という過去の経験を持っているので、そういうことから入りたくはない。むしろ、市場の構造、需要の構造、供給の構造が大きく変わっているので、どうしたらそれに一番フィットするグループフォーメーションになるのかという観点から取り組んでいる。したがって、持株会社という形態を維持した中で、今の枠組みを前提にしながら、どうやればその変化に対応していけるのかという視点で、中身から入っていきたいと思っている。

Q  NTT法についての社長としてのお考えはどうか。

A  NTTは株式会社であるので、できるだけ自由に経営・事業活動をやっていきたい、一般事業法のもとで自由にやらせていただきたいというのが本音である。しかし、現実の問題としてNTT法があり、通信主権の問題やユニバーサルサービスの問題、あるいは外資規制の問題等が実際にある。それぞれ目的があってNTT法として定められているので、それらの問題をどのような形で解決していくのかということが併せて問われると思うが、それは国のレベル、あるいはもっと広いレベルの議論になるかもしれない。
 経営当事者としては、自由な経営をやっていく上で純粋民営化をお願いしたい。

Q  PLDTについての現時点でのスタンスはどうか。

A  NTTコミュニケーションズから報告が来ているが、関係者の思惑が錯綜している段階で、まだ時間がかかると認識しており、私どもが決断をする局面にまで来ていない。中身について、今、コメントするわけにはいかない状況なので、ご了承頂きたい。

Q  構造改革した後のNTTはどのような姿になり、利用者は どのようなサービスを受けられるのか、具体的に説明して欲しい。

A  構造改革という言い方には2面あると思っている。1つは、コストをどれだけ削減できるか、効率化がどれだけ図れるかという側面である。もう一つは、事業を展開していく上でのやり方なり、資源の配置なりをどうしていくかという、事業を拡大する側面の問題である。
 今回、私どもが構造改革という言葉を使っているのは、グループ20万人弱の従業員の半分の10万人近い社員を仕事ともども切り離したということである。コスト削減の面については既に何回か報告しているが、今から注力していかなければいけないのは、地域ごとに切り離して作った会社は、NTT法の規制を直接には受けないので、社員の意識を変える、あるいはそのための環境を作っていく、つまり研修や業績評価に基づく処遇なりをビルトインして、10万人の社員に新たな事業領域を目指して展開をしてもらうことである。それにより、東西地域会社は従来の仕事の委託費をカットできると同時に、アウトソーシング会社は場合によっては全く違った会社に変容していくかもしれないことを含め、構造改革と言っている。一義的には東西地域会社が強力に進めていくが、持株会社としてもこれを全面的にバックアップする。グループ全体で、この完遂に向けて頑張っていくということである。

Q  電話収益に依存しないNTTというのはいつになったら実現するのか。

A  数年前は固定電話、音声通信の収入がほとんどだったが、現在は、グループ全体の収入の3分の1になっている。その他3分の1が携帯電話関係であり、残りの3分の1がいわゆるデータ通信、IP関係の収入である。非常に厳しい環境と私どもが申し上げているのは、収入源であった音声通信がどんどん減っており、今すぐに下げ止まる様相を見せないことである。したがって、他に収入源を求めることになるが、今、展望して先があるのはブロードバンドと称するものである。ただ、ブロードバンドについて、何でもうけるのかが非常に難しい。
 今、唯一はっきりしているのは、定額のアクセス料で収入を得ることである。また、回線をお貸しして収入を得るというモデルではなく、コンテンツや情報の流通を仲介し、決済や顧客管理のプラットフォームを製作する、また、コンサルティング、設計、建設、メンテナンスを請け負う、あるいは決済に当たってiモードのように手数料をいただくなど、いろいろな形の仕組みを組み合わせていかなければならないだろうと思っている。しかし残念ながら、今その点について確たるものがない。そこで、この7月1日から「ブロードバンド推進室」という組織を設置し、和才副社長を室長に兼務させ、そこで大々的に旗振りを行っていこうと考えている。

Q  NTT−BBの社長が和才前社長から交代するが、ブロードバンド推進室の設置と関連してNTT−BBのグループ会社の中での位置づけは、今後、変わっていく可能性があるのか。

A  位置づけは変わらない。白川NTT−BB新社長は、もともと事業畑の現場で活躍していた人物だが、前職では研究所でいわゆる先端的な技術研究の責任者をしていたという意味で、どちらの側からも目が利くということから、適任だと思っている。力を入れるという意味で和才副社長の兼任を解いて、白川研究所長をNTT−BBの社長に充てたとご理解いただきたい。

Q  粉飾経理が発覚し、グローバルクロッシングから始まり、クエスト、ワールドコムと世界中の通信会社の株価が下がっているように、株式市場、資本市場から見て通信産業に対する信頼感が今非常に低下しているという状況だが、新体制をスタートするにあたり、それについてどう考えているか。

A  非常に残念だ。何年か続けてIRで、欧米、東京を回ってきたが、その際欧米のファンドマネジャーからは必ず、なぜストックオプションを導入しないのか、あるいは、NTTのトップマネジメントは何をインセンティブに事業経営をしているのか、と言われた。その背景にあるのは、もう少し株価を重視した経営をしろということだと思っている。私がその時に申し上げていたのは、皆様のおっしゃることはわからないことはないが、株主重視の経営ということに名を借りて、悪い意味での株価本位制をやったのではまずい、ということだ。とにかく株価を上げることに血道を上げているのではないだろうか、というようなことを申し上げたこともあった。それが少し当たったのかなというような気もしている。もちろん我々の経営方式が一番良いというつもりではなく、そういう面があったのではないかという気がしている。

以上

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