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社長記者会見

2002年11月18日(月)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(和田社長)
 平成14年度中間決算についてご報告する。今回の中間決算値はグループトータルで前年と比較すると減収増益という結果だ。特徴的な事項は3点ある。
 1つは、固定系の売り上げの減少が止まらない中で、移動体の売り上げも鈍化して、連結ベースで初めて対前年比較で減収になったこと。次に、構造改革によるコスト削減効果などにより費用は大幅に減少している。その結果、利益ベースでは大幅な改善が実現できたこと。3つ目は、世界的な情報通信市場の低迷により海外投資に係る追加の減損計上を余儀なくされたことである。
 通期の見通しについては減収は避けられない状況だが、コスト削減努力の継続により今回の業績見込みの利益は確保していきたいと考えている。
 中期的にはブロードバンド市場を中心に、新たな市場拡大により売り上げの確保が必要になってくると考えている。

(宮村第四部門長より資料に基づき決算概要の説明:省略)

(和田社長)
 社長就任時の記者会見で、持株会社の組織や仕事の進め方を見直すことを表明していたので、ここでご説明させていただく。
 平成11年7月の再編成時に、持株会社方式によるグループ運営に移行し、3年が経過した。
 この間、情報通信市場においては、ブロードバンド関連サービスを中心に次々と新しい事業分野が出現するとともに、新規事業者の参入等により激しい競争が展開されている。また連結納税制度の導入など、グループ経営を取り巻く法制度等も大きく変化している。
 このような中で、各事業会社の自主的・機動的な事業運営を通じたグループの活性化と、持株会社によるグループ企業価値最大化のため、事業・経営の改革に取り組んでいく。
 大きく2つに分かれるが、1つ目が、「時代の変化を見据えた体制の確立」である。
 まず、連結納税等の制度変更を踏まえ、NTTグループの財務基本戦略の方向付けを行うとともに、財務上の諸課題についてその解決を図るため、「財務戦略委員会」を設置した。
 次に、NTTグループの事業活動に関わる様々なリスクの予防や、発生時の的確・迅速な対応のため、各事業会社との密接な連携の下、「ビジネスリスクマネジメント推進委員会」を中心とした取り組みを強化したい。
 それから、NTTグループ全体として開示統制手続の整備など、情報の適正開示に取り組むため、「ディスクロージャー委員会」を設置している。
 既に先月の会見で説明したが、グループ全体の企業倫理の徹底に向けて、「企業倫理委員会」を設置するとともに、全ての役員及び社員の具体的行動指針となる「NTTグループ企業倫理憲章」を制定し、企業倫理に関する申告・相談窓口の設置等を行っていく。
 また、法務部門によるリーガルサポート、知的財産部門と法務等関連部門との連携による戦略的な知的財産サポート、グループの利益を代表した各種政策提言などの情報発信活動等、各事業会社に対する助言と支援業務を充実・強化していきたい。
 一方、激動する市場環境に的確に対応するため、サービス・料金や労働条件など事業運営に直結した事項については、各事業会社が主体的に実施することとした。
 2つ目に、R&Dの活性化、すなわちデスバレー問題の克服についてお話したい。まず、競争力のあるコア技術の開発を更に重点化するとともに、個別費用負担方式等により各事業会社との一層強固な連携の下に実用化を目指した開発を推進する。また、R&D成果を事業につなげることを推進するため、組織形態についてはこれから詰めるが、持株会社における「総合プロデュース機能」を充実させていきたい。それから、通信分野以外へもR&D成果の活用に積極的に取り組み、外部とのアライアンス等を活用しつつ、新たな事業の開拓を推進していきたい。
 以上、持株会社の機能の見直しについてご説明した。

Q 初めての減収をどのように受け止めているか。また、コスト削減で減収に対応するというシナリオは今後も続くのか。

A 初めての減収が一過性のものでありすぐ右肩上がりに転ずる、ということが展望できれば大きなショックは受けないが、傾向的なものを含んでいると受け止めている。したがって、今年度の通期見通しについてはコスト削減等の努力によって何とか達成できると思うが、中長期的にはやはり新しい収入源を求めていかなければならない。そういう意味で、ブロードバンド市場を中心とした新たな市場開拓による売り上げ確保が急務であると考えている。具体的にはいろいろあるが、特にアウトソーシング会社が今年の5月1日に発足して体制が整った段階であり、どれだけ新しい事業に向けて活動できるか、活性化できるかということが1つのキーになると考えており、また期待もしている。

Q ブロードバンドを中心に売り上げの確保を図るということだが、IP電話などで単価ベースでは下がるのではないかと見られており、どのような戦略を打ち立てていくのか。

A IP電話の影響を受けるのは、固定の音声通信の分野だろうと思っている。ただ、今すぐIP電話が現在の音声通信に取って代わるとは考えていない。今のVoIPは、技術的にもサービス的にも超えなければならない課題があるので、ADSLをはじめとするブロードバンド普及の1つのオプションとして使われるという色彩が強いと考えている。ただ、インターネットプロトコル(IP)はコストが安くつくので、最終的には固定の音声通信はそういうものに置き換わっていくだろう。それまでの間に、コンテンツからターミナルまでのいろいろなレイヤ毎のブロードバンドのビジネスモデルを、どれだけ需要喚起していくか、作り上げていくかということにかかっている。それについては、持株会社の中にブロードバンド推進室を設けて鋭意検討を進めている。

Q 5月のアウトソーシング会社発足に象徴される一連の構造改革によるコスト削減の効果はいくらだったのか。

A(宮村第四部門長)
 構造改革によるコスト削減効果は年間ベースの推計で東西合わせて約3,800億円。東日本が約1,600億円、西日本が約2,200億円と推計している。

Q NTTの減収は民営化以来今回が初めてとのことだが、これは電電公社時代まで遡っても初めてか。

A 1社体制であった公社の時も、収益ベースで減るということはなかった。会計制度が違うので、一概には民営化前後で比較するわけにいかないが、利益が減るということは何回か経験しているが売り上げが減るということはなかった。

Q 持株会社の機能を総合的に見直す一方、サービス・料金や労働条件などに関わる権限を事業会社にゆだねることで、トータルとして何を目指しているのか。

A 持株会社が何のためにあるかと言えば、グループトータルとしての価値を高めるためにある。そのためには、グループ全体の経営資源をある方向に向かって有効に使うこと、配置していくことが必要になる。同時に、各事業会社が自主性と自律性を持って生き生きと活動し、事業をすることも必要と思っている。そういう意味では、事業会社をバックアップしていくという機能と、一方で事業会社にあまり枠をはめないで動きやすくすることも大事だと思っている。今回、労働条件について基本的なものはともかく、かなり多くの部分について各事業会社がより自由に決めるようもっていくことがそのひとつである。また、新しいサービスや料金値下げ、料金割引についても、地域の実態や競争状況に応じて各事業会社が決めるようにした。

Q 労働条件についてかなり多くの部分を各事業会社に移譲したとのことだが、具体的にはどのような部分について事業会社の判断により決められるようになったのか。また、サービスや料金については、これまで事業会社は事前に持株会社に報告をして承認を受けてから実施していたという認識でよいか。

A 料金の割引については、かなり前から自由度は高まってきている。今回一気に変わったということではない。例えば、光ファイバーの料金にしても相当、西と東では違う。それは西が西の競争相手の料金設定に対抗していかなければならないという結果であり、実態として何年か前から徐々に変わってきている。
 労働条件については、ここ2〜3年、ボーナスにしろ、賃金のベアにしろ、ドコモと東西ではかなり違ってきている。持株会社はこうした違いを前提に必要な調整を実施してきたが、基本的にはこれまで以上に事業会社に任せることとした。労働時間で大きく差がつくとか、あるいは勤務の形態で差がつくというようなことについて、今まで議論をしてきていないが、恐らくその辺りについても、それぞれ事業の実態に応じて変わっていくのではないか。

Q 景況感と株価について伺いたい。初の減収ということで景気とも全く関係ないわけではないと思うが、今の景気をどう捉えているのか。また、今後、景気の見通しはどう見ているのか。
 株価についても市場が全体的に低迷しており、株価の低水準が続いているが、これについてどう捉えているか。

A 全体的な景気の動向や株価の動向について、専門家の方々と特に異なるようなコメントはない。情報通信に関して言えば、情報通信という産業自身は発展していくと思う。若干、オーバーキャパシティーになっている部分があり、ITバブルの崩壊ということが世界的に言われているが、それは乗り越えていけるものだと思っている。ただ、短期的にはかなり厳しい値崩れを起こしてくるだろう。競争は世界的規模で行われており、グローバルクロッシングやワールドコムなどチャプターイレブンにかかっている会社のネットワークは結果として非常に安いものになっており、そういうものが値崩れの一翼を担うということもあるだろう。また、新しいIPの分野では、いろいろな新規事業者が競争に参入してきており、お客様を確保するために相当な値下げ合戦が行われると思うので、産業自身は間違いなく発展過程にあるが、収入的になかなか辛いものがあると感じている。
 株価については、業績が株価に連動するというより、違う要素で動いているという実感が強い。なぜこんなに急に下がるのか、どうして上がったのかということがなかなか説明がつかないような状況であるので、半分は心外であり、半分は苦慮している。ただ、事業者としては、とにかくいい結果を出すように、いい展望が持てるように頑張っていく以外にないと思っている。

Q 連結の最終利益にもグループの海外投資の損失がかなり影響しているが、先般、NTTドコモに対してオランダのKPNモバイルが資本増強に伴って増資の権利があると言ってきている。約3,000億円とも言われている増資をしてリーダーシップ、あるいは発言力を維持すべきと考えているのか、それともこれ以上の投資は見合わせた方が良いと考えているのか。
 また、そういったグループ会社の海外投資の判断に対し、今回の業務改革はどのように動くのか。もう少し厳格にするように動くのか、あるいは自由にやらせるように動くのか。

A 投資にかかわるルールを変えるつもりはない。ある水準以上の投資や戦略的に重要な投資については持株会社との調整が要るというルールだが、それを変えるつもりはない。それから、投資後のモニタリングや、計画と実績との乖離が大きい場合のアクションのとり方についても変えるつもりはない。
 それから、KPNがKPNモバイルに貸しているローンを株式化することに伴う株式価値の希薄化の問題については、今、ドコモが12月中旬までに結論を出すということで検討を進めている。これはKPNモバイルやKPNの希望でもある。まだドコモから具体的な提案がなく、お互いに意識を合わせていないので、コメントは差し控えさせていただきたい。

以上

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