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社長記者会見

2003年1月15日(水)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(和田社長)
 阪神・淡路大震災の発生からまもなく8年が経過し、いろいろなところで防災訓練が実施されているが、NTTグループも本日午前中に持株会社、東西地域会社、コミュニケーションズ、ドコモ、アウトソーシングで保守を担当している東日本帰属のME、西日本帰属のネオメイトを中心にグループ82社が参加して、NTTグループの総合防災訓練を実施した。私自身も持株会社の災害対策本部長として参加した。
 狙いは2つある。1つは、昨年の構造改革により設備の保守部門が新会社であるME、ネオメイトに移行したので、新しいグループフォーメーションにおいても大規模災害が発生した際の初動対応や復旧活動で円滑に連携し、迅速に対応できるかを確かめたいということであった。もう1つは、現在、固定電話中心の防災対策とは違う次元に入ってきているので、その違いを認識したいということだ。

 現在の情報通信は、物理的なネットワークとして固定網とそれに匹敵する規模で移動網があり、見方を変えればネットワークの形態として回線交換網もあればパケット網、IP網、専用網などもある。
 また、提供されるサービスとしては音声電話の他、メールやWEBなどのインターネットサービスもあれば、企業の基幹ネットワークなどに利用されるデータ通信サービスなどもある。
 サービスの提供主体を考えれば、以前は電話を中心に少数の事業者が提供していたが、現在では実に数多くの事業者が多様な形態でサービスを提供している。ネットワークの相互接続が当たり前の時代であり、むしろ1つのエンドツゥエンドのサービスは複数の事業者で成り立っている。
 利用形態も大きく変わった。電話時代は主に人対人の通信を想定すればよかった。しかし、コンピュータと通信の融合により、最近では機械対人、人対機械あるいは機械対機械での通信が非常に増加している。このため、トラヒック特性についても電話時代の経験の蓄積からは予想もできない事態が現に発生している。
 このようにネットワークの形態、サービスの種類、提供形態、利用形態の全てが従来とは大きく違う中で、災害時における通信の確保のあり方についても変えていかざるをえないと思っている。1年に1度の防災訓練で全てがうまくいくわけではないが、これを機会に通信が大きく変わっていく中での災害対策のあり方について、更に深く掘り下げていきたいと考えている。
 いずれにせよ、NTTグループでできる災害対策の範囲は狭くなってきているが、最善を尽くし、できる限り信頼性の高いサービスの提供に努める考えである。

(第ニ部門田中担当部長からの防災訓練の具体的説明:省略)

(和田社長)
 今回の防災訓練には、東西地域会社、コミュニケーションズ、ドコモ等も含め、各社の社長が災害対策本部長として参加した。訓練の実施後、各社の社長からそれぞれ持っている問題意識、懸念材料を話してもらったので、一部を紹介する。
 NTT西日本の上野社長からは、IP系のサービスにおいてサービス機能が集中するサーバ等の装置について危険分散のための分散設置の検討が必要との話があった。
 NTT東日本の三浦社長からは、政府等重要な機関を抱える首都圏においては、通り一遍の災害対策だけではなく、違った取組みが必要ではないか。情報が混乱することが問題を大きくするので、グループが連携して行政機関等と一元的に対応する体制作りが必要との話があった。
 NTTコミュニケーションズの鈴木社長からは、災害時を考慮した場合のネットワークの信頼性確保について、国内だけでネットワークを活用するのではなく、国際的なレベルでの迂回等により信頼性の確保を検討する必要があるとの話があった。
 NTTドコモの立川社長からは、携帯電話からの110番、119番の緊急通報が固定電話からのものよりも多くなっていると言われている状況の中で、災害時にネットワークを保護するために通話規制を行っても携帯電話からの110番、119番の緊急通報が確保できるような対策を検討したいとの話があった。
 NTT−MEの石川社長からは、IP−VPNのXePhionのサービスを確保するために何が必要かということで話があった。XePhionは足回り回線としての東西地域会社のネットワークや、コミュニケーションズ、場合によっては他事業者のネットワークを結んでサービスを提供しているが、このようなサービスの維持、あるいは回復には、他の事業者はもちろんのこと、お客様にも参加して頂いて防災訓練を行う必要があるとの話であった。
 各社の社長からの話は以上であるが、私としては大規模災害時における経済活動、社会活動を確保するために果たすべき役割を、もう一度しっかりと見直していきたいと考えている。

(以下、質疑応答)

Q 新しいIP時代の災害対策ということで、今後例えばウィルスやDoS攻撃などの新たな項目をグループでの災害訓練に応用する考えはあるか。

A 今回は地震などの大規模災害を想定している。これとは次元の違う問題だが、サイバーテロや予期をしないトラヒックの発生にどう対応するかについても、積極的に取組んでいきたいと考えている。

Q 昨年の11月25日に「“光”新世代ビジョン」を発表したが、どの事業会社が新世代ネットワークを構築していくのか。また、20のプロジェクトが動いているとのことだが、その辺りの進捗状況はどうか。

A 今の考えでは、2005年頃には新しい「RENA」というネットワークアーキテクチャーの基本的な部分は完成したいと思っている。これには今の技術だけでは間に合わない部分があるので、技術開発も当然並行して行う。どのような段取りでそれに向かっていくかは、もう少し時間を頂きたい。「NTTグループ3ヵ年経営計画」の中で、どの程度そのステップを明らかにできるかということで今検討を進めている。
 それから、20のプロジェクトについてはそれぞれ取組んでおり、進捗している。個別の話は今は手元に資料がないので差し控えさせて頂くが、具体的にお話しできるものについてはしていきたいと考えている。

Q 去年の下期以降、IP電話やADSLの急速な普及が話題になっているが、今年1年間の情報通信業界の動向についてどのような見通しを持っているのか。また、それに対してNTTグループはどのように対応していくのか。

A ADSLやFTTHを含むブロードバンド化は間違いなく進んでいくが、思った以上にスピードが早いのではないかと思っている。ADSLを提供している複数の事業者間で料金の値下げ競争が非常に激しく展開されており、モデム等を無料で配布するという会社も出てきている。ブロードバンド化に相当弾みがつくだろうと思う。一方で本当にそのアクセスに対応できるようなバックボーンネットワークができ上がっているのかどうかということについて懸念している。それから、私どものFTTHについては今まで需要があるにもかかわらず、架設がスムーズにいかずにお客様によっては1カ月も2カ月もお待ち頂くということになっている。これを何とか2週間位で開通できるケースを増やすように頑張りたいということで、東西地域会社も取組んでいる。
 今年の1月9日に、ネオメイトがブロードバンド対応のパソコンの販売と、セットアップや保守のサポートを一貫して提供する事業を協業で始めると発表した。お客様がブロードバンドをご利用になる時に、必要な手続きや調達しなければならない部品が複数の会社にまたがってたくさんあるので、ワンストップショッピング的にそれを一括して任せられるような会社があれば非常にありがたいという要望は昔からあった。この事業が開始されるということで、非常に期待している。ネオメイトやMEのようなアウトソーシング会社は新しい事業を拡大していかなければ会社として成立しないので、これは非常に良い取組みである。こういう取組みを通じて、光の需要の顕在化がどんどん進んでいくのではないか。
 そういう意味では、まさにIPの世界がナローバンドからブロードバンドに実質的に変わっていく年だろうと思っている。

Q アクセス回線がADSLやFTTHでどんどん太くなっていくことで生じうるバックボーンの問題点は、具体的にどんなものか。

A いろいろあるが、1つは、お客様に提示している(通信速度などの)サービス内容が提供できなくなってしまうのではないか。その時、そのサービスの料金はどうなるか。あるいはベストエフォート型のサービスなので非常に混み合っている時には品質が落ちるということをお客様はご存じなのか。また、110番とか119番に繋がらないということをご存じか、というような問題もある。そういう問題点が徐々に明らかになってくるのではないかということだ。

Q 通常国会で提出予定になっている改正電気通信事業法に関する現時点での評価は、どう考えているか。

A 基本的には規制を緩和する方向であり、昔の電話時代の考えであれば妥当な考え方だが、今となっては少し適用がずれているというような一種、ニ種の区分を廃止していこうということでは、積極的な意味を持っていると思っている。
 ところで、今皆で競争しながら敷設している光のアクセスというのは、独占時代に既に構築されたメタルのアクセスとは全然違うわけで、現実に、丸の内の地下の光アクセスはNTTグループより他の事業者の方がたくさん持っているはずである。NTTはドミナントでは既になくなっているにもかかわらずドミナント規制をかけられる、あるいは元々ドミナント規制が適用にならないところにまでドミナント規制がかけられるということについては、何とか勘弁して頂きたいということを主張していきたい。

Q 来年度、再来年度の接続料が、近々に決まるように聞いているが、先ほどKDDIの社長会見で小野寺社長は、どのトラヒックを使うかについて、当年度のトラヒックを遡及的に適用して、後で精算する方式だけは絶対反対ということを話されていたが、NTTとして接続料の算定方法についての意見があれば教えて欲しい。

A 長期増分費用方式というのは、ある一定のモデルで総コストを算出し、それを利用する呼量で割って1単位あたりの料金を算定するという方式だ。それに利用する呼量を掛けていくことになる。この方式の本質はモデルで算出されたコストを使う量によってシェアしていくというものであり、分子に呼量が来る。その呼量が減っていく時と増えていく時では、当然1呼量当たりの単価が違ってくる。これは理屈の世界であり、当該年度の接続料金については、当該年度の呼量で算出して欲しいというのは当たり前の話だ。算出方法については、今年の予測値で割るというやり方もあるかもしれないが、それは予測の仕方が非常に難しい。いろいろな議論があるのでとりあえず直近の実績呼量で算出しておいて、実際に当該年度の実績がはっきりした段階で精算しようというのも、当たり前の話だ。

Q KDDIの小野寺社長の主張は、13年度から15年度については長期増分費用方式で接続料を算定したが、実際には11年度と10年度の過去のトラヒック実績を使っていたので、今回も同様に直近の過去のトラヒック実績を使うべきだということだと思うが、どうか。

A 今までも長期増分費用方式以前は精算をしていた。過去3年に関しては総トラヒックが伸びていたが、今はトラヒックが減っており状況が違う。

Q 東西地域会社やコミュニケーションズがIP電話の対応を相次いで打ち出しているが、KDDIの小野寺社長は2005年にIP電話のトラヒックが電話の半分ぐらいを占めるのではないかということをお話しされているが、どう考えているか。

A IP電話のトラヒックが増えているのでそういう見方もあると思う。一方でそうはならないという見方もある。その辺りが今年でわかってくるのではないか。IP電話をお使いの方が、どのようなサービスレベルをお考えになっているか。ADSLのオプションとしてのIP電話というのは、それ程呼量には影響しないのではないかと思っている。当然母体となるADSLやFTTHの販売状況によって相当変わってくるとは思う。呼量に影響が大きいのはやはり企業で、IP−VPNでプライベートネットワークを構築した時に、IP電話機能をその中に持ち込んでしまう動きだ。しかし、リスクが高いので、従来の音声通信を全てIP電話に置き換えることはないだろうと思う。その辺りをどのような按配で割り振っていくかということになると思う。いずれにしても、お客様がIP電話に寄せる信頼性や使い勝手などの評価がこの1年で相当確かめられるのではないかと思う。

Q 他の通信事業者の方からFTTHの開放の度合いが、ADSLに比べて不充分であり、例えば、NTTの電柱がどこにあるかというのはNTTしかわからないし、フレッツ網がZCレベルでしか開放されていない、というような意見があるが、どのように考えているか。

A ADSLのメタルは既に全部引いてあるが、FTTHは今から引こうとしているものだ。ラストワンマイルについてはそんなにたくさん引いているところがあるわけではない。き線点まで来ているかもわからないが、そこから例えば集合住宅に引くのは、今皆で競争して引いている。電力系もNTTグループも、ディベロッパーもビルに引き込んでいる。最近の再開発ビルの中には複数の事業者の光ファイバーが入っている。その2社、3社の中でどの事業者が使われるかというのは非常にリスクがある。そのようなリスクを抱えながら、最後の1マイルを引いている。どこがドミナントなのか、どこに開放義務があるのかと言うと、メタルとは比較にならない。メタルは多くの部分がNTTのアクセスであり、光とは次元が違う。
 そういうご意見を言われる方は何をもって言われているのだろうか。自分で光ファイバー設備を引く努力をせずに、NTTの引いているものを貸せ貸せと言って、貸さないのはけしからんと言うが、NTTも光ファイバーを引いてない場合がある。しかも、同じビルの中に複数の事業者が入っているという場合もある。最近再開発したところは皆そうだ。

Q 東西地域会社による県間通信参入の認可申請に関連してパブリックコメントが総務省から公開され、他の通信事業者からは連名で反対がある一方で、ユーザーからは結構賛成の意見があったりしている。そのような意見に対して何かコメントはあるか。

A NTT法の改正によって活用業務ということが許されている。活用業務の認可の条件として、地域電気通信業務等の円滑な遂行に支障を及ぼさないこと、電気通信事業の公正な競争の確保に支障を及ぼさないこと、の2つを守れば県間通信に進出しても良いことがNTT法の条文に明記されている。今回、東西地域会社がやろうとしているのは、レガシーの固定電話の世界への参入ではなく、いわゆる地域IP網を数珠繋ぎにしようということだ。IP電話などをやろうとした時に、IP電話は地域や県間、国際という概念がない電話だが、そういうものが提供できない、あるいは提供できても県内でしか提供できないことになると、お客様にとって非常に不便であり、サービスとして成立しない。やはり、IPサービスは従来の電話とは違うものであり、違うものとして扱って頂きたい。
 それから、地域IP網を使って商売をされているISP事業者がサービスを全国展開しようと思えば、今までは都道府県毎に地域IP網との接続点を持たなければいけなかった。今回は、1箇所に接続点を設ければ横に展開できるというものであり、事業者側から見ても非常にメリットがある。また、お客様にもメリットがあるということで、それはやはりインターネットプロトコルという形の方式でサービスを提供する、あるいはご利用頂くということの宿命だと思っている。それを電話時I代のものと同じような形で扱われるということについては納得がいかない。是非、今回の申請については、早く認可をいただきたい。そのことがお客様のメリットにもなるし、新しく事業を展開していこうとしている事業者のメリットにもなると思っている。

以上

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