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社長記者会見

2004年1月22日(木)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(和田社長)
 今年最初の会見であるので、一言、本年の抱負を申し上げたい。
 大きく言って二つあるが、まず一つは、収益面、売上げ面での構造改革を進めていきたいということ。一昨年来、費用面の構造改革を抜本的に進めてきており、社員の努力もあって一定の効果を生み出してきている。一方、収益面では固定から移動体への移行、同時に固定、移動体とも音声からインターネット、データ通信へという動きがあり、それがさらにブロードバンド、ユビキタスへと大きく軸足が動いてきている。これに対応して、NTTグループが持っているリソースをお互いにうまく利用し合い、また、リスクが散在することの無いよう協力し合いたい。そういう意味で、昨年12月にNTTレゾナントを設立し、新しいブロードバンドサービスや技術を開発するためのエンジンにしたいと申し上げてきたが、これに弾みをつけたい。また、固定系ではADSLや光といったアクセス系のブロードバンド化が急速に伸びてきており、移動体系でも第3世代のFOMAが200万加入に達するなど弾みがついてきている。その結果、映像による情報のやりとりが急速に伸びてきており、流れる情報量もかなり伸びてきている。これらを何とか採算の取れるビジネスに育てていきたい。技術開発、新しいビジネスモデルの開拓を進め、需要を掘り起こしたい。
 もう一つは、このように情報量が増えてくると、それを処理する基盤のインフラ、いわゆるバックボーンが、大量の情報を安い価格で処理出来るのか、同時に、量が増えるとセキュリティーや信頼性等の面で求められる質も高度化、多様化してくるが、これについても安い価格で保証していくだけの技術が用意されているかという懸念を持っている。このような情報の量、質の拡大、多様化に対応して、技術開発や設備設置のための投資が可能となるようにグループとして努力していきたい。

Q 本日、一部メディアで、NTTがブロードバンドによる放送事業に参入すると報道されたが、これについて考え方を聞きたい。

A 従来から申し上げているように、放送事業そのものに参入する考えはない。ただ、放送事業者が我々に求めるシステムやプラットフォーム、映像配信のためのソフトといったものについては提供していきたいと考えている。昨年には、NTT東日本が「映像通信網サービス」を提供する準備を整えた。スカパーの子会社であるオプティキャストが提供される映像配信サービスについては、我々の配信システムを使って頂きたいと考えている。
 しかし、本日の新聞記事の内容はそれとは違うようである。様々なブロードバンドサービスの検討や準備を進めているが、何を捉えてあのような記事になったのかはわからない。

Q 固定電話の施設設置負担金の問題について、今後の対応を含め考えを聞きたい。

A 施設設置負担金をめぐる議論は、過去にも何回かあった。様々な状況の変化があったので、総務省で関係者の意見を聞きながら再度検討を深めることになっていると聞いている。我々も、事業者の立場から意見を申し上げようと考えているが、非常に難しい問題を含んでいる。
 電話加入権が存在していてそれを譲渡できる問題、質権の設定ができる問題、さらには減価償却できない資産として計上されている問題等、さまざまな問題があり、かなり難しい議論がなされると思う。
 ただ、施設設置負担金は電信電話債券と違って借入金ではなく、加入者回線設備の建設費用、その多くは基本料で頂いているが、一部を前倒し的に一括で頂いている性格のものと理解している。したがって、先程申し上げた電話加入権に関する質権設定や、資産計上の問題と、施設設置負担金廃止の問題は必ずしもリンクしないと思うが、現実的には、様々なところに大きな影響を与える問題であるだろう。総務省における今後の検討状況を見守りたい。

Q AT&Tワイヤレスがシンギュラーに買収されるという報道がアメリカで出ている。仮にそのようになるとドコモの出資が無駄になることも考えられるが、どのように考えているのか。

A AT&Tワイヤレスに関しては、様々な思惑、情報が飛び交っている状況である。我々もNTTドコモを通じて、様々な情報を持っているが、確実なものは何もない。シンギュラーが買収するという話も確証は何もない。近々また動きが出てくると考えているが、今、私が申し上げられることは、冷静にウオッチしていくということだけである。中身についてコメントする状況ではない。

Q 情報通信省を創設する構想が取り沙汰されたが、事業者の立場として、どういう規制、行政の仕組みが望ましいと考えているのか。

A 情報通信省構想については、ある日総理がその方向に向けて検討を指示されたとの報道があり、その翌日には否定報道が出るなど、真偽のほどがよくわからない。私自身が感じていることは、ICT(インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー)が、国民生活、経済活動全般に関わってきているので、ほとんどの省庁が何らかの形でこれに関わることになる。例えばセキュリティの問題一つとってもそうだが、横の連絡をきちんとするということが行政サイドとして必要だということではないかと考えている。
 事業者としては、現状、いろいろな法律の枠組みの中で事業を展開しているわけだが、情報通信省にしてしまえばすべてが解決するような問題ではないと思う。セキュリティならセキュリティ、インフラ整備ならインフラ整備等、個別の問題ごとに行政と事業者がどのように上手くタイアップするのかを模索するほうが現実的ではないか。情報通信省というものがよくわからないので、それを進めていった時に我々とどのような関わりになってくるのかもよくわからない。

Q 放送事業には参入しないが、インフラや関連分野にはサービスを展開するとのことだが、NTTは子会社を含めて、電気通信役務利用放送法に基づく登録は既に行っているのか、あるいは今後行うつもりはあるのか。

A 子会社については、何%持っていれば子会社になるかという問題があるが、放送事業者への出資は今までずっと3%の枠内できている。
 今後、それをどうするかについては、実態に合わせて考えていかなければならないが、放送事業を自ら手がけていくことについては躊躇する部分がある。したがって、先程申し上げたように「映像通信網サービス」を提供できるように認可は受けたが、電気通信役務利用放送事業者となるという意味でなく、そういう仕組みを提供していきたいということだ。

Q 先程、情報量が増えていく中で、セキュリティや信頼性の高いネットワークを構築するのが課題であるとの話があったが、将来的に設備投資という名のもとに、今の安い定額料金を値上げしていくことはあり得るのか。外国ではそのような例も出始めているようだが、考えを聞きたい。

A RENAは、多層的なネットワークにしたい。つまり、品質やセキュリティ等の度合い、料金についてお客様側で選べるようにしていきたいと考えている。したがって、一様に高品質のネットワークを今の安い値段で提供できるかどうかという次元の話ではない。ただし、RENAのネットワークは、現在の技術だけでは構築できないため、研究開発を急いでいるという問題はある。
 また、技術的には可能であっても、どれだけ安くできるかという問題もある。例えば、光ルータにしても技術は出来ているが、それをどれだけ安く大容量のものに作れるかという問題がある。今後、どれ位の需要が出てきて、それに対しどれだけ安く生産できるかということの兼ね合いと、技術開発が絡まっており、努力していくしかないと考えている。

Q ADSLをベースにしたIP電話の普及が進む一方で、ADSLやFTTHは、地方に行けば利用できない地域がある。このため、IP電話が使えない、あるいはIP電話によって加入電話のトラヒックが下がり、場合によっては料金が値上げされるかもしれないという意味において、地方は電話の利用が不便になる可能性もある。地方へのIP電話の普及について、NTTグループ、あるいは業界全体としてどうしたらいいと考えているか。

A 現在のIP電話は、ADSLまたは光のブロードバンドアクセスをベースとして提供されている。ADSLについては、収容局からの距離に左右され、2kmを超えると極端に品質が劣化するという問題があるが、これは都会でも地方でも同じである。他方、光の場合は、都会の方がき線点までの光化率が高く、さらにそのブロック内で発生する需要の密度が高いため、対処がしやすい。しかし、地方は、き線点までの光化率が都会より低く、同時に、そのブロック内で発生する需要の密度も低いため、対応が難しくなる。国や地方の行政と、我々事業者が今後どう協力して対応していくかという問題になってくると考えている。
 また、トラヒックが電話網からIP網に移ることにより、全体的に収入が落ち、料金が値上げされるのではないかという料金面の話があったが、ユニバーサルサービスから付加価値サービスまで様々なサービスがあるので、その性質によって考え方は違ってくるだろう。例えば、電話の市内通話は東も西も、差をつけないで来ている。したがって、料金の問題はサービスによって変わってくるため、一概には言えないと思う。

Q IP電話の利用者は、今、業界全体で400万前後だと思うが、2004年末までにどのぐらい伸びるか、あるいは、3年後にどれぐらいになると考えているのか。

A 具体的な数字はない。今後のADSLと光の伸び具合がどうなるかにもよるが、いずれにしても、ブロードバンドサービスが今後の情報通信の軸足になるとするならば、やはり、IP電話は増加する方向に動いていく。但し、今のIP電話はあくまでもベストエフォートであり、119番、110番にもつながらない。それから、ADSLの場合は距離に関係するなど、様々な制約条件がある。これらをどう克服していくかによっても随分変わってくる。

Q AT&Tワイヤレスに関して、シンギュラーだけではなくNTTドコモも買収に手を挙げているという報道が一部にあるが、親会社であるNTTはドコモからどういう説明を受けているのか。また、ドコモの海外出資に対する考え方について、グループとしてどうあるべきだと考えているのか。

A いろいろな情報がいろいろな思惑で流されている状況であり、今のご質問に答えることは、いろいろなところに支障を与えることになるので、ご容赦頂きたい。海外出資に対する考え方は今まで言い続けてきた方針に変わりはない。

Q ADSLと光ファイバーの今年の伸びについてどのように考えているのか。ADSLは昨年も月30万ペースが続いて、1000万契約を超えた。光も去年の終わり頃から加速が始まっているが、現状、集合住宅やマンションに限られるのではないかという見方もある。

A ADSLについては、固定網のアクセスが約6000万あるので可能性としてはそれが上限となるが、果たして急速にそこまで行くかというと、各事業者が目的意識的にどれだけ取り組むかの度合いにもよるが、今までのような勢いで伸びるとは考えにくい。
 光については、映像情報を取りに行ったり、交換するようなことがどんどん増えていけば、収容局からの距離に関係なく双方向で同じスピードが出るという利点があるので、勢いをつけてくるのではないか。確かにADSLに比べて料金が高い、あるいはサービス開始までに若干時間がかかるという問題がある。ADSLは既にあるメタル回線にモデムやアダプターをつければ良いが、光はケーブルを引き込まなければいけない。マンションや集合住宅は非常に効率が良いが、1軒1軒の住宅となると少し手間暇がかかるという問題がある。しかし利点が相当あるので、光が勢いをつけてくるだろう。

Q ブロードバンドの急速な普及によって、NTTのバックボーンは容量不足や帯域不足が出かねない状態になっているのか。

A 今はまだ余裕がある。しかし、見方にもよるが、3年後に危なくなるのではないか、あるいは5年後に危なくなるのではないかなど、いろいろなことが言われている。実際、情報量は倍々ゲームで膨らんでいる。ADSLでも下りはかなりの情報量の映像を早い速度でダウンロートできる。FTTHは、テレビ電話などで映像情報をやりとりできる。映像をやりとりする度合いがどんどん増えれば、トラヒックは飛躍的に伸びてくる。他社のバックボーンはよくわからないが、私どものバックボーンについては安心していない。今からよく足元を見て、情報量の伸びとアクセスの伸び、そして求められる品質をきちんと見極めて準備をしておかないと、技術開発が追いつかないかもしれない。下手をすると、非常に容量の小さいルーターを並列で並べて対応しなければならないが、それにも限界がある。やはり、1つのルーターで処理できる能力を上げていかなければならない。そのためには、光ルーターも必要だろう。しかし、それが非常に高額でしか出来ないのであれば、1つの隘路になってしまう。できるだけ安い投資で出来るように技術開発していく。
 また、インターネットはいろいろな事業者がIXでつながり合っている。事業者だけではなく、国と国の間でもつながっている。したがって、どこかに隘路があれば、そこがボトルネックになって、全体がおかしくなるという可能性もある。そのような問題をいろいろと含んでいる。

Q 放送事業への参入に躊躇している理由を聞きたい。例えば、総務省の指導による放送事業者への3%出資枠が拡大する方向になれば、躊躇している部分が緩和されるのか。

A 躊躇するというのは実力がないということである。放送についてはノウハウもない。今からリソースを投入するかどうかはこれからの判断だが、今のところ、そのような判断は持っていない。やはり、業界が違うということも当然ある。しかし、技術的にはいろいろな意味で融合し始めており、どこからどこまでが放送で、どこからどこまでが通信かという垣根もどんどん低くなってきている。放送も通信もコラボレーションが必要になってきて、お互いに得手を使い合うということになってくる。その時に、3%までということが障害になるのであれば、こちらから訴えていかなければならない。それはやはり、お客様の要望や技術の進歩、ビジネスモデルの開発というものによって変わってくるのではないかと思う。

Q IP電話や低価格のテレビ電話がどんどん増えていくと、NTTにとってダメージになると思うが、新しいサービスがどんどん増えていくことについて、どのように考えるか。

A 情報量が増えていくということは、キャリアにとっては非常に良いこと。それが採算ベースに乗るかどうかという問題はあるが、ネットワークを使って頂ける度合いがどんどん高まることは、非常に有難い。一般論として、情報量がどんどん増えると、キャリアにとっては設備投資、技術開発投資をしていかなければならないという大きなリスクはあるが、全体としてみれば事業が栄えていくということになる。

以上

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