Q 今回の料金値下げは、他社に対する対抗値下げとして十分と考えているのか。今後、値下げ競争は加速されていくのか。
A 今回の値下げは、各事業会社が相当苦しんで作った案だ。基本料や通話料の料金水準を下げることと、光IP電話を推進していくことで対応していきたい。加えて、お客様に対するサービスの信頼性や安全性を訴えていきたい。これらをトータルでやっていけば相応の競争力はあると考えている。次の値下げがあるかどうかについて言えば、今回の値下げがぎりぎりのものだろうと思っているし、事業会社はこれで対応していきたいと言っている。但し、今後の推移によっては、なお合理化努力をするとか、他の収入源を求めていくということも含めて、トータルで考えていくことになる。
Q 他社がドライカッパを用いた直収電話サービスへ参入することにより、NTT東西の固定電話網のボトルネック性が希薄化していくことになるが、接続料の問題についてどのように考えているのか。
A 8月27日にパブリックコメントで提出した意見のとおりである。要旨を申し上げると、ブロードバンド時代が本格化し、ユニバーサルサービスの確保のあり方についていろいろと問題が提起されており、それらを長期的かつ総合的に勘案して、接続料の問題は検討していただきたい。それから、特にドライカッパを用いた直収電話については、自ら交換機を設置してお客様を収容し通信サービスを提供するものであり、NTT東西の交換機を利用しないので、接続制度の基本的な部分に触れる問題だと思っている。言い換えれば、ドライカッパを用いた直収電話は、現在のユニバーサルサービス基金や接続制度の仕組みの前提になかったものである。前提が変わってきているので、仕組み全体を見直す必要があると思っているし、そういう提起をしていきたい。
Q 光ファイバとドライカッパの開放義務についての基本的な考え方を教えて欲しい。
A ドライカッパについては今申し上げたとおりであり、ユニバーサルサービスとの関連で議論していかなければならない。光ファイバについては、従来から申し上げているように、今からそれぞれ競争して敷いていく性格のものであるので、投資する側のリスクを大事にしていただきたい。つまり、リスクを負って投資していくためのインセンティブが働くような規制のあり方にしていただきたいという考えに変わりはない。
Q NTTコミュニケーションズがドライカッパを用いた直収電話サービスを実施するとなると、NTT東西の事業とバッティングすることになるが、グループ内の競合についてどのように考えているのか。
A ドライカッパを用いた直収電話をNTTコミュニケーションズが実施するかどうかについては、選択肢としては当然あるが、現時点、コミュニケーションズからは今回の対応策として実施する考えはないと聞いている。仮に実施するとなると、グループ内にお客様を収容する交換機が東西とコミュニケーションズの2種類、更にIP電話を含めれば3種類できることになってしまう。グループとして資源をどう有効活用していくかということを考えれば、いろいろな考えがあると思うが、今はそこまでは至っていない。
Q 今回の対応策に伴うグループ全体の減収額の見込みはどの程度か。
A 各事業会社が値下げの影響をどう折り込んでいるのか、また、それをカバーするための方策をどう考えているのかについては、当面、事業会社に任せている。持株会社としては、今後の競争の状況や、値下げの影響を他の収入源でどう賄うか、合理化でどう穴埋めするか等、いろいろな要素を勘案して中間決算の段階で連結決算ベースの今後の見通しを明らかにしていきたい。
Q 一段の合理化努力や他の収入源の拡大について、具体的にどのようなイメージを持っているのか。
A 合理化、効率化は、人に関わるものもあるし、その他いろいろある。事業会社は必死に考えていくだろうと思っている。
持株会社としても、研究所では高性能な技術を開発する他、省力化、効率化のためのツールや工法の開発も行っている。例えば、昔の光ファイバの曲げ半径は5cm位であったが、研究所の開発努力により、今では5mmの半径で曲げても光が通るようになった。また、かつては光ファイバの接続を融着という方法で行っていたが、今は簡単なコネクタで物理的に結合できるようになっている。
一方、NTTレゾナントでは、収入面で新しいブロードバンドサービスの開発を急いでいる。いろいろな形でこの秋に発表していけると思うが、そういうものも力になるのではないかと思っている。
Q 今回の料金値下げは、日本テレコムやKDDIと比べると中途半端な気もするが、どのように評価しているのか。
A 今回の値下げが、今、事業会社が対抗策としてとり得るぎりぎりのものである。基本料、通話料を個々に比べれば凹凸はあると思うが、116や113のようなお問い合わせ窓口や保守の体制などをトータルで考えると、何とか対応できるというのが各事業会社の考えである。それで本当に対応できるのかということについては、今からお客様に訴求していく過程でいろいろと考えていかざるを得ないが、今時点ではそう考えている。
Q 日本テレコムやKDDIの計画をどう受け止めているのか。もし対応策を取らなければどうなり、今回対応策を取ったことでどの程度顧客流出を防げると考えているのか。
A 何もしなければ相当ダメージはあるだろうと思っていたが、今回の対応策によって、どこで止まるのか、あるいは止まらないのかはわからない。私どもは今回の対応策で必死に対応していきたいということだ。何もしないわけにはいかないことは事実だ。仮に何かすることが将来のレゾナントコミュニケーション環境を作り上げていくことにマイナスになり、大きなダメージを与えるようであればそれはできない。しかし、今回の対応策は、競争対抗上も一定の評価ができるし、将来につながる線上にあるという点でも評価できるというのが、各事業会社の考えだ。
Q 将来につながる線上というのは、例えば、値下げ幅をあまり大きくしないことで、将来の設備投資の原資を確保するという意味か。
A もちろん、今回の料金値下げよりずっと低い値段にすれば大きなダメージを受けることになるので料金水準的な要素もあるが、それだけではない。IP、レゾナントコミュニケーションという世界になると、距離による料金格差は徐々に克服されるだろうと思っている。むしろ、通信速度やセキュリティ、ギャランティなどの度合いに応じて料金に差をつけるという考え方はあると思う。今回の値下げは、距離による料金格差を是正するという意味で将来につながる線上にあるだろうと思っている。
Q 施設設置負担金について、総務省では、今後、段階的に廃止する方向にあると思うが、NTTとしての考え方はどうか。
A 従来から申し上げている考えに変わりはない。段階的に廃止する方向ということは考えなければならないだろうと思っているが、これはいろいろなところに関係する話だ。資産計上をしているという問題、市場ができ上がっているという問題など、いろいろな問題がある。今、情報通信審議会でいろいろ検討されており、10月下旬位には一定の方向性を出そうとしているので、それを踏まえて私どもも考えていきたい。
Q 次世代ネットワークのフルIP化の話はいつから始めて、いつ頃完成するのか。
A 明確なスケジュールを持てない状況だ。今ある固定電話網は非常にしっかりと作られており、ラストリゾートとしては最適だ。もうこれでいいというお客様もいる。逆に言えば、これがなくなったら困るというラストリゾートであり、最高のユーティリティというような側面もある。しかし、固定電話網と次世代ネットワークを二重に持つということは負担が重い。何とか早い時期に固定電話網を次世代ネットワークにマイグレーションさせていきたい。それに当たっては、技術的な問題の克服ということもあるが、気持ちとしては急ぎたいと思っている。
Q 光ファイバに関わる接続規制について、インセンティブが働くように見直して欲しいと主張しているが、具体的にどのように見直して欲しいのか。
A 光ファイバについては、指定電気通信設備から外していただきたい。これは光ファイバを開放しないということではなく、開放はするがその条件は貸す側と借りる側が相談して相対で決めることができるようにして欲しいということだ。光を敷いたら公定価格で貸し出す義務があるというのではかなわないと申し上げている。

