Q 持株会社の
副社長を東日本の社長とし、三浦社長を持株会社の副社長とする今回の人事の意図について、両氏の人柄なども含めて説明して欲しい。
A 昨年11月に中期経営戦略を公表し、関係の皆様方からかなり注目を頂いている。これを何とか2010年に向けて具現化していきたいという観点から今回の人事に取り組んだ。東日本の三浦社長については、NTT再編成以降、東日本の副社長、社長として実業でリーダーシップを発揮してきており、実績もきちんと上げている。
また、持株会社の
副社長は、再編成時から持株会社第五部門長、副社長としてグループ経営を軌道に乗せることに始まり、今度の中期経営戦略の策定についても成果を出してきている。
この2人に入れ替わってもらうことによって、
副社長には事業部門でグループ経営の視点を持って経営に当たってもらい、三浦社長には、事業部門の視点を持って持株会社で各事業会社を束ね横通しする形で中期経営戦略を引っ張っていってもらいたいと考えている。
人柄という点については2人とも素晴らしい人物であり、私としては非常に信頼している。
Q 今回の人事では、中期経営戦略を推進する要職に東日本の人材が就くことになるが、これは中期経営戦略において東日本が主導を果たすということを意味しているのか。
A そうではない。持株会社の取締役第一部門長には、西日本の取締役が就任する予定である。また、コミュニケーションズの和才副社長は中期経営戦略を策定する前の段階の“光”新世代ビジョンをまとめた中心人物であり、東日本主導で動かしているわけではない。
Q 昨年、持株会社の和才副社長がコミュニケーションズ副社長に転じたのは将来の社長含みであったということか。
A どのような場合にでも対応出来る形で人事は行っている。鈴木社長は難局を立派に乗り切り、グローバルIPソリューションカンパニー化を進めてきたが、社長在任が6年という長期に渡るので、今回、和才副社長にバトンタッチしてもらうということだ。
Q 今期の連結業績予想は、減収、営業減益と厳しい見通しであるが、増収あるいは増益に転じるのはいつか。
A 減収がどこで止まるかということについては、本当に回答が難しい。何とか止めたいと考えているが、移動体の分野では、今後、加入数は増えても1000万程度ではないかという見通しもある。そうなると、どうしてもパイが膨らまない中でのお客様の奪い合いということになり、料金値下げが1つのテーマになる。パイが縮むことに結びつくわけだが、それを乗り切るために、ソリューションやノントラヒックといった新しいビジネスを展開したいということで、「おサイフケータイ」の提供や、その発展形態としてクレジットカード事業に参入する。これがどれだけ収入を押し上げる方向に結びついていくかについては、予断を許さない。
一方、固定系では、他社が直収サービスを展開しようとしており、これがどれぐらいのスピードで展開されていくのかなかなか読みにくいが、私どもにとっては減収の要素である。これに対して、光アクセスの収入、あるいはソリューション、ノントラヒックの収入という形でカバーしていこうと思っているが、これも簡単にはいかないだろう。
したがって、あとはどれだけコストカットしていけるかということに尽きる。今期は1兆500億円の営業利益を見込んでいるが、来年度以降も営業利益でこの額を下回ることのないよう確保していきたい。
Q 昨年度取得した自己株式は、どの程度消却したのか。また、これから取得する自己株式の使途についての考えはどうか。
A 昨年度取得した約80万株の自己株式は消却していない。金庫株として保有している。今後の使途については、当然、消却も視野にあるが、中期経営戦略を展開していく中で、この自己株式をうまく活用して事業展開や資本政策に機動性を持たせるということで、とりあえずは全て金庫株として持っておくことも考えている。
いずれにしても、取得した自己株式の処理については、これから中期経営戦略を進めていく中で、企業価値が上がる形で活用していきたいと考えている。
Q 上場会社の決算発表では、配当に対する関心が高まっているようだが、NTTは中期的に配当をどのようにしていきたいのか、基本的な考え方を聞きたい。
A 前期は、年間5000円の配当から1000円増配して6000円にした。これは今期も続けていきたい。基本的には、配当はあまりアップダウンがない方が良いと考えており、安定的に配当できるようにしていきたい。キャッシュフローが高まってくると、事業拡張のための投資に回すのか、財務体質の改善のために負債の返済に回すのか、あるいは株主様への還元に持っていくのかということが考えられるが、株主様への還元については今のところ、オーバーハング解消を第一義に考えたい。
オーバーハングが解消された後は、増配に意を用いていきたいが、それはあくまでも経営の状況による。その時の資金需要としてはいろいろありうるので、資金余力を考えながらやっていきたい。
Q 平成16年度決算及び平成17年度業績予想について、営業利益段階での主な増減益要因とその影響額を教えて欲しい。
A(八木第四部門長)
平成16年度の営業収益は、固定音声関連収入が約3,000億円、移動音声関連収入が約1,800億円減少し、他方、IP系・パケット通信収入等が約1,300億円増加している。
平成17年度の営業収益については、料金値下げの影響拡大で固定系が約1,400億円、移動系が約1,000億円減少し、他方、主要5社以外のグループ会社の売上げ増で約480億円を見込んでいる。営業費用については、主要5社がグループ内取引消去後で約1,400億減少し、他方、主要5社以外のグループ会社では売上げ増に伴う費用の増を約480億円見込んでいる。
Q 持株会社は平成17年度の配当収入をいくら見込んでいるのか。
A(八木第四部門長)
平成17年度の受取配当収入は、東日本から335億円、西日本から312億円、コミュニケーションズから87億円、ドコモから874億円、データから38億円を見込んでいる。これはドコモが年間配当を2,000円から4,000円に、データが2,000円から3,000円にそれぞれ引き上げることを反映して増加している。
Q 来年度以降は減収傾向に歯止めがかかるのか。
A 減収傾向は歯止めをかけるのは難しい。今は増収に転じることを読みにくい段階である。光系、IP系、ノントラフィック系、ソリューション系というのは、仕込みの段階であり、なかなか大きな収益に結びついてこない。今年度もこの分野で1,000億の増収を見込んでいるが、それ以上に減る部分があるため、どうしても減収を見込まざるを得ない。売上については、今期が底で来期からは増収するというわけにはいかないだろうと考えている。しかし、利益ベースでは、今期予想している1兆500億円の営業利益を来年度以降も確保していきたいと考えている。
Q 今秋を目途に次世代ネットワーク構築のロードマップを作成するとのことだが、実際に次世代ネットワークを立ち上げる時期はいつになるのか。また、それは来年度以降の収益に貢献してくるのか。
A 次世代ネットワークについては、出来るものから着々と進めている。例えば、直角に折り曲げたり、結んだりできる光ファイバ等、色々なものを開発している。
このネットワークの構築手順や、どのようにエリア展開していくのか等についてロードマップとして内外にお示ししたいと考えている。ただ、それまで何もしないということではない。逐次実行に移せるものは実行に移していくし、内外に明らかにしていくが、全体像については今秋までにまとめたいということである。
また、NTTレゾナントでは、パソコンとFOMAの間で映像をやりとりできるプラットフォーム等を作り上げており、既にお客さんにご利用頂いている。新しいサービスが秋まで止まってしまうということではなく、できるものから逐次出していきたいと考えている。

