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社長記者会見

2006年1月18日(水)

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(和田社長)
 本日は、私から2点、お話しさせていただく。
 まず、処遇体系の見直しについてである。本来は記者会見で発表する話でもないが、年明け以降、マスコミの方々から処遇体系について聞かれること、また、組合との議論も決着したことから、本日、お話しさせていただくこととした。
 今回、中期経営戦略の推進に向け、社員のモチベーションやチャレンジ意欲の向上を目的として、これまでの成果・業績重視の考え方を更に進めた処遇体系へと見直しを行うこととした。
 3点あるが、1つ目は、基本給与の見直しである。具体的には、年齢給の廃止、給与反映幅の拡大、そして、昇給チャンスの拡大と降給の導入である。
 2つ目は、評価制度の運用充実である。
 3つ目は、少子・高齢化への対応であり、具体的には、扶養手当の見直しと育児・介護休職者への支援を実施していく。
 NTTグループは、処遇制度について、昭和60年の民営化以降、幾たびかの見直しを行なってきたが、今回の見直しは、民営化以降の一連の処遇制度見直しの総仕上げとでも言うべき位置づけと考えている。
 次に、昨年11月下旬から12月上旬にかけて、欧米の主な機関投資家の皆さん、そしてBT、新at&tやベライゾン、ベルサウスといった通信キャリアを訪問し、NTTの現状や課題、そして中期経営戦略を中心に意見交換してきたので、その内容をご紹介したい。
 全体として、皆さん、事前に中期経営戦略のアクションプランについて勉強していただいており、NTTの目指すその方向性について理解しておられた。
 まず、機関投資家の皆さんについてだが、中期経営戦略が目指すものが、社会的・経済的に非常に大きな効果をもたらすことはわかるが、リターンをどの程度期待できるのか懸念を示される方々もおられた。ただ、このような方々も、欧米キャリアも同様の動きをみせていることもあり決定的に反対というような意見はなかった。
 また、通信キャリアについては、どのキャリアも、ネットワークを距離と時間で貸してその利用料を頂く、あるいは、音声・テキスト・映像といったメディアを単品で売るビジネスモデルはもはや成り立たないとの認識を持っている。そこで、トリプルプレイやクワトロプレイといった融合サービスを提供するためにも、新たなネットワーク作りが必要だということで、取組みを進めていることがわかった。
 ただ、IPベースで新たなネットワークを作っても課題はある。それぞれの事業者が単独でネットワークを作っても、接続性やセキュリティをどう確保し、あるいは、事業者間精算をどうしていくかといった課題がある。また、映像を中心に大量のコンテンツが流通するようになった場合、ネットワークを拡充するために設備投資していく必要があるが、そこから得られるリターンをどういう形で確保できるのかということも課題になる。スカイプなど、ピア・ツー・ピアの通信手段が、単なる音声やテキストだけでなく、映像も含めて発展しようとしているが、このことも、新しいネットワークへの投資に対するリターンが非常に心配になる要因として、同じ危機感を持っていることがわかった。
 このように、海外の通信キャリアも我々と同じような期待感や危機感を持っていることが分かりあえ、そういう意味で非常に有意義な訪問であったと考えている。

Q 通信と放送の融合、IP化に対応した競争ルールについて本格的に議論が始まるということだが、これについての意見及び対応方針について聞かせて欲しい。

A 通信と放送の融合についての基本的な考え方だが、いわゆる放送事業そのものを行う考えはない。但し、オンデマンドなどの映像配信、顧客管理、あるいは料金回収のためのプラットフォームの構築など、周辺における多様なビジネスモデルが創造されると考えており、そのような融合分野については積極的に対応していきたい。
 総務省の懇談会に対するスタンスについては、中期経営戦略を推進していくことがグループとしての最も大きなターゲットであり、このことについて政府にバックアップしていただけるような議論をしていただきたいというのが基本的な考えである。
 中期経営戦略を公表したのも、他のキャリアのネットワークやネットワークにつながる情報家電を含めた利用手段などとのコネクティビティやセキュリティの問題は単独で出来る話ではないからであり、これらも議論していただきたいと考えている。ネットワークは利用していただけなければ意味が無く、ASP、ISP、情報家電メーカなどの皆さんにも技術基準の観点を含め議論に入っていただきたいと考えている。

Q NTTグループのあり方についてはどうか。

A 我々としてはここでNTTグループのあり方を取り上げていくつもりは無い。例えば、現在のグループフォーメーションは、電話中心の時代のサービスや技術を背景に作られたものである。今はIPもあるし移動体もあるしで、随分変わってきているが、それに合わせて全部変えて欲しいといった話を我々からするつもりはない。

Q 通信と放送の融合についての議論を加速させる1つの大きな要因となったライブドア社が、現在捜査の対象になっているが、これに対してどのような感想を持っているか。

A 我々もびっくりしている状況で、報道されている範囲でしかわからず、的確なコメントはできない。ただ、あの大きさの株式分割をするということは、我々の常識からすれば非常に異常だというようには前々から考えていた。中身が分らないため何とも言えないが、株式市場の動向を見ていると、投資家の皆さんに、相当ご懸念があるということが株価の動きに集約されているのではないかと思っている。NTTグループの株価もものすごい勢いで下がっており、非常に困惑している。
 しかし、ICT(情報通信技術)が持つ社会・経済に対するインパクトや必要性、あるいは発展性に疑いの余地はなく、これらに着目すれば、時間が経てば落ち着いてくるのではないかと思う。
 ただ、経営手法の問題と、ICTの持つ能力の問題は別の問題である。経営手法の問題により市場全体に不信感が拭い切れないというようなことになってくると、非常に大きな問題だろうというように思っているが、捜査が進行中でもあり、はっきりとは物が言えない状態である。

Q 春闘について、一般的には、企業の業績の向上を背景に、組合側は従前よりも強い姿勢で臨むのではないかと思っているが、どのように対応をしていくのか。

A 例年通りでいくと2月中旬に組合が組織決定をし、その後要求書が出てくると考えており、現段階では具体的なことはお話しできない。要求書が提出されたら、真摯に対応していきたいと考えている。

Q 本日、日経平均株価が、一時700円程大きく下がったが、ライブドアショックが大きな原因と見る向きもある。株価が上がってきたときに冷やされたような形だが、株価の見通しについて、足元の景気や先行きを含めどのように見ているのか聞かせて欲しい。

A ICT、ブロードバンドやユビキタス、あるいは通信と放送の融合といった様々なキーワードがあるが、これらが持つ社会・経済に与える影響やインパクトには強いものがあり、今回起こっていることとは別問題だと考えている。したがって、技術やサービスが様々な問題を解決していく、あるいは新しいビジネスを創出する力を持っているということは変わらないと考えており、時間が経てば株価も回復してくると考えている。
 全体の景況感については、年明け以降、マスコミや財界の方々と意見交換する中で、アップダウンはあるにしても年間を通じて右肩上がりになっていくという意見は一致していたと思う。
 ただ、エネルギーなど原材料の需給関係、あるいは米国や中国といった大国の経済状況などの外的な不安要因はある。それを除けば、ジグザグは描くかもしれないが右肩上がりであること自体は変わらないと思っている。
 なお、通信業界については、定額制が導入されるなど様々な要因があり、景気の動向による通話料収入の変動は昔ほどではなく、それほど大きく振れることはない。お客さまのICT投資は堅調であり、しっかりとした手ごたえを感じている。固定通信の分野では、光アクセスがかなり売れており、昨年12月は17万5千回線と、過去最高の月間純増数になっている。移動体通信でも、FOMAへの移行が進んでおり、ワンセグ放送やHSDPAなどの高速データ通信への取り組み、更には番号ポータビリティへの取り組みなどで、業界全体が活性化していることもあり、明るい1年になるのではないかと思っている。今回のような問題が発生しても、明るい1年になるという考えは変わっていない。

Q 竹中総務相が情報通信省の構想を出しており、通信と放送の融合に合わせて省庁のあり方も考えたいとしているが、これについて、どのように考えているのか。

A 省庁の再々編については、情報通信あるいはICTが生活全般に広く深く関わってくるということになると、行政側としてもそれに対応していかなくてはならないという要請があるのだと思う。
 事業者としては、様々な法律の枠組の中で事業を展開しており、事業活動が円滑に進むような形をお願いしたいが、色々な意見もあろうかと思うので、具体的には申し上げることはできない。

Q 中期経営戦略を推進していく中で、FMC(固定・携帯融合)のサービスをグループのどこが窓口となってやっていくのか。また、上位レイヤの統合については、どのような形でまとめていくのか。

A FMCについては、FOMAとPC等との間での映像通信、あるいは構内では固定電話、外に出たら携帯電話として利用できるサービスなど様々なことが進んでいる。これらを進めるにあたっては、固定側からのやり方、携帯側からのやり方、更には両方を使って1つのシステムをつくり、ビジネスユースのお客さまのニーズにお応えしていくやり方など、色々な方法がある。したがって、グループのどこか1社が何かをやるという話ではないと思う。
 例えば、今、WiMAXという技術が非常に脚光を浴びているが、これについても、固定側からでも携帯側からでもアプローチできる技術である。ただ、NTTグループでは、ドコモに研究開発能力が蓄積されていることもあり、WiMAXについては、ドコモを代表としグループ各社が参加する形で実証実験に取り組んでいきたいと考えている。
 上位レイヤの話については、この夏までに1つの方向を出すため、プロジェクトをつくり進めているところである。

Q WiMAXについて実際に免許を取得する場合、ドコモが取得するということでよいのか。

A 免許をどこが取得するかということも含め、グループ内で検討を深めていきたいと思っている。ただ、研究開発力や技術についてはドコモに蓄積があるので、そこを柱にしていこうとは思っている。

Q 次世代のIPネットワークについて、ネットワークを拡張する中で投資のリターンが得られないという話があったが、映像配信サービス等がかなり進んできている状況に対して冷や水を浴びせるような感じにならないか。

A 冷や水を浴びせるのではないかとのことだが、確かにそういう面はあるかもしれない。しかし、ものすごいお金を使ってネットワークを作る側にも株主さまを始めとするステークホルダーの方々が多数おられるので、それはお互いがWin-Winの関係になるようにしなければならないと思っている。
 米国の通信キャリアと意見交換をしたが、この点については、懸念を持っている。スカイプが、Eメールや音声のようにベストエフォートで品質的に問題があっても構わないというような状況で使われているときはまだ良いが、映像のやり取りも含めてピア・ツー・ピアでやり始めると、ネットワーク自体が容量的にも耐えられなくなってくる。さらに、使われ方が高度化してくると、当然、セキュリティやギャランティが求められてくる。そうなった時に、その利用者同士はいいかもしれないが、クオリティの確保を求める他の利用者まで影響を受けてしまうということになると、我々としては、それに対応できるネットワークを作り上げていかなければならなくなり、ものすごい投資が必要になる。そう考えると、これは大きな課題として議論をしなければならない問題だと思う。

Q ライブドアが経団連に入会してすぐに証券取引法違反の容疑で東京地検に家宅捜索を受けるということになったが、経団連が会員拡大の方向であるということを含め、感想はどうか。

A 経団連では、会員になりたいと希望される方がいる場合、きちんとした入会手続きが制定されている。それと同時に、入会された方は、企業行動憲章を遵守するということもきちんと義務付けている。ただ、詳しい手続きはわからないが、違法行為を現にしているということが確認されない限り、厳格に欠格条件を列挙して入会を認めないという事ではないと思っている。副会長として承認したことは確かだが、そのときに推薦者がいて、欠格条項がないということで承認している。

Q 処遇体系の見直しについて、ここ7〜8年、企業は成果主義的な傾向を強め、家族手当といった個人の成果とは無関係の部分は無くしていく傾向にある。今回の見直しは、成果色をより強める一方で、扶養手当は増額する傾向にあるが、整合性はどのようにとられているのか。

A 整合性はとれていると考えている。成果、業績、スキル、能力といったものに着目した処遇体系にしていきたいということは変わらない。ただ、少子高齢化に対して出生率の低下をストップさせたいといった社会的要請があり、その一助になるものであれば企業としてもやっていきたいと考えている。扶養手当については、成果業績主義の観点から廃止することも含め検討してきたが、存続させることとしたもの。
 なお、成果業績主義の推進にあたっては、評価制度の運用充実を行うということで取り組みを強化する。短期的な成果や業績だけを見ていると、人材として成長していかない部分もあるので、やはり難解なものにチャレンジしていくことを評価するという中長期的な視点も必要である。こういう点を含めて、評価する側の能力を高めていくとともに、評価のルールもきちんとしていく。

Q 今回の処遇体系の見直し後、成果手当、成果加算、資格賃金の3本柱になるが、それぞれの一般的な配分はどのぐらいになるのか。

A 今までは、成果手当、成果加算、年齢賃金、資格賃金と4つだったが、今回、年齢賃金の部分を、成果手当、成果加算、資格賃金に分配したということである。成果手当はまさに短期的な成果・業績、成果加算は成果・業績を蓄積していくもので、資格賃金は自分の社員資格に応じて賃金が配分されるもの。したがって、年毎の成果と、その成果の蓄積部分、それから能力を高めていった部分という3つの段階になっている。
 配分については、個々人で差があり一概に答えられないが、40歳モデルの場合、成果手当が20%、成果加算が25%、それから資格賃金が55%となっている。

Q 国の補助や支援策だけでなく、今後は企業が今回のような形で少子化対策などに取り組んでいくことが、賃金以外の部分も含めもっと広がっていくというように見ているのか。

A 経団連には、少子化対策委員会があり、私自身、その担当の副会長をやっており、このような問題については非常に強い関心と危機感を持っている。そういうポジションになくとも、企業のトップの方々は、同じ方向の危機感や懸念を持っておられると思う。ただ、どのようにこの問題に対処していくかについては、それぞれの会社の業態や仕事の中身によるものと考えており、賃金でやる場合もあれば、介護や出産の休暇・休職等の面で社員に対する手当を行なっていく場合もあり、様々なやり方があると思う。
 しかし、企業だけではどうにもならない問題も色々あると思う。これらの問題は、政府も非常に大きな関心を持って取り組んでいるし、財界も非常に大きな関心を持って捉えているので、企業側も、今後、大きな関心を持って捉えていくことになると思う。

Q ライブドアに関連してだが、インターネット関連企業は、30代、40代の若手経営者が多く、その経営者を目指す若者も増えていくかと思うが、今後、通信関連サービスで起業していこうとする若手経営者に対してコメントをいただきたい。

A 若手のIT関係の起業家の方々に対するコメントをということだが、これは、NTTグループ内においても、通信インフラの業務に従事している社員と、いわゆる上位レイヤの業務に従事している社員とでは、意識が全然違うものだ。
 前者は、要するに、風水害、雪害、サイバーテロあるいはフィジカルなテロがあった際に、通信インフラを守るというのが最大の仕事であると考えている。したがって、昨年末からの日本海側の大雪による被害について言えば、とにかく通信が途絶して孤立するエリアがないようにするというのが最大の使命であると考えている。
 後者は、NTTグループのポータルサイトであるgooといった上位レイヤの仕事だが、先端的な技術やサービスを先回りしてそれに取り組んでいくということが、非常に大事なことであるし、それがなければ世の中の発展はないと思う。しかし、そのような先端的な業務に携わっている人間こそ、時には自分の足元をきっちり見直すということを行なっていかないと、変化の渦の中で自分を見失ってしまうのではないかと考えている。
 したがって、我々も、上位レイヤの業務に携わるグループ会社の社員に対しては、よく目を見開いて、世の中の変化の流れの先端の部分と自分の身の回りの状況、そしてお客さまの声といった様々な観点から自分を客観視して欲しいという話をしている。

Q ドコモが、昨年、KTFに出資を行なったり、PLDTに出資するとの話も出ているが、NTTグループとして、今後の海外戦略についてどのような方向性を持っているのか。

A 国際戦略については、2つの側面があるが、投資したものに対するリターンとして、キャピタルゲインや配当といった財務的なことが目標であるという側面が1つ。もう1つは、例えば携帯電話について言えば、W-CDMAという国際標準の仲間を増やす、優先ローミングの仕組みをつくる、あるいはiモードの仲間をつくるといった、サービスや技術の国際的な利用促進や高度化を図ったり、また調達コストを下げるために仲間を増やしていくといった面での戦略的なリターンを求めるという側面があると考えている。
 今後もこのような両面を見ながら海外投資をしていくということになると思うが、資本を投下しなければ駄目なのかどうかについては、相手との関係によってくる。相手から、一緒にやっていく上で非常に信頼度を高めることになるので、ぜひ投資してほしいという要請があれば相談に乗ると思うが、資本の提供は不要で、技術提携だけで結構というケースもあると考えており、ケース・バイ・ケースだ。

Q 海外の機関投資家の方々と意見交換を行なったとのことだが、投資家側からのNTTに対する注文等で気になった点などがあれば具体的に教えて欲しい。

A 海外の機関投資家の方々が我々に対して言われるのは、やはり今後の成長戦略をどういうように描いているのかということである。中期経営戦略で、2004年度の営業利益を2010年度までには復活させるとしているのだが、機関投資家の方々は、今年度も減収減益の予想であり、それがいつから反転攻勢になるのかということが一番聞きたいということであった。これについては、我々も客観的な情勢を説明した次第だ。
 それからもう1つは、フリーキャッシュフローをどのように使うのかということである。これは、自己株を取得したが、その自己株を今後どのような形で処理していくのかということである。その背景には、株主さまに対してどのような還元を考えているのかということがあり、フリーキャッシュフローのうち幾らを配当に回すのか、また、取得した株式はどの程度消却するのかということを具体的に質問された。非常に鋭い質問ばかりであったが、投資家の皆さんとしては、NTT株を売るのか買うのか、それとも保持し続けるのかということを判断されたいとお考えなので、厳しい質問内容になるのも当然のことだ。

以上

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