Q 中間期では久しぶりの増益という結果になったが、ドコモへの依存度がかなり強くなっている状況かと思う。この移動通信頼みという状況を社長としてどのように見ているのか。また、それ以外の事業の活性化をどのように考えているのか。
A 利益の7割5分がドコモであり、今回の業績見通しの見直しも、営業収益、営業費用の面でドコモとそれぞれ10億円だけ違うが、ほぼドコモの数字が連結の数字になっているのが実態である。ドコモ自身については、先般発表した新しい戦略に基づいて取り組んでもらいたいと思っている。
持株会社で言うと、1つは5月に「サービス創造グループに向けて」という戦略を発表したが、要するに新しいサービスを出していくことによって事業領域を広げていきたいということが基本にある。もちろんまだ具体化しているものは少ないということで、これからいろんな形で出していきたいと思っているが、サービスを出していく時に、NGNを使った新しいいろんな形でのプラットフォームの構築が一番大きなベースになるのではないかと思っている。そのプラットフォームを使って、課金モデルであるいは広告モデルといったことも含めて新しいサービスを我々自体も出していくし、いろんな方々と共同でも出していく。いずれにしてもこういったものをベースにした新しいサービスの創造による事業領域の拡大ということが1つである。
2つ目に、NTT東西を中心にした地域事業、ここは財務基盤の確立をどうしてもやらなければならない。2011年度に光収支の黒字化をうたっているが、これをベースに東西の財務基盤を確立していく。
3つ目としては、NTTデータ及びNTTコミュニケーションズを中心にしたソリューションビジネスの拡大にこれからも注力していく必要があると思っている。
この他、研究所の成果を含めた新規分野もドコモ以外の収入増に結びつけていきたいと思っている。
また、ドコモも含めて、グループトータルのICTソリューションビジネスを展開していくという言い方をしている。今NTTデータなどいろんな海外投資をしているものも含めて、5月に2,000億円を4,000億円にしていくと言ったが、グローバル展開によってそれぞれの分野でグローバル収入を伸ばすことにより、さらに上積みをしていきたい。このようにして、ドコモ以外のところでも事業領域の拡大というものを進めていきたいと思っている。
Q 昨日に引き続き、今日も東京市場が大きく下げる場面があったが、最近の相場の異常とも言える値動きについての見解を聞かせて欲しい。
A 今回の金融危機に端を発して、リーマン・ブラザーズのような状況となり、株価の変動がここまでくるというのは想定外である。1万円を切った段階で、1日に1,000円前後株価が変動するというのは、まさに異常な事態と言っていいのではないか。これは、先行きに対する不安というものが大きな要因になっているのではないかと思っている。いろんな政策がとられているが、金融政策によって、とりあえず金融危機に一応歯止めがかかるということがまず1つ。もう1つは、実体経済へのこれからの影響に対する対策をどうするのかということ。この2つが問題としてあろうかと思っているが、いずれにしてもできるだけ早く思い切った政策をとって頂くことによって、この異常とも言える状況がとりあえずおさまることが必要だろうと思っている。
Q 本業のビジネスとは関係ないが、NTTの企業年金について、それなりの規模の株式を保有して運用されていると思う。今回の相場の変調によって年金の運用でも相当な打撃を受けていると思うが、その辺の状況はどうか。
A 連結で言うと、会計方式が違うのでそれほど直接的な影響は受けてない。しかし、単体で見ると大きな影響を受けており、今年度で言うとNTT東西だけで200億円を超える影響を受けている。
今年度の株価にもよるが、今のような状況だと来年度も影響が出てくるので、今後もある程度リスクとして見ておかなければならないと思っている。もちろん年金の運用は株だけではやっておらず、債券等の運用の方がむしろ比率は高く、株式のウエートは比較的低くしているが、それでもトータルは大きいのである程度の影響は出ているということである。
Q 光事業について、需要が伸び悩んでいるということで、需要の喚起のために価格面で何か施策を打つ考えがあるのか伺いたい。光については4年ぐらい値下げがないが、市場を見ると、モバイルブロードバンドやノートPCと組み合わせて使うということが競合として出てきていると思うので、価格面で競争力をつけるということが必要かと思うが、どうか。
A 現時点では値下げというのは考えていない。役務別収支で指定電気通信役務以外の指定電気通信設備のところの大半が光の収支だと考えて頂ければよいが、数百億円の改善はしているものの、なお1,900億円程度の赤字である。
したがって、まだまだこんな状況なので、2011年度の黒字化をにらんでいろんな施策はとっている。料金関係も工事料無料とか最初の2カ月無料とかがあるので、今後も一切さわらないというつもりはないが、少なくとも現時点では値下げは考えていない。
Q 5月に発表した戦略「サービス創造グループを目指して」で明らかにした、2011年度の光の黒字化や加入電話のマイグレーションに関する考え方の公表などは、光2,000万契約を前提としてやっていくことなのか、あるいは関係なくやっていくことなのか。
A 5月に発表した段階では、2,000万を達成した暁にはということを申し上げたかと思うが、光の販売数によって即変更するということではない。2011年度での光収支の黒字化、2010年度からの既存IP網からNGNへの計画的マイグレーションの開始といったスケジュールは現時点変えていない。
Q NTTファイナンスについて貸倒れの引当てを増やしているとのことだったが、通期の見通しとして、どれぐらいの損失を見ておくべきものなのか。
A NTTファイナンスについては、貸倒関連費用を約85億円、上期で積んでいる。そういう意味でいうと、現時点において個別に見れるものは全部見ているので、これからそう大きなものは出てこないだろうと見ている。今後、想定外のものが出れば別だが、後半はそんなに多くはないだろうと思っている。
(渡邊取締役経営企画部門長)
NTTファイナンスについて補足すると、上期で約40億円弱の営業赤字というのが収支への影響額だと思っているが、下期で100億円ぐらいの影響が出てくると思っている。現時点、不透明ではあるが、上期の40億円にプラスアルファとして100億円ぐらいまで拡大することを今想定している。
Q 景気の下振れが長期化するという見方もある中で、SI事業が下期と来期にどの程度収益に影響してくるのか。
A SI事業については、NTTコミュニケーションズ、NTTデータとも、下期が実質下方修正ではないのかということだが、正直言って、どれぐらい出てくるかというのを見きわめるのは非常に難しい。したがって、そういうものもある程度織り込んだ上で通期の業績見込みを確保しようというのが実態である。
Q 200億円という評価損の話があったが、これは何銘柄あって何という銘柄なのか。
A 有価証券の評価損を今回いくつか立てているが、銘柄数や個別銘柄については主たるものとして2、3銘柄とお考え頂きたい。
Q 今期の通期の見通しのところで税金についての話があったが、もう少し詳しく教えて欲しい。
A(小林取締役財務部門長)
繰延税金負債の取り崩しのところのご質問と思うが、ドコモを分社したときに、税務上の簿価と財務上の簿価は一致していたが、ドコモを上場した際あるいはドコモが公募増資をするとドコモの純資産が増え、財務上の簿価が税務上の簿価に比べて大きくなる。そうすると、将来、仮に持株会社がドコモの株を売却するとなると、その売却益が出るだろうということで、ドコモの上場あるいは公募増資の時点において、繰延税金負債を立てている。ところが、今回、ドコモが地域ドコモを吸収合併して一社化すること及びドコモが自己株式を取得するといった営みを行うことによって、持株会社の持っているドコモ株の財務上の簿価、即ち課税対象となる分が引き下がることになる。したがって、これまで積んでいた繰延税金負債をその分取り崩すことになるが、これは税負担額を引き下げるという税効果の財務上の処理が必要になるということである。
Q この繰延税金負債の取り崩し分で、今期、税効果で効いてくるプラス分というのは、その部分だけで言うといくらになるのか。
A それは、569億円になる。
(小林取締役財務部門長)
補足すると、ドコモの一社化によるものは569億円であるが、ドコモの自己株買いによるものも含めると、第1四半期と第2四半期両方合わせておおよそ700億円ぐらいある。これは決算短信に記載している繰延税額のところに、▲1,000億円程度と出ているが、そのうちの約700億円というふうにご理解頂ければと思う。
Q 2010年以降、携帯のスーパー3Gが始まると、固定と携帯のシームレスなネットワークができると言っているが、2010年以降のNTTグループのあり方について、今どういうふうにイメージしているのか。
A 2010年の組織問題も含めてということかと思うが、私は現時点、組織問題を先にイメージするつもりはない。まず、サービス面でどういうサービスを出していくのかということを考え、今のグループフォーメーションを前提にしてやるにはどうしたらいいのかを十分検討していきたいと思っている。FMCを含めて、これからだんだんサービスが融合していく。そういったものを今のフォーメーションなり規制なりというものを前提にしたときに、我々がどこまでできるのかということをまず基本的に考えていきたい。2010年の組織問題ではいろんな議論がなされると思うが、基本はお客様へのサービスが十分提供できるかどうか、お客様にサービス面で迷惑をかけないかどうか、お客様の要望に沿っているのかどうかといったところを十分議論していく必要があると思っている。
携帯と固定のシームレスということはFMCをイメージされていると思うが、これもそういった意味でいろんな検討をしており、サービスの提供の仕方も含めて現在検討しているところである。結果として、組織問題の議論というものもあるが、その前にサービスについての検討をまず先に進めたいと思っている。
Q サービスを先行して考えるが、組織については原則、現在のフォーメーションを維持するというようなとらえ方でよいのか。
A 組織についてはそこまで方針を決めているわけではない。いずれにしても、サービス提供がきちんとお客様の沿うようにできることが、まず第一だろうと思っている。
Q 今年度の光の目標を280万に下方修正したが、直近の第2四半期でがくっと純増数が落ちている中で、第3四半期と第4四半期で、今までの伸びに戻せるという考えでよいのか。
A 今の状況からすると非常に厳しい数字であるのは事実である。ただ、トリプルプレイを含めて、いろんな施策について、もう一回とれる施策をとって最大限、目標の達成に努力したい。
Q 光について、来年度や再来年度は、370万とかもっと大きい数字を予想していたと思うが、2,000万はかなり厳しいような気がする。それについてはどう考えているのか。
A 今の状況が続けば厳しいというのはそのとおりである。したがって、まず今年度280万に向けて努力をして、その結果によっていろんな判断はあるとは思うが、現時点は少なくとも目標を変えずに頑張ってみたいと思っている。
Q プラットフォームの構築について話があったが、グループの中では具体的にどの会社を想定しているのか。
A プラットフォームをどういう形で構築していくかについては、我々だけで構築するものもあるし、他の事業者の方々と一緒に構築するケースもあると思うので、必ずしもプラットフォーム事業はこれだというように、先にどこかに全てをという状況にはない。サービスごとにプラットフォームを構築していくという部分と少しトータルに見たほうがいいという部分の両面があると思う。現時点、全て1つのプラットフォームをつくれば終わりというイメージではなくて、具体的なサービス展開に沿ってプラットフォームの構築を考えるという状況である。
Q 光の2,000万の目標はそのまま変えずに、ビジネス向けや、PC以外の端末から光を使って頂けるようにという話があったが、具体的にどういうところで話が進んでいるのか。
A ビジネス向けについては、VPNの足周りにこれから光を使って頂くといったことである。法人営業の面では、大企業ももちろんだが、特に中小の企業などはまだまだ十分対応できてないところが正直言ってある。したがって、大企業もそういったところを含めて使って頂くわけだが、これからは中小の企業にもそれを拡大していきたいと思っている。
それからノンパソコンというのは、Wiiのようなゲーム機であるとかタニタの健康管理機器といったように、必ずしもパソコンだけではなく、他の端末との関係で光を使って頂くということも始めている。この辺も、今始めているものを拡張するのはもちろんだが、もっと他のパソコン以外の使い方もあるのではないかということで、いろいろ検討を進めているところである。
Q ドコモが山田社長体制になって新しい端末も出されたが、ドコモの取組みについての現状をどのように見ているのか。
A 前任の中村社長のときから、ドコモをもう一度見直そうということで、1社体制の問題や、いろんな端末の見直しを含め、中村・山田体制で準備をしてきた。そういうものをベースに、今、山田社長が社長として旗を振っており、継続性と同時に、もう一度、彼も全国を必死で回って頑張ってくれている。ドコモの全体的な動きも足並みがそろってきていると思っており、今の方向で頑張ってくれればいいと思っている。
Q 最近5万円のパソコンが出て、データカードが売れ出したり、WiMAXも来年始まり、LTEも視野に入ってきたと思うが、これらの光への影響をどのように見ているのか。
A 無線関係を含めていろんなものが出てくるというのは言われるとおりだと思う。どの程度影響が出るかについては予測が難しいが、とりあえず今年度、光280万は頑張っていく。その後についてはいろいろな影響を見ながら考えていきたいと思っている。

