Q 光の純増の契約数について2,000万件を早期に達成したいとのことだが、具体的な数値目標は、今回掲げないという理解でよいのか。
A はい。今年度の見込み自体、経済状況も含めてどうなるかもう少し様子を見てみないと、何とも言えない状況である。まして2010年度末の見込みを具体的に申し上げるということは非常に難しい。これは私どもの業界だけでなく、具体的な見込みが立ちにくいという業界が非常に多いと聞いている。そういう中で、光についても、今年度の見込みをたてることさえ非常に難しい状況で、2010年度はさらに難しいということで具体的な目標を立てないということにした。
Q 2012年3月期での光サービス事業の黒字化という目標を掲げているが、契約数が達成できないのであれば、その達成も難しくなるのではないかと想定されるが、計画の変更はあるのか。
A 光の契約数が伸びないということは、収入面で言えば影響はあるが、光の数が前後しても、光が固定系のメインになっていくというのは紛れもない事実なので、私どもとしては仮に光2,000万契約が後年度に延びても、光収支の2011年度での黒字化という目標は、コスト削減やいろいろなサービス提供を通して実現したいと考えている。したがって、旗はおろさない。
Q 海外展開について、M&Aが、今、一番しやすい時期にあるのではないかと思うが、昨年はインドのTTSL社にかなり高額な出資をしたが、今年度はどのぐらいの規模を考えているのか。
A M&Aについては、相手もあるし交渉もあり、こちらの思いどおりにいかないわけで、額としては示せないが、考え方としては、グローバル展開をするにあたっては、やはりトータルソリューションとしてのラインナップが欠かせない。また、エリアカバレッジについても、従来のアジア、アメリカ、欧州中心から全世界へ広げざるを得ない。そういう面での不足をカバーするという意味で言えば、今の私どもだけの経営リソースでは無理なので、M&A以外の連携もあるが、M&Aも含めて対応せざるを得ないということで、グループトータルとしても前向きに取り組んでいきたいと思っている。
Q 昨年度の決算について、業界全体を見ると製造業を中心に世界的な景気悪化の影響で総崩れの様相を見せており、赤字に転落するところが多かったが、NTTの営業利益が国内の上場企業でナンバーワンということになるのは間違いない状況になっている。そのことについて、率直な見解をお聞きしたい。
A 全体的に景気がこれだけ悪くなって、特に円高も含め為替の影響もあり、輸出産業が非常に大きな打撃を受けた結果だと思っている。私どもも、前年度に対して減収減益であり、業績が良くなった結果として、仮に今言われたような位置に立つわけでは決してなく、あくまでも相対的なものである。したがって、私どもとしては、1位になるということよりも、むしろ今年度の厳しさというものを踏まえて、グループ全体としてさらに気を引き締めてやっていかなければならないということを実感しているというのが率直なところである。
Q 減益の中での増配についてどのように考えているのか。また、株主還元のもう1つの側面としての自社株買いについて、前期は2,000億円の枠を設定し実施したが、今期はどのように考えているのか。
A 確かに連結としてみれば、前期が減収減益、今期も利益が横ばいで減収という状況である。ただ、持株会社の配当収入から見ると、ドコモが400円増配するといったことを含めて配当収入が増えるわけで、そういったことや配当性向あるいは配当は安定的にやっていくといったことを総合的に勘案し、10円を増配したいということである。
自社株取得については、全体が非常に厳しい状況にある中で、資金手当についても相当慎重に見ておかないといけない。そういう中で、M&Aというものも前向きに取り組んでいこうという状況であり、その状況も見ながら今後も検討はしていきたい。方向性を出したら別途明らかにしたいと思っている。
Q 自社株買いについて、今期、一気にゼロになる可能性もあるのか。
A 現時点で少なくともやるということをまだ決めていないので、幅はすべてあり得るということである。
Q 年金に関連する費用についてだが、2010年3月期に米国会計基準のいわゆるコリドールールに引っかかって計上しなくてはいけない年金の費用は幾らになるのか。
A 今期は450億円あるが、前期との対比でいうと350億円の増である。
Q グループの中で、NTTファイナンスが、今回の景気の悪化や金融不安の影響を一番受けた会社だと思う。前期大幅な赤字で、持株会社が第三者割当増資全額を引き受けたが、NTTファイナンスの経営陣の責任について、また大赤字を出さないような今後の措置や与信体制の強化といった立て直しについて、コメントが欲しい。
A 前年度、当初計画に比べて一番大きな影響を出したのがNTTファイナンスであるのは事実である。その一番大きな要素である貸倒引当金は、前年度でほぼ計上しているので、今年度、経済がよほど大きな変化がなければ、そんなに大きな影響は出ないのではないかと見ている。したがって、即、黒字まで持っていけるかどうかという問題はあるが、かなり改善するだろうと見込んでいる。また、NTTファイナンスの体制についてだが、与信のあり方、体制の問題、支店等における権限委譲など、これまでの反省点を踏まえて、組織、監査、与信といったものの体制強化を図ることにして、既に具体的に取り組んでいるところである。
Q 2010年3月期のNTTファイナンスの損益見通しと2009年3月期の実績値を教えて欲しい。
A(渡邊取締役経営企画部門長)
2009年3月期のNTTファイナンスの着地は、当初30億円ぐらいの利益を見込んでいたのが、結果的にはマイナスの220億円程度に着地している。2009年3月期に必要な引き当てを立てているので、2010年3月期はそこから大幅に改善するという見込みであり、限りなく収支均衡に近づく水準に回復するという計画である。
Q 今期の資金計画についてだが、自社株買いはせずM&Aの可能性もあるとした場合に、増配することを考えると、ある程度ニュートラルに近いのか、それともM&Aの規模が大体大きいので、通常よりも外部からの資金調達額が大きいと考えたほうがよいのか。
A いろんな資金調達のやり方を考えているが、有利子負債の残高で見ると、ほぼ今年度と同じ見込みになっている。したがって、借りかえ分というのは資金調達というふうに今のところ見込んでいる。これからM&Aのあり方などの変化によっては変わることはあるが、現時点はそういう見方である。
Q 最終利益は減益の予定だが、減益幅が大きいのはどういう想定なのか。
A(小林取締役財務部門長)
当期純利益について2009年3月期から比べると、2010年3月期の落ち込みが大きく見えている。これは2009年3月期にドコモの1社化等による繰越税金負債の取り崩しを行っているが、そういう会計処理により税負担が会計上少なくなっているという事情がある。これに対して2010年3月期はそういう特殊事情は特に盛り込んでいないので、通常の税負担率で計算した金額を出しており、前期比では確かに大きく出ているが、その背景は今申し上げた2009年3月期の事情があるということである。
Q 今年度の業績に関して、コストダウンを言われているが、具体的には人件費の削減ということなのか。コスト削減の細かい要因を教えて欲しい。
A グループトータルで見ると、昨年度は、若干の人員増になっている。これは、NTTデータが海外を含めたM&Aで人員が増えたことによるものである。今年度は、グループトータルで見ると、2,000人程度の減員を見込んでいるので、人件費の減も当然見込んでいる。NTT東西では、2008年度から116番といった受付業務の集約など、いろいろと取り組んできているが、こういったものに引き続き取り組んでいく予定である。細かいことでいえば、サービス面でも夜間の扱いをどうするかといった取り扱いの方法も含めて、単なる拠点集約だけではなく、きめ細かい取り組みを行うことによってコスト削減を図っていきたい。 また、一般的な意味での物件費を節約することをさらに徹底するのは当然だが、設備投資面でも、需要が落ち込んでいるだけに、これからアクセス投資含めて、きめ細かい設備投資に配意していかないといけないと思っている。
Q 光の目標について、今年度の250万契約もなかなか困難とのことだが、単年度黒字化に向けて、販促費をどうコントロールしていくかも重要と思う。このあたりの兼ね合いをどう考えているのか。
A これまでは、2,000万契約を達成するまでは、ある程度販促費をかけてもという方向でやってきた。しかし、これは後ろへずらさざるを得ないというような状況なので、販促費をどうするかということも検討の対象にはなると思う。光の収支黒字化については、光のアクセス投資をきめ細かくやっていきコストダウンを図っていく。マンション用の光配線方式もかなりコストダウンできている。このような設備投資面におけるコストダウンもより徹底していき、何とか収支相償していきたいと思っている。
Q 昨年の新中期経営戦略の中でも出ていた、既存の地域IP網のユーザをNGNにどうマイグレーションしていくかということについてはどのような状況か。また、メタルから光へのマイグレーションについては、2010年度中に概括的な展望示すとのことだったが、光が2,000万契約に達しないということで、この展望に何か影響が出てくるのか。
A IP−IPのマイグレーションに影響あるのか、あるいはメタルのマイグレーションに影響があるのかということだが、影響がないと言えばうそになる。私どもとしては、できるだけ影響がないようにということで現在も検討しているところである。IP−IPのマイグレーションについて言えば、宅内の装置が初期のものから新しいものまでいろんなものがあるので、現在調査中だが、現行の装置であれば、かなりの部分はファームアップで対応できるという見込みになっている。そういうことも含め、お客様に影響がないように、どういうやり方が一番いいのか、あるいはどうやれば一番コストが安く上がるのかということで、今、細かいところを詰めている状況である。また、メタルについても、メタルの寿命、あるいは仮にそれをNGNに収容する場合にどうなるのかといったことも含めて検討しており、2010年度に概括的なお話をするということで変わっていない。
Q 光の純増ペースが失速したことについての要因をどのように考えているのか。現在の料金水準では取り込めるユーザーは取り込み尽くしたと思うが、料金値下げやエントリー層の取り込みといった課題について、どのように考えているのか。
A 光の販売については、光が1,000万契約を超えて、ヘビーユーザを中心にかなり光が浸透してきたということもあるし、映像サービスを含め、光としてのサービスがまだまだ十分でないという部分もある。そういった問題とともに、昨年度後半にあれだけの急速な落ち込みを見せたのは、景気の影響で消費マインドが下がってきたということがあると思う。特に住宅着工がかなり落ち込んでおり、光の需要は、住宅着工を機にというのがかなり大きな要素であるので、景気による影響もかなりあるのではないかと思っている。景気そのものは私どもだけではどうしようもないので、先ほどお話ししたように、ビジネス向けホーム向けともに付加価値の高い、あるいはできるだけ便利で安いサービスを出していくという取り組みをしていきたいと思っている。ただ、値下げについては、現時点、コスト面などいろいろと中長期的に考えても、単純な値下げはなかなか難しいと思っている。今までの割引サービスを含めて、いろいろと考えていかないといけない点はあると思うが、現時点は単純な値下げは考えていない。

