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社長記者会見

2014年11月7日(金)

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2015年3月期 第2四半期決算について
鵜浦代表取締役社長
(同席)辻上取締役経営企画部門長
廣井財務部門長

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(鵜浦社長)

 2015年3月期第2四半期決算についてご説明させていただきます。

 NTTドコモの決算発表を受け、NTT連結決算は大変厳しい結果になったと受けとめています。営業収益は、海外事業の牽引により、対前年2%(1,076億円)増加し、5期連続の増収となりましたが、営業利益は、NTTドコモの減益影響を受け、対前年9.5%減の5,909億円となりました。

 グローバル・クラウドサービスについては、クロスセルが米国の金融業界、ドイツの自動車会社案件の受注獲得などにより第2四半期では約117M USドルとなり、着実に増加しています。NTTグループのクラウドサービスについて認知度が高まってきており、従来はクロスセル主体でしたが最近では新規案件も増加してきています。

 M&Aについては、8月にオーストラリアのITサービス事業者であるオークトンの買収に向けた契約を締結し、現在、その成就に向けて取り組んでいるところです。本件もビジネスコンサルティングの能力、アプリケーション開発力を高めるという観点で取り組んでいるものです。

 データセンタについては、先日NTTグループのデータセンタスペースが世界1位の評価をいただいたところです(2014年10月:米調査会社テレジオグラフィー社発行のレポート)。9月末には世界19ヶ国、239拠点、総床面積は約100万平方メートルに至りました。今後は、このスケールメリットも十分に生かした取り組みができると考えています。

 これらの取り組みにより、海外売上高は対前年34.2%(1,906億円)増加し、7,475億円と順調に拡大したところです。海外売上高が1,900億円伸びたにも関わらず、連結の売上高が1,076億円の増加ということは、国内がこれだけマイナスになっているという意味でもありますが、当初から想定していたものであり、国内の落ち込みを海外でカバーしそれを上回るスピードで増収を図っていきたい、ということでは順調に来ています。

 次に、セグメント別の状況について申し上げます。

 地域通信事業は、「フレッツ光」の割引サービスの影響はあるものの、業務の効率化などに取り組んだ結果、対前年3%(22億円)の増益となりました。

 長距離・国際通信事業は、国内市場の競争激化やNTTコミュニケーションズがレガシーな回線から新しい回線への移行を進めているところもあり、当初から減益の計画であります。しかし、海外を中心にさまざまな取り組みの結果、売上は増加しており、利益も第1四半期に比べて第2四半期は改善してきています。

 長距離・国際セグメントの中で、ディメンション・データで申し上げると、売上高は現地通貨ベースで対前年23%増となり、順調に成長してきています。利益面については、クラウドサービスの拡大やITアウトソーシングの強化などに伴う先行投資、特に直近では人材面での強化を図っていることにより、若干の増益に留まっています。

 データ通信事業は、昨年度の不採算案件の影響の減少や、売上拡大に伴う粗利改善、販管費の削減などにより、対前年211億円の大幅な増益となりました。

 このように移動通信事業以外のセグメントは順調に進んできており、年間の取り組みとしても更なる改善を期待しています。

 しかしながら移動通信事業が大変厳しい状況となっています。これについての評価ですが、単年度だけの評価で、NTTドコモの取り組み、特に新料金プランを評価するつもりはありません。新料金プランはさまざまなマーケット環境から、NTTドコモが他事業者に先駆けて取り組んだものですし、この取り組みが将来のNTTドコモのビジネスの再建に大いに寄与するものだと考えています。

 そういった意味では、想定以上にお客様にNTTドコモを選択していただいたという事実をしっかり捉え、コスト削減を中心とした利益回復を図り、引き続き新料金プランや「光コラボレーションモデル」を通じて、新しい付加価値サービスを提供してリテンションにつなげることで、NTTドコモの財務改善を図っていきたいと考えています。

 次に業績予想について申し上げます。

 業績予想は、極めて単純に、NTTドコモの減少分を受けて、連結の業績予想を修正しました。NTTドコモの1,200億円の営業利益の減を受け、連結もそのまま、1,200億円の営業利益の減を計画しました。引き続き、NTTドコモを含め、NTTグループ各社が最大限の努力を続けていくということによって、修正した事業計画の上方着地を目指して取り組んでいきます。

 当期利益は、この営業減益に伴い、当初の業績予想を570億円下回る5,290億円に修正しました。その結果、EPSは、当初の業績予想を57円下方修正しました。

 株主還元については、2014年5月に発表した2,500億円の自己株式取得枠に1,000億円増額し、自己株取得枠を3,500億円へ増額します。

 当初の2,500億円については、政府株の売却を当社が全て引き受けるという形で枠取りをしたものです。諸般の事情により、政府の売却が進んでいませんが、この分も含めて、今回、自己株式取得枠を3,500億円に増額修正をして、本日発表させていただきました。

 なお、増額した分は、基本的には一般市場から買い付けを行う予定です。ただ、政府株の売却のタイミングがまだ確定していませんので、念のため、取得時期を2015年6月まで少し幅をとって計画をしています。

 次に中期経営戦略の進捗に関連して、来年5月に向け『新たなステージをめざして2.0』の策定に取り組んでいますので、その内容について、若干コメントをさせていただきます。

 2012年秋に、中期経営戦略を発表しました。その際に、私どものビジネスを取り巻く環境が大きく変わってきており、これからもますます変わっていく中で、単なるプロバイダからバリューパートナーへ自己変革を遂げたい、そうして、お客様に選ばれ続けるNTTグループでありたいということを、まず基本的なコンセプトとして申し上げました。

 また、マーケットの変化を捉まえて、競争の土俵も変えていきたいということも若干補足した記憶があります。こういった基本的なコンセプトに基づき、グローバル・クラウドサービスを事業の基軸、成長のエンジンにする。そして、国内で苦戦が続いているネットワークサービス、特にアクセス系のサービスについては、その競争力を回復させるため、大幅なコスト削減計画について、発表当時は4,000億円、最終的には6,000億円という目標で取り組んでいます。

 ネットワークサービスの競争力の強化という点では、NTTドコモの新料金プランがあり、続けて、NTT東西の「光コラボレーションモデル」を出しました。ただ、NTTドコモの新料金プランについても、NTT東西の「光コラボレーションモデル」についても、まだこれからという状況であります。

 ただし、NTTドコモの場合は、新料金プランへの移行は、複数年にわたって進むだろうと思っていましたが、既に1,000万契約を超えるという大ヒットとなり、お客様からご好評いただいています。それほどまでに、NTTドコモのお客様は新料金プランを待ち望んでいたということがよくわかりました。

 一方で、結果として、複数年度にわたる影響ではなく、単年度に財務影響が集中してきたと感じているところです。現時点で、EPS成長60%以上を目指す中期計画は、想定していたレベルの営業利益を下回ることが確実になってきています。このEPS目標の最終年度は、来年度でありますが、達成するのは厳しい状況であると認識しています。

 来年度の事業計画の中で、このEPS目標の最終的なゴールを皆さんにお示しすることになります。最大限の努力はするものの、登り続けてきた山を一旦ここで立ちどまって、もう一度改めて登ろうという思いで、EPS目標を再設定したいと考えています。

 さて、『新たなステージをめざして2.0』の詳細は、来年5月に申し上げたいと思いますが、今回はその骨子についてご説明します。

社長記者会見の様子 基本的な事業戦略は、当然のことながら継続していきます。但し、グローバル・クラウドサービスについては、これまでどおり売り上げも伸ばしていきますが、利益を増やしていくスピードを増していきたいと考えています。これが『新たなステージをめざして2.0』のひとつの柱になろうかと思います。

 また、ネットワークサービスの“競争力”という言葉を“収益力”という言葉に改めます。私どもを取り巻く競争環境は、今後、単純な回線を売る、端末を売るといったビジネスから大きく変化していくことが想定されます。そのために、バリューパートナーという説明の中で、B2Bも含めて、少し違ったビジネスモデルを展開していきたいということを申し上げてきましたが、そのスピードもさらに増していきたいと考えています。

 成熟したマーケットの中で、移動体ビジネスがどういった形の競争になっていくのかというようなことを、NTTドコモともさまざまな議論をしています。今後の展開の中では、NTTドコモの新料金プランが将来の競争ステージに絶対必要なものであると考えます。また、お客様に固定、移動を意識しないでブロードハンドを使っていただくという点においても、NTT東西の「光コラボレーションモデル」も絶対必要なものです。それらをしっかり仕上げていく時期になると考えています。

 以前にも申し上げたとおり、「光コラボレーションモデル」は、NTTドコモのセット販売のためだけのものではありません。現在、さまざまなパートナーが色々な形で議論を進めていただいておりますが、光の価値をさらに高めていく取り組みも行っていきます。もう一度、ネットワークサービスの収益力を回復していくことを大きな柱としてお示しできればと考えています。

 『新たなステージをめざして2.0』の柱として、コンシューマビジネスだけでなく、今後は、B2B2Xビジネスを拡大していきたいと考えています。このXには、コンシューマやガバメント、エンタープライズなど、さまざまなものが入ってきます。このビジネス拡大に向け、さまざまな準備をしていかなければならないと考えています。

 また、政府方針の下、各地域で地方創生に向かった取り組みが進んでいくと思います。その中で、NTTグループ全体としては、大変貢献できるものを持っていると考えます。NTTグループの総合力を、グローバルなクラウドサービスだけでなく、国内の地方創生の取り組みに対しても、ICTの利活用促進などを含めて大いに貢献していきたい。こうしたところも来年の新しい戦略の柱とする予定です。

 こうした中で、私どもの、ある意味では伝統的なコアコンピタンスは何かというと、安心・安全に通信サービス、ICTサービスをご利用いただくということです。安心・安全な社会の根幹となるセキュリティ分野の強化、これはオリンピックのサイバーテロ対策も含めて大変重要なテーマです。これもひとつの柱として次なる取り組みを展開させたいと考えています。

 先日、セキュリティ人材育成の取り組みとして、早稲田大学に「サイバー攻撃対策講座」を開設するという発表をさせていただきました。実は、こういったことに関心をお持ちの大学も多いですし、各企業もサイバーセキュリティ対策の人員確保ということについて、深刻な課題を持っています。今回の早稲田大学との連携をきっかけとして、他の企業や他の大学の方々と協力して、セキュリティ人材の育成及び強化、人員数を増やすという取り組みも進めていく考えです。

 そういった中で、NTTグループ内のセキュリティ人材強化ということも念頭にいれています。NTTグループではセキュリティ業務に従事し、ある程度の力を持っている社員が国内で約2,500人いますが、まだまだ寂しいものです。これをNTTグループ内の人材シフトや新規採用などにより、1万人まで増やしたいという計画を立て、取り組み始めたところです。

 海外では、買収を通じてトップガン人材、スペシャリストを、約2,000人程度獲得しています。ただ、この数では国内ではまったく足りません。政府の発表によると、セキュリティ業務には26万人の従事者がいるものの、16万人は能力不足で、8万人が足りないということです。合計24万人を2020年までに増強しなければならないというのが政府のレポートです。この危機感は日本も各国も共通です。また、金融業界の方もそういった人材をぜひ手元に置きたいというようなご要望を持っています。もっと言うと、警察の方も同様です。

 セキュリティ人材の育成というのは、大学で教えるだけではなく、OJTも含めてさまざまな企業も取り組んでいます。NTTグループにいる優秀な、いわゆるホワイトハッカーも、通信の関係だけではなく、端末やサービス関係もやりたいというようなこともあります。ある種、非常に企業横断的な人材です。各企業のトップとお話ししているのは、ひとつの企業に閉ざす人材ではなく、グローバルに通用する企業横断的な人材として採用、育成し、それぞれの企業が相互に連携し合えるということでご賛同いただいています。こういった取り組みを、今回の早稲田大学の講座設立をきっかけに、もっと強化していきたいと考えています。

 また、各企業の現場でセキュリティ業務に従事している人材を講師にして、NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが提供する通信講座「gacco(Web上で誰でも無料でオープンな講義が受けられるサービス)」上での情報セキュリティ講座開設も含めて、日本のセキュリティ人材育成への貢献をスピードアップしていくことを各社に提起し、NTTが先導して取り組んでいることをぜひご理解いただければと思います。

 私からの説明は以上です。

Q 1点目は、今回のNTTドコモの業績については、新料金プラン導入の影響があるものの、新料金プランは将来の利益改善にとっては肯定的に受けとめているということだが、中期目標としては営業利益を2017年度に昨年度並みに戻すということやコスト削減目標などを定めている。NTTグループのトップとしてはどのようにNTTドコモの中期目標を評価しているのかということをお伺いしたい。
 2点目だが、「ドコモ光」については、NTTドコモ単独で見ると減益要因にもなりかねないが、NTTグループ全体としてはどのように収益が出るものと見込んでいるのか、お伺いしたい。

社長記者会見の様子A まず、NTTドコモが新たに策定した中期目標についての評価ですが、新料金プランはお客様に喜んでいただいているものの、一方で株主にとっては業績としては残念な結果であったと思います。これはマネジメントの責任です。今回NTTドコモが発表した中期目標については最低限の取り組みとであると認識していますし、ぜひ実行してもらいたいと考えています。新料金プランのような値下げを行う際には、もともとNTTドコモも行おうと思っていたことではあると思いますが、コストの効率化についても当然並行して行うことが正しいやり方です。しかし収入に対する影響が先に出て来ましたので、まずはコストの見直しを先行して実行するべきだと考えます。2013年度の利益以上を目指すことについては、NTTドコモ新領域などを含めたところで、利益を増やしていくべきだと考えています。
 成熟したマーケットにおいて、例えば2台目、3台目の端末をいかに便利に使ってもらうか、M2Mをどのように実現していくかなどの課題については、従来型の販売戦略では対応できないと考えています。従来型の端末販売を中心とした戦略では苦しいということについては、他社も同じ認識を持っているのではないかと思います。
 長期利用のお客様を大切にする料金体系に移行するために、NTTドコモが先行して新料金プランを導入したわけですが、お客様に喜んでいただく一方で、株主への不安感を少なくする取り組みも同時に急がなくてはなりません。そういう意味で、今回のNTTドコモの中期計画については、最低限達成すべき目標であると認識しています。
 次に、「ドコモ光」が収益にどのような影響を及ぼすのかということについてですが、短期で見るべきではないと考えています。先ほど申し上げたとおり、マーケットの構造が大きく変わってきています。端末の販売競争というよりも、むしろリテンションということを主体にしたマーケット構造に変化した場合に、お客様にどれだけ多く使っていただくか。また、単なる固定と無線のバンドル料金ではなく、新しいFMCサービスとして、映像を中心とした固定と無線のシームレスなサービスをどのような形で提供していくかといった競争へ移っていかざるを得ないと思いますし、当然移っていくべきだと思っています。最終的にはそういった面での競争力の勝負になっていくというように捉えています。単年度の財務で見れば少しでこぼこがあろうかと思いますが、中期的には当然NTTドコモの収益力を回復するために取り組んでいくものです。連結ベースで言えば、固定系の収益力回復もあわせて考えていくべきものです。
 NTTドコモの取り組みやNTT東西の「光コラボレーション」の取り組みなどのさまざまな取り組みについては、それぞれの事業会社が本気になって取り組むべきものだと思いますが、NTT持株自身としても、共同責任で取り組んでいくべき事項だと認識しています。したがって評価するというよりも、一緒になって収益力の回復に取り組んで行くつもりでいます。

Q 固定系の収益回復もあわせて考えていくということだが、若干うがった見方かも知れないが、固定系の収益のために一時的にNTTドコモの収益が下がるということはやむを得ないというような考え方なのか。

A それはうがち過ぎた見方だと思います。例えばNTTドコモや他のプレイヤーが光回線を販売すれば、あっという間に光回線の純増数が増えるということであるならば、影響はすぐに出るでしょう。しかし、光回線のマーケットも成熟段階に来ているため、追加的なサービスによって光回線の価値を上げていく必要がありますので、スタートした時点では影響は出るかと思いますが、来年以降どんどん売れるというほどのものではなく、もう少し時間がかかるものだという認識です。そういった時間がかかる取り組みの中で、先ほど来申し上げているようにコスト削減も行っていきますので、単年度の影響を最小限にしながら取り組んでいくということが、マネジメントの基本的な考え方であるとご認識いただければと思います。

Q コスト削減を強調されているが、6,000億円のコスト削減目標に対して、具体的にどういったコストを削減しようとされているのか、可能な範囲で教えていただきたい。

A 6,000億円のコスト削減については、ひとつひとつの施策について数値化をするということが困難ですので、6,000億円のコスト削減を達成した段階で申し上げたいと思います。
 私どものビジネスでは、設備関係において相当な技術革新が行われています。光ファイバーを通るデータあたりのコストも、さまざまな技術によって過去に比べて下げてきていますし、またこれからも、例えば仮想化技術などにより、さまざまなコスト抑制は可能です。設備コストは今後も下げていけると思っていますし、これが私どもの競争力の源泉でもあろうかと思います。
 また、営業コストについても、現在のようなコストのかけ方をこのままずっと続けていけるようなマーケット状況ではないと思っておりますので、そういった面も含めてこれから色々な見直しを行うつもりです。当面のコスト削減の中心的な役割を担うのはNTTドコモになろうかと思いますが、NTTドコモにおいても、そのためのプロジェクト体制を作るというように聞いておりますし、私もそのプロジェクトをサポートするという立場で協力してまいりたいと思っています。
 来年以降の取り組みについては、来年の計画が策定できた際にご説明をしたいと思います。

Q 現在、景気に注目が集まっていることもあり、賃金についても非常に世の中の関心が高まっていると思う。賃金について考えていることがあれば伺いたい。

A 時期尚早ですので、コメントは差し控えたいと思います。私も経団連において、例年年明けに発表している経営労働政策委員会報告についてもディスカッションをしてきましたが、まだ賃金について個別に回答する時期ではないと思います。
 ただし、昨年度の春闘の前にも申し上げましたが、賃金を改善し、従業員のモチベーションを向上していくということは、企業として当然の取り組みだと思っています。色々な検討を進めてまいりたいと思いますが、まだ整理したものはありません。基本的なスタンスとしては、ベアかどうかは別として、賃金改善は企業として当然考えていくものだというように認識しています。

Q 10年以上前に、NTTドコモは1兆円以上の営業利益が出ていた時期があり、その頃はNTTグループの利益の7割以上をNTTドコモが稼いでいたが、今では6割を切るところである。今後『新たなステージをめざして2.0』という中期計画を立てるにあたり、NTTドコモはグループの中でどのような位置づけになるのか。今回の計画の骨子を見ると、成長のドライバーとして海外ビジネスの位置づけをより強くするということは理解できるが、NTTドコモはもはや利益ドライバーではなく、安定収益源であり、どちらかというとNTT東西と近い位置づけとして管理していくのか。

A 国内ビジネスでは、まだB2B2Xなどさまざまな可能性があると思っています。そういった中で、NTTグループ各社はさまざまな取り組みをしていきます。NTTドコモは、「光コラボレーションモデル」も含め、コンシューマ系のビジネスではNTTグループの顔となることは間違いありません。そのNTTドコモが、私たちの国内ビジネスにおける利益ドライバーではなくなるということは毛頭考えていません。先ほどお話ししました、新しいサービスやNTTドコモも含めたB2B2Xサービスにより、利益をさらに増やしていくという取り組みをベースとして、来年の中期計画を考えたいと思っています。

Q 先ほどNTTドコモの業績についてはNTT持株も共同責任であると言っていたが、NTTドコモは上場会社であり、独立心も高いと言われていたこともある。またさらに、NTTグループの一体化に対して他のライバル会社の警戒感もある。その中で今回のコスト削減の話もありNTTグループ一丸の取り組みが必要となってくると思うが、NTT持株からNTTドコモに対するコミットメントや係わり方は、今回の事態を受けてどのように変わるのか教えて欲しい。また、それら所与の条件とどのように折り合いを付けていくのか。

A 今回の「光コラボレーションモデル」は、極めてオープンで公正なモデルと言えます。「光コラボレーションモデル」を使い、NTTドコモがどのような取り組みをするかということについて、ご批判がいくつか出ていることは聞き及んでいます。「光コラボレーションモデル」は、A社のために、B社のためにということではなく、さまざまなプレイヤーが、ブロードバンドを最大限活用して新しいビジネスにチャレンジできるようにと考えたものです。従いまして、ご批判はあまり気にせず実施していくことが正しい道であると思っています。
 NTTドコモとの関係については、私自身は、数年前からスタンスはあまり変わっていません。当然NTTドコモは上場会社ですから、私が本来口を挟むべきものではないと思い、これまでも意識して取り組んできたつもりですし、今後もそのつもりです。ただし、NTTドコモだけではなく、NTTグループやグループ外も含めたさまざまな取り組みの中で、これまで以上に協力できる部分があれば積極的に協力するという趣旨で共同責任と申し上げました。従いまして、何か変わりますかと聞かれましたら、私自身は変わらないつもりでいます、ということが答えです。

Q 2点伺いたい。1点目はNTTドコモと他社を比較しても、同じような料金プランや端末でサービスを提供しており、ネットワークもさほど変わらないと思うが、同じような環境の中でどうして他社は業績が良く、NTTドコモは業績が厳しくなってしまったのか、見解を伺いたい。
 2点目はマクロな話であるが、安倍首相が今年中に消費税の増税をもう一回実施するかどうかを決めると思うが、今の景況感やNTTグループの状況を見た場合に、消費税の増税を予定どおり実施するべきなのかどうか、考えを伺いたい。

A 1点目のNTTドコモと他社の違いは、私がコメントする話ではないと思いますが、もっと時間を遡って見ていただきたいと思います。スマートフォンをベースにしたスイッチイング競争の中で、NTTドコモはあるブランドがない状態で戦いました。そういう数年間も含めて、誤解を恐れずに言うならば、過去のつけというものがNTTドコモにはあったと思います。一生懸命NTTドコモがサービス提供を実施してきたことは間違いありませんが、大きなブランドがない状態で、大きなブランドを持つ他社と同じような戦いをして、他社はお客様を獲得し、NTTドコモはお客様を失うという、この戦い方がNTTドコモにとっては苦しかったと思います。
 しかし、新しい料金プランについては、NTTドコモをずっと長くご利用し続けていただいていたお客様が新しい料金プランを待ち望んでおられたこともあって、移行スピードが当初の想定よりも倍以上のスピードで進んでいます。これからますます拡大することになると思われます。プラン変更には手続きが必要であるにも関わらず、非常に多くのお客様が、一挙に新料金プランに移行したということです。これほどまでに、NTTドコモを大事に思っていただけるお客様がいらっしゃったという点について、他社のお客様との違いがあろうかと思います。また、新しい料金プランがNTTドコモのお客様には極めて良いプランであったということだと思います。NTTドコモのお客様構成が新料金プランにマッチする方が多いということも特徴のひとつかと思います。さらに、NTTドコモの販売店においても、新しい料金プランを、本当に一生懸命にお客様のためだと思ってお勧めしたという要素もあるのではないかと思います。いずれにしても、お客様に喜んでいただけたということを本当にしっかりと受けとめて、次のNTTドコモの販売戦略はどうあるべきかと考えていくことが、NTTドコモにとって非常に重要なことだと思いますし、ぜひNTTドコモにはよく考えてもらい、答えを出して欲しいと思っています。
 2点目のマクロな質問についてですが、基本的には経団連の榊原会長がおっしゃっていることと同じ考えです。確かに、景気など色々な面で慎重にならざるを得ない要素があろうかと思いますが、日本の財政や、次世代に向けての負担という先のことを考えたときに、とるべき必要な策をとっていっていただけるという前提であるならば、予定どおり消費税の増税は実施していくべきだと個人的にも感じています。NTTグループの事業にとってということではなく、次世代に向けてということで考えれば、今この段階で少し辛い状況があったとしても、いくつかの方策をとっていくということを前提に、消費税の増税は実施した方が良いと考えています。

Q 「サービス卸」について、現時点で、何社と契約が進んでいるのか教えて欲しい。また、過去の総務省の委員会において、「サービス卸」の問い合わせ件数について、従来型の電気通信事業者が3分の1程度で、それ以外がその他の産業分野との発言があったが、現在、従来型の通信事業者以外とのコラボレーションについては、具体的に進んでいるのか。開示可能な具体例があれば教えて欲しい。

A 現在、NTT東西が、NDA(秘密保持契約)を結んで話し合いを進めている段階ですので、なかなか申し上げにくい状況ではありますが、やはり、取り組みの早いところは、従来型の通信事業者系の方々です。NDAを結んだ事業者は、既に100を超えており、まだ増える状況にあります。一方、新しく始められる方は検討すべき事項が多くあるために、まだまだ問い合わせ段階であるという状況です。

Q NTTは、セキュリティ人材について、2020年までにセキュリティ人員を4倍に強化する計画とのことだが、その狙いや社長の考えを聞かせて欲しい。また、インターネット上の個人情報の削除をめぐる、いわゆる「忘れられる権利」の議論について伺いたい。現在、裁判が国内外で行われており、欧米中心に活発化していることを受けて、国内でもヤフーが削除の条件について、基準の検討に入るという動きになっている。そんな中で、NTTレゾナントが、ポータルサイトを運営しているが、このインターネット上の個人情報の削除の今後の対応などについて、お考えを伺いたい。

社長記者会見の様子A 昨年秋に、ロンドンオリンピックにおいて沢山のサイバーテロがあり、2020年の東京五輪では、もっと増えるだろうということを申し上げました。また、毎日のようにサイバーテロに関するニュースが報道されており、防ぐことが非常に難しい問題ですが、これに対しては最大限の努力をすることが必要です。
 NTTは、クラウド型のサービスを提供しており、従来からのネットワーク事業者としてのさまざまな能力を持っていますし、新しくM&Aにより加わったようなところも含めて、NTTのセキュリティに対するポテンシャルは相当高まってきたと考えています。
 まず、NTTのコアコンピタンスのひとつとして、セキュリティ人材を、NTTグループ内で強化します。2020年までに1万人という目標を掲げました。それ以外に、国を挙げての取り組みも必要だと考え、政府や企業、さらには大学関係の方とも話を進めています。思いは共通で、どこから手をつけていくかということについて悩んでいらっしゃいます。
 アメリカでは、例えば銀行など業界ごとのISAC(Information Sharing and Analysis Center:サイバーセキュリティに関する情報を共有するための組織)が、民間の仕組みとして立ち上がってきています。また、米国は産官学の取り組みも大変しっかりしたものがあります。今回、NTTは、サイバーセキュリティに関する産官学の団体に日本企業として初めて参画しました。
 サイバーセキュリティというものは、一企業や一国で対処できるものではないと考えています。さまざまな国との連携の中で、自国も防衛しながら、お互いが協力していくことが重要です。NTTの研究所のチームは、他のセキュリティサービス事業者とは違ったような能力を持っており、お互いが特徴を生かして連携し、対策をしていくことで強くなると考えます。
 一方、日本が、米国やその他友好国に対して、これらの問題において協力できているかというと、実はあまり協力できていないというのが現状だと認識しています。また、国の防衛という観点においても不足していると言われております。本当に、国も企業もスピードアップする必要があると考えます。
 そのような中で、各企業の方には、ぜひNTTに音頭をとって欲しいと言われており、まずは、早稲田大学との連携をスタートとしました。今後は、このような産学の取り組みも進め、さらには産官学の取り組みも強化していきたいと思います。ひいては、このような取り組みがNTTの商品力にもなるだろうと考えています。
 また、「忘れられる権利」ということについては、問題意識を十分持っています。どういうふうにやっていくかということについては、当該事業会社との話し合いの中で答えを出していきたいと考えています。

Q 先般、NTTドコモがNFV (Network Functions Virtualisation)を来年から商用化するという発表があったが、2015年から2020年にネットワークの大変革が起きると言われている中、NTTグループとして、新しいネットワークの取り組みをどうしていくのか。『新たなステージをめざして2.0』を見ると、その辺のネットワークの計画が非常に寂しいと感じるがどうか。

A 『新たなステージをめざして2.0』におけるネットワークは、NTTドコモだけではなく、NTTコミュニケーションズ、NTT東西も含めた、マネジメントの戦略として記載しているもので、技術戦略として発表しているものではありません。当然、その背景としては、ネットワークの仮想化など含めて取り組んでいく必要があります。今日のところは頭出しということだけですので、ご理解をいただければと思います。

Q その点で言えば、Wi-Fiも2年前に「第3のアクセス」にしていくと発表していたと思うが、2020年に向けてWi-Fiをどういう形でビジネスモデル化していく考えなのか伺いたい。

A 抽象的にWi-Fiの高度化というような言い方をしていますが、Wi-Fiの取り組みに関しては順調に進展していると認識しています。当時、ダイレクトアクセスとオープンアクセスというようなキーワードを言いましたが、エリアオーナーの方がダイレクトアクセスというビジネスモデルに、非常に興味を持ってきていると認識しています。
 現在、新しい取り組みとして、福岡市で観光をベースに、Wi-Fiをフル活用しています。観光客向けに、Wi-Fiで多言語対応しているとか、どこの場所へ行っても認証は1回で済むという取り組みが開始されています。この例のとおり、Wi-Fiは順調に進んでいるという認識です。
 オリンピックに向けてということもありますが、次にどういった形で展開していくか、Wi-Fiを使ったビッグデータ活用を、どういう形でエリアオーナーの方と役割分担をしていくのか。こういったテーマについても、次の機会では、少しご説明できればと思っています。

Q 通信業界の明るい話題として、格安SIMという話がある。格安SIM市場が拡大していくにあたって、NTTグループとしてどう取り組み、収益増につなげていく考えなのか伺いたい。

A 幾つかのマーケットが変化していく中で、現行のビジネスも格安というところで、いくつか競争が起きてくると思いますが、次のステップとして、どういう形でそれらを持続的なビジネスとしていくのかという取り組みが必要になってくると認識しています。
 そういった中で、NTTグループとプレイヤーの皆さまがコラボレーションできる世界をどう描いていくかということは、次のステップの課題です。通信キャリアの競争なのか、それともさまざまな付加価値を含めたサービスの競争時代に移るのかというのは、もっと本質的な命題です。同じような端末を同じような値段で同じような使い方で提供する時代なのか、それともまた違った変化が起きてくるのか。その違った変化を起こしていかない限り、実は通信キャリアとして私は存在価値を失っていくという危機感を持っています。新たなステージに向けた取り組みとして、そのような変化を起こす準備をしていくことは、我々の世代の本質的な使命だと思います。B2Bでさまざまなプレイヤーの方を裏方でサポートしていくことは、そこへのアプローチのひとつだと認識しています。固定通信だけでなくモバイルも含めてそういう時代が来るかもしれません。そういった中で、今の時点で、個別の事案について次のステップのアイデアを申し上げるのは、時期尚早ではないかと思います。

Q NTTドコモの2017年度の計画について、コスト削減に重きを置いていると認識しているが、NTTドコモの成長を今後どのようなところに導いていこうと考えているのか伺いたい。

A まず、新料金プランを多くのお客様に喜んでもらったことを、次にどう生かしていくかということはNTTドコモでしっかり考え、必要があればアドバイスをしていきたいと考えています。投資家・株主に対しては、NTTドコモの責任としてまずは利益の回復です。その点において、最も確実なのはコスト削減です。コストは『宝の山』であり、その宝を発掘し、よいものにしていく手伝いをしたいと考えております。これは持株としてのマネジメントの責任であると考えています。NTTドコモのみではなく、グループ全体の幅広い取り組みが必要かもしれません。持株としてサポートできることが多々あると考えていますので、これは私も共同責任として取り組んでいきます。いずれにせよ、NTTドコモがナンバーワンの携帯事業者に復活し、利益も成長するモデルになるための取り組みをサポートしていくという気持ちであることには変わりありません。

Q 「サービス卸」について、総務省の報告書で、透明性を確保すべきだという方針が出されており、特に料金の開示の要求が他事業者から多く寄せられているようであるが、それについてどう考えているか、また発表当初から状況が変化しているように思うがどう対応していくか、考えを伺いたい。

A 「サービス卸」を危惧されている方々が、どのような点を危惧されているかということを、私はよく理解できておりません。総務省でのヒアリングの際にも申し上げましたが、NTT東西にとってどこかの事業者を優遇するということは、マイナスの行為であると認識しています。コラボレーションをしたいという方には、等しく、公正にやるということを宣言したつもりです。
 したがって、我々とコラボレーションをするパートナーが許す限りにおいて、何らかの形で透明性を確保していくという点についてはやぶさかではありません。しかし、どのような方法がよいかということについては、幾つかのアイデアを申し上げていますので、そういったアイデアの中で妥当な方法が決まっていけばよいと考えています。不安なものに対する透明性というのは、不安なものがはっきりしない限り非常に難しい、というのが率直な考えです。

Q 「光コラボレーションモデル」の関係で、実際にいつ頃にサービスがスタートできる見通しでいるのかという点と、例えば年度内に何社とできるなど、という見通しがもしあれば教えていただきたい。

A これは私どもが決められることではなく、コラボレーションをするパートナーがいつ始めるかということですので、私からコメントすべき事項ではないと考えていますし、NTT東西においても、同様です。何社かは、できるだけ早くやりたいというご要望をお持ちだということは承知しています。しかし、プレイヤー個々の課題や私どもに対する要望をまとめるなど、いくつかのことが解決されなければそれぞれの会社がスタートできないのであろうと思います。ただ、年度内もしくは年内にやれるかというと、やれるのではないかというようにも思いますけれども、やはり私どもが時期について言及するものではないと考えています。

(以上)

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