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社長記者会見

2015年5月15日(金)

社長記者会見の写真

2015年3月期決算、2016年3月期業績予想について
新たなステージをめざして2.0
鵜浦代表取締役社長
(同席)辻上取締役経営企画部門長
廣井財務部門長

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(司会)

 日本電信電話(株)の2015年3月期決算、2016年3月期業績予想の発表を始めさせていただきます。また、本日は決算発表に加え“新たなステージをめざして2.0”についてご説明をさせていだきます。

(鵜浦社長)

<2015年3月期決算、2016年3月期業績予想について>

 まず、2015年3月期決算および今期の業績予想について説明させていただきます。
 2015年3月期決算のハイライトについては以下のとおりです。

 営業収益は海外事業が牽引し、対前年1.6%増の11兆953億円となり、5期連続の増収となりました。営業利益は、移動通信事業が1,815億円の減益となる一方、地域通信事業やデータ通信事業の増益もありましたが、対前年10.6%減の1兆846億円となりました。対前年約1,300億円の減益です。NTTドコモの「新料金プラン」の影響を受けて、昨年秋に業績予想修正を出しましたが、残念ながらその修正の予想に対しても約100億円の未達となりました。

 これまでも何回か皆様にお話したとおり、固定通信、移動通信市場ともに成熟段階を迎えつつある中、2年半程前に“新たなステージをめざして ”という中期経営戦略を発表しました。その中で、競争モデルやビジネスモデルの変革をめざすと申し上げました。2015年3月期は、「新料金プラン」や「光コラボレーションモデル」などの、これまでにない取り組みを行った年でした。結果としてはこの新しい取り組みによる移行期において、財務的には非常に厳しい1年だったと総括していますが、今後の持続的な成長に向けては必要な選択だったと思っていますし、やむを得ない減益だったと考えています。

 次に、改定した中期経営戦略と、その改定した初年度である2016年3月期の業績予想についてご説明します。

 営業収益は、引き続き海外事業の成長により6期連続の増収、かつ民営化以来最高の売上となる11兆3,500億円を見込んでいます。ちなみに過去最高を申し上げますと、2003年度の11兆955億円です。また営業利益は、NTTドコモを回復基調に戻すことに加えて、NTT東西やNTTデータの増益により10.6%増の1,154億円の増益とし、1.2兆円に回復させるというものです。

社長記者会見の様子  当期純利益は対前年21.6%増となる1,119億円増の6,300億円となる見込みです。増益額が大きくなっていますが、これは営業利益が回復することに加え、税制改正による税率引き下げで、法人税などが減少することによるものです。なお、前年度決算の当期純利益は、逆に対前年で大きくマイナスになっていますが、それは一昨年の逓信ビルの評価益を計上したことの反射効果で下がっているという要素もあります。

 次にセグメント別の業績予想の概要について説明します。
 これまでセグメント別の業績については結果のみをご説明申し上げてきましたが、今回から新たに予想を開示することとしました。説明は省略させて頂きます。

 次に株主還元について説明します。
 自己株式取得については、政府からの取得を中心に3,381億円、5,100万株を取得しました。配当については、前年度は一昨年度から10円増額し、年間1株当たり180円としました。
 今年度の配当は、中間配当を10円増、期末配当を10円増、合計20円を増額し、年間1株当たりの配当額は200円とします。民営化以降50円という配当がずっと続いていた時代がありましたが、最初に60円に引き上げた年は2005年3月期ですので、12年間で4倍の配当額となります。また、本日開催の取締役会において、2015年7月1日を効力発生日として、株式1株を2株に分割することを決議しました。これは、投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より投資しやすい環境を整えて、投資家層の拡大を図るという目的に加え、NTT民営化30周年という時期をひとつの節目ととらえて実施するものです。なお、今年度の自己株式取得については、株式分割実施後となる7月1日以降に検討していく考えです。

 以上が、決算関連の説明となります。

<「新たなステージをめざして2.0」>

 続いて「新たなステージをめざして2.0」ついてご説明します。

社長記者会見の様子 本件につきましては、既に昨年11月の中間決算発表の際に、骨子と申しますか、その考え方についてはご説明申し上げました。昨年の中間決算は、NTTドコモの大幅な減益修正が発生した時でもありました。その際、私は、もう一度利益成長、EPS(1株あたり純利益)成長に向けて、一旦立ち止まり、新しいルートを拓いてもう一度山登りをスタートさせますと申し上げました。
 中期経営戦略については、EPS目標をもう一度作り直すということ、またEPSの分子となる利益を伸ばしていくということに主眼を置いたバージョン改定をしたい、ということを申し上げました。その骨子に基づきまして、グループ各社と議論を重ねた結果を取りまとめたものが、本日の発表となります。

 2年半前に発表した中期経営戦略の財務目標として、ESP成長60%以上というキーとなる目標として設定し、それを成し遂げるためのいくつかの財務目標をマイルストーンとして設定していました。その進捗については「新たなステージをめざして2.0」の目標の中で、併せてご説明しますが、財務目標は概ね順調に推移をしていると評価しています。

 次に、新しい中期経営戦略についてご説明します。

 「“バリューパートナー”への自己変革を加速し、利益成長軌道へ」と掲げ、その中で「『グローバル・クラウドサービス』の利益創出スピードを加速」、「『ネットワークサービス』の収益力を強化」という二つの柱があるのは、以前の中期経営戦略と同じす。ただ、表現については「利益創出スピードを加速」、「収益力を強化」と改めました。

 二点目の「B2B2Xモデルを更に推進し新たな市場を開拓」というものも、昨年秋の中間決算時に申し上げたとおりです。

 三点目が、今回新たに再設定したEPSの成長目標です。前回は60%という率で表現しましたが、今回は「700円以上」という額で目標を設定しました。

 次に財務目標についてご説明します。

 前回の中期経営戦略は目標年度が3年にわたっていました。今回の目標年度は各目標の達成年度を2018年度3月期に統一しています。その理由としては、“新たなステージ”というものの設定を2018年度以降と据えたいと考えているからです。

 また、新たなステージの準備は2017年度、つまり今回の新しい中期経営戦略の期間で終えていたいという思いもあり、目標年度を2018年3月期、2017年度で統一しました。

 まず、EPS成長「700円以上」を達成するための連結営業利益目標は1.4兆円を目指すという形にしています。

 次の目標は海外売上高及び海外事業の営業利益です。前回の中期経営戦略では、海外売上高のみを200億USドルと設定していましたが、今回は営業利益も目標に加えました。2018年3月期までには売上げを220億USドルまで伸ばし、営業利益15億USドルを達成したいと考えています。
 あと二つの目標である、設備投資の効率化とコスト削減についてですが、これは前回の中期経営戦略でも同じものを掲げていましたが、目標の立て方が前回と少し違うところがありますので、後ほどご説明します。

 まず、EPS成長について再度ご説明します。
 前回の中期経営戦略では、2012年3月期に367円だったEPSを、2016年3月期に60%以上成長させる、という目標でした。おかげさまで、今年度の事業計画が順調に遂行できれば、EPSは62%、595円となり、目標が達成できる見通しです。
 今回の中期経営戦略ではもう一度EPS目標を設定することにしました。前年度のEPSが474円となりましたが、それを3年間で「700円以上」へという目標を再設定しました。
 前回は4年間で60%、今回は474円をベースに、率で申し上げれば、「3年で50%増」という目標設定としました。本目標を達成するにあたり、さきほど申し上げた連結営業利益1.4兆円と海外事業の営業利益を15億USドルにするという、私にとっては非常にストレッチした目標になっています。利益成長、利益拡大を主に取り組む考えですが、その利益の出方に応じて、自己株式取得などのEPSの分母についても色々な取り組みをしていきたいと考えています。

 海外売上高と営業利益について再度ご説明します。
 前回の中期経営戦略における、海外売上高200億USドルという目標は、目標達成を2017年3月期としていましたから、今年度ではなく来年度の目標であるわけですが、今回ローリングをして、2018年3月期には220億USドルまで売上げを伸ばしていきたいと考えています。M&Aとオーガニックな成長によって、なんとしても達成したいと考えているところです。
 一方、海外事業の営業利益は今年度7億USドル、営業利益率で申しますと4.5%です。今後3年間で8億USドル増益して15億USドルまで、営業利益率は6.8%まで持ち上げたいと考えています。
 こちらもまた大変高い目標ではありますが、海外のグループ会社もこの目標に対して大変意欲的ですし、私自身としてもチャレンジをしてみたい目標であると考えています。

 グローバルビジネスの利益創出に向けては、海外のグループ会社が主体となって、3つのジャンルでいくつかのテーマに分けたワーキンググループを結成します。今月中に開催するグローバルビジネス戦略委員会の中でワーキンググループの設置を決定し、ただちに動きだす予定です。
 既に事前のやり取りの中でいくつかのワーキンググループが立ち上がっていますので、その取り組みを強化していきたいと考えています。
 詳細な説明は割愛しますが、ワーキンググループの3つのジャンルのうち、ひとつは着実な売上成長の実現であり、もうひとつは徹底したコスト効率化です。さきほど申し上げた8億USドルの営業利益増のうち、5億USドルを徹底したコスト効率化で達成したいと考えています。

 設備投資の効率化については、これまでも国内のネットワークビジネスにおいて効率化を進めてきたところです。前回の中期経営戦略での目標はCapex to Salesという、売上高と設備投資額の比率を目標としました。2016年度にCapex to Sales 15%を達成するというものです。一番高い時期は20%を超えていたかと思いますし、2013年3月期でも18.1%でしたが、この目標は今年度の事業計画では14.9%となり、前回の中期経営戦略の目標を達成できる見通しです。
 新しい今回のバージョン2.0では、売上高と設備投資額の比率ではなく、国内のネットワークビジネスは厳しい経営環境が続くことから、実額として「2,000億円以上」の削減を目標に取り組む考えです。昨年度の設備投資額は1兆7000億円でありましたが、その中の国内ネットワーク事業における設備投資額である1兆4000億円を、1兆2000億円まで下げる目標を掲げました。ちなみに1兆4000億円から1兆2000億円というのは、率にすると15%の削減となります。
 設備投資の効率化については、設備利用効率の向上、調達コストの削減、ITシステムの高度化・効率化という3点を軸に取り組み、目標を達成したいと考えています。

 コスト削減という目標については、前回の中期経営戦略において6,500億円以上のコスト削減が実施でき、目標達成したわけですが、これからの3年間も引き続き同様の取り組みを強化することによって、固定・移動アクセス系において「6,000億円以上」のコスト削減に努めていきたいと考えています。
 いずれにしても国内ネットワーク事業は大変厳しい経営環境が今後とも続くと考えていますが、ユーザサービスの向上、価格面、さまざまなサービス面においてもその向上を図りつつ、このコスト削減を実施していきます。今後の環境変化に応じたシンプルで高効率な業務運営の確立ということも掲げていますが、これは、NTT東西の主力商品である「フレッツ光」を「光コラボレーションモデル」という形に転じるという中において、一層の業務見直しを行い効率化を図ると同時に、NTTドコモについても業務運営体制の効率化を目指していくという検討を今後とも進めていくという考えで、「6,000億円以上」のコスト削減という目標を設定しました。

 次に持続的な成長に向けて、ということについてご説明します。

 国内ビジネスを持続的に成長させるためには、コスト効率面だけではなく収益力の強化が必要であろうかと考えています。
 これまでも申し上げてきたとおりですが、東京オリンピック・パラリンピックや地方創生を契機とした、B2B2Xモデルへの転換を加速していきます。実は今年の4月に、このためのプロジェクトを立ち上げております。具体的には、NTTグループ各社からの拠出金でLLPをスタートさせたところです。15億円のファンドをNTT持株がお預かりし、幅広い事業主体とのパートナリングを推進していく、またICTを活用した自治体との連携を強化していくといった取り組みを行っていく考えです。
 こうした取り組みを通じて、さまざまなパートナーと共に新しい高付加価値のサービスを創出する、またご一緒に新たなビジネスを確立していく。私どもは触媒役として、地方創生の取り組みを支えていきたいと考えています。
 地方創生にとって大変重要なこととして、地域間の連携や異業種間などの連携があると考えています。ICTはそのための強力な道具でもありますし、我々は触媒となれると考えています。
 なお、今回、本件の数値目標化については行っていません。本件を数値目標化できるのは新たなステージになった時だと考えています。これからの3年間は、いくつかのプロジェクトを具体化し、先行事例を積み上げていくことが必要だと考えています。

 最後になりますが、検討すべき中期的課題についてご説明します。
 「検討すべき中期的な課題として」というタイトルは、悩んだタイトルであるということがお分かりいただけると思います。中期経営戦略の中で中期的な課題を検討するというタイトルですが、具体的には2点あります。

 1点目は、「ユニバーサルサービス」の在り方です。
 NTT東西は、2010年11月に「PSTNのマイグレーションについて-概括的展望-」を発表しました。その見直しについて、この3年間である方向性を出していきたいと考えています。
 ユニバーサルサービスについては昨年の総務省の2020-ICT基盤政策特別部会においても、「固定電話を当分の間ユニバーサルサービス制度により維持していくことが適当」とされていますが、「当分の間」という期間がいったいいつまでかということと、10年、20年後を見据えた時に本当にどうしていくかということについて、本格的な議論を開始すべきと考えています。
 この3年間でユニバーサルサービス制度そのものが大きく変わるとは考えていませんが、今後の方向を明確にしていくことが、NTT東西のその後の事業運営にとっては大変重要なテーマであろうかと思います。私どもとしては、今年の秋頃にはもう少し各論を申し上げたいと考えています。そのような中で、政府、他事業者、ならびに利用者の皆様などの意見を踏まえつつ、次のステップに移りたいというのが最初のテーマです。

 2点目は、IFRS(国際財務報告基準)適用の検討です。
 この中期経営戦略で定める3年間が終わった翌年度となる2018年度の第1四半期から、IFRSに切り替えたいと考えており、そのための検討を開始していきます。既にNTTグループ連結決算では、SEC基準(米国会計基準)となっていますが、国内の会社は、国内基準で行っています。一方、海外企業を中心に、会社数で既に40%程度がIFRSを導入していますので、決算作業が実はなかなか大変でして、SEC基準から一度戻し、さらにまた変換させるという手続きを経ているために、私どもの決算発表がこの時期になってしまうという課題もありました。
 また、私どものビジネスのグローバル化が相当進んでいるということもありますので、IFRSの導入を2018年度から行いたいと考えています。連結ベースではSEC基準ですので、それほど大きな違いはありませんが、一番の違いは、減価償却を定率法で行っていることです。IFRS導入に向けて、定額法に切り替えることを想定しています。またこの定額法への切り替えは、2018年度よりも前倒しでやってみたいと考えているところです。定額法への移行も含め、また別の機会に皆さんにお伝えすることになると思います。

 念のために申し上げますが、今回の中期経営戦略の目標は、従来どおりの財務会計制度で作り上げています。財務会計制度が変わると少し数字が変化しますが、あくまでもこれまでの財務会計制度ベースで、中期経営戦略の目標は見ていきたいと考えています。

 私からの説明は以上です。

Q 海外売上目標の220億USドルは、現状の150億USドルからの上積み分として、オーガニックの成長とM&Aの内訳をどう想定しているのか。また、営業利益率が高まる理由をもう少し詳しく教えて欲しい。最後に、コスト削減の6,000億円について、移動と固定の内訳を教えて欲しい。

社長記者会見の様子A まず、220億USドルの目標達成には現状から70億USドル増が必要となりますが、オーガニックの成長とM&Aの比率はあらかじめ設定していません。出来る限りオーガニックでやりたいという中で、間違いなく成長を図る上ではM&Aが必要な分野が出てくると思います。その必要な分野でM&Aを行っていくというスタンスで、この220億USドルを達成していきたいと考えています。気持ちとすれば、オーガニックで達成しながらM&Aで補完していきたいと思っています。次に、営業利益率については、売上を伸ばしていく中で8億USドル利益を上げていくわけですが、コスト削減で5億USドル、売上拡大を図る中での利益で3億USドル伸ばすことで達成していきたいと考えています。そのためのワーキングを作っていくということになります。
 最後に6,000億円のコスト削減の比率については、既にNTTドコモは昨年秋に4,000億円以上というコスト削減目標を設定しており、それは過年度分も含んでいるので、今回の中期計画に当てはめると、NTTドコモのコスト削減分は3,000億円以上となります。従って、残りが固定ということでご理解頂ければと思います。

Q 2015年3月期の総括と今期の意気込みを改めて教えて欲しい。
 また、今期の増収増益要因をもう少し詳しく教えて欲しい。

A 2015年3月期はNTTドコモの新料金プランの影響が相当程度ありました。結果的には1,700万を超えるお客さまに新料金プランを選択して頂き、それは間違いなく、お客さまにメリットのある料金となりました。昨年秋にも申し上げましたが、これだけのペースで選んで頂けるほど、長期に契約しているお客様は料金に対して渇望があったと受けとめています。従来の競争モデルから、長期で継続的にご利用頂けるお客さまを大切にする料金プランに移行し、その上で新しいサービスを出していくという戦略に変更した影響に尽きます。しかし、これはやるべき選択肢であったと考えています。私どもが果たすべきことは、お客さまに喜んで頂き、なおかつ、それに見合ったコスト削減努力や増収努力を続けることによって利益を回復する、ということです。
 そういった意味では、今回の新たな中期計画では高い利益目標を設定しました。その初年度として今年度取り組むわけですが、意気込みとしては、もう一度、営業利益を1.2兆円に戻し、その上で更に1.4兆円という高い目標に取り組んでいくということです。
 今期の増益の要素についてですが、地域通信事業、移動通信事業、データ通信事業の全てを増益計画にしています。増益となる要素はセグメントによって異なりますが、いずれにしてもコストをしっかり見直し、なおかつ売上を伸ばす努力をするということに尽きると思います。特に、NTT東西は、「光コラボレーションモデル」によってマーケティングコスト全体を見直していく要素が大きいと考えています。

Q 新しいステージが2018年度以降ということだが、その“新しいステージ”とはどのような世界になっているのか。
 また、ユニバーサルサービスに関してはどういう方向性で訴えていくつもりなのか教えて欲しい。

A まず、ユニバーサルサービスについてですが、実はNTT東西の固定電話の通話料収入(ユーザ収入)はNTT東西に再編した2000年当時で1兆円を超えていたものの、2014年度は687億円となっており、マーケット環境が大きく変わっています。また、NTT東西の固定電話は、相互接続、ハブ機能になっているため、先ほどのユーザ収入に接続料収入を加えると、2000年には1.56兆円程度の収入がありましたが、2014年度は1,800億円強というほど収益構造が激変しています。このような減収傾向は、少し緩やかになるとは思いますが、今度も続いていくと思います。
 そういった中で、固定電話がユニバーサルサービスであること自体も含めて、幾つもの議論が必要だと思っています。そういった議論をしていくための幾つかの素材をこの秋に申し上げようと考えています。しかし、この中期計画の3年間で、固定電話のビジネスをやめるとか、大きく変化するというつもりは毛頭ありません。将来に向けてどうしていくのが良いのか、固定電話の交換機が寿命を迎えることについてどうしていけば良いのかなど、これらのことについてもう一度見直してみたいと考えています。
 それから、2018年のイメージアップについてですが、2018年という年度は、ある意味ではオリンピックの準備のための幾つかのサービスや新しいビジネスの萌芽が、スタートしてなければいけません。2020年に一挙に間に合わすというわけにはいきませんので、新しいサービスや新しいビジネスモデルを2018年までには明確にしていたいと思っています。そのスタートラインとして、地域との連携があります。今年4月に福岡市と包括的な連携協定を結びましたし、昨日NTTドコモが新潟市と農業関係で協定を結びました。このような地方の中核都市との間で、その地方のICT化をどう進めていくか。こういったテーマで個別の幾つかのメニューを発表させて頂く時期が来るかと思っていますが、今日の段階では、相手もあることなので詳細は控えさせて頂きます。

Q 株主還元の考え方について伺いたい。今期については自社株買いは株式分割後に考えるとのことだったが、規模感などの考え方を教えていただきたい。
 また、2018年3月期までの間の配当や、自社株買いの考え方もあわせて教えていただきたい。

A 今期については7月以降に検討していきますので、それ以上の事は申し上げられません。この3年間の中での中期的な株主還元についてですが、もともと私どもは配当に軸足を置いた形で取り組みたいと申し上げてきました。先ほど、12年間で配当は4倍にしたということも申し上げました。これからも増配につとめていきたいという基本的なスタンスは変わりません。
 自社株取得については、EPSを成長させていく中で、当然EPSの分子となる利益に主眼を置いて取り組みたいと申し上げましたが、決して利益だけで達成できるとは思っていませんので、自社株取得も利益の変化に応じて、状況を見極めながら進めていきたいと思います。
 また、現時点で規模感をお話することは控えたいと思います。

Q 2020と地方創生を契機としたB2B2Xのモデルの説明の中で、LLPとしてNTT持株が15億円のファンドを預かるという話があったが、今後のNTT持株の関わり方を伺いたい。
 もう一点、グローバルビジネスでワーキンググループを作るということだが、これは具体的にNTT持株がどう関わるのか、NTTグループ各社でどうやっていくのか、もう少し具体的に伺いたい。

A グローバルビジネスにおけるワーキンググループについては、主たるメンバは、海外のこれまでM&Aを行った企業のメンバを中心に取り組んで行くつもりです。M&Aを行った企業の中にはNTTコミュニケーションズの子会社、NTTデータの子会社などもありますので、その親会社も巻き込みながらNTT持株も参画してきます。
 実は、はるかに海外のM&Aを行った企業の方が意欲的で、能動的で、やる気まんまんですので、彼らに引っ張っていってもらうということを考えています。NTT持株は、彼らが問題意識を持っているテーマについてサポートしていきます。そのスピードを加速するための取り組みを、NTTコミュニケーションズやNTTデータなどの親会社と詰めていく、という進め方を考えています。
 LLPについては、出資をした各社から代表者を出し、お金を使う時には各社の代表者が集まった代表団がボードメンバ的に決定するということになります。LLPはこれまでも行ってきましたし、今回もそのように取り組むつもりです。ただし事務局をはっきり定めなければならいため、NTT持株の新ビジネス推進室・2020担当が事務局となり、各社の意見を聞きながら進めていきます。
 既に私どものグループ各社では、色々な取り組みを行っています。福岡の例で申し上げますと、NTT都市開発は天神地区の再開発の事業者でもあります。NTTファシリティーズは太陽光発電事業を福岡市で行っています。また、福岡市は企業特区になっており、企業特区を支えるベンチャー企業のフォーラムにNTTコミュニケーションズが参画しています。NTTデータも、行政との間のビジネスがあります。直近の例で申し上げますと、NTT-BPはJTB様と連携して観光W-Fiを行っていたところです。
 今後もいくつか新しい地域が出てきますが、それも既にNTTグループのどこかの会社がかなりのところまで取り組んでいて、それをもっと大きなテーマにしていきたいと思います。それは、NTTグループの1社だけではなく、NTTグループが総合力を発揮するということです。さらにはNTTグループだけではなく、他の企業の何社かにもお入りいただいて、それが私共が言っている触媒役という意味になりますが、そうしたプロセスの中で地域との関係を深めていきたいと思います。
 意思決定は、形式的には各社からの代表者によるボードメンバが行いますが、実質的な事務局はNTT持株が行い、グループ各社からの情報や外部との情報をまとめた形で実行するというプロセスを考えています。

Q LLPのボードメンバには何社が入るのか?

A 主要なグループ各社が入ります。NTT東西、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTデータ、NTTファシリティーズ、NTT都市開発、NTT-BP、NTTファイナンスなどになります。私共も金融のファンクションとしてNTTファイナンスを有していますので、そうした関連会社がひとまずファンド創設メンバとなります。ただし、必要に応じて追加することも可能ですし、お金を出さなくても参画が可能となるように進めていきたいと考えています。

Q モバイルビジネスについて伺いたい。MVNOの伸びについて、NTTのライバル企業の社長が、かなり伸びてきていて脅威だと言っている。MVNOはNTTドコモの回線を使っているところがほとんどだと思うが、MVNOの伸びとNTTドコモの回線を使っていることを踏まえて、MVNOに対する考え方を伺いたい。

A これまでは、NTTドコモ回線を利用した方が、事例もあって取り組みやすいということで、NTTドコモ回線を使ってMVNO事業に取り組む方々が多かったのだと思います。しかし、既にNTTドコモだけがMVNO向けに通信網を提供しているわけではありませんので、脅威と感じられるのはやや不思議な気がします。移動通信事業者各社が、それぞれパートナーリングというような形で取り組んで行かれるのではないかと思います。
 MVNOについては色々な見方が出来ると思います。私共にとっては、基本的にはドコモにとってのパートナーだと考えていくべきだと思います。MVNO事業者の皆さんが、料金面などでいくつかのサービスを提供しておられますが、もっと違ったサービス、付加価値的なサービスを考えていく、それをパートナーとして一緒に考えていくということがベースになるのではないかと考えています。NTTドコモの加藤社長も似たようなことを言っていると思いますが、今後もそのような取り組みを進めていきたいと思います。

Q モバイルビジネスの価格競争は、MVNOの普及が早まることで激しくなってしまうという懸念もあるが、その点についてはどう考えているか。

A それはユーザをどうセグメントするか、というテーマだと考えます。見方によっては、あまりモバイルをお使いではないユーザにとっては、今までNTTドコモをはじめとする携帯キャリアの、わりと画一的なサービスしかなかったものが、もっと多様な選択肢が増えたということになります。
 ユーザをセグメントで分けて考えてみれば、むしろ競合するものでなく、役割分担をしていくものであると考えた方が、単純な価格競争という側面ではなく、もっと新しいユーザを増やすという取り組みに繋がるのではないかと考えています。従って、ときどきNTTドコモに対して、MVNOをやらないのかというご質問があったというように聞いていますが、私にとってはその質問の方が不思議だ、というのが感想です。

Q 今後は電力の自由化、ガスの自由化が行われると思うが、セット販売ということだけではなく、エネルギーマネジメントということについて、NTTデータやNTTファシリティーズが取り組んでいるし、エネットは電力会社としていろいろやられていると思うが、グループとしてはこのエネルギー分野についてはどのような方針で取り組んでいくのか。

A 「持続的な成長に向けて」のスライドでは、どちらかというとエネルギー・マネジメントという意図で書いています。これから地産地消型の電力供給、電力消費というコンセプトも進んでいくと思います。実際にNTTファシリティーズは、いくつかの事例として地産地消型のエネルギーをどのように効率的に実現していくか、というビジネスを始めているところです。
 さらに私が申し上げたいのは、例えば、交通・観光・エネルギー・農業というものがバラバラではなく、実はICTを使えばもっと立体化した中で新しいサービスが生まれたり、ビジネスモデルが生まれたりするのではないかということです。そのための触媒役をやりたいとい思いを並べて記載しています。

Q 2018年3月期の売上高のイメージを教えてください。

A ポイントは、EPSという目標に尽きると思っています。売上高が多くなればそれに越したことはありませんし、少なければ少ないなりにまた対処していくというのが、EPSを目標としたところであり、利益率が高まるのが理想的です。

(以上)

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