
ICTを利活用することで、生産活動の効率化、人やモノの移動の削減などが可能となり、社会全体のエネルギー消費やCO2排出を削減する効果が期待できます。
ICTの利活用が地球環境問題の解決に貢献し、ICTによる環境ソリューション・ビジネスが国際的に活性化するためには、ICTのもつ環境影響・効果を共通の考え方で定量的に比較できることが不可欠であり、そのためには、ICTの環境影響評価手法の国際標準化を進めることが重要です。
こうした認識のもと、NTTグループはITU-T(注)における環境影響評価手法の標準化の取り組みに積極的に貢献しています。
2012年度は、2011年2月に勧告化(標準化)した環境影響評価手法の基本的な枠組みに加えて、ICT製品・ネットワーク・サービスに関する具体的な環境影響評価手法の勧告化(標準化)を実現しました。
今後は、企業が製品やICTサービスを提供・導入する時に、性能や価格だけでなく、CO2排出量の削減効果といった環境指標からも検討できるよう、本勧告に基づいたさまざまなICT機器やネットワーク、ICTサービスの環境影響評価を進めていきます。
ソリューション
環境ラベル
ICTサービスの利活用により、社会全体の環境負荷を低減する効果が得られます。NTTグループは、ICTによる環境貢献をお客さまにわかりやすく伝えるため、また自らNTTの環境への取り組みを促進するために、自己宣言型の環境ラベルである「ソリューション環境ラベル制度」を策定し、2009年度から運用を開始しました。
この制度は、グループ各社のICTソリューションのうち、一定の環境負荷低減効果があるものを、「環境にやさしいソリューション」として認定し、NTTグループの制定した環境ラベルを付与するものです。具体的な認定基準としては、「CO2排出量の削減量を定量的に評価した時に、その削減率が15%を超えるもの」としています。
認定されたソリューションは、NTT公式Webサイトの「NTTグループ環境活動」内のソリューション環境ラベルの紹介コーナーに掲載され、その評価内容を公表しています。2011年度は、新たに7件を「環境にやさしいソリューション」として認定しました。2009年度の4件、2010年度の8件とあわせて、合計で19件となります。
今後は、これまでの運用における課題を洗い出し、認定数の拡大につなげていきます。
NTTグループでは、日本カーソリューションズ(NCS)が提供するEVカーシェアリングサービスを軸として、NCSを含めたグループ7社(注)でのEVカーシェアリングの実証実験「EV Car Sharing Eco Project」を実施しています。
この実験は、2011年3月から2年間かけて実施されるもので、利用者認証機能付き充電器をNTTグループ会社の事業所に設置し、グループ会社間でのEVカーシェアリングサービスを運用することで、その事業性を検証するとともに、EVや周辺インフラ導入に関するノウハウの構築、蓄積を目的としています。
2011年度は、東日本大震災の影響により、NTT東日本-埼玉 さいたま新常盤ビルでのEVカーシェアリング開始スケジュールに遅れが出ました。また、節電対応が必須となったため、EV充電インフラの運用において、急きょタイマー制御による昼間の電力使用コントロールを実施しました。当初予定にはなかった対応でしたが、今後の商品化に大いに役立つノウハウを得ることができました。
この実験で得たノウハウを通じて、EVの導入から充電インフラの導入コンサル、設計、施工、運用支援、メンテナンスまで、NTTグループによるワンストップ提供を実現することで、低炭素社会の実現に貢献していきます。

ICT分野における消費電力の削減策として、従来の交流給電方式から高電圧直流(HVDC)給電方式への移行が期待されています。
高電圧直流給電は、交流から直流への電力変換段数が少ないことから、電力変換による損失を低減させ、交流給電に比べて消費電力量の約15%の削減が期待できます。また、蓄電池から直接装置に給電できるため、故障確率が低く、信頼性の向上にも寄与します。
こうしたメリットから、NTTグループでは、グループを挙げて、直流給電システムの導入・普及に向けた取り組みを推進し、そのひとつとして同システムの導入によるデータセンタのグリーン化について研究を進めてきました。
データセンタの省エネ化を図るため、NTTデータ三鷹ビルでの実証実験、総務省の受託研究、研究所およびNTTファシリティーズでの実験設備検証を進め、約15〜18%の省エネ効果を確認しました。なお、総務省受託研究での実証結果は、日本の給電システムの世界的な評価獲得とグローバルな市場拡大のため、総務省が日本案として国際標準化機関に提案する際の基盤データとして活用されています。
これらの成果を受けて、2011年度は、グループ内の事業会社や研究拠点への導入を進めるとともに、NTTファシリティーズが商品として提供を開始しました。また、ETSI(欧州通信用標準化団体)やITU-Tにおいて同システムのインタフェース条件として電圧範囲(260-400V)が標準化されるなど、高電圧直流給電技術のグローバル普及に向けた環境整備が進んでいます。
