
データセンタに対する需要の高まりとともに、消費電力の効率性と耐災害性が強く求められています。NTTコミュニケーションズでは、先進的なグリーンICT性能を備えた世界高水準のデータセンタ整備に注力しており、2011年4月には「東京第5データセンタ」を竣工し、サービスを開始しました。
東京第5データセンタは、東日本大震災、阪神・淡路大震災クラスの震度に耐えうる高性能免震構造ビルであり、高効率の電力設備や最大35%の省エネを実現する先進のエアフローマネジメントを導入するなど、PUE(電力使用効率)1.45以下という国内最高レベルのグリーン性能を実現しました。これにより、2011年6月、特定非営利活動法人ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム(ASPIC)が選ぶ「第5回 ASP・SaaS・クラウドアワード2011」のデータセンター部門「総合グランプリ」を受賞しました。
また海外のデータセンタでも環境配慮に総合的かつ継続的に取り組むことで社会へ貢献しています。
次世代グリーン基地局
東日本大震災を機に通信インフラのさらなる節電・省エネや災害対策の強化が求められるなか、NTTドコモでは環境ビジョン「SMART for GREEN 2020」に基づき「次世代グリーン基地局」の整備に取り組んでいます。「次世代グリーン基地局」とは、電力会社からの商用電力で運用している既存基地局に、ソーラーパネルや風力発電、燃料電池および直流制御グリーン電力コントローラなどを設置することで、商用電力の使用量の削減をめざす基地局です。また、消費電力のピーク時や災害による停電時に備えて、発電後の余剰電力を蓄電するリチウムイオン電池も設置しています。
NTTドコモでは、「次世代グリーン基地局」を2013年春までに10ヵ所に整備するとともに、全国の基地局の電力需給を“見える化”するシステムの構築や、複数のグリーン基地局間で電力を融通するドコモ版スマートグリッド構想の研究開発も進めていきます。
次世代オフィス
NTTデータでは、「ワークスタイル・イノベーション」を推し進めるべく、2009年度からフリーアドレス化やテレビ会議によってオフィスの環境性能と業務効率を向上させる「次世代パイロットオフィス構築プロジェクト」を推進しています。
2011年度は、豊洲センタービル(本社ビル)と豊洲センタービルアネックス(主要オフィスビル)に、約3,000m2に及ぶ次世代オフィスを構築しました。次世代オフィスでは、組織ごとに区切られていたオフィスの大部屋化やデータセンタへのサーバ集約、フリーアドレスの導入、ペーパーレスオフィス化などによって入居面積を最適化・効率化。新たに生まれた空きスペースに賃貸ビルから移転させることで、経費削減はもちろん、CO2排出量の削減を図ります。
この2つのビルでは、2013年度までに全体の65%にあたる約65,000m2を次世代オフィス化する計画で、この施策によるCO2排出量削減効果は327t-CO2/年(約2万m2面積削減対象値)となる見込みです。2014年度以降は自社ビルへも順次展開していく予定です。
Lindacloudの開発担当メンバ
NTTデータは、2011年10月、プライベートクラウド製品「Lindacloud」において、グリーンIT推進協議会主催の「グリーンITアワード2011 ITの省エネ部門」で「経済産業大臣賞」を受賞しました。「Lindacloud」は、省電力・排熱設計を工夫した自社設計・自社製造のハードウェアと、そのハードウェア上で動作する自社独自ソフトウェアを組み合わせた“ハードウェア・ソフトウェア一体型のプライベートクラウド基盤製品”です。
「SI企業の視点から顧客目線で設計した製品である」「プライベートクラウド用途に特化して必要な機能を絞り込んだ製品である」「サーバ筐体の排熱設計を見直したことで、冷却にかかる電力の削減を実現している」など、その独自性を高く評価していただきました。今後も、製品ラインアップの拡充を推し進めるとともに、クラウドの進展にともなって発生するビッグデータの蓄積・検索・分析などを安価に行える基盤として、お客さまに提案していきます。
提供元:北杜市
NTTファシリティーズは、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの委託事業として、「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究(2006-2010年度)」に取り組んできました。
この事業では、太陽光発電の普及促進を目的に、日照時間が国内有数の山梨県北杜市に1.84MWの大規模太陽光発電所(北杜サイト)を構築し、太陽光発電の出力変動が電力系統に影響を及ぼさないための系統安定化技術を開発するとともに、各種太陽電池の発電特性を明らかにしました。
2011年度は、太陽光発電の発電量や環境貢献度の推定が可能な「大規模太陽光発電システム導入のための検討支援ツール(STEP-PV)」と、5年間の研究成果を纏めた成果報告書を完成させました。これらは、それ以前の成果とあわせてNEDO Webサイトにて公開され、太陽光発電の円滑な導入に貢献しています。
現在、北杜サイトは北杜市にて環境教育の場として運営され、年間約5,000人の見学者が訪れています。

ICT機器の熱を排出する
「排気ファン」
外気を取り入れる
「モーターダンパー(給気側)」
データセンタのコスト削減と省電力化に対する社会的な要求が高まるなか、NTTコムウェアは、2011年11月、さらなるコスト削減とグリーン化を実現する省電力・排熱式データセンタの実証試験を開始しました。
このデータセンタでは、外気を取り込んでICT機器から発生する熱を室外に排出することで、従来の冷房装置を不要とし、空調による電力消費を20%削減(同社従来比)し、環境負荷を低減しています。また、DC対応のICT機器を採用し、AC/DC変換による電力損失を極力減らすなどの取り組みにより、約1ヵ月半の実証実験の計測値でPUE(注)=1.1以下を達成しました。
今後は年間を通じた運用環境での検証とともに、同社の展開するエンタープライズ向けクラウド・サービス「SmartCloud」への適用を進めます。
テナント様との連絡会議
ビルのエネルギー利用を効率化するには、新築時における省エネ設備の導入だけでなく、竣工後の日常的な運用管理が大きな役割を担います。このため、NTT都市開発グループは、保有するビルの詳細な現状把握をもとに、エネルギー管理の向上を通じた省エネ・CO2排出量削減の取り組みを進めています。
その取り組みの中核となるシステムが、ビルの機器・設備などの運転管理によってエネルギー利用を効率化するBEMS(Building and Energy Management System)です。2005年にBEMSの計測値を分析して最適な制御を行うための施策を検討・提案する組織、EMC(EnergyManagement Center)を立ち上げて以来、当社グループやテナント様に対しエネルギーの効率的な使用を提案するとともに、建物負荷にベストマッチさせるチューニングなどを実施しています。
EMCでの解析結果は、手法として体系化し、2008年より空気調和・衛生工学会において継続的に論文を発表しています。また、そこから見出された施策はそのほかのビルにも展開し、省エネ・CO2排出量削減とエネルギーコスト削減につなげています。なお、現在、当社グループが保有する全国100ヵ所を超えるビルのうち、大規模な12物件でBEMSを導入しています。
さらに近年では、さらなる省エネ・CO2排出量削減のために、ビルオーナーとしての取り組みだけでなく、テナント様との連携による行動を進めていく必要性がこれまで以上に高まっています。そこで、2010年度から、東京都の環境確保条例に該当する大規模事業所では、テナント様も参加する連絡会議をスタートさせ、省エネ・CO2排出量削減施策の協議を進めています。
アーバンネット神田ビル
近年のビル開発では、計画段階から徹底した温暖化対策が求められています。NTT都市開発では、2012年7月竣工予定のアーバンネット神田ビル(東京都千代田区)において、従来にない省エネ性能を実現するため、LED照明の採用をはじめ、自動調光システムの導入、高性能ガラスによる断熱性の確保、共用部の補助電源としての太陽光発電装置の導入など、幅広い対策を実施しました。設計当初はERR(注)で約30%を目標としていましたが、竣工に向けて40〜 50%という、より高いレベルをめざしています。