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研究員紹介

上席特別研究員:高村 誠之
上席特別研究員:高村 誠之
上席特別研究員
高村 誠之Seishi Takamura

映像圧縮技術を2つのアプローチから探求

私が主に取り組んでいるのは、「実体マイニング符号化」および「進化的映像符号化」という映像圧縮技術分野での研究です。「符号化」とは、データ伝送時にトラフィックの負荷を低減するために映像を圧縮することですが、そうした符号化技術の中でも、映像に写るものの本質を追求しようとする手法が「実体マイニング符号化」です。すべてのピクセルを忠実に送り出すのではなく、私たちが現実に視覚で捉えている素材や物体の状態をリアルに感じられるように情報を抜き出し、より少ないデータ伝送で本物に迫る映像を再現します。

もうひとつの「進化的映像符号化」は、人の手を介さず、コンピュータが試行錯誤しながらアルゴリズムを生物のように進化させていく技術です。

物事の真理にたどり着きたい

研究者として、「物事の真理にたどり着きたい」という思いがあります。高校生の頃コンピュータサークルに入っていたのですが、友達が作ったプログラムのほうが私のものより断然処理速度が速く、「アルゴリズムひとつでこんなに違うのか」と衝撃を受けました。後になって、そのアルゴリズムは古代ギリシア時代に考え出されたものだということ、それはいまだに世界最速のアルゴリズムだということを知り、真理に到達していればその技術は古くならないのだということも驚きでした。その原体験が研究者を志したきっかけだったのかもしれませんし、研究のモチベーションになっているともいえますね。

研究者として、目的や動機を持って取り組むことは大事だと思いますが、さまざまな人や仕事と向き合う中で、打算的になってはいけないと思っています。何がきっかけとなり自分の研究を飛躍させるかは本当に分かりませんので、常にオープンマインドで双方向のコミュニケーションをとるよう、日々心がけています。

圧縮前の元画像よりも被写体をよりリアルに見せる「実体マイニング符号化」の技術
圧縮前の元画像よりも被写体をよりリアルに見せる「実体マイニング符号化」の技術

基礎研究と開発の絶妙なバランスがある

多くの研究所はResearch(研究)とDevelopment(開発)の比率がどちらかに寄っていることが多いのですが、メディアインテリジェンス研究所(以下、MD研)はそのバランスがちょうどいいと思っています。はじめは基礎研究をやりたくてMD研に入ってきた研究者でも、事業会社に出向したり、より現場に近いところに異動して商品やサービスの開発に触れたりして、開発の面白さに目覚めたという人もたくさんいます。大学時代の研究にとらわれず色んなことに挑戦したいという研究者に、MD研は向いていると思いますね。専門知識という太い幹からたくさんの枝葉を茂らせることができる環境を備えています。

また、NTTグループの一員として、学会や社外の研究者の集まりなどで気軽に話を聞いてもらえたり、ネットワークを作りやすいという面もあります。海外で学べるチャンスもあり、周囲に優秀な研究者も多いので、刺激的な職場であるといえるでしょう。

標準化への困難な道のりに挑む

「できないと思われていること」への取り組みに、やりがいを感じます。米国スタンフォード大学に留学していたとき、画像圧縮の権威の担当教授に「“不可能と思われること”を目標にしなさい」と言われ、ハッとしたことを覚えています。それが念頭にあったので、圧縮伝送して元画像よりも本物に近づけるという「実体マイニング符号化」や、コンピュータ自体にアルゴリズムを作らせる「進化的符号化」という、十数年前には不可能と思われていた技術開発に挑戦し、実現できたのだと思います。

次の目標としては、これらの技術をJPEGやMPEGのように規格として標準化することです。道のりは長く、ハードルも高いのですが、だからこそやりがいを感じます。映像が使うデータ容量は年々増大していますので、そうした環境のなかで1パーセントでも圧縮率が向上すれば、それだけでトラフィックに大きなインパクトを与えられます。そして将来、少しでも人々の生活を快適にすることに貢献できれば、研究者としてこれほどうれしいことはありません。

メディアインテリジェンス研究所 上席特別研究員
高村 誠之 Seishi Takamura

プロフィール
1991年東京大学工学部電子工学科卒業、1993年同大学大学院工学系研究科電子工学専攻修士課程修了、 1996年同 博士課程修了、博士(工学)。
同年NTTヒューマンインタフェース研究所入社。スタンフォード大学客員研究員(2005-2006)などを経て、2008年NTTサイバースペース研究所(現メディアインテリジェンス研究所)主幹研究員、2009年特別研究員、2016年上席特別研究員。

メディアインテリジェンス研究所
上席特別研究員
高村 誠之 Seishi Takamura

プロフィール
1991年東京大学工学部電子工学科卒業、1993年同大学大学院工学系研究科電子工学専攻修士課程修了、 1996年同 博士課程修了、博士(工学)。
同年NTTヒューマンインタフェース研究所入社。スタンフォード大学客員研究員(2005-2006)などを経て、2008年NTTサイバースペース研究所(現メディアインテリジェンス研究所)主幹研究員、2009年特別研究員、2016年上席特別研究員。

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