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NTT Network Innovation Laboratories NTT未来ねっと研究所

組織紹介

ユーザセントリックワイヤレスシステム技術

●どんな技術?

 ソフトウェア無線機とは、プログラマブルな信号処理デバイス、周波数を変更可能なマルチバンドRF回路、マルチバンドアンテナを用いて構成することによって、パソコンのようにソフトウェアを書き換えるだけで、さまざまなサービス・システムに柔軟に対応できる無線機です。未来ねっと研究所では、世界に先駆け、1台の無線機でパソコンのようにソフトウェアを書き換えるだけで、PHSにも無線LANにも変幻自在に対応できるソフトウェア無線機を試作しました。また、ソフトウェア無線携帯端末の実現を目指し、高い信号処理能力と低消費電力を両立するリコンフィギュラブルプロセッサの検討を行い、世界に先駆け、適用見通しを得ました。現在、これらの技術をさらに発展させ、将来の移動通信・ユビキタスネットワークへの応用を目指した、自律適応型ネットワークシステム構成技術および、究極の通信リソース・周波数有効利用や、ロバストな通信、高度なシームレス通信を実現するコグニティブ無線技術の研究開発を推進しています。
現在、これらの技術をさらに発展させ、将来の移動通信・ユビキタスネットワークへの応用を目指した自律適応型ネットワークシステム構成技術および究極の通信リソース・周波数有効利用や、ロバストな通信、高度なシームレス通信を実現するコグニティブ無線技術の研究開発を推進しています。

図1 ソフトウェア無線機 概念図

●ここが骨太!

 ソフトウェア無線携帯端末を実現するためには、信号処理部の小型化・低消費電力化と高速化、マルチバンドRF部の小形化・低消費電力化と広帯域・高線形化が特に重要なカギとなります(図1参照)。信号処理部については、新しいアーキテクチャとしてプログラマブルプロセッサの適用性を検討し、評価用の試作機によって54Mbit/sの速度の無線LANに対しても十分な処理能力があることを世界に先駆けて実証しました(図2参照)。マルチバンドRF部については、広帯域なモノリシックマイクロ波IC(MMIC)回路の設計・試作を行い、世界でトップレベルの広帯域性能を有したマルチバンドMMICを実現しています。特に、キーデバイスである低雑音増幅器(LNA)については、トランジスタと受動素子からなる新しいバイアス回路を考案し、従来技術では実現されていなかった、「広帯域性能」と「高い線形性」を両立する低雑音増幅器を実現しています。また、RF-MEMS技術を用いた、超広帯域電圧制御発振器(VCO)の研究も進めています(図3参照)。

図2 研究開発の流れ
図3 マルチバンドMMIC

●どんな未来?

 さまざまな無線システムが混在する将来の移動通信およびユビキタスネットワークにおいて、柔軟な無線サービスや無線アクセスが可能になります。無線端末や基地局は、通信状況を認識し、自律適応的に最適な機器構成・通信方式・周波数を用い、ユーザのニーズや通信リソース・周波数の有効利用に最も適した通信を行います。無線端末はソフトウェアを変更するだけで、2G・3G・3.5G・4Gなどのさまざまなセルラ方式やWiMAX・無線LANなどにも対応可能となり、また、ITSやRFID用の無線機にも変幻自在に生まれ変わります。さらにサービスの追加や削除もソフトウェアを変更するだけで容易に行うことができ、サービスが変わるたびに端末の買い換えや機種変更を行う必要がなくなります。ソフトウェアのダウンロードは、ユーザが居ながらにして、無線回線を介して行うことも可能となります。海外に出かける時も、必要なソフトウェアを読み込むだけで異国の無線システムを 利用することができます(図4参照)。

図4 サービスイメージ

●アクティビティ

<論文・国際会議>

K. Akabane, H. Shiba, M. Matsui, and K. Uehara, “Performance Evaluation of an Autonomous Adaptive Base Station that Supports Multiple Wireless Network Systems,” IEICE Transactions on Communications, vol. E91-B, no. 1, pp. 22-28, Jan. 2008.

M. Kawashima, Y. Yamaguchi, K. Nishikawa, and K. Uehara, “Broadband Low Noise Amplifier with High Linearity for Software-Defined Radios,” in Proc. European Microwave Week Conference 2007, pp. 243-246, Oct. 2007.

M. Kawashima, Y. Yamaguchi, K. Kuwabara, N. Sato, K. Machida, and K. Uehara, “A Dual-Band VCO Integrated with RF-MEMS Switches and Inductors,” Proc. of European Microwave Conference 2006, pp. 795-798, Sep. 2006.

K. Akabane, H. Shiba, M. Matsui, K. Kobayashi, and K. Araki, “Design and Performance Evaluation of IEEE 802.11a SDR Software Implemented on a Reconfigurable Processor,” IEICE Transactions on Communications, vol. E88-B, no. 11, pp. 4163-4169, Nov. 2005.

T. Shono, Y. Shirato, H. Shiba, K. Uehara, K. Araki, and M. Umehira, “IEEE 802.11 Wireless LAN Implemented on Software Defined Radio with Hybrid Programmable Architecture,” IEEE Transactions on Wireless Communications, vol. 4, no. 5, pp. 2299-2308, Sep. 2005.

川島宗也, 西川健二郎, 中川匡夫, 荒木克彦,“FETバイアス制御整合回路を用いたマルチバンド増幅器,” 電子情報通信学会論文誌, Vol. J87-C, No. 1, pp. 54-60, Jan. 2004.

K. Uehara, K. Araki, and M. Umehira, “Trends in Research and Development of Software Defined Radio,” NTT Technical Review, Vol. 1, No. 4, pp. 10-14, 2003.

H. Shiba, T. Shono, Y. Shirato, I. Toyoda, K. Uehara, and M. Umehira, “Software Defined Radio Prototype for PHS and IEEE802.11 Wireless LAN,” IEICE Transactions on Communications, Vol. E-85-B, No. 12, pp. 2694-2702, Dec. 2002.

M. Kawashima, T. Nakagawa, H. Hayashi, K. Nishikawa, and K. Araki, “A 0.9-2.6 GHz Broadband RF Front-End Chip-Set with a Direct Conversion Architecture,” IEICE Transactions on Communications, vol. E-85-B, no. 12, pp. 2732-2740, Dec. 2002.

上原一浩,鈴木康夫, 芝宏礼, 田中裕之, 淺井裕介, 庄納崇, 久保田周治,“マルチプロセッサ・アーキテクチャを用いたソフトウェア無線機における全二重リアルタイム通信を実現するためのソフトウェアの設計と評価,” 電子情報通信学会論文誌, vol. J84-B, no. 7, pp. 1208-1215, July 2001.

Y. Suzuki, K. Uehara, M. Nakatsugawa, Y. Shirato, and S. Kubota, “Software Radio Base and Personal Station Prototypes,” IEICE Transactions on Communications, vol. E83-B, pp. 1261-1268, June 2000.

<ニュースリリース>

2001年11月26日 NTTニュースリリース、PHSから無線LANまで異なる無線方式に対応できるソフトウェア無線機を開発

<本>

阪田史郎, 嶋本薫 編著, “無線通信技術大全(関連部分:第5章 誤り訂正方式,
第19章 ソフトウェア無線),” リックテレコム, ISBN978-4-89797-690-7, 2007.

中嶋信生 編, “新世代ワイヤレス技術(関連部分:第2章 ソフトウェア無線) ,” 丸善,
ISBN4-621-07364-8, 2004.

<表彰>

2003年3月17日 第18回電気通信普及財団賞(テレコムシステム技術賞) 「Software Defined Radio Prototype for PHS and IEEE 802.11 Wireless LAN」

2002年11月1日 第1回YRPアワード(YRP賞) 「ソフトウェア無線技術のプロトタイプ開発による実証」

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