News Release


平成12年2月28日

日本電信電話株式会社


ビジュアルコンテンツの価値を高めるアーカイビング技術を開発
-「デジタルミュージアム2000」に技術提供し、評価を開始-


 NTTは、インターネット経由でコンテンツ配信サービスを実現する研究開発を進めており、この度、写真・絵画・映像等のビジュアルコンテンツの流通を一層普及させるため、コンテンツの色を正しく再現する「色補正技術」の開発と、映像コンテンツの扱い易さを向上させる「映像インデクシング技術」の拡充により、総合的なビジュアルコンテンツアーカイビング技術を開発いたしました。

 NTTは、今回開発した技術を、3月1日〜4月28日まで東京大学総合研究博物館と国立歴史民俗博物館が共催する「デジタルミュージアム2000」に提供し、その有効性を評価、検証いたします。


<技術のポイント>

1. 色補正技術

 色補正技術は、ビジュアルコンテンツのアーカイブへの蓄積や閲覧時に、コンテンツ本来の色に補正する技術です。本技術では、コンテンツ制作に使用するデジタルカメラやスキャナの特性をニューラルネット(※1)に学習させ、入出力機器ごとに異なる色ずれの特性を補正いたします。ニューラルネットでの学習が終わると、画像中の任意の色が補正可能となります。また、コンテンツ利用者側においても、モニタの特性と照明光の影響などの使用環境をニューラルネットに学習させ、色補正を行います。本技術によって、種々のカラー入出力機器の色補正に適用可能で、従来技術と比較して色ずれを半減させることが可能となりました。学術的資料や電子カタログなど、正確な色の再現が必要なコンテンツを流通させる際に重要な役割を果たします。


2.映像インデクシング技術

 映像インデクシング技術は、映像から画面が切り替わるカット点、カメラの左右等の動き、テロップ、音楽、人の声を自動検出して映像カタログを作成する技術です。この映像カタログは、映像コンテンツから見たい部分を探す際に威力を発揮し、制作者と利用者の両者が使い易い映像コンテンツ提供サービスを実現いたします。

 NTTは、既に、映像のカット点やテロップなどの変化点を検出・表示する技術を確立してまいりました。今回、映像からズーム、パン、チルト(※2) といったカメラの動きを自動的に検出して映像カタログを作成すると共に、その時点からの映像をつなぎ合わせてパノラマ画像を作成する機能を開発いたしました。この技術では、作成したパノラマ画像にカメラワークを表示することができるため、利用者は、制作者の作成意図を理解することができます。また、映像中の音楽と人の声をそれぞれに検出してカタログ化する機能を開発したことによって、映像からBGMなどの音楽があるシーンやナレーションのあるシーンだけを抜き出して見ることが可能になります。


<今後の展開>

 「デジタルミュージアム2000 」では、学問的に貴重な1,000枚におよぶ縄文時代の土器・土偶のデジタル静止画と、関連する資料映像のネットワークによる流通が試みられます。

 NTTは、この「デジタルミュージアム2000」において、今回開発したビジュアルコンテンツアーカイビング技術と、コンテンツの正当性を証明する情報をコンテンツIDフォーラム(cIDf)準拠の「コンテンツID」データ形式で埋め込む'電子透かし'と、対話的に映像を再生する'サイバーコースター'の各技術の有効性を評価、検証いたします。

デジタルミュージアム2000  http://www.um.u-tokyo.ac.jp/


<用語の解説>
※1: ニューラルネット(人工神経回路網)
脳をモデル化した人工神経回路で、学習によってパターン認識が可能。

※2: 

パン、チルト
カメラ位置を固定したまま、左右(パン)、上下(チルト)に振るカメラ操作のこと。
   



別紙
ビジュアルコンテンツアーカイビング技術
映像インデクシング技術による映像カタログ表示例




<本件に関する問い合わせ先>
NTTサイバーコミュニケーション総合研究所
情報戦略担当 萩野、坂本
電話 :0468-59-2032
e-mail:ckoho@tamail.rdc.ntt.co.jp



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