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平成12年3月27日 | |
日本電信電話株式会社 | |
「各地の花粉飛散量を予測できる」花粉予報システムを開発 −システムの実証実験を山形県で開始− | |
NTTでは、平成12年3月から6月まで、花粉予報システムのプロトタイプによるフィールド実証実験を山形県内で開始します。 この花粉予報システムは、NTTが推進する生活環境情報流通ネットワーク(図-1)の一環として開発したものです。 本システムでは、杉花粉発生源に多数設置した花粉センサを用いて、花粉飛散量を自動計測した後、ネットワーク経由でリアルタイムに集計し、気象情報と合わせてシミュレーションを行い予報を出します。従来の花粉予報が、生活圏における花粉飛散量を少ない観測地点数で人手によって計測していたのに対し、より早くより正確な花粉予報を提供することが可能になります。 NTTでは、本実証実験を通じたプロトタイプシステムの評価と同時に、今後はシミュレーション手法の改良や気象センサとの連動等の研究を進め、予報精度の向上を目指していきます。 ○実験開始の背景 近年、杉の花粉症の患者数は激増を続けています。ある医療機関の花粉症情報のホームページには今年だけで既に10万件以上のアクセスがあり、日本人の10人に1人が花粉症に悩んでいると言われる程の社会問題となっています。 これらの花粉症患者のために、花粉の飛散量をお知らせする「花粉予報」というサービスが提供されていますが、従来の「花粉予報」は、花粉症患者が生活する場所で人手で計測された花粉数に基づいて予報を行っていました。この為、「発生源から数時間で生活圏に到達する花粉量を予測するのは時間的に困難」「花粉飛散量の計測点が少ないためにきめ細やかな予報が出しにくい」「予報の精度は予報官の経験に依存する」等の問題がありました。 NTTでは、水質や大気などの自然情報、産業廃棄物情報、家庭からのリサイクル情報などを通信ネットワーク、人的ネットワークを介して収集し、環境情報の共有と公開、環境教育/研究の支援、ゼロエミッションの推進を図る生活環境情報流通システムの構築を進めてきました。そして今回、花粉情報も社会に貢献できる情報であると判断し、その予報システムのプロトタイプの開発と実証実験を開始しました。 ○実験の詳細 今回の実験では、山形県内の山辺、上山、蔵王、新庄のNTT局舎と、山形市内の衛生研究所に花粉センサを設置し、各観測点のセンサからネットワーク経由で神奈川県厚木市のNTT生活環境研究所に収集される花粉飛散量のリアルタイムデータと、山形県の気象情報を合わせてコンピュータでシミュレートし、主に山形市内の花粉予報を提供します(図-2)。 花粉センサ(図-3)は、空気中の花粉などの浮遊粒子をファン吸気で光学式ダストカウンタに導き、花粉によって散乱される光の強さを検出して花粉数をカウントします。花粉より大きい粒子は重力による沈降でカウンタ外へ出てしまい、花粉より小さい粒子は散乱光が弱いためにカウントから排除する事が可能です。本予報システムは生活地域ではなく、花粉発生地域にセンサを設置することで、ディーゼル排気ガスなどの花粉計測上雑音となる浮遊粒子の影響がなくなるため、センサ構造の簡略化にともなう低コスト化も可能となります。 花粉飛散量のシミュレーションは、花粉発生源の花粉飛散量と気温、風の向きと強さ、気圧、前線などの気象情報を元に行われます。気温の高低は花粉の発生量に影響を与え、風の向きや強さは花粉を輸送するためには重要な要素です。実証実験では、これに重力による花粉の降下、降雨による影響を考慮した花粉粒子の輸送方程式をコンピュータで解折し、計算値と山形市内で得られる実測値を比較して、シミュレーション精度の向上を図ります。 本実験によって得られた花粉情報はインターネット経由で一般にも公開します。 ○ 今後の展開 NTTでは、本実証実験を通じた花粉予報システムの評価と同時に、シミュレーション手法の改良や気象センサとの連動により花粉予報情報の精度アップを図っていきます。また、他の生活環境情報流通システムとの連携により、住民、企業、行政にとって有用で幅広い生活環境情報を提供し、生活の質的向上に貢献するシステムの研究開発を進めていく予定です。 | |
別紙 ・図1 生活環境情報流通ネットワーク ・図2花粉粒子測定・データ処理の概要 ・図3浮遊花粉粒子の自動測定法 | |
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![]() NTT NEWS RELEASE |