(報道発表資料)
平成12年8月28日
日本電信電話株式会社
沖電気工業株式会社
株式会社富士通研究所


NTT、沖電気、富士通研の共同提案が
マルチメディア符号化国際標準規格「MPEG-4バージョン2」として標準化
〜インターネット・移動体の映像通信の品質が著しく向上〜


 このほど、日本電信電話株式会社(以下NTT、社長:宮津純一郎、本社:東京都千代田区)、沖電気工業株式会社(以下沖電気、社長:篠塚勝正、本社:東京都港区)、および株式会社富士通研究所(以下富士通研究所、社長:藤崎道雄、本社:川崎市中原区)の共同提案「ARTS(Advanced Real Time Simple)プロファイル *1」が、国際標準化機構/国際電気標準化会議(ISO/IEC *2)のマルチメディア符号化規格「MPEG-4バージョン2 *3」のビジュアル部におけるリアルタイム通信向けプロファイルとして、国際標準となりました。



[ARTS(アーツ)プロファイルの概要]
 昨今、様々なネットワークが広がっていく中で、インターネットや移動体通信等を利用した映像サービスが期待を集めています。特に、映像通信を行う際に利用される、映像データを圧縮する技術として、ISO/IECのマルチメディア符号化規格であるMPEG-4が注目されています。

 このたび3社で共同提案し、国際標準となった「ARTSプロファイル」は、このMPEG-4のビジュアル部の中で、自然映像を扱うプロファイルの1つとして規定されました。また、インターネットや移動体通信等を利用したリアルタイム通信向けに特化したプロファイルであり、昨年末に国際標準となった「MPEG-4バージョン1」で既に商品化が進められている「Simpleプロファイル」に比べ、伝送中のエラーに対する強度(エラー耐性)と動きの激しいシーンでの画像品質を更に強化した以下の2つの技術が特徴です。

  (1) NEWPRED(ニュープレッド、添付資料1)
 NTTと沖電気が共同提案したエラー耐性ツールであり、受信端末から送信端末への上りチャネルを利用してエラー状況を送信端末に知らせることにより、高速でエラーを回復します。符号化効率の高いフレーム間符号化 *4を継続したままでエラーを回復できるため、エラーのない状態での品質も「Simpleプロファイル」より高くなります。(一般に、「Simpleプロファイル」では、フレーム内符号化を利用してエラーを回復させているため、エラー回復速度を速くするためには、符号化効率が低くなり画質が低下します。)

  (2)

DRC (動的解像度変換、Dynamic Resolution Conversion、添付資料2)
 富士通研究所が提案した画像品質改善ツールであり、映像の動きの激しさに応じて圧縮伝送時の画面の精細さを適応的に変えることにより、フレームレート(一秒当たりに伝送するコマ数)を安定させます。これにより、例えばスポーツ中継のような動きの激しいシーンでも、ギクシャクした動きにならずに、滑らかで自然な動きを表現できるようになります。


 これら2つの技術内容を持つ「ARTSプロファイル」は、1999年7月に実施された主観評価テストにより、「Simpleプロファイル」と比較して、エラーからの回復速度が極めて速く、10倍のエラー数が発生する環境下でも、同程度の映像品質を提供できること、および、動きの激しいシーンにおいても、滑らかな動きの実現により最大33%の圧縮効率改善と同等の品質の向上が得られることが証明されています。

 すなわち、伝送状態の悪い場合でも映像の乱れが少なく、高い品質を保つことができ、また、動きが大きいシーンに対して、フレーム数を下げることなく動きが滑らかに表示できます。特に、移動中やビルの中などこれまで映像の乱れが大きい状況下にも適用可能となり、映像通信の利用可能範囲が一段と拡大されます。また、伝送エラーによる劣化が大きいとされているスポーツ中継や映画のような動きの激しいコンテンツに対しても、高い品質を提供できるようになります。

 また、「Simpleプロファイル」の最大伝送レートが、384キロビット/秒というやや低い帯域に制限されているのに対し、「ARTSプロファイル」は、最大伝送レートを2メガビット/秒まで拡張しております。この拡張された高い帯域を利用すれば、スポーツ中継や映画のような符号量が多く発生するコンテンツに対しても、より高い品質を安定して提供できるようになり、さまざまな映像サービスにも適用できるようになります。



[今後の展開]
 今後、「ARTSプロファイル」の標準化に伴い、テレビ電話、テレビ会議、遠隔監視などの映像品質が著しく向上するため、リアルタイム通信アプリケーション市場が活性化することが期待されます。



[用語の解説]

1)

プロファイル:
利用できる技術の組合せを規定したものです。

2)

ISO/IEC(International Organization for Standardization / International Electrotechnical Commission):
この組織のサブグループにおいて、MPEGシリーズの審議が進められています。

3)

MPEG-4:
システム部、ビジュアル部、音声部などから構成されるマルチメディア符号化標準であり、ビジュアル部は、低レートから約40メガビット/秒までを対象としています。
尚、MPEG-4バージョン2ビジュアル部の正式名称は、ISO/IEC14496-2:1999/Amd.1:2000です。

4)

フレーム内符号化とフレーム間符号化:
動画像符号化は、対象フレームの情報だけを使用して符号化するフレーム内符号化と、過去のフレームとの差分や動き情報を符号化するフレーム間符号化に分類されます。一般に、フレーム間符号化は、フレーム内符号化と比較して符号化効率が高くなります。

以上



添付資料1 NEWPREDの説明図
添付資料2 動的解像度変換方式について




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NTTサイバーコミュニケーション総合研究所 情報戦略担当 坂本 電話:0468-59-2032
沖電気工業株式会社 広報部 宮腰 電話:03-3580-8950
富士通株式会社 広報室 尾崎 電話:03-3216-7952



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