News Release


2000年11月28日

光の需要開拓を目指したマーケットクリエーション活動

- 社外パートナーを募ってビジネス開拓、サービス基盤はR&Dが総力を結集して開発 -


はじめに

 NTTは、従来の電話中心の事業からマルチメディア時代の情報流通事業への変革を目指し、新たな事業の開拓に取り組んできました。一方、市場においても、インターネットの爆発的な普及に伴い、米国をはじめとしたネットワークのブロードバンド化が急速に進行し、ついにマルチメディア(現在の言葉ではIT)社会が具現化しつつあります。これらの状況を踏まえ、21世紀の本格的なブロードバンドとして期待される「光」を中心としたサービスビジョンを明確にし、光の需要開拓、市場創造に向けて、パートナーと連携したビジネス開拓およびその実現のためのサービス基盤開発に対する取り組みについて述べます。


1.ブロードバンドサービスに向けた動向と取り組み

 将来、遅くとも2010年頃までには、インターネットによるバーチャルな世界とリアルの世界の結びつきはより強くなり、さまざまな機械や物までもがインターネットに繋がるとともに、バーチャルな情報も、よりリアル性を帯びたものになると考えられます。このような時代にあっては、バーチャルな世界の情報がリアルな世界の環境となり、新しい文化、社会が形成されるようになると考えられます。
 NTTは、こうした環境の実現に向けてネットワークのブロードバンド化を推進します。インターネットのブロードバンド化に向けて、米国を中心にDSLやCATVで十分という声もありますが、NTTが考えるブロードバンドは数Mbit/sのレベルではなく、最低でも、日ごろ見なれた放送品質映像をストレスなくやり取りできるレベルでなければならず、これは光でないと達成できません。
 本年12月からは、いよいよ、NTT東西が、東京23区および大阪市内の一部地域で、最大10Mbit/sの高速光インターネット接続試験サービスを開始する予定です。この試験サービスは、96年発表のメガメディア構想(2005年に10メガ、1秒、1万円)を5年前倒ししたものです。本年5月には、既に金沢などでワイドLANサービスを開始しており、2000年は、NTTにとって「光元年」として、今後、光ネットワークサービスを語る上で記念すべき年と言えます。
 一方、競合各社もビル直収サービスを始めるなど、光の競争はすでに始まっています。NTTは需要のあるところから光を張るのが原則と考えていますが、競争の中でインフラを整備するには、自ら需要を開拓しながら整備していく必要があります。
 インフラ以外の分野に目を向けても、コンテンツに関しては、音楽・映像などの多様でリッチなコンテンツが流通し、プラットフォーム関連でも、インタラクティブTVプラットフォーム、ブロードバンドポータルが登場するなど、広帯域サービスに向けた事業が急拡大しています。また、端末・家電分野でも、ホームゲートウェイや大容量を扱うゲーム機など、ブロードバンドサービスを指向した機器が出現しています。
 今後は、こうした異分野の有望なパートナーと連携し、光の時代に則したビジネスモデルを実現することによって光によるアプリケーションの需要開拓を行っていきます。この需要開拓の取り組みが新規の需要や需要拡大を生み、需要がインフラを増強し、その結果さらに需要が増すというポジティブループが回っていくことが期待できます。


2.光ソフトサービス基盤の開発

 光の時代においては、ネットワークサービスは単なる価格競争からネットワークを利用したサービス競争へと移行していきます。そこで、今後NTTは、光ネットワークの「高速&広帯域」、「双方向」、「複合メディア融合」といった特長を活かしたサービスを提供すべく、付加価値サービスを実現するためのサービス基盤を構築し、光ならではの超高速ダウンロードや高品質映像配信などのリッチコンテンツの流通、および新たなネットビジネスツールなどのアプリケーションの創造を推進します。NTTでは、こうした光ネットワークの特長を活用した情報流通サービスを「光ソフトサービス」、その基盤を「光ソフトサービス基盤」と呼んでいます。
 NTTは、光ソフトサービスの提供に向け、従来よりブロードバンド時代の需要を見越して先行投資を進めてきた光ネットワークへ魂を吹き込むべく、関連R&D部門を結集し、最重点課題として研究開発を進めます。具体的には、光ネットワークに加え、高品質映像を送受してリアリティを伝えたり、ネットワークを安心・安全に利用できるようにする情報流通プラットフォーム、大容量コンテンツの送受信に適した光ネット端末などからなる光ソフトサービス基盤の研究開発を進めるとともに、この基盤上で展開される光ソフトサービス向けアプリケーション、サービスの開発も行います。
 サービス基盤の研究開発にあたっては、光ネットワーク、情報流通プラットフォーム、光ネット端末といった各構成要素を、サービスのカテゴリーにチューンして統合的に捉えた研究開発を進めます。対象とするカテゴリーについては、まずは、サービスのターゲットとして、今後、光化が特に大きなインパクトを与えると考えられる分野を次の3つに分類し、これらを軸に研究開発を推進します。
1) 放送、出版、音楽、娯楽市場等をターゲットとした、ディジタルコンテンツの超配信を実現する「光コンテンツ」
例: 主に 「高速&広帯域」を活かした 個人映像発信、ディジタルシネマ
主に 「複合メディア融合」を活かした
通信・放送融合ハイパーメディア、多視点ライブ 等
2) 流通、物流、金融業界等での利用に向けた、現実のショッピングを超えるeコマースを実現する「光コマース」
例: 主に 「高速&広帯域」を活かした 3D商品閲覧、高精細カタログ
主に 「双方向」を活かした バーチャル試着、店員相談
主に 「複合メディア融合」を活かした インタラクティブCM 等
3) 通信、医療・福祉、環境、公共等での利用に向けた、超臨場感空間を共有する「光コミュニティ」
例: 主に 「高速&広帯域」、「双方向」を活かした
バーチャル二世帯同居、高品質井戸端会議、ネットコンサル、
バーチャルキャンパス 等



3.社外パートナーを募ってのビジネス開拓

 需要開拓にあたり、NTTグループは(事業会社とR&D部門が一体となって)、ビジネスモデルをともに検討できるコンテンツプロバイダやサービスプロバイダ(xSP)、家電メーカー等とパートナーシップを組んで、一般ユーザに対してサービスを提供することを通じてビジネス性の評価をしていきたいと考えています。
 2001年4月には、地域を決めて、高速光インターネット接続試験サービス上に光ソフトサービス基盤を構築し、パートナーに対して、光の需要喚起に向けたビジネス創出の場の提供を計画しています。こうしたパートナーと組んでの市場の開拓を、NTTグループでは、「マーケットクリエーション」と呼んでいます。マーケットクリエーションは実ビジネスを通じての需要開拓であって、従来の、システム検証・機能確認が中心のフィールド実証実験とはアプローチを異にする取り組みです。
 新たな光ソフトビジネス立上げに向けてビジネストライアルをご検討の事業者等の方々には、NTTグループとのパートナーシップのもと、光ソフトサービス基盤をご活用いただきたいと考えています。NTTグループは、場の提供のほか、光ネットワーク利用にあたっての技術支援の面で、パートナーの構想実現をサポートします。
 マーケットクリエーションは、当初、最大10Mbit/sでスタートしますが、近い将来には、パートナーとともに、最大100Mbit/sのアクセスサービスを想定したアプリケーション、ビジネスモデルの構築を進め、NTTグループは一丸となって光ソフトサービスの早期浸透を目指します。
 これまでにも、光ネットワークを用いたビジネス検証実験として、本年5月より、光アクセスと情報家電を用いた地域情報流通ビジネスの開拓を目的とした「FTTH金沢トライアル」を実施しています。また、12月からは、コンテンツ生産者、消費者を含めたビジネスモデルの実地検証を目指す「NTT西日本サイバービジネスワールド(11月27日報道発表)」を開始します。これらは、光ソフトサービスの先導的取り組み例として、今後の本格的なマーケットクリエーションに向けた最初のステップと位置付けられます。


4.光サービスアーキテクチャコンソーシアムへの参加

 本発表に先立って、様々な業界が連携してサービスを構築・提供していくため、サービスアーキテクチャのモデル化を図り、ビジネスルールやシステム間インタフェース仕様の規定を目的とした「光サービスアーキテクチャコンソーシアム(発起人代表:東大安田浩教授)」の発足がアナウンスされました(2001年1月に発足予定)。NTTもこのコンソーシアムの発起人に名を連ねさせていただきましたが、本コンソーシアムを強力に支援し、幅広い業界連携のもと、技術面、サービス企画面でデファクト化を急ぎ、新たなIT産業の立上げに貢献していくとともに、ここで得られた成果を光ソフトサービスの展開に積極的に活用していきます。


おわりに

 NTTは、光ネットワークを用いたIT革命を起こすべく、光ソフトサービス基盤の研究開発、光ソフトサービスの開発・提供を推進し、他の業界や一般ユーザと協力して光の需要開拓・拡大に貢献していきます。



【別紙1】光ソフトサービスのねらい
【別紙2】光の市場開拓(マーケットクリエーション)〜ビジネス創造の場を提供〜
【別紙3】光の市場開拓の進め方
【別紙4】光インフラの需要喚起に向けたNTTの取り組み
【参考1】光コンテンツサービスの例
【参考2】光コマースサービスの例
【参考3】光コミュニティサービスの例




<本件お問合せ先>
   NTT R&D
光ソフトサービス推進プロジェクト 奥・中村
       TEL:0422−59−3504
FAX:0422−59−5583
email:hikari-info@lab.ntt.co.jp


ホームページ:http://www.ntt.co.jp/RD/hikari/
(12月8日公開予定)


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