2000年12月13日 | ||||||||||||||
| (報道発表) | ||||||||||||||
| 日本電信電話株式会社 株式会社荏原製作所 荏原バラード株式会社 | ||||||||||||||
次世代「燃料電池コージェネレーションシステム」のフィールドテストを開始 ―250kWクラスの定置式固体高分子型としてはアジア初― | ||||||||||||||
NTT、荏原製作所および荏原バラードの3社は、次世代の燃料電池として注目される固体高分子型燃料電池を用いたコージェネレーションシステムのフィールドテストを開始します。オフィスビルの発電システムとして有効な250kWクラスの定置式固体高分子型燃料電池ユニット(Ballard Generation Systems Inc.(以下BGS)社製)としては、アジア初のフィールドテストです。 燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する燃料電池は、従来の熱エネルギーを経由する発電方法と比べクリーンで高効率な新エネルギー源として期待されています。たとえば、分散型(局所型)電源として実用化が進められているマイクロガスタービンと比べた場合でも、発生するNOxはマイクロガスタービンより低く、また発電効率も40%程度が期待でき、この規模の熱エネルギーを経由するすべての発電方法を上回っています。 本テストに利用される固体高分子型燃料電池(以下PEFC、*1)は、リン酸型(*2)や固体酸化物型(*3)と比べ作動温度が低く起動/停止の切り替えが容易なことから、自動車の動力源として、あるいはピークカット運転(*4)の求められるオフィスビルの発電システムとして広範な需要が見込まれており、現在稼働中のリン酸型に替わる次世代の燃料電池として注目を集めています。PEFCを用いることにより、従来の分散型電源の発電方法と比べて高効率でクリーンな発電システムが実現できるとともに、自動車に適用できることから量産化が見込め、急激に低コスト化が進むと予測されています。 今回フィールドテストを行う燃料電池コージェネレーションシステムは、BGS社製の都市ガス用定置式250kW型PEFCユニットと、荏原製作所製のPEFC用低温水吸収冷凍機を組み合わせたもので、従来、PEFCでは困難とされた冷房用途でのコージェネレーションに挑戦するものです。また、NTTがリン酸型燃料電池システムの研究開発で培った燃料電池を用いた通信用コージェネレーションシステムの設計・運用ノウハウを盛り込んで経済的な運転モードの開発を行うものです。フィールドテストでは、PEFCの基本性能を検証するとともに、低温水吸収冷凍機および運用制御システムを含めたトータルシステムの検証を行い、高効率のPEFCコージェネレーションシステム構築を目指します。 テスト結果をもとに、NTTは運用ノウハウを活かした分散型電源としての利用拡大により電力自給率向上を、荏原製作所はトータルシステムの開発販売を、荏原バラードは商用PEFCの製造販売を、それぞれ図っていく予定です。 <フィールドテスト概要> (実施目的) NTT武蔵野研究開発センター内に設置した燃料電池コージェネレーションシステム(BGS社製の都市ガス用定置式250kW型PEFCユニットと、荏原製作所製のPEFC用低温水吸収冷凍機を組み合わせたシステム)を運用し、トータルな検証を行い、もってクリーンかつ高効率のPEFCコージェネレーションシステム構築を目指します。 (実施期間) 2000年12月より約2年間 (実施場所) NTT武蔵野研究開発センター(東京都武蔵野市) (実施主体と役割)
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<共同研究の背景> (NTT) NTTグループでは、情報流通社会の進展による電力エネルギー消費量の増大を抑え、地球環境保護へ貢献するため、抜本的なエネルギー改革に取り組むトータルパワー改革(TPR)運動を1997年より展開しています。その活動のひとつに、クリーンなエネルギー源を用いた電力自給率向上があり、今回の共同研究はその一環として燃料電池コージェネレーションの運用技術、低温熱利用技術の確立を目指すものです。 (荏原製作所) 荏原製作所は、従来から、吸収冷凍機を用いたコージェネレーションシステムの開発・実証、あるいは、下水道処理技術、廃棄物処理技術を活用したメタンガス利用の発電システム開発など、環境共生(ゼロエミッション)型社会の構築に必要な技術とシステムの開発に総合的に取り組んできました。今回の共同研究では、荏原製作所が新開発したPEFC用低温水吸収冷凍機をコージェネレーションシステムとして提供しています。 (荏原バラード) 荏原バラードは、荏原製作所とBGS社の合弁会社として、BGS社の開発した燃料電池ユニットの日本向け製造販売を手がけています。今回の共同研究ではBGS社製PEFCを提供しています。 <BGS社製のPEFCについて> (BGS社:Ballard Generation Systems Inc.) BGS社は、PEFCの開発製造における世界的リーディングカンパニーであるBPS社(Ballard Power Systems Inc.)製PEFCの定置式発電ユニット商品化のために設立された会社です。株主は、BPS社のほか、米国のGPUインターナショナル社、フランスのアルストーム社、そして荏原製作所です。 (BGS社のPEFCユニット) 今回使用するBGS社の250kW型PEFCユニットはフィールドテスト機の4号機になります。ちなみに、1号機は米国のシナジー社が、2、3号機はヨーロッパのアルストーム社が導入しています。 <用語解説> *1 固体高分子型燃料電池(PEFC) : Polymer Electrolyte Fuel Cell 電解質(燃料極と空気極の間にあってイオンのみを通過させる)に高分子膜を利用。発電効率40〜50%。作動温度80℃。作動温度が低いため、起動停止特性に優れる、使用材料の制約が少ない、ポータブル型も可能といった特徴を有する。自動車用として研究開発が活発化。そのため量産効果による急激なコスト低減の可能性がある。 *2 リン酸型燃料電池(PAFC) : Phosphoric Acid Fuel Cell 電解質にリン酸溶液を利用。発電効率40%。作動温度200℃。世界で100台以上のシステムが稼働中。価格低減が最大の課題。 *3 固体酸化物型燃料電池(SOFC) : Solid Oxide Fuel Cell 電解質にセラミックを利用。発電効率50%。作動温度1000℃。高温のため熱利用が容易で高効率。 *4 ピークカット運転 ビルなどへの電力供給にあたって、電力使用量の多いときにのみ運転する方法。一方、出力を終日一定させる運転方法をベースロード運転という。 | ||||||||||||||
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![]() NTT NEWS RELEASE |