2001年1月19日
(報道発表)
日本電信電話株式会社
財団法人日本気象協会



首都圏で花粉予報サービスの検証実験を開始
−環境ITによる快適生活情報サービス開発の一環として−


 NTTと日本気象協会は共同で花粉予報システムの予報精度を検証するためのフィールド実験を平成13年1月から首都圏で開始します。
 NTTでは、従来、人手によって計測された花粉飛散数に基づき半経験的に行われていた花粉予報に代わり、花粉の発生源に配置したセンサで花粉数を計測し、この計測値と気象条件から計算機シミュレーションにより、迅速で正確な花粉予報を様々なメディアで提供するサービスの開発を進めてきました。平成12年3月から6月にかけて山形県内で実施したフィールド実験では、その第一ステップとして、主にNTTが開発した花粉センサによる測定精度と、本センサを用いたセンシングネットワークシステムのオンライン計測機能を検証してきました。
 今回の共同実験は本システムの実用化に向けた次のステップとして、予測技術の改良およびシミュレーションによる予測精度の検証を行います。また、併せて花粉情報の医療機関における活用法についても検討します。実験は山形エリアの4.3倍の面積があり、花粉症患者が最も多い首都圏エリアに、山形県の実験において設置したセンサの3倍となる15箇所にセンサを設置して実施します。NTTは花粉センシングネットワークシステムと各種メディアを活用した花粉情報(現況及び予報)の配信方法の検証を担当し、日本気象協会はNTTの花粉センシングネットワークシステムによる花粉計測値と気象庁から提供される気象データから生活圏に到達する花粉量を予測するシミュレーションの精度検証を主に担当します。

○背景とこれまでの経緯
 統計によれば、スギ花粉症の患者数は全国平均で10人に1人、大きな都市部ではさらに多く5人に1人と言われており、大きな社会問題となっています。そのため、従来も'花粉予報'というサービスが提供されています。
 しかしこれまでの花粉予報は、ダーラム法と呼ばれる手法で1日かけて収集した花粉を、顕微鏡を使って目視計測し、この計測値に気象条件を加味して半経験的に予報を行うというものでした。このため (1)花粉飛散量計測に多くの労力が必要で計測データ数も不十分 (2)発生源から数時間で生活圏に到達する花粉量を予測するのは困難 (3)予報の精度は予報官の経験に依存する、などの問題がありました。このうち(1)の問題については、NTTで開発した花粉センサをネットワーク化することにより、発生源での花粉数をオンライン計測し解決できることを山形県における実験で確認しました。今回の実験では、生活圏にも同様の花粉センサを設置し、発生源に設置された花粉センサでリアルタイムに計測されたデータと風速・風向などの気象条件から、花粉がどのように発生源から生活圏に飛散するかを求めるコンピュータシミュレーションの精度を検証します。実験は気象協会の有する気象予報技術とNTTが有するネットワーク技術/センシング技術を相互に活かすために、共同研究という形で実施します。

○実験の詳細
 首都圏の生活圏に飛散してくるスギ花粉の発生源は、関東平野を取り囲む伊豆、丹沢、秩父、房総などに分布するスギ林です。花粉センサは、これらの花粉発生源近傍、および品川などの都市部にあるNTT局舎や病院等、合計15箇所に設置してあります。これらの花粉センサで計測された飛散花粉量データは1時間おきに積算され、オンラインで厚木市にあるNTT生活環境研究所、および池袋にある日本気象協会に送られます。予報は、花粉がスギ林などで発生し、風により飛散し、地表付近に運ばれてくる一連の過程を計算する花粉飛散量数値予報モデルを用いて行います。具体的には、花粉発生源での花粉飛散量と気温、風の向きと強さ、気圧、前線などの気象情報をもとに、コンピュータシミュレーションによって花粉飛散状況をきめ細かに予測します。また、このシミュレーション結果と都市部で得られる実測値を比較して計算モデルを補正することによって、予測精度の検証と予測技術の高度化を図ります。
 花粉センサによる計測データ(現況値)は1月20日から、予報値は花粉飛散量がピークを迎える3月1日から、以下のURLで一般にも公開する予定です。
   iモード: http://www.env-unet.ocn.ne.jp/pollen/
   インターネット: http://www.env-unet.ocn.ne.jp/web/pollen/
 なお、今回の実験では予報精度の検証だけでなく、文部科学省のプロジェクト「スギ花粉症克服に向けた総合研究」の一環として、東邦大や慈恵医大を初めとする花粉症の治療・研究機関の協力を得て、本実験システムで得られた花粉飛散量と花粉症患者の症状との関連性など臨床データも収集し、本システムで提供する花粉情報の医療機関側における活用法についても検討します。




<本件に関する問い合わせ先>
NTT先端技術総合研究所 企画部 
 相原、活田、佐々木
 Tel:046-240-5152
 E-mail:st-josen@tamail.rdc.ntt.co.jp

日本気象協会 気象情報部
 村山
 Tel:03-5958-8188
 E-mail:mu@info.jwa.or.jp



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