2001年8月9日

日本電信電話株式会社
トナミ運輸株式会社


運行計画に基づく指定地での到着・出発・通過の情報を自動発信する
「イベントトリガ型車両運行管理システム」の共同実験を開始


──ITによる運行管理業務の高度化、効率化、低コスト化をめざして──


 日本電信電話株式会社(以下:NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮津純一郎)とトナミ運輸株式会社(以下:トナミ運輸、本社:富山県高岡市、代表取締役社長:南義弘)は、2001年8月から、車両運行管理の高度化、効率化、低コスト化を図る新しい車両運行管理システムを用いた共同実験を開始しました。

 今回の共同実験は、ITS*1における商用車運用効率化の一環として、NTTサービスインテグレーション基盤研究所(略称:NTT−SI研)が試作した「イベントトリガ型車両運行管理システム」をトナミ運輸の実際の運送業務に用いるものです。
 この新システムは、車両の指定地への到着、出発、通過といった“イベント”を車載器が自動検出し、それを“トリガ=契機”として、業務の進捗状況を車両から自動送信する機能を最大の特徴としています。共同実験では、本システムの現場運用を通して、その機能・性能の評価、並びに業務改善、輸送効率向上に関する分析・検討を行います。実験対象として、オールトナミグループの一員である湘南トナミ運輸株式会社(本社:神奈川県海老名市、代表取締役社長:成瀬光哉)の特殊貨物輸送車両と共同配送車両、約10台を利用し、実験期間は2001年8月から2001年9月末までの約60日間を予定しています。


【背景】
 現在、物流業界においては、運送業務の効率化を主な目的として、移動中の車両の位置や作業状況等の情報を無線通信によってサーバに送り、運行業務の進捗状況を把握する車両運行管理システムの導入が進みつつあります。しかし、それらのシステムの多くは、GPS*2受信機で特定した車両の現在位置情報をDoPa網*3等を介してサーバに定期的に送信し、管理側モニターの地図上に表示するものであり【図1参照】、業務の進捗状況を把握するには、運行管理者が運行計画と車両位置を関連づけて推定する必要があります。
 また、精度の高い運行管理を行う場合、短い時間間隔で位置情報を送信しなくてはならず、通信コストが高くなるという難点が指摘されていました。さらに、運転手の作業状況を把握するためには、運転手自らが車載器を操作して作業状況に関する情報を送信する手間が掛かり、確実性の面でも十分とは言えませんでした。


【技術の概要】
 「イベントトリガ型車両運行管理システム」は、GPS受信機内蔵の車載器、iモード携帯電話機、運行計画や地図情報等を管理するサーバ、wwwブラウザ搭載のクライアントPCで構成され、各機器間の通信には移動通信網(iモード網)とインターネットを利用します。実際の運用時には、GPS受信機内蔵の車載器に運行計画に基づく指定地の位置情報をiモードメールによって予め登録しておくことにより、車両が実際に指定地点に到着、出発、通過した際には車載器が自動検出して、イベント及び位置情報をiモード携帯電話機でサーバへ自動送信します【図2参照】。運行管理者はパソコンのwwwブラウザを用いてサーバにアクセスし、各車両の運行状態を表形式の画面で確認することができます【図3参照】。これにより本システムは、1)運行計画に沿った確実な運行管理、2)通信費の削減、3)運転手の操作負担の軽減等を図ります。また、車載器の通信機器にiモード携帯電話機を採用することにより、システム構築の容易性を実現することも目指しています。さらに、サーバに保存されたイベントや位置情報の運行履歴情報を用いて、業務改善及び輸送効率向上に関する分析・検討も行い、情報資産の有効な活用にもつなげていきます。


【今後の展望】 NTT−SI研とトナミ運輸では2001年9月末の実験終了時までに共同で評価結果をまとめ、「イベントトリガ型車両運行管理システム」の利点や課題を明確化し、今後の物流業界における情報通信技術活用の方向性を探る基本技術として発展させていく予定です。





<用語解説>
*1: ITS(Intelligent Transport Systems)
世界各国で開発が進められている高度道路交通システム。人・道路・車両を一体のシステムとして構築し、安全性、輸送効率、快適性の飛躍的な向上を図るとともに、渋滞の低減など交通の円滑化によって環境保全にも役立つシステムを目指している。
*2: GPS(Global Positioning System)
地上2万kmを周回する24個の人工衛星から発信される情報を利用して現在地の緯度・経度を計算する、地球規模の位置測定システム。
*3: DoPa網
NTT DoCoMoが提供するパケット通信(情報をパケット=小包に分割して送信するデータ通信)のサービス網。


イベントトリガ型車両運行管理システム用車載器
イベントトリガ型車両運行管理システム用車載器



図1.従来の車両運行管理システムの例
図2.イベントトリガ型車両運行管理システムの概要
図3.車両運行管理イメージ




【本件についてのお問い合わせ先】
     NTT情報流通基盤総合研究所
     企画部 広報担当 倉嶋 佐野 池田
     TEL:0422-59-3663 FAX:0422-59-5582
E-mail:koho@mail.rdc.ntt.co.jp
    
トナミ運輸株式会社
     営業本部(東京) 渡辺 大平 坂井
     TEL:03-3664-1073 FAX:03-3664-1074
E-mail:y_ohira@tonami.co.jp



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