News Release


2002年4月19日


NTTグループ3ヵ年経営計画(2002〜2004年度)について


 NTTグループは、1994年1月の「マルチメディア基本構想」の公表以来、1997年12月のネットワークのディジタル化完了等を通じて、「電話からインターネットへ」、「固定から移動へ」、「国内から国際へ」の市場構造の変化を先取りして我が国情報通信産業の変革をリードするとともに、再編成を契機として本格的な国際進出を行うことにより、事業のグローバル化に取り組んできました。また、外国人株主を含む一般株主が過半数を超える状況の中で、昨年10月に公表した「当面の経営課題に対するNTTの取り組み」で述べたとおり、持株会社方式によるグループ運営のメリット(注)を活用して機動的・弾力的な事業運営を行うことにより、株主利益を重視した経営に努めてきました。これらの取り組みを通じて、NTTグループは、独占的な電話事業を基盤とした企業から「グローバル情報流通企業」への変革を成し遂げてきました。

 この過程において、IT革命の要請に応えた大幅な料金値下げ等による東西地域会社財務の急激な悪化に対応するため、業務の抜本的なアウトソーシングによる構造改革を実施するとともに、約10万人の人員流動に伴う費用を前倒しで処理することにより、本年5月から新たなグループフォーメーションの下で東西地域会社が自立化できる体制を構築しました。また、世界的なITバブルの崩壊等を背景に海外主要キャリアが軒並みM&Aに伴う巨額の損失を計上する厳しい事業環境の中で、NTTコミュニケーションズ及びNTTドコモの出資先企業の株式価値低下に伴う減損処理を実施しましたが、業績が悪化した米国ヴェリオ社における抜本的な合理化の実施、海外におけるiモードライクサービスの提供開始など、今後ともIP/モバイル分野を中心に国際事業を着実に推進していくための足場固めを行いました。

 一方、NTTグループを取り巻く事業環境は、インターネット市場においては激しい競争が進展する中での本格的なブロードバンド(光)化への対応、移動通信市場においては市場の成熟化が進む中での高速モバイルマルチメディア需要の開拓が求められるなど、新たな局面を迎えています。更に、ブロードバンド化の進展に伴い有線/無線の融合や通信/放送の融合が進展することにより、情報通信をめぐる産業構造自体が大きく変革することが予想されます。このような時代の転換期にあたり、NTTグループは新たな体制の下で、これまで構築してきた光インフラやソフト・サービスに重点を置いた研究開発などの蓄積を基盤に、持株会社方式によるグループ運営のメリットを活用して、ブロードバンド(光)市場を積極的に開拓することにより、我が国のIT革命の推進に貢献しつつ経営基盤の確立を図っていきます。このため、「NTTグループ3ヵ年経営計画(2002〜2004年度)」を策定しました。
    
(注) 持株会社方式によるグループ運営のメリット
<1> 一元的な研究開発体制
<2> 円滑なグループ内人員流動
<3> 市場変化に対応したグループフォーメーションの機動的・弾力的な変更


I .市場環境の変化
    

(1)

 インターネットサービスにおいては、多様な事業者による激しい競争の下でADSLが急速に普及したことにより、2001年度末には、ブロードバンド利用者が約400万(インターネット利用者全体の約20%)に達し、ブロードバンド時代の幕開けと呼ぶに相応しい状況となりました。
 今後は、ブロードバンドの本命である光アクセスサービスへの新規事業者の相次ぐ参入、有線/無線融合によるユビキタス化*1の進展など競争下でのサービス展開が急速に進むとともに、ブロードバンドならではのコンテンツの拡充や利用端末の高度化・多様化が進むことにより、本格的な「ブロードバンド時代」が到来するものと想定されます。

(2)

 移動通信においては、2001年度末には、契約数が約7,500万に達するとともに、ブラウザフォン*2の利用率も約75%に達するなど市場は成熟期に移行しつつあると考えられます。
 今後は、量的拡大が減速する一方で、第3世代携帯電話による高速データ通信サービスの本格提供に伴い、映像配信・情報配信・モバイルEC*3などデータ通信サービスの高度化・多様化が一層進展するものと想定されます。

(3)

 固定電話においては、従来からの移動通信への需要シフトやADSL等定額制サービスの急速な普及に伴うダイヤルアップトラヒックの移行に加え、今後は、ブロードバンドアクセスの普及に伴うVoIP*4サービスの本格化により通話トラヒックそのものがIP通信へ移行し、固定電話市場全体の縮小のスピードが一層加速するものと想定されます。

(4)

 世界の情報通信市場においては、ITバブルの崩壊により、米国では多くの新興事業者が破綻するとともに、欧州では第3世代携帯電話のライセンス料高騰等による負債増加が各事業者の経営を圧迫するなど厳しい経営環境にありますが、今後とも、IP/モバイル事業を中心に各事業者による激しい競争が展開されるものと想定されます。


II .具体的な取り組み

1.ブロードバンド(光)市場を中心とした事業開拓
    
(1)ブロードバンドビジネスの展開
    
<1>グループ総合力を活用したブロードバンド(光)需要の創出
      NTTグループは、これまでも先進的な技術を活かした「マーケットクリエーション活動」に取り組んできましたが、この度、新たに持株会社に「ブロードバンド推進室(仮称)」を設置し、グループ内各社はもとよりグループ外企業との連携を図りつつ、お客様の多様なライフスタイルに合わせたビジュアル・コミュニケーションなどブロードバンド(光)の特徴を活かした利用方法やその具体的効用を広く訴求することにより、ブロードバンド(光)需要を創出していきます。
    
<2>ブロードバンドアクセス事業
    
(i)ブロードバンド(光)アクセスサービスの積極的展開
      東西地域会社は、光アクセスサービスにおける電力会社等との本格的な競争に対応するため、Bフレッツ*5について魅力ある新メニューの提供や戦略的な料金設定を行うとともに、需要が想定されるエリアからピンポイント単位に戦略的施設整備を進め、お客様からの申し込みに即応できるエリアを早期に拡大していきます。
 また、Bフレッツやフレッツ・ADSLの競争力を強化するため、フレッツ系サービスの特徴である地域IP網のネットワーク機能を活用したコンテンツ配信、映像コミュニケーション、CUG*6の拡充などサービス・品質面の強化を図るとともに、サポート体制の充実など信頼性の一層の向上を図ることにより、競合他社との差異化を図っていきます。
    
(ii)無線LANを活用したユビキタスサービスの提供
      NTTグループは、外出時にもブロードバンドアクセス環境を利用したいというニーズの高まりに応えるため、固定系のみならず移動系も含めたグループ各社が各々創意工夫を凝らして、無線LANを活用した有線/無線融合による新たな事業の開拓を進めていきます。その際、グループ各社はネットワーク間のローミング*7やワンストップビリングなどお客様の利便性向上に配意していきます。
    
<3> ネットワーク、プラットフォーム、コンテンツ・アプリケーション事業
    
(i)ブロードバンドサービスの本格展開
      NTTグループは、ブロードバンド(光)アクセスの積極的な展開に合わせ、著作権管理・保護や認証・決済等の自社開発技術を活用しながら、「コンテンツ」、「コマース」、「コミュニケーション」などの豊富な情報が行き交うプラットフォーム*8構築を推進するとともに、多くのコンテンツホルダー*9やビジネスパートナーとの協業により、積極的に事業の拡大を図ります。
 とりわけ、本年4月に全国一斉サービスを開始したNTTブロードバンドイニシアティブ(以下、「NTT-BB」)は、高セキュリティー機能等を有する高品質なコンテンツ配信ネットワーク(CDN)*10を構築して、高画質なコンテンツ配信サービスと、コミュニティの創出・コラボレーションを実現する双方向の映像コミュケーションサービスをブロードバンドポータル事業*11「BROBA」として積極的に展開しつつ、新たなビジネスモデルの開拓を進めていきます。また、グループ各社は、NTT-BBが構築した高品質CDNを各社が展開するプラットフォーム事業の基盤的リソースとして有効に活用していきます。
    
(ii)経営リソースの集中
      ISP事業については、競合他社を含めてサービス内容に差異がなく市場の成熟化に伴い値下げ競争による消耗戦の様相を呈していること、今後拡大が予想されるPtoP通信*12に対応するためには規模の拡大が必要であることなどを踏まえ、現在グループ各社で独自に展開しているサービスを、段階的に統合していきます。
    
<4>ソリューション事業
      ブロードバンドの進展やIT革命による経済・社会構造の変革に伴い、情報システムに対する政府・企業のニーズが一層拡大・多様化しつつある中で、グループ各社はそれぞれが強みとするシステム開発・運用技術やネットワーク技術等を活かし、品質・コスト・スピードを追求することはもとより、安全性・快適性を追求したトータルなソリューションを提供していきます。
    
(2)移動通信事業の展開
    
 NTTドコモグループは、音声からデータへ、量的拡大からサービスの高度化・多様化へという市場構造の変化に対応するため、事業運営の効率化を図りつつ、第3世代携帯電話「FOMA」の特性を活かしたモバイルマルチメディア*13サービスの早期展開に積極的に取り組んでいきます。

<1>FOMAの全国展開
      FOMAについては、サービスエリアを2002年4月の人口カバー率60%から2003年度末には97%にまで拡大するとともに、テレビ電話タイプやPDA*14タイプなど端末の高機能化に合わせて、動画配信や情報配信等のサービスの高度化・多様化を推進していきます。
    
<2> モバイルポータル・プラットフォーム事業、ソリューション事業の拡大
      NTTドコモグループは、FOMAの映像配信プラットフォーム機能を用いたワイヤレスでの映像コミュニケーション市場の早期拡大に取り組むとともに、モバイルマルチメディアサービスの一環として、ITS*15やモバイルECなど異業種企業との連携を通じた新規ビジネスの開拓、法人ユーザ向けソリューション事業の拡大に積極的に取り組みます。
    
(3)VoIP普及を踏まえた固定電話事業の展開
    
<1>固定電話網投資の停止
      音声からデータへの需要シフトに加えて、益々加速する定額制料金の普及・ブロードバンド化の進展により、固定電話の通話トラヒックそのものがIP通信へ移行していくことが必至であることから、固定電話網及び固定電話系オペレーションシステムへの投資を原則停止し、IP網の充実に投資を集中することにより、通話品質の確保など統合に伴う技術的な諸課題を解決しつつ、IP技術によるネットワークの統合化を進めていきます。
    
<2>VoIPへの対応
      NTTグループは、当面のIP電話との単純値下げ競争に対しては、固定電話網コストの徹底した削減により対応していきますが、本格的なIP時代に向けた競争力強化のため、ISPサービスへの音声通話機能の付与や法人向けのIP-VPN*16の提供に積極的に取り組んでいきます。
    
(4)事業領域の拡大
    
 今回の構造改革に伴い設立したアウトソーシング会社を含めた3・4類会社*17は、これまで情報通信の様々な分野で培ってきた専門技能を活かし、新たな事業領域の拡大に積極的に取り組みます。

<1>既存3・4類会社による新たな事業領域の拡大
      NTTコムウェア、NTTソフトウェアなどのソフト関連会社は、これまで情報通信分野で培ってきたソフト開発、システム開発・運用・保守等の専門技能を活かして、ビジネスコンサルティング機能を拡充しながら、従来のSI事業にとどまらず、ASP*18・データセンタなどソフトを中核として顧客企業のIT化ニーズをトータルにサポートするアウトソーシングビジネス、顧客企業とのアライアンスを通じた新たなITビジネスの創出など積極的に一般市場の開拓に取り組みます。
 また、NTTファシリティーズは、電力・建築分野の専門技能を活かして、高信頼電源・空調等の情報環境構築事業やESCO事業*19、オンサイト発電*20事業など環境・エネルギー関連事業を積極的に展開していきます。また、電力市場の自由化の動向を踏まえ、関連会社のエネットは、NTTファシリティーズとのシナジー効果を発揮しつつ電力小売事業を拡大していきます。
    
<2>アウトソーシング会社によるIT周辺ビジネスの積極的な開拓
      設備系、営業系、共通系の各アウトソーシング会社は、それぞれの専門技能(保守、販売、人事・経理)をベースに、地場・業種賃金を反映した賃金水準によるコスト競争力や地域に密着した事業活動などの強みを発揮して、ブロードバンドの進展に伴い顕在化する地域の行政・企業・住民のIT関連ニーズに応えるため、次のとおり、新たな事業開拓に取り組んでいきます。

(i)設備系会社 企業・地方自治体等ユーザシステムの設計・工事・保守
情報機器(PC・ルータ等)のサポートサービス  等
(ii)営業系会社 地域ポータルの販売、地域コンテンツの収集・加工・編集
ITセミナー等の企画・運営、ホームページの作成・運営  等
(iii)共通系会社 給与支払、決算等のアウトソーシングサービス  等
    
(5)ブロードバンド(光)市場開拓のためのR&D推進・強化
    
 NTTは、ブロードバンド(光)市場の開拓に向けて、基礎から実用化までの総合的な研究開発体制の強みを活かし、情報流通サービスの2本柱である「光ソフトサービス*21」及び「ユビキタスサービス」の実現・拡大に向けた研究開発を推進します。

<1>情報流通サービス基盤の提供に向けた研究開発
      「情報流通サービス基盤」の構築と実用化に向けた研究開発を強化するため、当面、R&Dを以下の7つの戦略に重点化し、これに沿った基盤技術の研究開発への「選択と集中」を進めることにより、スピーディで競争力の高い新サービスの提供を可能とします。

(i) 光アクセスの高度化
 光ファイバの能力を技術の進歩に応じて引き出し、品質・経済性・拡張性など多様化するアクセスサービスへの要求に対応
(ii) コアネットワークの大容量化・高機能化
 増大するIPトラヒックに対応するため、多様なサービス展開を可能とするブロードバンドIP網や、光技術を駆使したフォトニックネットワーク*22を実現
(iii) 情報流通プラットフォームの高度化
 セキュリティ、ヒューマンインターフェース、映像管理などのR&D技術の強みを活かして上位レイヤビジネスの差異化につながるプラットフォーム製品を提供
(iv) ローミング技術の確立
 利用場所やネットワークアプライアンス(端末)の違いによらないシームレスな情報流通サービスを実現
(v) 高速ワイヤレスアクセスとワイヤレスホームリンクの実現
 有限な電波資源を有効活用し、アクセスの容易性とネットワークアプライアンス(端末)のポータビリティを実現
(vi) ネットワークアプライアンス(端末)の多様化
 高速ネットワークと増大するコンピュータパワーを活用し、処理機能を柔軟に配置した新たなサービスアーキテクチャを提案
(vii) ソフトウェアサービス技術の確立
 ネット上で様々なソフトウェアを連携させて多様なサービスを創出するための基盤となる技術を確立
    
<2>未来を拓く先端技術の研究
      技術変化の激しい情報流通市場で企業グループとしての持続的発展を支えるため、グループの長期的な事業戦略に沿ってネットワーク技術の壁を超えるための物性基礎及びコミュニケーション技術の壁を超えるためのコミュニケーションサイエンスの基礎研究に取り組むとともに、その成果を活かして革新的な基盤技術を生み出し、グローバルなグループ競争力の強化を図っていきます。


2.国際事業の着実な展開
    

(1)

 NTTグループは、これまでに構築してきた事業基盤や戦略的パートナーとの強固な連携を活かしながら、IP分野については、高速IPネットワークサービス・高付加価値ホスティングサービス等を中心としてグローバルに展開するとともに、モバイル分野については、モバイルマルチメディアサービス・W-CDMA*23による第3世代移動通信サービスをグローバルに展開するなど積極的に国際事業を推進していきます。その際、事業を取り巻くグローバルな経営環境が激しく変化していることを踏まえ、出資先事業の「選択と集中」を推進するなど「リターン重視」の事業運営を行っていきます。

<1>

 NTTコミュニケーションズは、世界的なIT不況を背景とする事業環境の変化に対応していくため、米国ヴェリオ社については不採算事業の徹底した合理化と高付加価値なホスティング*24事業等への経営資源の集中により、また、Arcstar*25事業についても徹底したコスト改善により、早期黒字化を図るとともに、両者の統合を促進し効率的な事業運営体制を確立します。

<2>

 NTTドコモは、欧州におけるiモードサービスの開始を皮切りに、今後とも海外パートナーに対してモバイルマルチメディアサービス及びW-CDMAによる第3世代移動通信サービスに関わる技術・ビジネスノウハウ等を提供することにより、出資先の企業価値の向上を図るとともに、新たな成長機会の確保とグローバル競争力の強化を図ります。このため、今後は、出資を伴わない技術ライセンス契約も含めた海外投資・提携戦略の多様化を図ります。

(2)

 持株会社は、今後の事業環境の変化に迅速・的確に対応するため、グループ各社の出資先事業等についてよりきめ細かなモニタリングを行い、リスク管理・事業管理を徹底します。


3.構造改革による財務基盤の確立
    
 NTTグループは、業務の抜本的なアウトソーシングに併せて、退職・再雇用及び地場・業種賃金を反映した賃金水準の導入など雇用形態の多様化を図るとともに、諸手当等労働条件の見直しを行いつつ、約10万人の人員流動を行うことにより、事業の抜本的な構造改革を実施し、アウトソーシング会社を含めた新たなグループフォーメーションの下で、財務基盤の確立を図っていきます。

(1)コスト競争力の強化
    

<1>

 東西地域会社は、本年5月1日からの構造改革による新たな業務運営体制の下で、傘下のアウトソーシング会社と緊密に連携し、ユニバーサルサービスの確保をはじめとした良質かつ安定的なサービス提供の確保に努めることはもとより、引き続き退職・再雇用の仕組みにより人件費の抑制を図るとともに、アウトソーシング会社においてもグループ内外からの積極的な受注拡大等を通じて東西地域会社からの受託業務のコストダウンを図ることなどにより、東西地域会社グループトータルとしてコスト競争力の強化を推進していきます。

<2>

 固定電話市場の縮小や移動電話市場の成熟化等を踏まえ、グループトータルとして設備投資水準の圧縮を図ることとし、とりわけ東西地域会社においては、アクセス網の光化への投資を大幅に増加する一方で、固定電話網及び固定電話系オペレーションシステムへの投資を原則停止することにより、ピーク時の半分程度に絞り込んだ設備投資額の水準を維持していくこととします。
 これと同時に、Q/S方式*26による調達を全調達財に適用するとともに、国際市場価格データ連動型資材調達ツールを活用した価格交渉を推進することなどにより、資材調達の効率化に努めていきます。
    
(2)不採算サービスの整理・統合
    

<1>

 携帯電話の普及に伴う収益の急激な減少等により大幅に収支が悪化している公衆電話事業については、ユニバーサルサービスの確保に配意しつつ、低利用公衆電話の一層の削減を推進するとともに、IC公衆電話の在り方の見直しを進めるなど、徹底したコスト改善の取組みを行っていきます。

<2>

 クイックキャストサービス(旧称ポケットベルサービス)については、近年加入数が激減している状況を踏まえ、更なるコスト効率向上策をはじめとした総合的な見直しを実施します。また、PHSサービスについては、音声通信手段としての役割の低下を踏まえ、データ通信に特化したサービスとして存続の可能性を検討していきます。

<3>

 加入電信サービスや回線交換(DDX-C)サービスについては今年度内を目途に廃止し、また、ファクシミリ通信網サービスについては、2002年度末を目途にバックボーン設備をIP網へ統合することにより効率化を図ります。
    
(3)ノンコア資産の売却等による価値の顕在化・バランスシートのスリム化
    
<1>優良ノンコア事業の株式上場
      グループ全体として潜在価値の顕在化・バランスシートのスリム化を図る観点から、ノンコア事業のうち、十分な市場競争力を持ち業績も好調なものについて、市場の状況を見極めつつ、積極的に株式上場を検討していきます。
    
<2>東西地域会社保有不動産の売却推進
      構造改革の進展により遊休化する東西地域会社保有の不動産については、資産効率の向上及び不動産保有コストの削減を図るため、積極的に売却を進めていくこととします。
    
(4)成果・業績重視の人事・賃金制度改革
    
 NTTグループは、従来から処遇における年功的要素や画一性を極力排するとともに、個人成果・業績の反映幅の拡大に取り組んできましたが、これを更に推進する観点から、本年4月より、管理職の月例給の5〜10%をボーナス原資に充当し個人成果反映割合を拡大するとともに、今年度末より、一般社員も含め退職手当については毎年の個人業績を加味して一定金額を年々積み上げる仕組み(ポイント制)とするなど、個人の積極性やチャレンジ精神を最大限に引き出す制度改革を実施します。


4.株主重視の経営
    
(1)株主価値向上に向けた取り組み
    
 政府保有株の放出により一般株主の比率が過半数を超える状況の中で、グループ各社はより一層「株主重視」を経営の基本に置いた事業活動を行っていきます。
 また、商法改正等により弾力的な資本政策が可能となる制度的枠組みが整備されつつあることを踏まえ、中期的なキャッシュフローの状況等に配意しつつ、株主還元策として自己株取得を検討していきます。
    
(2)IR・ディスクロージャーの充実
    
 投資家に提供する情報を質・量ともに充実させ、経営の透明性を高めるため、年度決算・中間決算発表の早期化等に引き続き取り組むとともに、新たに四半期毎に経営情報(主要サービス契約数、ユーザ当たり月額使用料)の開示を行うこととします。
 また、経営陣による経営戦略・方針の説明機会を増やすとともに、グループ企業の参加等により説明会の充実を図るほか、IR用ホームページ等を一層充実させることにより、個人株主に対する公平な情報開示に努めていきます。
    
(3)企業倫理の徹底
    
 NTTグループは、構造改革に伴う大幅な業務運営体制の変更や新たな事業領域の開拓、グローバルな事業展開など事業環境が大きく変化する中にあって、法令・契約を遵守することはもとより、社会的良識に基づいて行動し、公正・透明な事業活動を行うことが益々重要になるとの認識の下、株主・お客様・取引先・社会等から信頼される企業グループであり続けることに最善の努力を尽くします。


5. 持株会社方式の下でのグループフォーメーションの機動的見直しと規制問題への対応
    

(1)

 NTTグループは、今回の構造改革により、グループフォーメーションをアウトソーシング会社を含めた新たな体制に変更しましたが、今後とも、市場環境の変化に対応するため、グループフォーメーションの見直しを機動的・弾力的に実施していきます。これに伴い、現行法規制の見直し等が必要になる場合は、関係各方面の理解が得られるようお願いしていく考えです。

(2)

 各事業者の競争を通じてブロードバンド(光)市場を活性化していくためには、ブロードバンド(光)インフラに対する事業者の投資インセンティブを高めることが必要であり、接続料問題における長期増分費用(LRIC)方式の早急な廃止など、従来の電話(メタル)を前提とした競争政策の抜本的な見直しを関係各方面にお願いしていく考えです。


III .経営(財務)目標
    
 NTTグループは、2004年度に連結ベースで営業利益1兆5,000億円(2001年度見込み:8,670億円)、EBITDAマージン32%(同:30%)、フリーキャッシュフロー9,900億円(同:3,500億円)、ROCE7%(同:4%)の達成を目標とします。【別紙参照】
 この目標を達成するため、連結ベースでは移動通信事業の拡大等により増収・増益を確保するとともに、固定通信事業については、構造改革による徹底した経営の効率化により、減収傾向の中で赤字解消を達成し増益を確保していきます。




【用語解説】

*1   ユビキタス(ubiquitous)化
インターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできるようになること
*2   ブラウザフォン
ブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)機能を搭載した携帯電話/PHS
*3   モバイルEC
移動通信ネットワークを介した電子商取引(Electronic Commerce)
*4   VoIP (Voice over IP)
IPネットワークを用いて行う音声通信技術
*5   Bフレッツ
東西地域会社が2001年8月に開始したFTTHサービス
*6   CUG (Closed User Group service)
あらかじめ登録した特定のメンバー相互間だけで利用可能なサービス
*7   ローミング(roaming)
自分が契約したものとは異なる事業者やネットワークなどを利用して、同様のサービスを受けられるシステム
*8   プラットフォーム (platform)
認証や課金管理、著作権保護などの機能を提供し、情報流通の基盤となるシステム
*9   コンテンツホルダー (contents holder)
映像、音楽、ゲームソフト等の著作物の権利保持者
*10   コンテンツ配信ネットワーク (Contents Delivery Network)
映像等のブロードバンドコンテンツをサーバの分散配置などにより効率よく配信するネットワーク
*11   ポータル事業
インターネット利用者がアクセスして最初に立ち寄るサイトを運営する事業
*12   PtoP(Peer-to-Peer)通信
利用者間で直接メッセージ交換やファイルのやり取りができる通信方式
*13   モバイルマルチメディア
移動体通信を利用したインターネット利用やデータ通信利用
*14   PDA (Personal Digital Assistant)
スケジュール管理やメールの送受信等が可能な携帯情報端末
*15   ITS (Intelligent Transportation Systems)
道路・車間、車・車間の通信システムを利用して事故削減、渋滞解消などを図る高度道路交通システム
*16   IP-VPN (Internet Protocol - Virtual Private Network)
IPネットワーク上に、第三者がアクセスできない仮想的な私設網を設定して、特定ユーザの専用網のように通信させるサービス
*17   1類、2類、3類、4類会社
グループ会社の分類。1類は東西地域会社、2類はNTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTドコモ、3類は経営資源活用会社、4類は新事業開拓会社
*18   ASP (Application Service Provider)
アプリケーション・ソフトをインターネット経由でユーザに利用させるサービス事業者
*19   ESCO(Energy Service COmpany)事業
電力、ガスなど光熱費削減を提案し、電力設備を自ら建築して顧客に提供する省エネルギーサービス事業
*20   オンサイト発電
需要地に近接して分散配置される小規模発電システムで、コージェネレーション(併熱供給発電)、太陽光発電、風力発電、燃料電池などの総称
*21   光ソフトサービス
臨場感溢れるコンテンツの流通等、光ネットワークというハードウェアの上で情報流通プラットフォームやアプリケーション等のソフトウェアが実現するサービスの総称で、「光」と「ソフト」を組み合わせたNTTの造語
*22   フォトニックネットワーク
情報の振り分けなどを極力光信号のままで処理することで実現される、超高速・超大容量なネットワーク
*23   W-CDMA (Wideband Code Division Multiple Access)
第3世代携帯電話のうち、NTTドコモが採用する方式
*24   ホスティング
通信事業者が設置したサーバを、レンタル利用できるサービス
*25   Arcstar
NTTコミュニケーションズ(及びその海外提携企業)が提供する、専用線・フレームリレー等の企業向け国際データ通信サービスの総称
*26   Q/S方式
調達財毎に、技術的に納入資格を与えた(Qualified)サプライヤのうち、最低価格を提案した(Selected)サプライヤからのみ調達する方式




 本経営計画に含まれる将来の予想に関する各数値は、現時点における情報に基づき判断したものでありますが、今後、日本経済や情報通信業界の動向、新たなサービスや料金水準等により変動することがあり得ます。
 従って、当社として、その確実性を保証するものではありません。



別紙 3ヵ年経営目標(連結ベース)



News Release Mark
NTT NEWS RELEASE