3. レゾナントコミュニケーション環境の実現

 精細な映像等が双方向(インタラクティブ)に、グローバルかつユビキタスにネットワークで結びつくレゾナントコミュニケーション環境では、進化したパソコン・携帯・情報家電等、OS(*6)やプロトコル(*7)まで含む端末群や地域LAN、無線LAN等の各種多様に高度化したアクセス手段など、ユーザの利用環境の如何に関わらず、“安全”、“確実”、“簡単”に不特定多数の通信相手と接続し、情報流通を可能とすることが必須となります。
 NTTグループは、従来の高速・広帯域のベストエフォート型通信(インターネット)サービス(*8)に加えて、高度化するユーザの多様なニーズに対応し、サーバクライアント型(*9)では実現が困難なエンド・ツウ・エンド型の高度の接続(リアルタイムコネクティビティ(*10))や品質、セキュリティが保証された信頼性の高いネットワークサービスの提供など、時代のニーズ、IT市場の変化を先取りしながら、グループの有する経営リソースをダイナミックに最大限活用し、光による本格的なレゾナントコミュニケーション環境の早期実現に向け全力で取組みます。

【レゾナントコミュニケーション環境を支えるネットワークイメージ】

【レゾナントコミュニケーション環境を支えるネットワークイメージ】

(1)

レゾナントコミュニケーション環境を支える “エンド・ツウ・エンド型“ネットワークサービスの提供
<1> コネクティビティの確立
IPv6技術(IPv4/IPv6(*11)の共用)をベースとして、ユーザの利用環境を認識・管理するための高度なデータベース機能(プレゼンス機能(*12))、接続のためのセッション制御機能(*13)、また、ユビキタス通信するためのMobile IP機能(*14)等をネットワークに具備することにより、“確実”、“簡単”に“いつでも、どこでも、誰(何)とでも”双方向の映像通信を可能とするリアルタイムなコネクション(1対1〜n対n)を実現する“エンド・ツウ・エンド型”ネットワークサービスを提供します。
これにより、利用する場所や端末、アクセス手段に依存しない、優れたユーザビリティーを提供し、あらゆる個人、コミュニティ、企業等のコミュニケーションと、それをベースとした新たなビジネスモデルの実現を目指します。
<2> 速度・品質・信頼性等の保証
大容量・高品質な映像配信やリアルタイム・双方向性のある映像コミュニケーションサービス等を提供するためには、従来のベストエフォート型の通信では、スループットの低下(*15)やパケット損失(*16)がサービス品質に大きく影響します。このため、優先制御・接続制御、光ルータ(GMPLS(*17))技術等により、ユーザが要望する“安全”、“確実”な速度、品質、信頼性などの保証ができ、かつ様々なサービス水準の拡張性に優れた経済的なネットワークサービスを提供します。
<3> セキュリティ機能の強化
成り澄まし等のネットワークへの侵入阻止や顧客情報の保護をダイナミックなセキュアチャネル技術(*18)等により実現するとともに、サイバーテロ等ネットワークそのものへの外部からの攻撃に対する防御技術により、“安全”、“安心”なネットワークサービスを提供します。
<4> アクセスネットワーク等の高度化
多様化、高度化する地域LAN等のアクセスや端末など、ユーザの利用環境の変化に対応して、ユーザビリティに優れネットワーク機能と連携した端末群の開発を進めるとともに、電話の時代に作られた現在の置局ポイントにとらわれず、柔軟なエリア展開や高品質で信頼性の高いサービスを可能とする、光ファイバーを中心としたアクセスネットワークの構成について検討を進め、多様なアクセスメニューを提供します。
<5> 多様なサービス料金の実現
個人、コミュニティ、企業等が、様々なサービスを自由に選択したり、新たなビジネスモデルの形成を促進できるよう、低廉で多様なサービス料金体系を実現します。

(2)

プラットフォームサービス等の提供
 “エンド・ツウ・エンド型”ネットワークサービスに加え、個人、コミュニティ、企業等における、利便性の高いビジネスソリューションをサポートするプラットフォームサービスを提供します。
新しい多様なサービスの提供、ビジネスモデルやビジネス機会の創出をサポートするシングルサインオン(*19)、課金等の機能を提供します。
音声対話を用いてユーザ要求を正確に理解し、ユーザ嗜好とのマッチングや高度な検索を実現することで、氾濫する情報の中からユーザの望む情報を的確かつ迅速に入手できるエージェント機能(*20)を提供します。

(3)

先進的ビジネスモデルの開拓
 個人や企業は、自ら有する様々なリソース(ノウハウ、知識、コンテンツ等)とレゾナントコミュニケーション環境によるネットワーク機能との相乗効果により、ブロードバンドの新たな利用形態やサービス、ビジネスモデルを創出することが可能となります。
 NTTグループは、光の需要開拓やビジネスソリューション等の取組みを通じて先進的ビジネスモデルを積極的に開拓するとともに、国内外を問わない様々な分野のビジネスパートナーとの連携を通じて、ビジネス分野におけるレゾナントコミュニケーション環境の更なる促進に取組みます。

 具体的なアクションプランとしては、
<1> 「e-Japan重点計画」、「構造改革特区構想」等に沿った国、自治体等の施策や実証実験に、研究開発の早い段階から積極的に参画し、雇用、環境、安全、教育、地域活性化などの社会的課題の解決に取組みます。
<2> 金融、物流、製造、教育分野などの企業と連携して、バリューチェーンを変革する新たなソリューションやビジネスモデルの開発に取組みます。
<3> 欧米やアジアの国々と連携して、グローバルレベルでのワンストップソリューション(*21)、セキュリティサービス等の提供を通して、レゾナントコミュニケーション環境のグローバル展開を図ります。
<4> 女性、シニアなどのコミュニティやNPO(*22)等の団体との連携、更には個人活動のネットワーク化の支援を通して、個人が有する“知”や“価値”を活かしたビジネス機会の創出に取組みます。
<5> 放送業界等と連携して、デジタル放送とブロードバンドを組み合せた光による新たなサービスやそれに付随するプラットフォームを提供するなど、通信と放送の連携による新たなビジネスモデルの開発に取組みます。



【用語解説】

*6  

OS(Operating System)
コンピューターでプログラムの実行を制御するための基本ソフトウェア

*7  

プロトコル(Protocol)
ネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行なうために決められた通信手順、通信規約

*8  

ベストエフォート型通信(インターネット)サービス
サービスの品質(QoS)の保証がない通信ネットワーク、あるいは通信サービス

*9  

サーバクライアント型
コンピュータシステムにおける分散処理形態の一つで、ユーザー(クライアント)はサーバーに処理を要求し、サーバーがその結果をクライアントに返すモデル

*10  

リアルタイムコネクティビティ
電話のように、ネットワークを通じてユーザ同士を直接、即時に接続する通信のこと

*11  

IPv4/IPv6
IPv4:現在のインターネットで利用されているインターネットプロトコル
IPv6:IPv4に比べ、管理できるアドレス空間の増大、セキュリティ機能の追加等の改良を施した次世代インターネットプロトコル

*12  

プレゼンス機能
通信相手やネットワークの状態、あるいは利用可能なサービスなどの情報を常に把握し、管理する機能

*13  

セッション制御
エンドユーザ間の通信を行うために設定する論理的なコネクションを制御すること

*14  

Mobile IP機能
端末が別のエリアに移動した際にも、端末(ホームアドレス)宛の情報を、端末の移動先へ転送する技術。固定IPアドレスを持ち回り、移動先でも同じ環境でIP通信が可能となること

*15  

スループットの低下
トラヒックの集中等によりネットワークの処理能力が低下し、パケット転送速度が低下する現象

*16  

パケット損失
パケット転送中、ノイズによるエラー等により、一部のパケットが失われること

*17  

GMPLS(Generalized Multiprotocol Label Switch)
光ネットワーク上の信号をルーチングするための技術で、光信号の波長を元にルーチング経路を決定したり制御専用のIPチャネルを用意して実データは光信号のままルーチングを行うこと

*18  

セキュアチャネル技術
セッション制御と暗号化処理を連動させセキュリティを動的に制御することで、どこにいても安全な通信を実現する技術

*19  

シングルサインオン(Single Sing-On)
ネットワークへ1回のログインでさまざまなシステムへの認証を済ませる技術で、ユーザは一度認証を受けるだけで、許可されている全ての機能の利用が可能

*20  

エージェント機能
ユーザの代わりに与えられた仕事をネットワーク上で自動的に支援・代行処理することができる機能

*21  

ワンストップソリューション(One-stop Solution)
一箇所の窓口で、関連する全ての商品やサービスを提供できるように設計された営業・販売の形態

*22  

NPO(Non Profit Organization)
営利を目的としないボランティアや民間援助団体などの民間非営利団体


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