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2003年10月22日 |
NTTの開発した大容量マルチアプリケーションICカードが
GlobalPlatformTMV2.1仕様への準拠の承認を世界ではじめて獲得
−搭載可能なアプリケーションやデータを飛躍的に増やし、
本格的なマルチアプリケーションを可能に− |
日本電信電話株式会社(以下、NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)は、世界最大級のメモリ容量(1MB)を備えたICカードを開発してまいりましたが、この度、この大容量ICカードが、1999年に業界横断的に各種の企業や組織が集まり設立したコンソーシアムであるGlobalPlatformTM(※1)により、金融分野等でのマルチアプリケーションICカード(※2)のプラットフォームのデファクト標準と認められているGlobalPlatformTMV2.1仕様への準拠を世界で初めて承認されました。NTTでは、新しいカード用ソフトウェアを開発することで、この大容量ICカードが、この仕様に準拠することを可能にしました。
このICカードは、従来のGlobalPlatformTMカードに比べ大容量のメモリを搭載しているため、搭載可能なアプリケーションプログラム数が5〜6倍になるとともに、バイオメトリクス認証(※3)に必要な、指紋等の生体識別情報等の大量データも搭載可能になりました。さらに、非接触型インタフェース(※4)、C言語(※5)で作成されたプログラムの実行機能等、従来のGlobalPlatformTMカードにはない特徴を備えております。
このような機能や特徴により、電子チケット、電子マネー、入退出管理カード等の非接触性と高速性を重視する分野への適用も可能になるため、金融分野のみならず多様な用途に利用できる本格的なマルチアプリケーションICカードを実現することができました(図)。
<開発の背景>
NTTは、従来から、多目的を指向したマルチアプリケーションICカードを開発してきており、また、GlobalPlatformTMには設立当初から参画してきました。
従来のGlobalPlatformTM カードは、ダウンロードしたアプリケーションプログラムを格納するメモリの容量が16KBから64KB程度であるため、ダウンロードできるアプリケーションは最大でも5〜6本程度でした。このようにメモリ容量が不十分なため、アプリケーションを同時に多数搭載することや、バイオメトリクス認証のような大量データを格納することは困難でした。また、接触型インタフェース(※6)だけしか持たないものが多いこと、アプリケーションプログラムはJava言語(※7)でしか作成できず処理速度が十分でない場合があることから、非接触型インタフェースと高速処理が重視される入退出管理カード、電子マネー、電子チケット等の分野には適用しにくい状況でした。
<本ICカードのポイント>
| (1) |
世界で初めてGlobalPlatformTMV2.1仕様への準拠の承認を獲得 |
マルチアプリケーションICカードのデファクト標準と認められているGlobalPlatformTMのバージョン2.1(V2.1)仕様への準拠が、世界で初めて承認されました。
| (2) |
GlobalPlatformTMカードとして世界最大級のメモリ容量1MBを達成 |
NTTで開発した大容量ICカードを使用することによって、世界最大級のメモリ容量1MBを達成しています。ダウンロードしたアプリケーションプログラムを格納するメモリ容量も300KB以上あり、従来の5〜6倍のアプリケーションプログラムを搭載可能にしました。また、100KBを超えるようなバイオメトリクス認証用データも同時に搭載可能にしました。
| (3) |
非接触型インタフェースも利用可能とし、入退出管理カード、電子マネー等の操作性を大幅に向上 |
ISO7816接触型インタフェースだけでなく、ISO14443TypeB非接触型インタフェースも利用可能にしました。これによって、ICカードリーダライタにカードを近づけるだけで処理が完了できることから、GlobalPlatformTMカードを利用した入退出管理カード、電子マネー等の操作性を大幅に向上することができるようになりました。また、アプリケーションプログラムは、接触型と非接触型インタフェースのどちらが使用されているかを意識する必要がないようにしているため、既存の接触型インタフェースに対応したアプリケーションプログラムに手をほとんど加えずに非接触型インタフェースでも利用可能になります。
| (4) |
C言語プログラムの実行も可能とし、高速性を重視する電子チケット等へ適用先を拡大 |
1部のアプリケーションプログラムについては、仮想マシンが必要なJava言語だけではなく、CPUが命令を直接実行可能な形式を生成するC言語によって作成することを可能にしました。さらに、これらのアプリケーションプログラムについては、カード活性化時に最初に起動できる機能を実現しました。これらによって、電子チケットのような高速性を重視するアプリケーションプログラムでも実用的な処理性能が得られるようにしました。
<今後の展開>
今後、本ICカードを各分野に展開するために、GlobalPlatformTM仕様の特徴であるカードへのアプリケーションプログラムのダウンロード等を提供するICカードプラットフォームを整備していきます。 従来から、NTTでは、必要な時にアプリケーションプログラムを、インターネット等のネットワークを経由して安全にICカードへダウンロードすることが可能なICカード情報流通プラットフォームNICE(※8)を開発してきました。このNICEをGlobalPlatformTMカードに対応させることにより、ICカードプラットフォームも提供していく予定です。
<用語解説>
1999年に業界横断的に各種の企業や組織が集まり、設立したコンソーシアム。主に金融分野をターゲットしたマルチアプリケーションICカードのアーキテクチャや、アプリケーションプログラムをダウンロードするためのコマンド仕様等を規定したGlobalPlatformTM仕様を策定している。
1枚のICカードに複数のアプリケーションプログラムを搭載可能なICカード。1枚のICカードで複数のサービスへ適用可能になるため、利便性が向上する。
指紋,虹彩,声紋などの身体的特徴を利用することにより人物を認識する方法。
ICカード内部にコイル(アンテナ)を埋め込み、ICカードリーダにICカードを接触させないでデータ通信を行う方式。
構造化プログラミングが可能なコンパイラ方式のプログラミング言語。C言語で記述されたCプログラムはCコンパイラによりCPUが直接実行できるコード(ネイティブコード)に変換されるため、中間コードに変換されるプログラミング言語の方式と比較して高速処理に適している。
6ピンもしくは8ピンの外部端子によりICカードとICカードリーダライタが接触してデータ通信を行う方式。
オブジェクト指向型プログラミング言語。Java言語で記述されたJavaプログラムはJavaコンパイラにより、一度、中間コードに変換され、この中間コードが仮想マシン(JavaVM)上で実行される。このため、JavaVMが動作する環境ならば、CPUなどが異なった動作環境でも、Javaプログラムを変更せずに動作させることができるため、移植性に優れている。
Network-based IC Card Environment。 NTTが開発したマルチアプリケーションICカード情報流通プラットフォーム。利用者が必要な時に、ネットワーク経由でICカード上のアプリケーションプログラムを安全にダウンロードしたり、ダウンロードしたアプリケーションプログラムを安全に削除したりすることができる。
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Java及びその他のJavaを含む商標は、米国及びその他の国における米国Sun Microsystems, Inc. の米国及びその他の国における商標または、登録商標です。 |
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・大容量GlobalPlatformTM ICカードの応用分野 |
【本件に関するお問い合わせ】
NTT情報流通基盤総合研究所
企画部 広報担当 遅塚(ちづか)、佐野、井田
TEL:0422-59-3663
E-mail:koho@mail.rdc.ntt.co.jp |
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