News Release

2004年3月8日


ネットワーク管理技術を応用したサービス制御プラットフォーム
『ホームサービスハーモニー』を開発
〜電話、PC、テレビなど、ホームネットワーク内の
異なる情報家電の連携による快適な生活環境を実現〜


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)は、ホームLANなどのホームネットワークを介して提供される電話、PC、テレビなど、複数の情報家電の異なるサービスの相互連携環境を利用者の立場に立って制御する技術『ホームサービスハーモニー』を開発しました。
 本技術は、NTTで培ってきたネットワーク管理技術を背景として、単なる情報家電機器の遠隔集中制御を超えて、居住者の個々人それぞれにとって快適となるように複数の異なるサービスの調和を図るもので、これは、各情報家電機器が、それぞれにサービスを提供するだけでなく、利用者にとってより便利で快適に利用できる環境を実現するものです。


<ホームサービスハーモニーの特徴>
(1)複数の機器の連携操作
 サービスゲートウェイ(*1) に、好みのプログラムモジュールをダウンロードすることで、ホームネットワークを通じて複数の機器を連携動作させ、様々なサービスの提供を実現します。また、家庭内のサービス利用者が快適となるように複数の異なるサービスの提供形態を調整します。
例<1>  ホームネットワークに接続されているテレビ、ビデオカメラ、IP電話を組み合わせて、映像コミュニケーションサービスを実現。
例<2>  ビデオを見ている最中に電話がかかってきた場合、電話の発信者に応じて、ベルを鳴らさずに留守番電話につないだり、電話を鳴らすと同時にビデオ再生の音量を下げたり、一時停止させたりすることが可能。
(2)ダウンロードベースのプログラムモジュール
 OSGi Service Platform (*2)仕様のダウンロードベースのプログラムモジュールによる構成とすることで、システムを動作させたまま、各種機能を拡張できるようにしました。これにより、様々なホームネットワークプロトコル(*3)やインターネットプロトコル(*4)に対応できることから、将来に渡って新しいサービスを容易に追加提供可能です。


<開発の背景>
 情報家電やブロードバンドネットワークの普及が進み、家庭用機器がネットワーク化される段階へと進んできました。多機能になる反面、これらの機器をより便利に、快適に使いこなしていくことはかえって難しくなることが予測されます。同時に音を出すサービスを1つに絞るなどの、利用者の立場に立ったサービスの提供ができず、日常生活において不便を感じている状況を解消するには至っていません。1つ1つの機器を個別に遠隔操作したり、あらかじめ決まった機器同士を通信させてサービスを行うことは、これらの機器をホームネットワークに接続して遠隔制御することにより容易になってきましたが、任意の機器を組み合わせてサービスを行ったり、複数の利用者の複数のサービス間の競合を回避したりすることはできませんでした。
 そこで、NTTでは、従来より研究しているネットワーク管理技術をホームネットワークへ適用し、ホームネットワーク内の機器、サービスの連携・調整を行うことで、簡単で使い勝手の良いサービスの実現に向けた技術開発を行ってまいりました。


<技術のポイント>
(1) 統括的サービス管理技術
 例えば、音楽を聴いているときに、電話が着信した場合に自動的に音楽の音量を下げようとすると、電話とオーディオといった、全く異種のサービス間では、統一的な制御方法がなく、どのように制御するべきか、決める手段がありませんでした。これを解決するために、サービスの受け手の見る・聞く・話す、といった能力のパラメーター化を図り、同時に提供されようとしている各サービスに割り当て、各サービスがその割り当て範囲内で自律的にサービス提供方法を調整する「統括的サービス管理技術」を開発しました。パラメーターの割り当てにおいては、ホームネットワークから収集可能なコンテキスト(*5)を解析して、各サービスの優先度を推定します。これにより、これまで困難だった全く種類の異なるサービス間で、人が不快なく複数のサービスを同時に利用できるような制御を自然に行うことを可能としました。
(2) ホームネットワーク資源管理技術
 ホームネットワークは、複数の利用者が同時に使用するものであり、様々な資源の競合が発生します。利用者が一人の場合でも、複数のサービスを使っていれば、知らないうちに資源の競合を引き起こし、サービスの品質低下や、場合によってはサービスそのものの提供ができなくなる場合がありました。これを解決するために、電話網やIP網の管理を通じてNTTが培ってきたネットワーク管理技術を応用し、ホームネットワーク上の機器の状態や使用帯域などを集中的に管理する「ホームネットワーク資源管理技術」を開発しました。これにより、どのサービスがどの資源をどれだけ使用して良いかをリアルタイムに把握することで、資源の競合を未然に防ぐことを可能としました。


<今後の展開>
 NTTでは、ブロードバンドネットワークで接続される家庭内において、より安全・安心・快適なサービス環境を実現するため、引き続き、『ホームサービスハーモニー』の適応領域の拡大を進めていきます。
 また、現在発展を続ける様々なホームネットワークプロトコルに対応できるよう、各種プログラムモジュールの開発を進めるとともに、多くのサービスが様々な方から提供できるように、OSGi等を通じて標準化、オープン化を進めていきます。


[用語の説明]
(*1) サービスゲートウェイ
サービスゲートウェイはホームネットワーク上で利用される様々なプロトコルの統合、アプライアンスの発見・管理、セキュリティの保護などを行うもので、ホームネットワークシステムの中心となるものです。具体的な形態は様々であり、独立した機器である場合や、ブロードバンドルータ・セットトップボックス・ホームサーバ・パーソナルコンピュータ等の中にその機能がある場合もあります。
(*2) OSGi(Open Service Gateway initiative)Service Platform
OSGi Alliance(http://www.osgi.org)によって策定された、家庭・自動車・モバイル等における、あらゆるタイプのネットワーク接続されたデバイスに対して、様々なアプリケーションやサービスを配布・管理するためのオープンサービスプラットフォームです。OSGiでは、配布する部品化されたプログラムモジュールをバンドルと呼びます。
(*3) ホームネットワークプロトコル
ホームネットワーク上では、機器間の通信のために、様々なプロトコルを使用します。代表的なものとして、PCやルータなどで使用されるUPnP(http://www.upnp.org/)、家電機器で使用されるEchonet(http://www.echonet.gr.jp)、AV機器で使用されるIEEE1394(http://www.1394ta.org)、電力線を用いるHomePlug(http://www.homeplug.com/)などがあります。
(*4) インターネットプロトコル
ホームネットワーク上では、公共通信網を介した通信のために、様々なプロトコルを使用します。インターネットプロトコル(IP)はそのベースとなるものです。この上に、IP電話のためのSIP(Session Initiation Protocol)、電子メールのためのPOP、IMAP、SMTPなどがあります。
(*5) コンテキスト
利用者とサービスとを取り巻く様々な情報です。利用者の位置・使用しているサービス内容など利用者の現在の状態、利用者の嗜好・プロファイル・スケジュールなどの情報、現在実行中の全サービスや機器の状態・ネットワークの使用帯域などのホームネットワークの状態、天候や季節・時刻などの環境など、あらゆるものを含みます。



(別紙1)ホームサービスハーモニーの構成
(別紙2)サービス提供形態の調整例




[本件に関するお問い合わせ先]
NTTサイバーコミュニケーション総合研究所
情報戦略・広報担当  定方・山下
Tel : 046-859-2032
e-mail : ckoho@lab.ntt.co.jp


NTT ニュースリリース

Copyright(c) 2004 日本電信電話株式会社